こんにちは、こびと株(kobito_kabu)です。
現在、
- 高配当株投資
- インデックス投資(つみたてNISAやiDeCoのみ)
の両刀で資産運用をやっています。
毎月恒例企画ということで、12月の投資トピックスについて「この2つの投資にどのような影響があるか」という観点で、まとめていきます。
本記事の構成はこの通り。
- 日本株の投資トピックス
- 外国株の投資トピックス
- まとめ:高配当株投資のポジションについて
目次
日本株の投資トピックス
日本株については、以下の順番で解説します。
- 株価指数の推移
- その他指数の推移
- 12月のトピックス
①株価指数の推移(日経平均・TOPIX・J-REIT)
12月24日時点の株価は、この通り。
- 日経平均株価:28,783円
- TOPIX:1,987pt
- J-REIT指数:2,048pt
この3つの指数の、直近1年の値動きを見てみるとこんな感じです。
トピックス(東証株価指数)は、
- 年初から+20%ぐらいのところまで伸ばしたのに
- 9月中旬から年末にかけてグダグダと下がり
- 結果的には、+12%弱の成績で着地見込み
実に残念な展開。
トピックスの+12%弱という成績は、先進国の主要7ヵ国のなかで最弱クラスです。
ちなみに、高配当株の指数は市場平均に大勝しております。
(出典:日経新聞「荒れ相場、高配当株の強み」)
年間リターンは25%強で、S&P500とあまり差がない成績です。
12月単月で見ると、この通り。
- 日経平均 -1.77%
- TOPIX -1.60%
- J-REIT -0.79%
単月で見ても、先進国の主要7ヵ国のうち最弱クラスの値動き。
世界中で、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が猛威をふるうなか、日本では感染者数が抑えられている状況にあります。
- 感染者数が爆増している他の先進国より
- 感染者数が抑えられている日本の方が
株価が弱いというのは…なんともはや…
安倍元総理は、こんなこと言ってますね。
安倍元総理「根本的なこの進む方向をアベノミクスから変えるということは、私はするべきではないということは、はっきり申し上げておきたい。何か社会主義的な味付けになっているのではないかという風にとられると、市場も大変マイナスに反応しますから、そこはよく考えないといけない。」 pic.twitter.com/JZlmvD94ev
— くりぼうず (@kuriboze9) December 23, 2021
「社会主義的な味付けになっているのではないかという風にとられると、市場も大変にマイナスに反応します」
はい、その通りですね。
私個人としては
- 日本企業の業績・財務が良くなっているのに
- 政権のかじ取りで投資資金が逃げていく
というのは、涙と鼻水垂れ流すほど最悪な状況ではありません。
割安に仕込むチャンスが増えるという点で、いい面もあるからです。
※そりゃあ、米国みたいに「オールウェイズ株主フレンドリー」な国に投資する方がイージーですけどね!あれはあれで、バブりやすいですからね。
こういう時期にたくさん仕込んでおけば、もし次に「株価にプラス」の政権が生まれたら大きな利益がとれるでしょう。
- 米国株に対するリスク分散という意味でも
- 将来に向けた仕込みという意味でも
こう判断しています。
②その他指数の推移
この3つをチェックしときます。
- 日銀短観
- 景気動向指数
- その他の指数
まず、①日銀短観について。
(日本経済新聞「大企業景況感、製造業横ばい 12月日銀短観」より抜粋)
業況判断DIは、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を引いた値です。
- 大企業製造業:プラス18(前回と変わらず)
- 大企業非製造業:プラス9(前回から+7ポイント)
製造業の景況感は「横這い」、飲食・宿泊などのサービス業は「6四半期期連続の改善」です。
悪くないですね。
とはいえ、景気の先行きについては「悪くなるかも」と考えている企業が多いのでご留意ください。
浮かれられるような状況ではありません。
いまだに時々聞かれるので、↓について、また答えておきますね。
回答:見ておいた方が良い。
理由はこの通り。
- 調査対象企業が約1万社と、サンプル数が多い
- 速報性がある
- 短観の結果は、日銀の政策に影響を与える(日銀がなんかやる→株価や為替に影響がある)
- 景気の山・谷をわりとピタリと当てられる
世界はアメリカを中心に動いているので、日本の経済指標の多くは、世界の投資家にとって「見る必要がない」ものです。
そのなかにあって、日銀短観は「珍しく重要性がある」ということで、「TANKAN」として知られています。
- SUKIYAKI(すき焼き)
- SOBA(蕎麦)
- KAROUSHI(過労死)
- HENTAI(変態)
などは、「海外でそのまま使える日本語たち」として有名ですが、投資家にとってはそれが「TANKAN」だということ。
次に、②景気動向指数(先行指数)について。
10月の数値(12月23日公表)は、101.5となりました。
(出典:景気動向指数 速報からの改訂状況)
景気動向指数は、
- 景気全体の現状を知ったり
- 将来の動向を予測したりするときに
使われる経済指標です。産業、金融、労働など、経済に重要かつ景気に敏感な30項目の景気指標をもとに指数が算出されています。
色々な指標をミキサーに入れてスイッチをいれると、1つの「景気動向指数」ができるというイメージです。
景気動向指数を見る上で大切なのは、この2つ。
- この数カ月、プラストレンドか?マイナストレンドか?
