こんにちは、こびと株(kobito_kabu)です。
現在、
- 高配当株投資
- インデックス投資(つみたてNISAやiDeCoのみ)
の両刀で資産運用をやっています。
毎月恒例企画ということで、4月の投資トピックスについて「この2つの投資にどのような影響があるか」という観点で、まとめていきます。
本記事の構成はこの通り。
- 日本株の投資トピックス
- 外国株の投資トピックス
- まとめ:高配当株投資のポジションについて
目次
日本株の投資トピックス
日本株については、以下の順番で解説します。
- 株価指数の推移
- その他指数の推移
- 4月のトピックス
①株価指数の推移(日経平均・TOPIX・J-REIT)
4月30日時点の株価は、この通り。
- 日経平均株価:28,813円
- TOPIX:1,898pt
- J-REIT指数:2,064pt
この3つの指数の、直近1年の値動きを見てみるとこんな感じです。
昨年6月~12月の「置いてけぼりでグダっていた期間」がJ-REITの買い場でしたね。
4月単月での値動きは、この通り。
- J-REIT +2.70%
- 日経平均 -1.74%
- TOPIX -3.41%
ポイントとしては、この2つ。
- 日経平均が、2月16日に3万円台を突破した後、最高値を更新できず跳ね返されていること
- J-REITにももはや割安感がなくなってきたこと
ですね。
現状のJ-REIT全体の分配金利回りは3.46%ほど。
個人的には、全体で約4.0%ぐらいの水準(個別銘柄を見ると、5~6%のものが結構ある)が、買っても良いかな~という時ですね。
(出典:一般社団法人 不動産証券化協会)
※割安感に欠ける状況ですが、個別銘柄ではなく「J-REIT全体=指数そのもの」にコツコツと積立投資するならば、今の相場感を気にしすぎる必要はないかなと。
J-REIT全体に「ファンド1本」で投資する方法に興味がある方は、こちらの動画をご覧ください。
3度目の緊急事態宣言により、日本国内の消費はまた一段と冷え込むことが想定されています。
②その他指数の推移
この2つをチェックしときます。
- 景気動向指数
- 景気ウォッチャー指数
ざっくりとした景気の雰囲気を掴むのに大事だからです。
- 景気回復の「勢い」「ペース」
を探るための参考として眺めています。
①景気動向指数は、この通り。
2月の数値(4月26日公表)は、98.7となりました。
(出典:景気動向指数 速報からの改訂状況)
グラフの通り、2020年4月以降、明らかな景気回復トレンド(右肩上がり)です。
景気動向指数は、
- 景気全体の現状を知ったり
- 将来の動向を予測したりするときに
使われる経済指標です。産業、金融、労働など、経済に重要かつ景気に敏感な28項目の景気指標をもとに指数が算出されています。
色々な指標をミキサーに入れてスイッチをいれると、1つの「景気動向指数」ができるというイメージです。
2月は
- 企業間で取引する、材料や石油などの商品価格が上がってきた←景気が良くなる前兆
- 消費者心理(今後6ヵ月の、雇用・収入の増え方・暮らし向き・耐久消費財の買い時判断など)が改善した
などで、前月比0.6ポイントのプラスになりました。
景気動向指数を見る上で大切なのは、この2つ。
- この数カ月、プラストレンドか?マイナストレンドか?
- プラス幅(又はマイナス幅)はどれぐらいか?
過去の推移を見てみると、この通り。
- 6月 84.0(前月比+5.4ポイント)
- 7月 87.2(前月比+3.2ポイント)
- 8月 89.4(前月比+2.2ポイント)
- 9月 93.0(前月比+3.6ポイント)
- 10月 94.9(前月比+1.9ポイント)
- 11月 96.9(前月比+2.0ポイント)
- 12月 97.2(前月比+0.3ポイント)
- 1月 98.1(前月比+0.9ポイント)
- 2月 98.7(前月比+0.6ポイント)←New!!
