こんなお悩みにお答えします。
この記事を読めば、経済学部生や経営・商学部生の就職事情が分かります。
目次
経済学部と経営・商学部の違い
経済学部や経営・商学部は、経済活動に関して学ぶ学部です。
- それぞれが取り扱う分野が似ていたり、かぶっていたりする
- 互いに互いの分野の基礎知識を必要とする
- 学ぶ内容がほとんど変わらなくとも、呼び方が大学ごとに違う場合がある
などの理由で、違いがわかりにくくなっています。
それぞれの学部での学習内容について特徴をあげるとすれば
- 経済学部の扱う単位は「国」
- 経営・商学部の扱う単位は「組織(会社など)」
といったところでしょうか。
経済学では国際的なモノの流れや社会の効用といった大きな視点で経済活動について考え、経営・商学では組織運営や商取引そのものの在り方といった小さな部分から経済活動について考えます。
経済学部 | 経営・商学部 | |
---|---|---|
よくある授業 | ミクロ経済学 マクロ経済学 マルクス経済学 経済史 ゲーム理論 | 会計学 マーケティング論 組織論 マネジメント論 企業法 |
よくある学科 | 経済学科 経済政策学科 国際経済科 | ファイナンス学科 国際経営学科 貿易学科 |
- 経済学は学ぶには高度な数学(微分積分とか!)が必要
- 会計学を学ぶには算数(足し算・引き算・掛け算・割り算)がわかれば十分
です!
気になる就職状況については、両学部とも大きな違いはありません。(学んだ内容を就職に活かしやすい「会計」などの分野については、経営・商学部で取り扱うことが多いようです。)
国家試験コース
経済学部生や経営・商学部生の進路には、大きくわけて2つ、国家試験を受けるパターンと(国家資格なしで)民間企業に就職するパターンがあります。
2パターンのそれぞれについて、経済学部や経営・商学部と関わりの深い仕事についてご紹介します!
公認会計士
言わずと知れた、会計専門家の頂点「公認会計士」。主な業務は監査。企業等が公開する財務情報をチェックするのがお仕事です。
二次試験の選択科目に「経営学」「経済学」が含まれているほどですから、経済学部生や経営・商学部生が目指す士業としてはぴったりです。ただし、試験の難易度がかなり高いので(司法試験に次ぐと言われています)、目指すにはかなりの覚悟が必要です。
ちなみに、監査法人でのお仕事はとてもサラリーマン的です。大手監査法人の待遇は一流企業と変わりません。つまり、公認会計士資格はエリートサラリーマンへのパスポートと言えますね。
税理士
こちらは税金の専門家。税金の申告を代行したり、関係書類を作成したり、税金に関する相談にのったりするお仕事です。
税金計算について学ぶには会計の知識が必須ですから、経済学部生や経営・商学部生にとって選択肢にしやすい士業のひとつです。ただし、税理士試験はだいぶヤバいので、しっかり調べたうえで進路を選択しましょう。
公認会計士と違って、こちらの資格は「一国一城の主」です。サラリーマンなんて嫌だ!という人はこちらの資格の方が独立向きで合っていると思います。
中小企業診断士
中小企業診断士資格は、日本で唯一の経営コンサルティングに関する国家資格です。中小企業の経営に関するアドバイスをしたり、中小企業と行政等をつなぐパイプ役になったりするお仕事です。
経営に関するアドバイスをする仕事ですから、経済学部生や経営・商学部生でそのあたりの分野に興味がある人は、目指してみるのもよいかもしれません。一次試験と二次試験が、年に一度ずつ行われています。
中小企業診断士の年収は高めです。それは、一流企業に勤務している中小企業診断士が多いからです。資格そのものの力で食べていけるかというと微妙という評価です。
国家公務員
公のために働く仕事です。行政機関等に勤めています。業務の幅はかなり広く、業務によって合格が必要な試験の種類が異なります。
経済学や経営・商学と関係のある職種としては
- 国税専門官(国税局や税務署に勤め、税務調査などを行う)
- 財務専門官(財務局などに勤め、国家予算の管理や金融機関の検査などを行う)
- 社会科等の教員(いわゆる学校の先生)
などがあります。
民間企業就職コース
民間企業に就職するパターンについてご紹介します。
経済学部生や経営・商学部生の一般的な評価
- 即仕事に役立つスキルがある
- 文系だけど数字に強い
- 比較的つぶしがきく
このあたりが、経済学部生や経営・商学部生に対する就職市場での一般的なイメージです。
経済学や経営・商学は、実学と呼ばれます。理論よりも実際の生活で役に立つことを求める学問ですから、実際の経済活動の中で使えるスキルが身に着きやすいといえます。
このあたりが評価されて、経済学部生や経営・商学部生は「学生の中では比較的、即仕事に役立つスキルがあるかも」とみられやすいのです。
また、経済学では高度な数学を使いますし、会計学等でも数字に触れる機会があります。それが、文系学部の中では、比較的数字に強いとみられる理由です。
どちらかといえばポジティブなイメージを3つあげましたが、経済学部や経営・商学部の出身というだけで、就職が有利なわけではありません。
他の学生と差をつけるひと工夫には、例えば資格の取得があります。期待されている「即仕事に役立つスキル」について、プラスアルファのアピールができるので、かなり効果的です。
資格の勉強をがんばる自信のない人は、とりあえず就活情報の収集に努めましょう。
特にキャリアチケットは、カウンセリングでしっかりと話をきいてくれるのでおすすめです。プロの助言に基づくアピールによって、就活をグッと有利にすすめることができるはずです。(ちなみにお値段、なんと無料!)
