こんにちは、こびと株(kobito_kabu)です。
現在、
- 高配当株投資
- インデックス投資(つみたてNISAやiDeCoのみ)
の両刀で資産運用をやっています。
毎月恒例企画ということで、8月の投資トピックスについて「この2つの投資にどのような影響があるか」という観点で、まとめていきます。
本記事の構成はこの通り。
- 日本株の投資トピックス
- 外国株の投資トピックス
- まとめ:高配当株投資のポジションについて
目次
日本株の投資トピックス
日本株については、以下の順番で解説します。
- 株価指数の推移
- その他指数の推移
- 8月のトピックス
①株価指数の推移(日経平均・TOPIX・J-REIT)
8月31日時点の株価は、この通り。
- 日経平均株価:28,090円
- TOPIX:1,961pt
- J-REIT指数:2,143pt
この3つの指数の、直近1年の値動きを見てみるとこんな感じです。
アノマリーというのは、「法則・理論から合理的な説明ができない現象(相場での経験則)」のことを言います。
日経平均は、2020年9月以来11ヵ月連続で「月末に値下がりする」という現象が起きていました。偶然にしては、続きすぎです。
しかし、8月31日は前日比+300円で、28,000円台を回復。
アノマリーが崩れたことでトレンドが変わり、投資家心理が好転するとの見方も出ていますね。
8月単月での値動きは、この通り。
- 日経平均 +1.09%
- TOPIX +1.00%
- J-REIT +0.21%
J-REITの動きがビミョ~に冴えないのは
- 相次いで発表された公募増資がイヤがられている
- デルタ株の感染拡大に伴う景気後退懸念
- 金融緩和の縮小懸念(政府のマネーバラまきが終わり、投資マーケットが冷え込む懸念)
といったところ。
会社が、新たに不特定多数の投資家を募ること。
会社は、投資家からお金をもらう一方で、投資口(株式)を渡します。
新たな株主が増えることで、既存株主の利益取り分が薄まることが多いので、嫌がられがちです。
また、J-REITはすでにそれなりの「高値圏」にあり、これ以上の上昇余地は限定的と見られています。
(出典:JAPAN REIT)
緑色のラインを見ると、REITの平均分配金利回りは約3.3%。
これは2016年以来5年ぶりの低水準であり、過去の水準からみると高値警戒感を持つべきラインというワケ。
昔からJ-REITに投資している人は「平均で5%ぐらいないとイヤだ」っていう感覚を持っている人が多い気がしますね(当社調べ)。
J-REITは、インデックスファンドを
- (相場を読まずに)コツコツ積み立てて
- 分配金を再投資していく
これだけでもそれなりのトータルリターンを確保できる指数です。
とはいえ、今は「買い場と言える水準ではない」ということも、アタマに入れておいても良いのかもしれません。
さて、日本企業の業績の現状について見てみると…
2021年4月~6月期決算は「過去最高益」を更新しています。
上場企業の純利益の合計額が、前年同期の2.8倍、約11.3兆円です。
(出典:日経新聞「上場企業、純利益2.8倍」)
年間を通した通期ベースで見ても、前期比3~4割の大幅増益が見込まれており
という感じ。
配当金はしっかり頂けそうです。
株価がどう動こうと、枕を高くして眠っていられますね。
②その他指数の推移
この3つをチェックしときます。
- GDP
- 景気動向指数
- その他の指数
まず、①GDPについて。
内閣府が8月16日に発表した「2021年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値」は
- 前期比+0.3%(事前予想は+0.2%)
- 年率換算で+1.3%(事前予想は+0.7%)
という結果になりました。
(出典:日経新聞「4~6月GDP、実質年率1.3%増 2四半期ぶりプラス成長」)
- 事前予想より良い数字が出た
- 2四半期連続のマイナス成長にならなかった
※前回は、前期比マイナス成長。海外では2四半期連続のマイナス成長は「景気後退入り」と判断されることが多く、連続マイナスにならないかどうかは非常に重要です。
この点は、良かったですね。
とはいえ、諸外国のGDP成長率(前期比)に目を向けると
- アメリカ:+1.6%
- ユーロ圏:+2.1%
という感じで、日本経済の出遅れは目立ちます。
足元ではコロナの感染拡大が続いており、GDPが「コロナ前」の水準に回復するのは2023年までズレ込むと見ている人もいるようです。
次に、②景気動向指数(先行指数)について。
6月の数値(8月25日公表)は、104.1となりました。
(出典:景気動向指数 速報からの改訂状況)
5月の数字では「前月比マイナス」になったのでトレンドが変わったのかと思いましたが、また復活しました。
6月の数字は、前月比+1.5ポイントになっています。
景気動向指数は、
- 景気全体の現状を知ったり
- 将来の動向を予測したりするときに
使われる経済指標です。産業、金融、労働など、経済に重要かつ景気に敏感な28項目の景気指標をもとに指数が算出されています。
色々な指標をミキサーに入れてスイッチをいれると、1つの「景気動向指数」ができるというイメージです。
景気動向指数を見る上で大切なのは、この2つ。
- この数カ月、プラストレンドか?マイナストレンドか?
