【監査法人の人手不足】またUSCPAのコスパが上がってしまうというお話【20代30代は狙い目】

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こんにちは、シーウィード@こびとが見える経理マン(@kobito_kabu)です。

2019年12月8日付けで、日経新聞からこんな記事が出ました。

企業会計に目を光らせ「市場の番人」と呼ばれる監査法人が深刻な人手不足に直面している

(出典:日経新聞「監査法人の人手不足深刻」

 

監査法人が深刻な人手不足…ということです。

 

私は10年以上にわたり、一部上場企業の経理・財務で実務をやってきました。そのなかで

  • BIG4(4大会計事務所)の会計士から監査を受けたり
  • BIG4の会計士と一緒にM&Aプロジェクトをすすめたり
  • BIG4から弊社に転職してきた会計士と、一緒のグループになったりと

いろいろな形で「監査法人の公認会計士」たちと仕事をしてきました。

 

彼らと話す中で一番感じているのは

「監査法人出身」というキャリアは美味しい

ということ。

  • つぶしが効くのでどこにでも転職できますし
  • 市場価値が高いため収入も良いです
  • 本人のスキルセット的に、CFO(財務最高責任者)的な「付加価値の高い業務」にも従事できます

好待遇の自由な渡り鳥といったところ。プロフェッショナルならではの自由な生き方です。

 

監査法人が人手不足のこの時代だからこそ、会計・税務・財務まわりに興味のある20代の学生・ビジネスマンは、自分のキャリアパスに「監査法人」を入れると良いと思います。

会計士試験なんか受からないよ!と思うかもしれませんが、

  • 日本の公認会計士試験は難しすぎてギャンブルになるけど
  • USCPA(米国公認会計士)は合格しやすく、割と手堅い選択肢になる

のです。

ぜひ、USCPAを視野に入れてみましょう。

※J-CPA(日本の公認会計士)かUSCPA(米国の公認会計士)かで、監査法人内での待遇・出世等に差をつけられることはありません。

 

というわけで、本記事の概要は次の通り。

本記事の概要
  1. 監査法人の現状について(人手不足)
  2. USCPAを活用して監査法人に入るというキャリアの魅力
こびと株管理人
それでは、順番に見ていきましょう。

 

監査法人の現状について【人手不足】

監査法人の現状は、こんな感じです。

監査法人の現状

とにかく人手不足。

  1. 監査法人勤務の会計士の割合は、ひたすら減少
  2. 一般企業で働く会計士の人数は、ひたすら増加
  3. 国内監査法人は、激務の割に海外より待遇が悪いので不人気

 

監査法人勤務の会計士の割合は、ひたすら減少

監査法人に所属している会計士の割合は、完全な下降トレンドにあります。

  • 2014年 51%
  • 2019年 45%(31,000人のうち、14,000人が監査法人勤務)

毎年1%ずつ、監査法人から人がいなくなっている感じですね。このトレンドにはまったく歯止めがかかっておらず、監査法人に所属する会計士の割合は減る一方です。

 

ちなみに、公認会計士試験の出願者は2010年頃に25,000人以上いましたが、今やその半数以下です。2019年は12,532人となっています。

  • 公認会計士のなり手が減っている
  • 監査法人で働きたい人が減っている

ということで、監査法人サイドからみた採用環境は、厳しいものがありますね。

 

組織内会計士の人数

監査法人で勤務する会計士が減る一方で、一般企業で働く会計士は増えています。

例えば、「組織内会計士ネットワーク」の登録者の推移はこの通り。

  • 2014年末…約970人
  • 2018年末…約1,750人

たったの4年で、80%も増加していますね。一般企業で働いているものの「組織内会計士ネットワーク」に登録していない人もいると思いますが、トレンドは分かります。

こびと株管理人
監査法人出身の会計士は引く手あまたですからね~。一般会社でチヤホヤ大事にされた方が居心地良いですよね

 

監査法人が不人気な理由

監査法人が不人気になってしまっている理由は次の通り。

不人気の理由
  1. 仕事がキツイ
  2. 海外の会計士と比べると待遇が悪い
  3. もっと自分を高く評価してれるところがたくさんある

 