就活は基本的に相対評価です。他の学生より半歩だけ前に出ることができれば内定がもらえますし、半歩遅れればお祈りメールを受け取ることになります。
この、たった半歩の差を勝ち取るために、少しでも早く手を打ちましょう。
経済学部生や経営・商学部生の就職先
経済学部生や経営・商学部生の就職先には、銀行・保険会社・証券会社などがあります。経済活動について学ぶ学部であるだけに、おカネに深くかかわる業種への就職があるようです。また、経営学の知識を活かしてコンサル業界へ、という人もいます。
とはいえ、これらの業種への就職も、他学部生に比べて少々盛んな程度。経済学部生や経営・商学部生だからといって、就職する業種が限定されるわけではありません。メーカーやサービス業への就職も多いですし、小売業への就職する人もたくさんいます。
この他、就職先の「業種」よりも「職種」を優先し
- 会計学を学んだから財務・経理部門
- マーケティングを学んだから商品企画部門
- ヒューマンリソースマネジメントを学んだから人事部門
の職種別採用を中心に就職活動を行う人もいます。
経済学部生や経営・商学部生の配属先
経済学部生や経営・商学部生の入社後の配属先で、もっともよくあるのは営業部門です。
文系大学生は、7割以上が営業に配属されるとも言われています。(出典:DIAMOND ONLINE「文系学生の大部分がイヤでも「営業」に配属される事実を知っているか?」)経済学部や経営・商学部も文系学部のひとつですから、経済学生や経営・商学部生のあなたが営業に配属される可能性は、かなり高いとみていいでしょう。
※営業について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
他には、内勤の事務部門(人事、総務、経理、法務、ITなど)への配属もあります。こちらは数が少ないのが一般的ですから、特に希望する場合は、職種別採用への応募をおすすめします。
※営業以外の仕事に興味のある方は、以下の記事をご覧ください。
経済学部や経営・商学部の就職に関するQ&A
経済学部卒や経営・商学部卒は就職に有利か?不利か?
「文系だから」「経済学部だから」「経営・商学部だから」という理由で「就職がないのでは…」と不安になる必要はまったくありません。しかし、実学を学ぶ学部だからといって特別有利になるわけでもありません。
ただし、学部で学んだことをもとに資格などを取得できれば、就活はグッと有利になります。(例:大学で会計学を学んだことをきっかけに、簿記に興味をもち、日商簿記検定2級を取得した)
経済学部生や経営・商学部生として就活で役に立つ資格は何か?
もっともコスパの良い資格は日商簿記検定2級だと思います。他にはFP2級やTOEIC565点などです。
- 簿記2級は、企業に評価される就活人気資格。詳細は簿記2級まとめをどうぞ。
- FP2級は、保険会社・証券会社・銀行などへの就活に役立つ資格。
- TOEICは565点が企業の期待スコア。スコアアップは英語嫌いでも短期で可能なのでおすすめ。
経済学部生や経営・商学部生は経理以外の内勤だと何ができる?
こんなあなたにおすすめなのは、プログラマーを目指してみるという道。
プログラミング=理系というイメージがあるかもしれませんが、文系出身者にもプログラミングは十分可能です。(現実に、文系出身のプログラマーはたくさんいるので間違いありません)
また、このプログラマーという職種、
- 将来的に人材が不足することが分かっている!
- 現時点においても既に圧倒的な需要がある!(求人倍率が高い)
- 給与水準も悪くない
- 手に職系の仕事である(転職しやすい!)
というおいしい状況にあります。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
まとめ:進路はいろいろ!
経済学部や経営・商学部の就職には、意外と幅広い選択肢があります。
- 公務員にもなれるし、民間企業にも就職できる
- 大学で学んだ内容を活かすのもよし、そこから少し離れるのもよし
大学で学んだ内容を活かしたいなら
- 財務・会計関係の仕事に就く
- 経営層を目指す
などの選択肢がありますし、大学での専門から離れたいなら
- 営業職に就く
- プログラマーになる
などの選択肢があります。
※ただし研究開発に関わる職種については、理系出身者でないと厳しいです。研究職を目指す人は注意しておきましょう。
それではまたっ!
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