こんなサラリーマンのための記事です。
サラリーマンは、入社してすぐ、会社で様々な金融商品への加入をすすめられることがあります。
そして、ピュアで素直なサラリーマンは
- 会社がすすめてくれるんだからイイモノなのかな
- 要するに、お金を貯めるための制度だよね
- 聞いた感じ、オトクそうだよね
なんて理由で、どんどん加入してしまったりします。
- 財形貯蓄
- 従業員持株会
- 年金保険
この3つです。会社のすすめで加入した金融商品のすべてです!
入社して十数年。お金の知識をアップさせて、改めて自分が加入している商品を見直してみて、初めて気が付きました。
この記事では、①の財形貯蓄制度について、メリット・デメリットをチェックしていきたいと思います。
雰囲気で、損する商品に手を出してしまわないための参考にしてもらえれば幸いです。
目次
サラリーマンのための「財形貯蓄ってこんな制度」
小難しい説明は抜きにして、ざっくりと言うなら、財形貯蓄は
- 給与天引きで
- 毎月一定額をコツコツと積み立てる
- サラリーマンのための仕組み
です。
目的別に、
- 一般財形貯蓄:何に使ってもOK
- 財形住宅貯蓄:マイホーム取得資金
- 財形年金貯蓄:老後資金
の3種類があります。
さて、本当にそうでしょうか?(笑)
とはいえまずは、財形貯蓄の良いところから見ていきましょう。
財形貯蓄のメリット3つ!私はこんな理由で契約した
私がついつい財形貯蓄に加入してしまったのは、こんな理由です!
メリット①給与天引きで貯金ができる
うちの父親は、超・慎重派です。石橋を叩いて叩いて、叩き壊す勢いです。
そんな父の教えに、「おカネを貯めたかったら、給与天引きで貯金しなさい!」というものがあります。
ですから私こびと株、
という話をきいたとき、「コレはきっといいものだ!人間、手元にお金があると、ついつい使っちゃうものだもんね」と思ったわけです。
確かにこれは、財形貯蓄のメリットです。
- 意識しなくても貯金ができる
- 手間がなくてラクチン
といった点は、「特に贅沢した記憶もないんだけど、気が付くと金欠」というタイプの人には、かなりうれしい特典ですよね。
生活費の管理が初めての新入社員にとっても、安心の仕組みだと思います。
でも、今は思うんだ。
iDeCoも、給与天引きにできる場合が少なくありませんからねぇ。
メリット②税金がオトク
財形住宅貯蓄・財形年金貯蓄の制度を利用すると、税金的にオトクになります。(一般財形貯蓄ではオトクにならないので、要注意です)
具体的には、元本550万円までの部分について、利子等にかかる税金が非課税になります。
私も、新入社員の頃はそう思っていました。
でも、今は思うんです。
例えば、
- 非課税枠の最大額は、550万円
- 利率は、0.01%(※)
- 税率は、20.315%
※もちろん、商品によって変わってきます。
550万円×0.01%×20.315%≒112円!
よぉーし、年間最大112円オトクだぞー!
…112円の節税よりも、もっと他に気にするべきところがあるような気がしますよねぇ。
メリット③財形給付金がもらえる!
財形貯蓄を始めると、会社から給付金が支給される場合があります。
例えば
積立額の2%(月200円が上限)を給付します!
