こんな疑問にお答えします。
一部上場企業の経理・財務部に勤めてはや10年。社内会計士・税理士や、当社の取引先や専属顧問の会計士・税理士達から聞いたリアルな情報をふんだんに盛り込んでご紹介します。
- 会計士と税理士の「使命・役割」の違い
- 会計士と税理士の「業務領域」の違い
- 会計士と税理士の「資格の取得方法・難易度」の違い
- 会計士と税理士の「勤務先」の違い
- 会計士と税理士の「年収水準」の違い
- 会計士と税理士の「クライアント(依頼主)と依頼内容」の違い
- 会計士と税理士の「将来性」の違い
目次
違い①使命・役割
公認会計士の使命・役割
公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。
出典:公認会計士法第1条
なにやら小難しい言葉が並んでいますが、要するに「監査・会計の専門家」です。
監査というのは、企業の財務諸表をチェックすることです。
投資家は、企業が作成した財務諸表をもとに投資判断をします。もしその財務諸表に不正があれば、投資家達は投資したお金を失うことになりかねないわけです。この「財務諸表の正しさ」を守っているのが公認会計士です。
世界約120ヶ国(約160団体)で、およそ250万人の公認会計士が、 自国の企業等が公開する財務情報を検証し、 世界中の投資家に開放される株式市場においてその正しさを保証しています。
(出典:公認会計士協会 公認会計士の使命)
企業が公開する財務情報が正しければ、株式市場において安心して投資が行われて、結果的に国民経済が健全に発展するよね!そういうことですね。
公認会計士のお仕事は、とても公益性の高いお仕事です。
税理士の使命・役割
私たち税理士は、税理士法の定めによって「税に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそって、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図る」を使命としています。
わが国の納税システムは、自らが計算して税務書類を作成し、納税するという「申告納税制度」を採っています。 私たち税理士は、皆さまの代理人として次の業務を通じて皆さまに代わって申告納税のお手伝いをすることを業としています。
(出典:東京税理士会 税理士の使命)
こちらも色々と言っていますが、要するに「税の専門家」です。
日本では、自分の税金は自分で計算して納付します(そうじゃない税金もありますが)。自分で計算すると大変だし間違うことも多いだろうから手伝ってあげる、税理士はそういう存在というわけです。
- 公認会計士は、監査によって国民経済の発展に貢献することが使命!
- 税理士は、国民の納税をお手伝いすることが使命!
違い②業務領域
公認会計士は「監査」がお仕事、税理士は「税務」がお仕事です。
公認会計士の業務内容:会計監査がメイン
公認会計士には3つの仕事があります。
- 監査
- 税務
- コンサルティング
このうち、メインとなる仕事は「監査」です。会計士しか行うことができない独占業務ですね。
一口に監査と言っても、どのような法令に基づいて、誰を監査するかで内容は異なります。
①法定監査(法令等に基づく監査)
- 金融商品取引法に基づく監査(上場している会社など)
- 会社法に基づく監査
- 国や地方公共団体から補助金を受けている学校法人の監査
- 独立行政法人の監査
- 公益社団・財団法人の監査
- 地方公共団体の外部監査
トヨタとかNTTドコモとか、誰もが知っている大企業ばかりを監査しているイメージが強いかもしれませんが、学校や地方公共団体などの監査もやっています。
この他にも、法定監査以外の監査(法令等に基づかない監査)や国際的な監査があります。まさにチェックの専門家ですね。
②税務
実は、公認会計士に合格すると、税理士としても登録することができます。とりあえず、公認会計士試験に合格するためには「租税法」の科目にも合格しないといけないんですよね。
公認会計士は税務の専門家でもあるというわけです。この点は色々モメている点もあるので、のちほど紹介しますね!