- プラス幅(又はマイナス幅)はどれぐらいか?
ココ1年の推移を見てみると、この通り。
- 11月 97.1(前月比+1.9ポイント)
- 12月 97.5(前月比+0.4ポイント)
- 1月 97.9(前月比+0.4ポイント)
- 2月 98.9(前月比+1.0ポイント)
- 3月 102.2(前月比+3.3ポイント)
- 4月 103.5(前月比+1.3ポイント)
- 5月 102.5(前月比−1.0ポイント)
- 6月 104.1(前月比+1.6ポイント)
- 7月 103.8(前月比-0.3ポイント)
- 8月 101.2(前月比−2.6ポイント)
- 9月 100.2(前月比-1.0ポイント)
- 10月 101.5(前月比+1.3ポイント)←New!!
色々な指数を見ていると、日本の景気は
- 回復テンポが弱まっているものの
- 決して「悪い」状況にあるワケではありません
「政権のかじ取り」によって、投資家の”過剰な”日本株離れが進むようであればチャンスと見ます。
日本企業、過去最高レベルの業績たたき出していますからね。
実力以上に売られている企業の株をニヤニヤしながら探しましょう。
最後に③その他の指数について。
消費者物価指数(12月24日発表)は、前年同月比+0.5%。
(出典:日経新聞「11月の消費者物価0.5%上昇 原油高で1年9カ月ぶり伸び」)
たった0.5%か…と思うかもしれませんが、カラクリがあります。
菅前首相が、大手キャリアに注文つけて携帯料金を値下げさせましたよね。
アレの影響で、通信費の値下げだけで総合指数を1.48%も押し下げているんです。
この影響がなければ、単純計算ですでに前年同月比+2%のインフレが起きていると見ることもできます。
欧米のインフレ率(約2%~5%)に近づいてきましたね。
- 企業物価指数(企業間で売買される物品の価格変動を示す指標)は爆上がりしており
- 原油や原材料価格の高騰が続いていることから、今後もインフレ率の上昇が見込まれます
現金が…ゴミになっていく…
以上をまとめます。
- この1年、トピックスは+12%弱の成績。先進国の主要7ヵ国のなかで最弱クラス
- 日本の高配当株指数は+25%強で、S&P500なみに健闘
- コロナの感染状況、足元の経済状況は悪くなく、株価が伸び悩むのは岸田政権の影響か
- 景気回復のペースは鈍化気味だが、来年、マイナス成長には陥ることはなさそう
- 消費者物価指数が前年同月比+0.5%(通信費の影響を除くと+2.0%。いよいよインフレか)
過去最高業績なのに、株価がついてこない日本株。
”保守的なバリュー投資家”を自認する私としては、長期目線でチャンス増大中と見ております。
③12月のトピックス
今月のトピックスはこれに尽きますね。
- 岸田政権の株主冷遇
岸田総理の「株主冷遇」っぷりが、目立ち始めましたね。
- ブルームバーグ…岸田首相が自社株買い規制に言及、「ガイドライン」検討-株価下落
- ロイター…岸田首相、日中会談「まだ決定しておらず」 賃上げに株主も理解を
- 日経新聞…家計に税負担じわり 住宅や配当、節税余地狭まる
- 大和総研…「静かなる金融所得増税」が行われる
各ニュースの要点だけ、ざっくり見ていきましょう。
まず1つめ。
岸田首相が「自社株買いの規制」に言及しました。
自社株買いとは
- 上場企業が
- みずからの資金を使って
- 株式市場にある「自社の株」を買い戻す
こと。
自社株買いは、「配当」と並ぶ「株主還元政策」です。
米国では、ご覧の通り
- 配当額よりも
- 自社株買い総額の方が多い
です。
(出典:マネクリ「ウォーレン・バフェットも注目!米国株「自社株買いランキング」トップ20」)
自社株買いをやると、基本的には株価が上がるので株主は喜びます。
※当然、この発言を受けて日本株の株価は下落しました
2つめ。
岸田首相が、賃上げに際して「株主への理解」を求めました。
要するに
- 株主ばかりが潤いすぎなので
- 株主の利益を削ってでも、お金を従業員の賃上げに使うことを受け入れてくれ
ということです。
次に、3つめ。
日本株の配当金にかかる税金は
- 今まで、最安で約5.0%でしたが
- 今後は、最安で約7.2%になるように
法改正されます。
配当金にかかる税率は、基本的には約20%です。
ですが、所得の低い人の場合、配当控除と呼ばれる仕組みなどを活用することで、最安で約5%にできたんですね。