結局、先月も触れたとおり
- 景気は回復トレンド=前月比プラスで推移しているけれど
- プラス幅は減ってきている
ということ。
次に、②景気ウォッチャー指数はこの通り。
3月は49.8ポイント(前月比-1.5ポイント)となっており、「好景気」の判断の分かれ目となる50を下回りました。
銀座のママさんやタクシーの運転手さんが「好景気とまでは言えないんじゃない?」と判断しているということです。
緊急事態宣言を受けても、そこまで下落しませんでしたね。
(出典:景気ウォッチャー指数4月8日公表)
百貨店・スーパーマーケット・コンビニなどの小売店やレジャー業界で働く人、タクシー運転手など、景気に敏感な職種の約2000人にインタビューし、調査結果を集計・分析して発表するもの。
現状、飲食・宿泊などの非製造業は6社に1社が赤字です。これは12年ぶりの水準で、好景気と呼ぶには程遠いですね。
※これから大企業の決算発表が本格化するので、面白いものがあればすぐに共有します。
③4月のトピックス
国内、4月のトピックスはこの2つです。
- 緊急事態再々宣言
- 日銀、物価目標2%未達
まず1つめ。
「緊急事態宣言」が再び発令されました(3回目)。
実施期間・実施区域は次の通り。
(出典:内閣官房)
野村総研の試算によると、上記4都道府県への緊急事態宣言により
- 約6,990億円の消費が失われ
- 失業者が2万7,700人増加する
とのこと。
「夢の億り人」が6,990人いなくなるぐらいの経済インパクトと考えると、恐ろしいですね。
これだけでも大ダメージなのですが、さらに困ったことに「緊急事態宣言が解除された後も「消費者心理」が回復しきらないんじゃない?」という懸念があります。
という状況になるには、ワクチンの接種がいきわたる必要があるからですね。
ところが、日本ではようやく「高齢者向け」のワクチン接種が始まったばかりで、全体としてはまだまだです。
ロイターのデータでは、少なくとも1回のワクチン接種をした人は英国が50%近く、米国は40%以上となっている一方、日本は1%強にとどまる。
(出典:3度目の緊急事態宣言へ、4─6月期マイナス成長のリスク)※赤字は筆者
次に2つめ。
日銀の目標である「物価上昇率2%」が未達に終わりそうです。
4月27日の「金融政策決定会合」を受けて
- 大規模な金融緩和が維持されること
- 2023年度の物価見通しが+1%であること
この2点が明らかになりました。
(出典:日経新聞「日銀、23年度も2%の物価目標未達へ 総裁「残念だ」」)
黒田総裁の任期は2023年4月までなので、任期中に2%の物価上昇率目標は達成できないということです。
でも、これは「達成できなかったわ~。もういいわぁ~」という類のものではありません。
ほどよいインフレ(物価上昇率2%ぐらい)が起きていないというのは、経済が成長していないということに他ならないからです。
※経済成長している国ならば、人々の給与は上がり、結果的にモノ・サービスがよく消費され物価も上がります
中央銀行は、これからもインフレを起こすためのアクションを起こし続けるでしょうし、実際
と宣言しています。
大量の円が刷られれば、円の価値が下がるのは必然です。
- どこでも手に入る「ありふれたモノ・サービス」の物価は、上昇しないかもしれませんが
- 一等地、株式、ゴールドなど「供給量に限りがあるもの」は、インフレを起こすはず
外国株の投資トピックス
お次は、外国株の話題です。
外国株については、この4つの順番で見ていきます。
- 株価指数の推移
- ゴールド・債券ファンド等の値動き
- 高配当ファンドの値動き
- 4月のトピックス
①株価指数の推移
日本を除くG7の主要株価指数の推移(直近1年)は、この通り。
直近1年のパフォーマンスは、こんな感じ。
- S&P500(米国):+44.60%
- DAX30(ドイツ):+39.94%
- CAC40種(フランス):+37.88%
- FTSE MIB(イタリア):+36.66%
- S&P TSX(カナダ):+30.28%
- FTSE100(イギリス):+18.43%
コロナショック以降の1年で、最も強い回復力を見せているのは米国です。
4月単月で見ると、この通り。
- S&P500とダウは、3ヵ月連続の上昇
- ナスダックは6ヵ月連続の上昇
GAFAも軒並み超・好決算を叩き出しており、S&P500は最高値を更新しています。
【速報】Amazonも好決算