- プラス幅(又はマイナス幅)はどれぐらいか?
過去の推移を見てみると、この通り。
- 6月 84.0(前月比+5.4ポイント)
- 7月 87.2(前月比+3.2ポイント)
- 8月 89.4(前月比+2.2ポイント)
- 9月 93.3(前月比+3.9ポイント)
- 10月 95.2(前月比+1.9ポイント)
- 11月 97.1(前月比+1.9ポイント)
- 12月 97.5(前月比+0.4ポイント)
- 1月 98.3(前月比+0.8ポイント)
- 2月 99.2(前月比+0.9ポイント)
- 3月 102.4(前月比+3.2ポイント)
- 4月 103.8(前月比+1.4ポイント)
- 5月 102.6(前月比−1.2ポイント)
- 6月 104.1(前月比+1.5ポイント)←New!!
- 新規求人数が増えていたり
- 消費者マインドが改善していたりと
多少、明るい兆しがありますね。
引き続き、トレンドを注視していきます。
最後に③その他の指数について。
消費者物価指数(8月20日発表)は、前年同月比-0.2%。
※2021年7月発表分より、指数の算出基準が変わりました(5年ごとの基準改定によるもの)。
(出典:日経新聞「7月の消費者物価0.2%下落、12カ月連続マイナスに」)
新基準での物価指数では、12ヵ月連続の物価マイナスということになりました。
ちなみに、新・旧の比較はこの通り。
旧基準(赤線)だと、物価上昇率が前年同月比プラスに転じてたんですけどね。
- 外国企業(または外国で稼ぐ日本企業)への投資でお金を増やして
- 「安いニッポン」でお金を使う
これが、ますます合理的な選択になりそうな雰囲気です。
雇用統計を見てみると、
(出典:日経新聞「7月失業率2.8%、2カ月連続で改善 有効求人倍率1.15倍」)
どちらも、改善ですね。
- 完全失業率は、低下
- 有効求人倍率は、上昇
ということで、悪くありません。
なお、総務省は
- 2019年8月に、完全失業率が2.2%になった時に
- 「景気など構造的要因による失業率はほぼゼロとなって」おり
- 「完全雇用に近い状況にある」
という見解を示しています。
今の水準(2.8%)から見ると、あと0.6%改善が必要ですね。
以上をまとめます。
- 上場企業はわりと頑張って稼いでいる(過去最高益水準)
- GDPは前期比プラスだけど、他の先進国より弱い(コロナ前回復は2022年~2023年見込み)
- 物価指数は12ヵ月連続でマイナスで、デフレジャパン
- 雇用環境は回復しつつある(完全失業率が2.8%→2.2%ぐらいまで戻ればほぼ完全雇用)
という感じです。
③8月のトピックス
国内、8月のトピックスはこの3つです。
- コロナ事情(国内)
- 政局リスク
- GAFAMの時価総額>日本の上場企業すべての時価総額
まず1つめ。
「コロナ事情」について。
- 緊急事態宣言の地域拡大
- ワクチンの接種状況
- 追加経済対策
緊急事態宣言の対象地域が、着々と拡大しています。
現時点で、合計21都道府県。
この他、マンボーの適用地域が12県。
9月12日とされていた期限についても、「延長」が囁かれるなど、なかなか厳しい状況です。
緊急事態宣言が発令されるたび、シンクタンクから「〇兆円規模の経済損失が出そうです」なんてレポートが出てきますね。
対応策の1つであるワクチンの接種状況は、8月29日時点でこんな感じ。
(日本経済新聞「チャートで見る日本の接種状況 コロナワクチン」より抜粋)
総人口に対して、
- 少なくとも1回接種した人:55.6%(約7100万人)
- うち、2回接種した人:44.6%(約5700万人)
ざっくり半分くらいの人が接種を終えている状況です。
とはいえ、デルタ型の蔓延などもあって、「接種完了=行動制限解除!お出かけしまくって経済回そうぜ!」というワケにはいきそうにありません。
こういった状況を受け、菅首相は追加の経済政策を策定する意向。
(参考:Yahoo!JAPANニュース「首相、追加コロナ経済対策を表明」、TBS NEWS「菅首相 経済対策の策定を二階幹事長に指示 総選挙見据え」)
次に2つめ。
「政局リスク」について。
内閣の支持率が下がり続けています。
(出典:FNNプライムオンライン「五輪に肯定的評価でも低迷続く内閣支持率…菅政権「負けたら終わり」の総選挙となるか」)
菅政権発足後、与党は主要選挙で全敗。
(出典:市況かぶ全力2階建「ガースー政権、発足後の主要選挙全敗で黄色信号点灯」)
最近では、菅総理のお膝元「横浜市」の市長選でも
- 菅総理が支持する候補者が
- 立憲民主党が支持する候補者に
敗北を喫しました。
自民党の影響力低下は、基本的には株価にマイナスです。
政権交代で苦い記憶を持っている投資家の方も少なくないでしょう。
今後の政局は、どうなるのか?