みたいな感じですね。
この場合だと、給料から1万円を天引きで積み立てるだけで、1万200円が貯蓄されていくというわけです。
給付金の有無も、金額も、会社によって違ってきます。
えぇえぇ。私も新入社員の頃は、そう思いました。
でも、今は思うんです。
例えば、私こびと株が、毎月1万円の財形貯蓄に加入したとしましょう。
毎月、
- 自分で積み立てた額:1万円
- もらえる給付金:1万円×2%=200円
- 利回り:200円÷1万円=2%
で、確かに高利回りに見えます。
年間で通してみると、1年目は
- 自分で積み立てた額:1万円×12か月=12万円
- もらえる給付金:200円×12か月=2400円
- 利回り:2400円÷12万円=2%
ということになります。
- 自分で積み立てた額:1万円×24か月=24万円
- もらえる給付金:200円×12か月=2400円
- 利回り:2400円÷24万円=1%
お気づきでしょうか。利回りは、半分に下がっています。
普通、利息は、貯蓄の残高に対して加算されます。貯蓄額が増えていけば、利息の額も増えていくのが自然です。
でも、財形給付金は利息ではありません。ですから、貯蓄の残高に2%をかけた金額が給付されるわけではありません。
あくまで、当年積み立てた金額に対してだけ、給付されるのです。
財形貯蓄のメリットまとめ
財形のメリットは、いろいろあります。
でも一言でいうと、
詳細は上に書いた通りです。また、他にも細かなメリットとして、
- 財形に加入していると、マイホーム資金の融資が受けられる
※ただし、一般の住宅ローンと比べて、必ずしも低金利ではない - 財形の利息は、一般の預金より若干高め
※ただし、ネットバンクなどに比べると、必ずしも高くない
などがあります。
「よし加入しよう!」となるには、どうにもショボすぎるメリット…。
これを頭に置きつつ、次はデメリットの方をチェックしてみましょう。
財形貯蓄のデメリット2つ!私はこんな理由で解約した
私がついに財形貯蓄を解約したのは、こんな理由です!
デメリット①引き出すのが大変
財形貯蓄の引き出しには、それなりの手続きが必要です。
具体的な方法は会社ごとに異なりますが、一般に
- 人事部・総務部などの指定する書類を書く必要がある
- 数日~十数日の時間がかかる
- 引き出しの目的やタイミングによっては、さかのぼって課税される
といった、わずらわしさがあります。
デメリット②利子が少ない!
結局、財形貯蓄の利回りは、たいして高くありません。
- 利子
- 給付金
- 税金の節約分
全部合わせても、たいした利回りにはなりません。今の金利だと、数年間の平均では1%にも手が届かないと思います。(詳細は、メリットのところに書いた通りです。)
財形貯蓄のデメリットまとめ
私こびと株は、自分のおカネは
- すぐに引き出せるおカネ
- それなりの利子がもらえるおカネ
のどちらかとして、保有したいと考えています。
①は、日々の生活のためのおカネや「もしものときのおカネ」です。
今日、お昼ごはんや缶コーヒー、洗濯洗剤を買うのに必要なおカネは、とにかく引き出しやすいことが重要ですよね。
また、突然おカネが必要になったとき(例えば入院とか。)、引き出せるおカネが無いと困ってしまいます。
私はこういった目的のおカネは、現金・普通預金として保有しています。
②は、将来のためのおカネです。
結婚とか、出産とか、育児とか、老後とか、いつかくるライフイベントのためのおカネは、すぐに引き出せる必要はありません。
しかし、今すぐ使わない以上、それなりの運用を考えます。私の場合は、主として株式として保有しています。
- そもそもの利子は少なめ
- 財形給付金を加味しても大したことない
- それなのに、「もしものときのおカネ」としては使えない
財形貯蓄まとめ:おすすめできません
財形には、いくつかのメリットがあります。
- 給与天引きで貯金ができる
- 税金がオトク
- 財形給付金がもらえる
などです。
けれども、
- 引き出しが大変
- 節税・財形給付金を考慮しても利息が少ない
ので、加入はおすすめできません。
※給与天引きで貯金したい人は、iDeCo(個人型確定拠出年金)について調べてみてくださいね。
いろんなおカネの制度についてしっかり学んで、損させられない社会人生活を送ってください♪
それではまたっ!
※サラリーマンは、いろんな面で悩みが多いですよね…。サラリーマンの悩みにこたえる記事、他にもたくさん書いてますので、ぜひご覧ください。
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