でも、今後はそれは許しませんよということです。
※岸田首相の「金融所得課税の本丸」は、基本約20%の税率を、25%や30%にあげることです。
でも、それをやろうとして市場が大混乱したので、外堀を埋める形で小さなところから増税しているというワケ。
最後に、4つめ。
上場企業の株式を3%以上保有する人は、配当所得が
- 分離課税(税率約20%)ではなくて
- 総合課税(最大税率約55%)になるように
法改正されます。
要するに、「オーナー社長」などに対する増税です。
Avexの松浦氏が怒ってましたね。
Avex松浦さん増税日本に激おこ。
このやるせないテンションからは「今はみんなピンと来てないけどこれから絶対そうなるからね」という含みを感じる。 pic.twitter.com/nKvcpWUyiS— PuANDA (@shoichirosm) December 25, 2021
まとめると
- 株主が潤うのはイヤなので、自社株買いは規制せよ
- 株主が潤うのはイヤなので、賃上げせよ
- 株主が潤うのはイヤなので、配当所得は増税します
ということ。
- 日本企業の多くが過去最高益をたたき出している
- コロナの感染者が奇跡レベルで抑制されている
それなのに日本株が冴えない背景、なんとなく理解できたんじゃないでしょうか。
海外投資家は、すでに6週連続で日本株を売り越しています。
(出典:日経新聞「海外投資家、日本株6週連続売り越し 米緩和縮小に警戒感」)
一方で、忘れてはいけないのは、岸田政権の支持率は上昇しているということ。
メディアによって異なりますが、現在の内閣支持率は50~60%といったところ。
- (株クラには)岸田首相の「株主冷遇っぷり」ばかりが注目されていますが
- 国民に「株主冷遇」の政権が支持されるという現実が
海外投資家から見ると、ある意味で恐怖なんじゃないかなと思います(笑)
- 首相:株主が潤うのはよくないです
- 国民の大多数:別に自国の株価はどうなろうと知ったこっちゃありません
- 投資家達:自国の株じゃなくて、米国株買います
岸田政権の動向からは、今後も目が離せません。
外国株の投資トピックス
お次は、外国株の話題です。
外国株については、この4つの順番で見ていきます。
- 株価指数の推移
- ゴールド・債券ファンド等の値動き
- 高配当ファンドの値動き
- 12月のトピックス
①株価指数の推移
日本を除くG7の主要株価指数の推移(直近1年)は、この通り。
直近1年のパフォーマンスは、こんな感じ。
- CAC40種(フランス):+26.81%
- S&P500(米国):+26.51%
- FTSE MIB(イタリア):+21.21%
- S&P TSX(カナダ):+21.01%
- DAX30(ドイツ):+14.26%
- FTSE100(イギリス):+11.65%
※トピックス(日本)は+11.98%。
年間トップは、+26.81%のフランスです(意外。ノーマーク(笑))。
2位は、トップとほとんど差がなく+26.51%の米国。
年末まで待てば、順位が入れ替わりうる「大接戦」ですね。
アメリカのS&P500は、2021年に「68回」も過去最高値を更新しました(12月24日時点)。
S&P 500 closes at an all-time high for the 68th time this year. Only 1995 has had more all-time highs in a single calendar year. $SPX pic.twitter.com/92dcWbtg3s
— Charlie Bilello (@charliebilello) December 23, 2021
1995年の「77回」に次ぐ、史上2番目の好成績です。
今や、世界の上位1000社の時価総額のうち、53%は米国です。
(出典:日経新聞「世界上位1000社の時価総額、米は初の5割超 日本5%未満」)
12月単月で見ると、この通り。
+2.85%(オレンジ線)で、またもアメリカ様の勝利です。
11月は、オミクロン株の登場で一時期どこの国の株価も急落しましたが…
- ワクチンが効きそうとか効かなそうとか
- 重症化リスクが低いとかいやいやそんなことはないとか
情報が錯綜するなか、12月は「まぁ大丈夫か」というノリで株価を戻しました。