- 自民党総裁選(9月29日投開票見込み)
- 衆議院選挙(10月前半に解散総選挙、もしくは10月21日に衆議院議員任期満了による選挙)
最後に3つめ。
「GAFAの時価総額>日本の上場企業すべての時価総額」について。
8月26日付の日経新聞によると
GAFA4社合計の時価総額は7兆500億ドル(約770兆円)に対し、日本は6兆8600億ドルにとどまる
(出典:日経新聞「GAFA、時価総額で日本株超え 安定収益が資金呼ぶ」)
とのこと。
コロナ禍におけるGAFAの伸びは、凄まじいものがありますね。
(出典:同上)
直近1年の通期利益(予想)を比較してみると
- 日本の上場企業1,529社(予想公表企業のみ):25兆968億円(日経新聞)
- GAFA4社:約25兆1,000億円(当社調べ)
という感じで、実際に、たった4社で「1,529社分の利益」を稼ぎそうな雰囲気です。
株価だけが先行しているワケではなく、裏付けとなる利益もしっかり稼いでいるというワケ。
どう見極めるかが、今後の投資パフォーマンスに大きく影響しそうです。
外国株の投資トピックス
お次は、外国株の話題です。
外国株については、この4つの順番で見ていきます。
- 株価指数の推移
- ゴールド・債券ファンド等の値動き
- 高配当ファンドの値動き
- 8月のトピックス
①株価指数の推移
日本を除くG7の主要株価指数の推移(直近1年)は、この通り。
直近1年のパフォーマンスは、こんな感じ。
- CAC40種(フランス):+35.17%
- FTSE MIB(イタリア):+32.55%
- S&P500(米国):+29.38%
- S&P TSX(カナダ):+24.71%
- DAX30(ドイツ):+22.73%
- FTSE100(イギリス):+21.94%
※日経平均株価(日本)は+21.39%
8月単月で見ると、この通り。
+3.23%(オレンジ線)で、もう何度目か分からないですが米国がトップです。
毎月同じことを言っていますが、8月末に、またしても
- S&P500も
- ナスダックも
ともに最高値を更新しました。
- おはよう!
- こんにちは!
- 最高値更新!