一般に、監査法人の仕事は激務です。

  • 仕事量が多い
  • 高い専門性を要する
  • 出張も多い
  • 対人関係がハード(上司、クライアント)etc…

四半期決算のせいで、3ヵ月に1度、必ず繁忙期が訪れます。弊社を担当する会計士たちも、繁忙期はいつも深夜にメールを返してきていますね。

 

知り合いの会計士によると

「働き方改革で残業規制があるが、とてもじゃないが仕事は終わらない。結局、帰宅後にやっている」

とのことでした。

※「え~そんなの嫌だ」と思う人もいるかもしれまえんが、このハードワークゆえに、専門性の高いプロフェッショナルが育つという点も忘れてはいけません。

3年頑張ればその後の人生がめちゃくちゃラクになる。こういうプランが好きな人は、向いています。

 

待遇は、日本の監査法人だと、幹部まで出世しても年収1,500万円程度です。海外だと1億円を超えるところもあるので、将来を見据えた時に不満を抱くのも無理はないでしょう。

とはいえ、国内での他の就職先と比べれば、場合監査法人の待遇は悪くありません。30歳で1,000万円は十分現実的です(もちろん残業代コミ)。

それでも、会計士は引く手あまたなので、

  • IPOの準備企業に行ったり(そこそこの高年収+ストックオプション)
  • コンサルに転向したり(もっと高い収入)
  • 大企業に転職したり(多少年収が下がるが、高年収まったりホワイトで時給ベースだとUP)

みたいな感じで、いくらでも「もっと良い環境」も探せます。

こびと株管理人
もっと市場価値に見合うお金を払ってあげないと、会計士は監査法人に残らないんじゃないかな~

 

【コスパ最強】USCPAを活用して監査法人に入るというキャリアの魅力

というわけで、監査法人の現状についてザっと見てきました。

この現状を見て私が思うのは、

  • 20代でUSCPA取得→監査法人に入る→何年か勤めたら転職
  • 30代前半の経理・財務経験者がUSCPA取得→監査法人に入る→何年か勤めたら転職

というキャリアは、本当にコスパが良いということです。

監査法人に定年までいることはおすすめしませんが、3~4年ぐらい在籍するということであればかなり魅力的かと。

市場価値を高めて稼ぐ人材になるには、うってつけですね。監査法人出身者の会計士って、一般企業に入ると、間違いなく一目置かれます。

 

USCPAとは

USCPAとは、米国公認会計士のことです。

  • 日本の会計士試験は、超難関で地頭の良い若い人でなければほとんど合格できません
  • USCPAは、社会人が働きながらでも合格できる資格です

4科目に合格すれば、USCPAになることができます。各科目の合格率は50%弱。合格率が10%程度しかないJ-CPAとは、難易度が全くちがいます。

USCPAの難易度
  • 50%弱の合格率の科目に、4科目合格する
  • 必要な勉強時間はおよそ1,000~1,500時間ほど
  • 受験要件を満たすため&合格するためにスクール利用はほぼ必須。受験費含めて総額100万円ほど必要

USCPA(米国公認会計士)の難易度【完全解説版】合格率・勉強時間・受験資格をまとめてみた

2019.01.23
  • 100万円かけて
  • 1,000~1,500時間も勉強する

普通に考えたら、かなりの投資になりますよね。これだけやっても「コスパが良い」と言える理由を解説していきます。

※ちなみに日本の会計士試験に合格するためには、同じぐらいのお金ともっと多くの勉強時間(3,000時間~)が必要です。それでも、やれば報われるとは限らない試験です。ギャンブルですね。

 

USCPAのコスパが圧倒的に良い理由

下記の通りです。

USCPAのコスパが良い理由
  1. やれば報われる試験
  2. 会計士は、経理・財務系の最高峰のブランド
  3. 監査法人に入れる可能性がある
  4. バイリンガル+会計人材はグローバル企業から引く手あまた
  5. スタートアップのCFOなどの経営人材にもなれる

USCPA試験は「落とすための試験」ではありません。やれば報われるような試験制度になっています。合格率50%弱という数字を見ればそれは分かりますね。

一方で、会計士は経理・財務の世界では最高峰のブランド力があります。この資格以上に「会計のプロフェッショナル」であるということを証明する資格はありません。

 