③会計コンサルティング
会計の専門家という立場から、コンサルティングなんかもやってます。
- 相談業務(会社の経営戦略、長期経営計画を通じたトップ・マネジメント・コンサルティング)
- 組織再編などに関する相談、助言
- 企業再生計画の策定、検証
- システムコンサルティング(情報システムの開発・保守、導入、運用、リスク管理等に関するコンサルティング)
- 不正や誤謬を防止するための管理システム(内部統制組織)の立案、相談、助言
- 資金管理、在庫管理、固定資産管理などの管理会社の立案、相談、助言
公認会計士になれたらカッコよく仕事できるかも!と夢を抱く若い人達を惹きつけるのは、監査業務よりもむしろコンサルティング業務かもしれないですね。
税理士の業務内容:税務がメイン
税理士には3つの仕事があります。
- 税務代理
- 税務書類の作成
- 税務コンサルティング
会計士と違って「税務」に特化されていますね。これらの仕事は税理士の独占業務であり、税理士資格を持たない者がこれらの業務を行うと法律で罰せられます。
①税務代理
納税者の代わりに、税務署等への申告・申請を行います。税務調査に立ち会い、納税者の代わりに税務調査の対応を行うこともあります。
②税務書類の作成
税務署に提出する申告書を、納税者にかわって作成し提出します。
③税務相談
税金の計算、申告手続き・各種届出、税務の相談に応じます。
さて、公認会計士は「監査」の専門家。税理士は「税務」の専門家です。なぜ、公認会計士には税理士資格がオマケで付いてくるのでしょうか?この点、実は昔から公認会計士協会と税理士会の間でずいぶんモメているのです。
まるで公認会計士資格が税理士資格の上位互換みたいな感じになっていますからね。税理士会としてはビジネスのライバルも増えるし面白くないわけです。そこで、議論を重ねた結果こんなことになりました。
去る平成26年の税理士法改正においては、税理士制度の信頼性向上に資すること等の観点から、公認会計士に自動的に税理士資格が付与されていた制度を改め、平成29年4月1日以後に公認会計士試験に合格した者について、公認会計士法に定める実務補習団体等が実施する研修のうち、一定の税法に関する研修を修了した公認会計士にのみ税理士資格を付与するとされました。
(出典:日本税理士会連合会)
研修を修了しないとダメよ、お前らも税金勉強しろよということです。この研修がどこまで大変かはまだ分かりませんけどね。
私も実務に携わっているのでよく分かるのですが、会計士はたいして税金に詳しくないです。うちの会社にきている監査法人の会計士たちに、税金のことを教えてあげるの結構大変なんですよね。
私が計算した法人税について、とんちんかんな質問がたくさん来るので困ってます。
先ほど、会計士の業務領域に「税務」が入っていましたが、やはり会計士は「会計と監査」の専門家という理解が実態に合っていると思います。
- 公認会計士は、監査・会計コンサルティングが主な仕事!
- 税理士は、税務(代理、申告書の作成、税務相談)が仕事!
違い③資格の取得方法・難易度
公認会計士試験は短距離走、税理士試験はマラソンと言われています。
公認会計士になる方法とその難易度
公認会計士になるには、3回の試験をクリアしなければなりません。
- 1次試験(筆記:短答式)
- 2次試験(筆記:論文式)
- 修了考査(修了考査を受けるには、2次試験合格後、監査法人等で2年以上の実務経験が必要)
①の合格率は15%程度、②の合格率は30%前後、③の合格率は70%程度です。
公認会計士試験では、必須科目と選択科目、あわせて9科目あります。
- 財務会計論
- 管理会計論
- 監査論
- 企業法
- 租税法
※論文式試験では、①と②は会計学として1つの科目扱い
- 経営学
- 経済学
- 民法
- 統計学
合格者の平均年齢は26歳前後と、税理士試験等と比較するとかなり若いです。大学生のうちから予備校に通って2~4年かけて合格するというのが一般的で、税理士試験と比較すると短期決戦の試験です。
うちの会社には、公認会計士が2人います。1人は学生時代に、1人は社会人になってから合格しています。2人とも資格スクール(TAC)を利用していたそうです。
一方で、公認会計士になれずに撤退した人を3人知っています。論文式試験に合格できず、30歳を手前に公認会計士試験から撤退して就職したようです。
5人とも、上位国公立・早慶クラスの高学歴のメンバーです。独学で受かる人もいないこともないですが、かなりの少数派みたいですね。