これが、ウォール街でかわされる米国流の挨拶です(個人の妄想です)
軽く会釈をして、顔を上げるころには高値を更新しています。
怖いよ。
- 短期で見れば、「今年の秋冬には、景気回復の勢いがピークを迎え成長が鈍化する」
- 長期で見れば、「ここ数年のリターンが良すぎた。向こう数年の米国株のリターン水準は低下する」
なんて言われていますね。
凄腕の投資家さんからは
「すでに祭りは終わった」
なんて意見も聞かれます。
とはいえ
信頼と実績の米国株。
②ゴールド・債券ETF等の値動き
ゴールドの買い取り業者が元気です。
アフガニスタンの首都カブールの占拠、ISによる爆破テロとそれに続くアメリカの空爆など、地政学的なリスクから金価格が急激に再高騰しています。
(出典:~コロナ禍、タリバンのカブール占拠、ISによる爆破テロ~世界情勢の混迷で金価格7000円を再突破!本日より宅配買取キャンペーン開催!) ※赤字は筆者
チャートは、この通り。
政治的緊張が高まる=ゴールドの価格が上がりやすい、というのはいつものことですね。
アフガニスタン情勢については、後述のトピックでまた軽く触れます。
お次は、債券です。
投資額に対して2%~5%ほどのインカム(利息)が欲しければ、米国債券が有望な投資候補になります。
米国の優良債券ファンドを3つチェックしてみましょう。
- AGG:ローリスク・ローリターンな債券(格付け高く、利回り低い)
- LQD:ミドルリスク・ミドルリターンな債券(格付け普通、利回り普通)
- HYG:ハイリスク・ハイリターンな債券(格付け低く、利回り高い)
米国総合債券に投資する【AGG】というファンドのチャートはこの通り。現在の分配金利回りは1.84%ほど。
投資対象の約7割は、格付けがAAA(トリプルエー)の債券です。
価格変動の幅が小さい債券ファンドですが、ここ最近は「長期金利の動き」に振り回されてわりと値動きがあります。
2021年4月以降、AGGの価格が値上がりし続けている理由は、長期金利が下がっているからです。
(出典:三井住友銀行マーケットチャート)
金利が上がり始めると、AGGの価格は下がります。
現在の長期金利は1.3%弱ですが、市場関係者は、長期金利が1.5%~2.0%の水準に上昇することを予想しています。
個人的にも「今は買わない方が良い」という立場です。
米国優良社債に投資する【LQD】というファンドのチャートはこの通り。分配金利回りは2.39%ほど。
投資対象の約8割は、格付けがBBB(トリプルビー)~Aの債券です。
ギャンブル性の低い「投資適格」な債券であるものの、AGGよりは安全性が低いです。
こちらも、ここ数年は3.5%ぐらいの利回りがとれていましたが、最近はそれほど美味しい利回りではありません。
AGGと同じく、金利が上昇し始めると価格は下がります。
買いにくい時期ですね。
最後は【HYG】です。ハイリスクな債券ファンドです。現在の利回りは4.37%ほど。
投資対象のほぼすべてが、格付けCCC(トリプルシー)~BBの債券です。
ギャンブル性が高く、投資不適格と呼ばれる債券たちですね。
- ジャンク債(つまり、ゴミ債券)
- ハイイールド債
といった呼ばれ方をします。
債券ですが「株式」のような値動きをするハイリスクな資産で、ご覧の通り株式と同じように高値圏にいます。
株が暴落する時は、基本的にこちらも大きく値を下げます。
他の手堅い債券のように「ポートフォリオの守備力を高めるために役立つ」とは思わない方が良いでしょう。
過去を振り返ると、長期金利の上昇局面でリターンに優れるのは
- 国債や社債といった、投資適格の債券ではなく
- ジャンク債(ハイイールド債)です
中期の目線で、
- 国債のリターンじゃ物足りないけど、株式はリスクが高すぎてイヤ(ハイイールド債のリスクは、株式の4分の3ぐらいのイメージ)
- 債券にも分散投資して、ポートフォリオに多様性を持たせたい
- 投資額に対して約4.5%の高利回りで分配金が欲しい(なお、HYGの設定来トータルリターンは5.55%です)
といった人は、HYGへの投資を検討する余地があります。
③インカム系ETFの値動き
私の愛する高配当株ETFについて見てみましょう。
- キャピタル(売却益)も
- インカム(分配金)も
両方狙えるポテンシャルのあるファンドたちです。
HDV、VYM、SPYDの直近1年のチャートは、この通り。
それなりに値上がりしており、現在の分配金利回りは
- VYM:約2.7%(過去平均は約3.1%)
- HDV:約3.6%(過去平均は約3.4%)
- SPYD:約4.1%(過去平均は約4.1%)
という感じ。
すでに、過去と比べて「割安!欲しい!」という株価ではないですね。VYMは特にそうです。
先月もお伝えしたように、好況期には「2つのフェーズ」があります
- 景気が加速基調(現在好況で、しかもさらに景気が拡大している)
- 景気が減速基調(現在好況なんだけど、景気が後退しつつある)
今は①の状況で、このシチュエーションで強いのはグロース株です。まさにイケイケ。
一方、②になると高配当株が強くなります。