・Amazon 1-3月期の純利益3.2倍
→市場予想を大きく上回る
→直後に株価は4-5%上昇
・GAFAそろって好調(下記スライドに一覧)
→ 昨日までに発表のApple, Alphabet (Google), Facebookも利益が市場予想を大きく上回り、株高 pic.twitter.com/qWAUxJY8GN— 後藤達也(日本経済新聞) (@goto_nikkei) April 29, 2021
米国株は、最高値自動更新マシーンになってますね。
※S&P500について「なんとなくしか知らん。そもそもスタンダード&プアーズってなんやねん。貧乏(プアー)なんか?」という人はこちらの動画をご覧ください。
②ゴールド・債券ETF等の値動き
ゴールドはいったん底を打って回復中です。
インフレ懸念を考えると、長期的には買いでしょう(私は、配当・利子がつかない資産が好きではないので買ってませんが)。
お次は、債券です。
投資額に対して2%~5%ほどのインカム(利息)が欲しければ、米国債券が有望な投資候補になります。
米国の優良債券ファンドを3つチェックしてみましょう。
- AGG:ローリスク・ローリターンな債券(格付け高く、利回り低い)
- LQD:ミドルリスク・ミドルリターンな債券(格付け普通、利回り普通)
- HYG:ハイリスク・ハイリターンな債券(格付け低く、利回り高い)
米国総合債券に投資する【AGG】というファンドのチャートはこの通り。現在の分配金利回りは2.06%ほど。
投資対象の約7割は、格付けがAAA(トリプルエー)の債券です。
非常~に底堅い値動きをする安全性の高い債券ファンドですが、ここ最近は「長期金利上昇」により取引値が下落しています。
今後も、金利上昇トレンドが続くでしょう。
債券を積極的に買うには、ちょっと難しい局面です。
米国優良社債に投資する【LQD】というファンドのチャートはこの通り。分配金利回りは2.65%ほど。
投資対象の約8割は、格付けがBBB(トリプルビー)~Aの債券です。ギャンブル性の低い「投資適格」な債券であるものの、AGGよりは安全性が低いです。
こちらも、ここ数年は3.5%ぐらいの利回りがとれていましたが、最近はそれほど美味しい利回りではありません。
AGGと同じく「長期金利上昇」を背景に、取引値は下落傾向にあります。
最後は【HYG】です。ゴミ債券、いわゆるジャンク債に投資するハイリスクな債券ファンドです。現在の利回りは4.64%ほど。
投資対象のほぼすべてが、格付けCCC(トリプルシー)~BBの債券です。ギャンブル性が高く、投資不適格と呼ばれる債券たちですね。
債券ですが「株式」のような値動きをするハイリスクな資産です。
先月も伝えた通り、私は
- 株価には過熱感が見られるから、あんまり多く持ってると調整(株価下落)に巻き込まれそうだし
- かといって、金利上昇で債券は下落しそうだから、株を売って債券に組み替えるの微妙だし
- 短期的には、キャッシュポジションを増やしておこうかな!
という考えです。
③インカム系ETFの値動き
私の愛する高配当株ETFについて見てみましょう。
- キャピタル(売却益)も
- インカム(分配金)も
両方狙えるポテンシャルのあるファンドたちです。
HDV、VYM、SPYDの直近1年のチャートは、この通り。
暴落直後から、力強い回復を見せてきたことが分かります。
今や、
- HDV:コロナ前の株価まで、あと少し
- VYM:コロナ前の株価をすでに回復、最高値を更新
- SPYD:コロナ前の株価をすでに回復、最高値を更新
という感じ。
- 減配したまま、二度と分配金水準が戻らない
- 暴落したまま、二度と株価が戻らない
- そのくせ、多額の信託報酬を吸われ続ける
こういった「アカン商品」に投資しなければ「元本を守りながらキャッシュフローを使って楽しく暮らす」という投資ライフは、十分に可能です。
15年後、20年後に「お金を先送り」したいなら、配当再投資がもっとも合理的ですが
- 今のうちにしか楽しめない趣味を、存分に楽しみたい
- 今、家族と豊かな時間を過ごしたい
- でも、老後の心配はしたくない
こういう人は、「配当を貰って使う」のと同時に「「給料」「副業収入」を元手に元本を積立てていく」というのも、アリだと思いますね。
「若い時の10万円は、老いてからの100万円よりも価値が高い」ということが、往々にしてあるからです。
とにもかくにも、こういった高配当株投資が成立するのも、国全体が力強く成長し続ける米国株ならでは。