「独学で公認会計士に合格!」という本を出版したりサイトを運営している人は、上位数%のトップエリートが多いです。ハッキリ言ってあまり参考になりません。
公認会計士試験は、「資格スクールを利用するのが前提」の難易度だと思った方が良いでしょう。
税理士になる方法とその難易度
税理士になるにはいくつかのルートがあります。
- 税理士試験5科目に合格する
- 大学院で会計や税に関する論文を執筆し、試験免除を受ける(最低2科目は自力合格は必要)
- 税務署等の国税官公署で23年間以上勤務して研修を受ける
- 公認会計士試験に合格・登録し、(研修を受けた後)税理士資格の付与を受ける
税理士試験は全11科目です。そのうち5科目を選択し、すべてに合格する必要があります。
(出典:TAC)
税理士試験の特徴は、なんと言っても生涯有効な「科目合格」です。いくら時間をかけてもOKです。公認会計士試験と比較して、社会人合格者がはるかに多いのはそういう理由です。
合格にかかるまでの平均的な時間は7~8年とも言われています。公認会計士の2~3倍の時間がかかるということです。各科目の合格率は10%強(会計科目は20%弱)で、いずれの科目もかなりの難関です。
うちの会社には4人の税理士がいます。院免除が1人、5科目合格者が3人です。彼らが口をそろえて言うのは、次の3つですね。
- 公認会計士は税務を知らない
- 税理士試験は独学は無理
- もう2度と勉強したくない
(ほぼ)自動的に税理士資格を取得できてしまう公認会計士に対するライバル意識と、過酷なマラソンを走りぬいたがゆえの「もう2度とやりたくない」という気持ちですね。
税理士試験は、ギリギリのところで受からなかった受験ベテランが滞留しています。独学では勝負にならないようで、少なくとも1科目1回は予備校を利用しないとキツいようです。2年目以降の受験は独学でも大丈夫みたいですね。
公認会計士試験同様、こちらも「資格スクールを利用するのが前提」の難易度です。
- 公認会計士になるには3回試験に合格!合格率は①15%前後、②30%前後、③70%前後
- 税理士になるには5科目に合格!各科目の合格率は10%強(会計科目はもう少し合格率高め)
違い④勤務先
公認会計士は監査法人、税理士は中小会計事務所での勤務が一般的です。
公認会計士の勤務先:監査法人がメイン
監査法人が主な勤務先です。公認会計士試験に合格したら、とりあえず4大監査法人(Big4)を目指すというのが一般的でしょう。
- あずさ
- 新日本
- トーマツ
- PwCあらた
もちろん、中小監査法人を目指す人もいます。監査法人で実務経験を積まないことには会計士を取得してもほとんど意味がありません。
監査法人で数年働いた後の勤務先は多種多様です。
- 監査法内で出世を目指す
- 一般の事業会社に転職する
- 独立して会計事務所を開く
- スタートアップ企業(ベンチャー企業)の財務担当役員になる
会計という専門分野がありますから、どの勤務先に居ても重宝されるでしょう。専門性の高い仕事ができることはほぼ間違いありません。
ちなみに、公認会計士は離職率が高いです。不規則で激務ですからね。
うちの会社を担当していた監査法人の会計士達もどんどん辞めていきました。
一般の会社に転職していった例が多いですね。まれにスタートアップ企業に潜り込んだというも話聞きます。独立開業の話は聞いたことがありません。
ワークライフバランスをとるために、ホワイトな大企業に転職していくというケースが一番多い気がします。
税理士の勤務先:会計事務所がメイン
税理士の場合、中小会計事務所が主な勤務先です。
実は、独立開業している会計士というのはほぼ全員「税理士」として登録して独立開業しています。意外かもしれませんが、公認会計士はエリートサラリーマンとしての優良資格なのです。独立向きなのは税理士です。
中小会計事務所で勤務するのは、そこで出世を目指そうというよりは、独立前の修行的な意味合いが強いです(事務所の所長もそれを分かっているので、かなり薄給で買い叩きます)
会計事務所で働いた後はこんな感じですね。
- 大手税理士法人に転職して出世を目指す
- 一般の事業会社に転職する
- 独立して会計事務所を開く
あくまでイメージですが、税理士は公認会計士より規模の小さな組織で働いているということですね。
- 公認会計士は、まずは監査法人で勤務。その後、様々な道へ!
- 税理士は、中小会計事務所に勤務。その後、様々な道へ!