恐怖指数も低下傾向で、市場に大きな警戒感はありません。
②ゴールド・債券ETF等の値動き
ゴールドは、若干持ち直してきました。
世界の中央銀行は、ご覧のとおり、ゴールドの保有量を増やし続けています。
(出典:世界の中銀、ドルから金へ 保有量が31年ぶり高水準)
短期的に見れば価格はジグザグと動くものの、長期で見るとそれなりの安定感がありますね。
インフレ懸念が強い現状、長期的には悪くないアセットだと思っています。
お次は、債券です。
投資額に対して2%~5%ほどのインカム(利息)が欲しければ、米国債券が有望な投資候補になります。
米国の優良債券ファンドを3つチェックしてみましょう。
- AGG:ローリスク・ローリターンな債券(格付け高く、利回り低い)
- LQD:ミドルリスク・ミドルリターンな債券(格付け普通、利回り普通)
- HYG:ハイリスク・ハイリターンな債券(格付け低く、利回り高い)
米国総合債券に投資する【AGG】というファンドのチャートはこの通り。現在の分配金利回りは1.77%ほど。
投資対象の約7割は、格付けがAAA(トリプルエー)の債券です。
債券価格は、金利が上昇すると下がります。
現在の長期金利は1.5%前後ですが、市場関係者は、長期金利が1.5%~2.0%の水準に上昇することを予想しており、個人的には「今は買わない方が良い」という立場です。
米国優良社債に投資する【LQD】というファンドのチャートはこの通り。分配金利回りは2.30%ほど。
投資対象の約8割は、格付けがBBB(トリプルビー)~Aの債券です。
ギャンブル性の低い「投資適格」な債券であるものの、AGGよりは安全性が低いです。
こちらも、金利の上昇が見込まれるフェーズでは、積極的には買いにくいですね。
最後は【HYG】です。ハイリスクな債券ファンドです。現在の利回りは4.04%ほど。
投資対象のほぼすべてが、格付けCCC(トリプルシー)~BBの債券です。
ギャンブル性が高く、投資不適格と呼ばれる債券たちですね。
- ジャンク債(つまり、ゴミ債券)
- ハイイールド債
といった呼ばれ方をします。
リスクが高いぶん、長期的なトータルリターンは大きい傾向にあります。
ジャンク債は「炭鉱のカナリア」と呼ばれることもあります。
株価の急落に先んじて価格が下落することがあるんですね。
先月、ちょっとイヤな下げ方をしていたので警戒しましたが、値を戻しました。
③インカム系ETFの値動き
私の愛する高配当株ETFについて見てみましょう。
- キャピタル(売却益)も
- インカム(分配金)も
両方狙えるポテンシャルのあるファンドたちです。
HDV、VYM、SPYDの直近1年のチャートは、この通り。
分配金を無視して価格だけ見ると
- 1位がSPYD(S&P500なみの成績)…+26.35%
- 2位でVYM…+21.91%
- 3位がHDV…+14.52%
という順位になりました。
皆さんかなり値上がりしており、現在の分配金利回りは
- SPYD:約3.7%(過去平均は約4.1%)
- VYM:約2.8%(過去平均は約3.1%)
- HDV:約3.5%(過去平均は約3.4%)
という感じ。
- 高配当を得られるけど、どんどん元本が毀損している(いわゆるタコ配)とか
- 高配当を得られるけど、リスクが異常に高い(値動きが激しい。暴落しやすい)とか
- 高配当を得られるけど、減配リスクが超高いとか
そういう「ワナ高配当ファンド」が多いなかで、本当に優秀なファンドたちです。
ちなみに、12月はSPYDが大減配した!というのが大きな話題になりました。
結論、それは誤解です。
なんでSPYDは大減配したのに暴落してないのか
大減配してないからです。
— こびと株.com (@kobito_kabu) December 18, 2021
ここで書ききれるボリュームではないので、別途「解説記事」を書くつもりですが
「不安だわ!あなたの解説記事なんて待てないわ!今すぐこの不安を解消しないと死んじゃう!」
という方は、ななしさんのこちらの記事をお読みください。
【爆死】SPYDの今期分配金が大爆死したのを改めて考える
Twitter界隈も落ち着いてきたので、今回のSPYD減配を記事にしました
基本からちゃんと見るのが大切ですね
亮平さん @ryoheifree
たかにんさん @kabutakanin
こびと株さん @kobito_kabu