「過去最高の業績」「過去最高の成長率」を叩き出せなくなったグロース株から資金が抜ける一方、安定した利益・配当を出せる成熟企業が好まれるようになるからです。
すでに、世界経済の中心である「米中」の景気には減速の兆しも見られます。
④8月のトピックス
海外、8月のトピックスはこの3つです。
- コロナ事情(海外)
- アフガン情勢
- ジャクソンホール会議
まず1つめ。
「コロナ事情(海外)」について。
感染力の強いデルタ型が猛威をふるっています。
(日本経済新聞「新型コロナ:コロナ感染者2億人、デルタ型が新規感染の9割に」より抜粋)
累計感染者数は2億人を超え、ワクチン普及で感染者が減少していた米国でも再び感染者数が増加中。
この状況は当然、経済にも悪影響を与えています。
オックスフォードの米エコノミストチームは、米国の景気回復指標について
消費者が警戒心を強めた結果、需要と移動が抑えられ、数週間ぶりの低水準になった。
雇用は冷え込み、生産は抑制され、デルタ株の感染急拡大により健康に関する指標も落ち込んだ
(REUTERS「アングル:米景気回復を脅かし始めたデルタ株、FRB正念場」より抜粋)
と報告しています。
各国の製造業PMI(購買担当者景気指数。景気動向チェック指標として、超・注目度の高い指標)は、軒並みピークアウト。
- 米国:61.2(前月比-2.2)
- ユーロ圏:61.5(前月比-1.3)
- 中国:50.1(前月比-0.3)
※50を超えたら好況、50を下回ったら不況
といった感じ。
この他にも、悪化している指標が多くあります。
次に2つめ。
「アフガン情勢」について。
8月のアフガンは
- タリバンによる、アフガニスタンの首都カブール掌握
- 米国の支援するアフガニスタン政府の崩壊
- カブールの空港周辺での自爆攻撃
- 米軍による空爆(報復)
- 米軍の完全撤退
など、極めて不安定な状況。
米中・米ロの対立も絡んで、地政学的リスクは高まっています。
こちらの状況も、当然経済への影響があります。
すでに起きている影響としては
- 国際通貨基金(IMF)のアフガンへの資金支援停止
- ビットコイン急騰
(参考:NRI「通貨危機に直面するアフガニスタンと活気づく仮想通貨市場」)
といったところ。
今後も不安定な情勢が続けば、リスクオフでの株安・ドル高など、様々な影響が考えられます。
テロと経済活動の間には(逆)相関関係が見られる。
経済が悪化して生活への不安が高まると、治安が悪化しテロのリスクが高まる。
他方、テロ活動が盛んになれば、安全性への不安から経済活動は停滞しやすくなるだろう。
(NRI「アフガン情勢を受けたテロリスクの高まりと世界経済」より抜粋。太字は筆者)
最後に3つめ。
「ジャクソンホール会議」について。
ジャクソンホール会議というのは、アメリカで毎年8月に開催される経済シンポジウムで、世界中の経済VIPが集まります。
- 中央銀行のお偉いさんや
- 著名な経済学者
などですね。
この会議では、FRBの議長が市況にかかわる重要な講演をすることから、市場関係者の注目が集まるようになりました。
議長講演が
- うまくいく → 株価に好影響
- ドヘタクソ → 株価に悪影響
ということになるのですが、結論、うまいこといきました。
- テーパリング(政府による資産購入の縮小)は、年内適切と発言 ← 市場関係者にとっては想定内
- デルタ型の情勢を注視する姿勢を強調
- 利上げは示唆しない
ということで、「政府が株式市場をクラッシュさせないように、最大限配慮」している姿勢が伝わり、安心感が広がりました。
アメリカって、「政府」と「市場」の対話も上手に行われていますよね。
「米国企業の稼ぐ力がハンパない」という点以外にも、こういったところも含めてやはり米国は強いです。
さて、トピックスは以上です。
まとめ:高配当株投資のポジションについて
以上をまとめると、この通り。
- 11ヵ月連続で続いた「月末安アノマリー」崩れる(投資家心理改善)
- 日本の上場企業は「過去最高」レベルで稼いでいる
- J-REITに多少の過熱感、上昇余地は限定的か
- 日本のGDPは前期比プラスで、2期連続のマイナスを回避(回復力は他の先進国より弱い)、雇用環境も改善
- 国内:デルタ型の感染拡大や政局不安で、リスク強まる
- 米国株は好調も、主要指標では経済回復にピークアウトの兆し
- 海外:デルタ型の感染拡大やアフガン情勢など、リスク強まる
- ジャクソンホール会議は無風でクリア
という感じです。
個人的には、引き続き
- iDeCoやつみたてNISAを中心としたインデックス運用はそのままに
- 高配当株は、調整に備えキャッシュの比率を高める(個別に見て、買えるものがあればピンポイントで買う)
というスタンス。
こびと株ポートフォリオはいたって健全な運用がされており、この状況であえて「積極的な買い増し」をする必要はないと考えています。
日本株にはもっと株価がグダって欲しかったのですが、上がりそうな雰囲気で残念です。
お待ち頂けますと幸いです。
それではまたっ!
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