違い⑤年収水準
平均値としては公認会計士の方が高いですが、税理士の場合ズバ抜けて高報酬の人もいます。
公認会計士の年収:1,000万円なら誰でも狙える
「勤務先」の項目で紹介したように、公認会計士は比較的大きな組織で働いているケースが多いです。その場合、独立した専門職というよりは、大企業に勤めるエリートサラリーマンという認識が実態に近いでしょう。
大手監査法人の場合、給与水準はいわゆる一流企業をベースに設定されているので、そのへんの一般会社と比較すると高給取りと言えます。
具体的には、勤続年数が10年を超えれば30代で1,000万円は十分に狙えます。年収1,500万円、2,000万円となるとパートナー(共同経営者)クラスまで出世する必要がありますが、そこまでいけなくても世間的には十分な給与水準ですね。
ただ、気をつけなければいけないのは、監査法人は福利厚生が薄いです。社宅やら退職金などがないところも多いので、そのへんを差し引くと実質の年収はもう少し低いかもしれません。あと、単純に労働時間が長いです。
一部上場企業で、給与ランキング上位に入っている企業であれば、生涯年収は会計士とそんなに変わらないかもしれません。そういう意味では、優良企業に入社できる力のある学生さんは、公認会計士に合格しているのと同じぐらいアドバンテージがあるとも言えますね。
税理士の年収:300万円~1,000万円超までピンキリ
一方で、年収水準の幅が大きく下値が結構低いのが税理士です。
「勤務先」の項目で紹介したように、税理士は比較的小さな組織で働いているケースが多いです。中小会計事務所の待遇は決して良いとは言えません。
会計業界は激務薄給の代名詞のようなところです。税理士に合格して独立開業するまでは、完全に奉公人です。うちの会社に転職してきた税理士さんも、薄給具合に耐えかねての転職でした。二度とあの業界には戻りたくないと言っています。
会計事務所勤務の場合、年収300万円あれば良い方かもしれません。年収200万円台はザラです。もし400~500万円あれば相当恵まれている方でしょう。
もし待遇を良くしたいのなら、やはり次のいずれかの選択肢をとる必要があります。
- 優良企業に転職する
- 独立開業して一旗あげる
税理士は、会計士と比較すると企業ウケがそんなに良くないです。理由が気になる方はこちらの記事をご参照下さいませ。
やはり、税理士は独立してナンボの資格です。業界が飽和状態にあって稼げる資格ではないとも言われていますが、私の知り合いでも独立してうまくやっている人もいます。
経営者になる以上、「一般的にこう」ということは言いづらいですね。完全にケースバイケースです。開業3~5年で年収1,000万円を超えられる可能性もありますから、チャレンジする価値はあると思います。
- 公認会計士は、勤務10年で年収1,000万円程度が目安。パートナーにまで出世すれば2,000万円を超える!
- 税理士は、年収300万円~1,000万円程度が目安。上を目指すなら独立開業!
違い⑥クライアント(依頼主)と依頼内容
公認会計士のクライアントは大企業、税理士のクライアントは中小企業がメインです。
公認会計士のクライアント(依頼主):大企業がメイン
公認会計士の監査を必要とするのは、いわゆる大企業です。したがって、公認会計士のクライアント(依頼主)は必然的に大企業が多くなります。
基本的な依頼内容は、監査契約に基づく「監査」です。公認会計士は監査が仕事(そしてこれが独占業務)なので、このあたりは当たり前ですね。
監査以外の業務(コンサル業務)に関しては監査以上に高い専門性を求められます。例えばですが、こんなイメージです。
- 海外子会社の財務管理システムの構築
- 組織再編に伴う租税の最適化
- M&Aコンサルティング
- IFRS移行プロジェクト
- 資本構成の最適化
もちろん、1件あたりの報酬はかなり高いです(ただ、個人で扱えるレベルの話題ではないので、個人の給与にどこまで関係するかは何とも言えないところです。)
このように、高い専門性が求められ、相応の報酬が貰える仕事というのは魅力的ですね。
税理士のクライアント(依頼主):中小企業がメイン
一方、税理士のクライアント(依頼主)は、中小企業が多いです。大きな税理士法人に勤めている税理士は別ですが、事務員が数人~十数人規模の事務所が相手にする企業はほとんどでしょう。
税金や後継者問題は、中小企業の社長の大きな悩みです。したがって、依頼内容としてはこのようなものが多くなります。
- 法人の節税
- 社長個人の所得税の節税
- 業績や資金繰りの分析
- 税務調査対応
- 事業承継コンサルティング
監査法人に勤める会計士と比較すると、社長との距離感がかなり近いですね。
公認会計士は独立した第3者として企業を監査しますが、税理士は完全に社長の懐刀です。企業に寄り添って、企業の発展に貢献したいということであれば、業務内容としては間違いなく会計士より税理士業務をやった方が良いです。
監査法人経験者が独立・転職する理由の多くは「企業の側に立って仕事がしたい」です。税理士には、ただの税金計算屋ではなく、企業参謀としての役割が求められています。
- 公認会計士は、大企業を相手にチームとして高難度のタスクを請け負う!