のtweetをお借りしましたhttps://t.co/HYWoTd5d2N— ななし@氷河期ブログの人 (@_teeeeest) December 22, 2021
自分の投資額に対して
- ある程度の高配当を得つつ(必要に応じて、娯楽に使ったり、再投資したりする)
- キャピタルゲインも得たい
- なんなら増配していって欲しい
こういう希望を持っている人には、米国高配当ETFは引き続き「使い道がある」という理解で問題ないかなと。
④12月のトピックス
海外、12月のトピックはこちら。
- オミクロン株の広がりとコロナ感染拡大
- 金融緩和縮小の流れ
まず1つめ。
「オミクロン株の広がりとコロナ感染拡大」について。
懸念されていたオミクロン株は各地に広がり、12月21日には106の国・地域で感染者が確認されました。
このためもあって、世界の新規感染者数は急増中。
((日本経済新聞「チャートで見る世界の感染状況」より抜粋)
12月24日には実質的に過去最多を更新し、97万817人となっています。
オミクロン株についてはまだまだ分からないことも多く
- 重症化リスクについて
南アフリカ国立伝染病研究所:「わりと軽症の人が多いかも」
WHO:「データ不十分!判断は尚早!」 - ワクチンについて
一部報道「有効なのはファイザー製・モデルナ製だけかも」
アストラゼネカ・ノババックス等「こっちのワクチンも効きそうだってば!」 - 治療薬について
イーライリリー・リジェネロン「ウチの治療薬は効かないかも」
ファイザー「ウチのは効きます!英米で承認申請中です!」
みたいな感じで、混乱が続いています。
各国は様々な対策を導入中。
- ロックダウン等の措置の再導入→ドイツ・スコットランド・アイルランド・オランダ・韓国等
- ワクチン接種済みの旅行者の隔離ナシでの受け入れを停止→シンガポール等
- ワクチンの接種対象を拡大→インド等
- 治療薬(飲み薬)の緊急使用許可→アメリカ等
感染拡大そのものと、ロックダウン等の対策とで、経済はダメージを受けています。
- 「クリスマスの異動に混乱 オミクロン株の影響でフライト数千便がキャンセル」(bbc)
- 「オミクロン株で欠勤が急増 仏で経済麻痺の恐れ」(テレ朝news)
みたいなニュースも出ています。
オミクロン株が話題になり始めてから1ヶ月ちょっと、株価自体は、浮き沈みつつも調子を戻しています。
つぎ、2つめ。
「金融緩和縮小の流れ」について。
というお話。
各国のインフレ率は、こんな感じ。
(Bloomberg「FRBなど主要中銀、インフレが最大の脅威-コロナ対応の優先度低下」より)
※点線は「今後の予想」です
実績のインフレ率は、11/30時点で
- アメリカ:6.8%
- イギリス:5.1%
- ユーロ圏:4.9%
と、なかなかの数字になっています。
これを受けて
- 12/15米金融当局:テーパリング加速&来年3回利上げ見通し公表
- 12/16イングランド銀行:主要7ヵ国でコロナ後初の利上げ(0.1%→0.25%)
- 12/16欧州中央銀行:3月末にコロナ危機対応の緊急買い取り制度打ち切り決定
といった対応がとられています。
「インフレは一過性のものとは言えない、コロナ対応よりインフレ対策が大事!」という方向に舵が切られつつあるワケですね。
まとめ:高配当株投資のポジションについて
以上をまとめると、この通り。
- この1年、トピックスは+12%弱の成績。先進国の主要7ヵ国のなかで最弱クラス
- 日本の高配当株指数は+25%強で、S&P500なみに健闘
- コロナの感染状況、足元の経済状況は悪くなく、株価が伸び悩むのは岸田政権の「株主冷遇」に一因か
- S&P500は今年68回最高値を更新(史上2番目の成績)。世界上位1000社の時価総額のうち53%は米国に
- 世界中でオミクロン株の感染拡大・インフレが進行しており、かじ取りが難しく
- 2022年はテーパリングや利上げや見込まれ、2021年ほどイージーじゃなさそう
という感じです。
個人的には、
- iDeCoやつみたてNISAを中心としたインデックス運用はそのままに
- 高配当株は、米国株は静観、日本株はちょいちょい買い増す
というスタンス。
今年の経済ニュースは、この記事で最後になります。
1年間ありがとうございました。それではまたっ!
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