現在、監査法人は人手不足であり、新卒採用でも中途採用でも、USCPAホルダーも視野にいれて採用活動を行っています。私の大学の後輩は、科目合格の状態でもBIG4で内定を獲っていました。

きっと彼女は20代のうちに

  • 優秀な人達に囲まれながら、
  • 非常に貴重な実務経験を積んで
  • がっぽり報酬を受け取って(25歳で600万円とか普通にいきます)
  • その後、より良い職場に移っていく

と思います

 

USCPAホルダーは、バイリンガル+会計という非常に希少なスキルセットを持っていることになります。このスキルは、グローバル展開している国内大企業はもちろんのこと、外資企業や国内のスタートアップでも喜ばれます。

まさに手に職。どんな環境の変化があろうと、食うに困ることはないでしょう。

ファイナンシャルプランニング&アナリシスやCFOといったポジションをねらえば、AIに仕事を取られることもありません。将来性を悲観する必要はないですね。

USCPA(米国公認会計士)に価値アリ!需要・将来性があると断言できる3つの理由

2017.12.27

【上場経理マンが語る】USCPAが「無駄」とか「意味ない」とかありえないと思う

2019.07.29

※J-CPAとUSCPAどっちが価値があるか?なんて議論が国内ではよくされていますが、世界的にはUSCPAの方が断然メジャーです。

弊社の海外子会社に訪問した際にも、日本の会計士よりもUSCPAホルダーの方が現地でのウケがいいです。なぜなら海外現地法人のCFOはほとんどUSCPAホルダーだからです。

 

20代の若手に限らず、経理・財務実務の経験者なら30代でもニーズはあります。BIG4のコンサル達が飲み屋で言ってたので間違いありません。

【実務家トーク】USCPAを取得した大企業経理マンは「BIG4のコンサルタント」への道もある

2019.04.05

 

なお、40代になると事情が変わるので、そのへんはご理解くださいませ。

40歳以降にUSCPAに合格した経理マンの現実【結論:20代~30代で合格しよう】

2018.08.01
こびと株管理人
USCPAは、今最強にコスパが良い資格のうちの1つだと思うわ

 

まとめ:しばらく続くと思われる「監査法人の人手不足」はチャンスです

というわけで、まとめに入ります。

監査法人の現状は、こんな感じです。

監査法人の現状

とにかく人手不足。

  1. 監査法人勤務の会計士の割合は、ひたすら減少
  2. 一般企業で働く会計士の人数はひたすら増加
  3. 国内監査法人は激務の割に海外より待遇が悪いので不人気

 

とはいえ、もともと監査法人は「市場価値を高める」にはうってつけのキャリアです。

  • 優秀な人たちに囲まれて(監査法人は「人」がビジネスモデルの根幹なので、優秀な人がいっぱいいます)
  • 普通の企業では経験できないような大きな仕事(監査、各種プロジェクト)がたくさんできます
  • 高度な領域(会計・税務・財務・内部統制)で専門性を鍛えることができます

履歴書に、キラりと光るキャリアを残せます。転職市場でも、転職先でも、一目を置かれますね。

 

日本の会計士試験は、挫折して苦しんでいる友人を何人も見てきたので、なかなかオススメできません。

でも、USCPAとなれば話は違います。身の周りにも合格者がたくさんいますし、キャリアアップに成功した人を何人も知っています。本当にコスパが良いのです。

USCPAのコスパが良い理由
  1. やれば報われる試験
  2. 会計士は、経理・財務系の最高峰のブランド
  3. 監査法人に入れる可能性がある
  4. バイリンガル+会計人材はグローバル企業から引く手あまた
  5. スタートアップのCFOなどの経営人材にもなれる

自己投資の選択肢としては、圧倒的におすすめですね。興味のある人は、ぜひ検討してみて下さいませ。

それではまたっ!

 

関連記事です。

USCPAの受験に必須ともいえる「スクール」の比較記事です。

USCPA(米国公認会計士)の予備校を徹底比較!4つのスクールの特徴をまとめてみた

2018.01.03

 

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ABOUTこの記事をかいた人

こびと株.comの管理人。一部上場企業での経理/財務の実務経験10年超、日商簿記1級、証券アナリスト、FP資格を有する「企業と個人のお金の専門家」。4つの財布(給与/配当/不動産/事業収入)を駆使して経済的自由を達成することを目標に奮闘中。