- 税理士は、中小企業を相手に、社長に近しい相談相手として身近な問題を解決する!
違い⑦将来性
会計士業界も、税理士業界も、先行きは曇り空です。
公認会計士業界の将来
なんと、公認会計士は「AIによって仕事を失う職種」のトップレベルにランクされています(オックスフォード大学の研究に基づく)。つまり、会計士の仕事は将来なくなってしまう(もしくは激減してしまう)という予測がされているということです。
ここ最近、会計士をとりまく需給は厳しくなっており、その影響を受けて受験者は激減しています。ここ10年の間に、受験者が半分以下のレベルに…
(出典:キャリアガーデン)
資格さえ取れば安泰、そういう時代ではなくなってきているということです。
一流企業勤務のパスポートとしての価値は失っていないと思いますが、監査業務で一生食っていく!というには厳しい環境になってきているかもしれません。
いずれにせよ、ここ十数年でさらに環境が大きく変わっていきそうですね。
税理士業界の将来
税理士についても、会計士と同様先行きは明るいとは言えません。試験難易度の上昇や就職環境の悪化によって、受験者数は7年連続で減少しています。こちらも激減と言って良いレベルです。
(出典:会計事務所求人名鑑)
ここ最近、税金の申告に関して、Freeeなどのクラウド申告システムがシェアを伸ばしています。AIによる自動申告というには程遠いですが、税金の申告業務に関しても自動化の流れは止まりません。
ちなみに、エストニアという国では納税システムの自動化によって税理士という職業がなくなりました。
今後税理士として食べていきたいのなら、申告代理・申告補助業務ではなく、コンサル業務をメインに据えて経営者のニーズを汲み取っていかなければならないですね。
- 公認会計士、税理士、いずれもAI化の波に飲まれつつあり先行きは不透明!
まとめ:先行きは不透明だが、会計士と税理士はやはり会計系のプラチナ資格
将来性のところで、かなり悲観的な情報を書いてしまいましたが、個人的にはそこまで悲観する必要はないと思っています。その理由は
- 会計士・税理士が持つ専門性は、機械に代替されないものがある(会計税務の知識+経営陣とのコミュニケーション能力)
- 税の世界はどこまで行っても行政と納税者のイタチごっこで、グレーゾーンはなくならない。グレーゾーンの論点で課税庁と議論・交渉する能力はAIにはない
- 過去の会計士・税理士が築いてきた「信頼」はそう簡単にはなくならない(監査や申告代理ができなくなっても、企画職・企業参謀として期待される役割はなくならない)
- 日本においても、10数年前から電子ソフトの普及に伴って会計士や税理士は必要なくなると言われているが、実際には今も需要があり続けている
- 会計士や税理士より先に、簡単な事務作業に従事している作業員の仕事がなくなる(逆に言えば、上流の高付加価値業務は残る)
挙げだすとキリがないですが、ポジティブに捉えられる要素はいくらでもあります。結局は、自分がどういう働き方をしたいかというところに落ち着くと思います。
会計・税務の分野で専門性を発揮して、プロフェッショナルとして企業の成長に貢献したい
そういうことであれば、会計士・税理士は間違いなく最高峰のおすすめ資格です。これに代わる社会的信頼がある資格はないと断言できます。
さて、というわけで、公認会計士と税理士の7つの違いについて見てきました。
- 会計士と税理士の「使命・役割」の違い
- 会計士と税理士の「業務領域」の違い
- 会計士と税理士の「資格の取得方法・難易度」の違い
- 会計士と税理士の「勤務先」の違い
- 会計士と税理士の「年収水準」の違い
- 会計士と税理士の「クライアント(依頼主)と依頼内容」の違い
- 会計士と税理士の「将来性」の違い
この記事で、ネット上で手に入る主要情報は比較的網羅できています。あとは
- リアルの友人・知人からさらに信頼性の高い情報を入手する
- 資格スクールの受講相談・パンフレットで情報を入手する
これらを総合的に考慮して、公認会計士や税理士を目指すかどうかを判断すれば良いと思います!
資格スクールは、事実上、TACと大原の2択です。公認会計士や税理士試験では圧倒的な合格実績・シェアを誇ります。
知り合いの会計士や税理士は、全員TACか大原の受講生です。講義の質や実績に不安のある格安の通信スクールなどと比較して、リスクの低い選択肢と言えるでしょう。
公認会計士と税理士の違いをしっかり把握して、自分の性格に合った方を選んでください!
それではまたっ!
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