毎月更新の定例記事です。
2017年10月31日時点の配当利回りランキング、是非ご覧くださいませ!
抽出時期 :各月末
対象市場 :東証一部、東証二部、東証JASDAQ
配当利回り:税引き前3.75%以上(税引き後3%)※復興特別所得税は無視
目次
サマリー
2017年10月31日時点
全体指標
- 日経平均:22,011.61
- 日経平均高配当株50指数:39,238.83
- 日経高配当株50配当利回り:3.16%(前月比-0.13%)
- TOPIX :1,765.96
- 円/ドル:1$=113.68円
配当利回りが3.75%(税引き後3%)以上の企業数
- 一部上場 :15社(前月比-7社)
- 二部上場 : 6社(前月比-3社)
- JASDAQ上場:21社(前月比-3社)
配当利回りランキング(東証一部上場)
- ※エクセルオンラインのデータが表示されます
- 証券コードをクリックすると、Yahooファイナンスのページに飛びます
※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数
2017年10月末時点で、日経平均株価は22,000円を超えました。ただでさえ少なかった高配当株はますますその数を減らしています。
一部上場企業では、先月比▲7社。利回り3.75%を超える水準の株は15銘柄しかありません。ちなみに、年初2017年1月の時点では日経平均は19,000円、利回り3.75%を超える銘柄は46社ありました。
高配当株(ただ利回りが高いだけのものも含む)の銘柄は3分の1にまで減少してしまっているということです。
今このランキングの上位に残っている銘柄は
- 国際優良銘柄で値付けにエラーが起きにくいもの(”割安”に買うチャンスが少ない)
- 配当生活に不向きな景気敏感株(金融、不動産)
- ファンダメンタルズに懸念がある(売上ー利益の減少懸念、低い営業利益率、キャッシュ不足)
- 配当性向が高く配当の継続性に懸念がある
銘柄ばかりですね。①は[7201]日産自動車やこびと株の[7751]キヤノンです。カバーしているアナリストがたくさんいるだけではなく、業界動向・業績に目を光らせている海外機関投資家も多いので、単純に値が安い(ように見える)というだけで仕込むと痛い目に遭います。
すでに株価に業績悪化が織り込まれており、購入後に株価下落や減配の憂き目にあうリスクが相対的に高いと言えます。
日本郵政のような”罠”みたいな銘柄もありますし、とりあえずこのランキングのなかで欲しい銘柄はないですね、残念ながら。
配当利回りランキング(東証二部上場)
- ※エクセルオンラインのデータが表示されます
- 証券コードをクリックすると、Yahooファイナンスのページに飛びます
※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数
東証二部上場企業のランキングも、おなじみの顔ぶれですね。
どの企業も営業利益率はせいぜい5%程度です。長期的な業績推移をさらっと眺めただけでも、超長期の高配当株投資には不向きなことが分かります。
うーん、銘柄不足!
配当利回りランキング(東証JASDAQ上場)
- ※エクセルオンラインのデータが表示されます
- 証券コードをクリックすると、Yahooファイナンスのページに飛びます
※1 「-」は、前月ランク外であった銘柄
※2 2017年1月以降で、月末の配当利回りが3.75%を超えていた月の数
こちらもすべておなじみのメンツです。ランキング初登場の銘柄はありません。
このなかでは[5990]スーパーツールがワンチャンスあるかな?と思っていつも見ているのですが、やはりファンダメンタルズにそこまで自信を持てません。利回りが5%、6%を超えてこないとリスクが見合わないという感じがします。
このランキングで利回り4%を超えている銘柄は、かなり配当性向が高めに出ています。このタイミングで買っても、安心して超長期的に配当金をゲットし続けるということは難しいと思います。
正直、ここまで株高になると思っていなかった
10月末に22,000円だった日経平均株価は、今月に入って23,000円を超えました。正直、こんな相場になるとはまったく思っていませんでした。
こびと株.comメンバーは、一部上場企業で決算短信や有価証券報告書の作成実務に携わっているので、開示資料の分析についてはかなり詳しい方だと自負しております。
一方で、株式投資の経験は3年程度しかなく、相場に関しては素人という自覚があります。
つまり、経験・相場勘がないんですね。
ただ、相場勘がないなりに手は打たないといけません。現状、条件に合う株式がない=キャッシュポジションがひたすら積みあがるという状況になっています。
私たちは100%株式のポートフォリオを選好しているので、収益ポートフォリオに株式以外のアセットクラスを組み込む気はありません。
現金は、株式の買い付け資金なのです。
ただ、株が買えないとなると、現金はまさに死に金です。日々のキャッシュフロー増大を目指して投資をしていますが、現金で持っている限りキャッシュフローは一切改善されません。
というわけで、今考えているのは現金を債券に変えてしまおうかということです。検討対象は【BND】ですね。【BND】についてはたぱぞうの米国株投資「バンガード米国トータル債券市場ETF【BND】ディフェンシブ投資の王様」をご参照下さい。
【BND】は米国債券を投資対象としたETFです。
- ETFの規模は300億ドル、信託報酬は0.05%
- 利回りは2.5%程度
- 値動きがあまりなく、リーマンショック時でさえ下落は5%程度(しかも割と早く値を戻した)
先ほど述べたように、私たちの現金は「株式の買い付け資金」です。株の買い時というのは、極論を言えば「暴落相場」です。
いつ来るか分からない景気後退期・暴落相場まで待ち続けるというのものんきな話なので、現金を債券に変えてしまいその期間中インカムゲインを得続ける。もし株が相対的に安くなったら債券売り/株式買いを行います。
主たるリスクとしては
- 利上げに伴う価格下落リスク
- 為替リスク
です。
リターン/リスクの比較という観点からは、
- リターン:毎年税引後2%程度のインカムゲインが得られる(10年で20%)
- リスク:利上げや為替影響で、元本割れする可能性がある(10年後に20%以上下落していたら負け)
という感じでしょうか。負けているうちは売らずに持っていても良いと思いますね。なぜなら、働いているうちは給料が入ってきますから、株式はそれで買えばよいからです。
長期で保有すればリスクが下がるというのは過去のデータからも明らかです。
ただ、債券の損切りをしても株で絶対に勝てるという確信が持てるような相場なら売っても良いと思います。どちらにせよ、選択肢は十分に与えられています。
【BND】を買い付けておけば、年間のキャッシュフローが10~20万円程度改善されるのでインパクトは非常に大きいです。
ただし!
暴落相場でBND売り/日本株買いは無理なんだろうなぁ…なぜなら日本株が安いときは円高だからです。為替で負けますね。だったら最初から円で持っておけという話になります。
後退期では、BND売り/HDV買いになるのかな。債券と株式のイールドスプレッドを睨みながらということになるのでしょう。
まとめ
日本株には魅力的な高配当株がありません(REITは少しずつ魅力的な銘柄が出始めています)。
米国株の場合は、個別株を見るよりVYMやHDVを買ってしまう方がリスクが低く結果的にパフォーマンスも良いんじゃないでしょうか。
米国株も高いですが、HDVなんかはまだ買っても良い水準だと思います。配当利回りも3.4%ほどありますからね。
こびと株.comメンバーとしては、【BND】や引き続き【HDV】を買っていこうかと思っています。
こびと株ポートフォリオも含み益がかなり大きな額になっていますが売るつもりはまったくありません。株式投資を始めてから「一度も売ってない記録」は更新中です。欲しいのはインカムゲインです。
それではまたっ!
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