④4月のトピックス
海外、4月のトピックスはこの3つです
- バイデン大統領、増税提案
- コインベース上場
- FRB、ECB緩和継続
まず1つめ。
バイデン大統領が増税を提案しています。
4月28日に発表された「米国家族計画」の中で、
- 所得税の最高税率引き上げ(37%→39.6%)
- 株式の売却益への課税強化(今の2倍の39.6%に)
といった増税案を打ち出しました。
- ①の対象は、納税者の上位1%の富裕層
- ②の対象は、年間所得100万ドル以上の富裕層
という話もあって、「お金持ちを狙い撃ちにした増税」の雰囲気が強まっています。
ウォール街やシリコンバレーの人々は
- ベンチャーキャピタリスト:金の卵を産むガチョウを殺すことになりかねない
- 資産運用大手の最高投資責任者:税収の減少につながる
といった感じで反論していますが、まぁそのうち増税されるでしょう。
株価はこのニュースを受けて一旦下落したものの、持ち直しています。
- 多少の増税はあるかもだけど
- こんなにとんでもない税率にはならないでしょ、たぶん
という予想がベースにありそうなので、今後の議会での攻防に要注目です。
(参考:ニューズウィーク日本版等)
「増税リスク」が株価下落の引き金になるということは、意識しておくべきですね。
次に2つめ。
コインベースが上場しました。
4月14日、米国最大の暗号資産(仮想通貨)交換業者「コインベース・グローバル」がナスダックに上場しました。
時価総額は一時1120億ドルを超える勢いで、話題になっていましたね。
コインベースは、ナスダック上場後も
- ドイツ取引所で手続き不備による取引停止
- CEOによる上場初日の株式売却(2.92億ドル分)
- ニューヨーク証券取引所の親会社による株式売却(12億ドル分)
(参考:Bloomberg、REUTERS、coindesk JAPAN等)
などなど、話題に事欠きません。
日本でも、暗号資産(仮想通貨)取引所の事業をやっているマネックスやGMOなど、ボロ儲けしてますね。
ビットコインETF誕生も控え、ますます過熱する暗号資産。
- 史上最大のバブルとなるのか
- 新しい時代が来ているだけなのか
最後に3つめ。
FRB、ECBが「金融緩和継続」を表明しました。
- ECB(欧州中央銀行)は理事会で、金融緩和政策の継続を決定
- FRB(米国連邦準備制度理事会)は、金融政策の現状維持を決定
※日銀も金融政策決定会合で、金融緩和策の維持を決定しています
(参考:日本経済新聞、日本貿易振興機構(ジェトロ)、NHK等)
エラい人たちは、口をそろえて「まだまだやるよ!」と言っています。
ラガルドECB総裁「不確実性が先行きの見通しに影を落としている(だから、金融緩和やめないよ)」
パウエルFRB議長「(金融緩和の見直しについては)まだそのときではない」
黒田総裁「(出口の話をするのは)時期尚早」
という感じで、お札刷りまくりはまだまだ続くようです。
要するに、株式、不動産、コモディティの値上がりはまだ続くということ。
俺たちの祭りはまだまだ終わらない!さぁ、その手に握りしめた紙幣を手放して、株を買うんだ!→そしてバブルへ
まとめ:高配当株投資のポジションについて
以上をまとめると、この通り。
- 直近1年で、J-REITのリターンがTOPIXを逆転(不動産市場も割安感なくなった)
- 日本の景況感は回復トレンドを維持するも、ペースは鈍化
- 日経平均、TOPIX、上値が重い展開続く
- ゴールドの価格下落はいったん底打ち
- 米国株絶好調(ダウ、S&P500、ナスダック、どれも強い)
- 目下の株価下落要因は「長期金利上昇」「増税」
- 世界中の中央銀行が「金融緩和継続」を明言
という感じです。
個人的には、引き続き
- iDeCoやつみたてNISAを中心としたインデックス運用はそのままに
- 高配当株は、調整に備えキャッシュの比率を高める
というスタンス。
こびと株ポートフォリオはいたって健全な運用がされており、この状況であえて「積極的な買い増し」をする必要はないと考えています。
※ここまで金融緩和しても「日本はデフレ圧力が強い」状況なので、キャッシュのままで保有するリスクは海外よりは低めです。諸外国では、すでに物価が上がり始め、日常生活にヒットしています。
お待ち頂けますと幸いです。
それではまたっ!
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