- 経理部に配属されて数年
- ステップアップしたいけど、いまいち方向性が見えない
- ヤル気はあるけど、どうも成長してる実感が足りない
こんな経理マンのための記事です。
私フルーツは、経理ひとすじ10年超。やっかい者の新人経理部員から、デキる中堅経理部員へステップアップしてきました。
- 社内で、「デキるヤツ!」と思われて大事にされる
- 社外で、「どこへでも転職できる」と太鼓判を押される
①があると職場の居心地はグッと良くなりますし、②があると心にゆとりが生まれます。
- いちばん大事なのは実務経験
- まずは財務会計。特に開示・税務・連結
- 良い仕事をとるには、①実績・②勉強・③ヤル気アピールの3点セット
- それでも仕事が取れなければ、サクッと転職するのが◎
目次
【はじめに】仕事は自分で選ぶもの!
私は「仕事は自分で選ぶもの」だと考えています。
- 経理部員としてのステップアッププランは、自分で作りましょう
- そしてそのために、自分で選んだ仕事をしましょう
ということです。
会社は、必ずしも社員を守りません。長いサラリーマン生活の間には、いろいろなことがあり得ます。
- リストラ
- うつ病
- パワハラ・セクハラ …etc.
そんなとき、自分の身は自分で守れるキャリアを身に着けておきたいものです。
重要なのは、実務経験です。しっかりした実務経験があれば、あっさりと転職してしまえる可能性が高いからです。(経理の場合は特に)
ステップアップできる仕事を選びましょう。実務経験を積みましょう。
この記事では
- ステップアップできる仕事って具体的に何?
- ステップアップできる仕事を取るためにはどうすればいいの?
の2点をご紹介したいと思います。
ステップアップのために身に着けるべきこと
ステップアップの意味や方向性はいくつかあります。
- 社外で評価されるステップアップ → 転職がしやすくなる
- 社内で評価されるステップアップ → 昇進する
- 自分が満足するステップアップ → 自分として満足する
ここでは、主として①の話をしたいと思います。
②や③は、会社により・人により差がありますが、①はおおむね共通だからです。(①をクリアすれば、②や③もついてくることが多いですしね。)
- 制度会計:法律・会計基準に従うので、どこの会社でもやることは大体同じ
- 管理会計:ルールがないので、会社によってやることが違う
どこの会社でも使えるスキルだから、制度会計は①のステップアップには最適なのです。
ステップ①開示
上場企業の経理部にいるなら、ぜひ経験しておきたいのが開示業務。
転職市場で価値が高いわりに、経理初心者にも取り組みやすいおいしい業務です。
- 決算短信
- 有価証券報告書
- 招集通知
といった資料を作ります。株主や投資家に向けた、決算内容の報告資料ですね。
新人経理部員が、最初にねらうべき業務といえるでしょう。
目に見える成果物が完成するので達成感も得やすいですし、ステップアップの第一歩にぴったりです。
ステップ②税務
どんなに小さい会社でも、必ず発生するのが税務申告業務。
専門性が高い分、身に着けると応募できる転職案件がグッと増えてきます。
社内でも存在感を発揮しやすくなるでしょう。
- 固定資産税
- 所得税
- 事業所税
- 消費税
- 法人税
などとたくさんの税目がありますが、最重要項目は法人税です。
法人税は、単体決算の集大成だからです。
ステップ③連結
最後にクリアすべきステップは、連結決算業務。
開示・税務・連結と経験すれば、制度会計は一通りわかると言える自信がつくはずです。
連結決算業務では、企業グループ全体の財務諸表を作ります。
「企業グループ全体が1つの会社だったらどんな経営成績だったか」などが分かる財務諸表です。
決算業務は
- 単体決算
- 連結決算
- 開示
という順に流れていきますから、単体決算(含:税務)や開示の知識があると、取り組みやすいと思います。
ステップアップできる仕事の取り方
仕事を取る方法は、2通りしかありません。
- 今いる会社の中で仕事をとる
- 今いる会社の外で仕事をとる
それぞれ見ていきましょう。
ステップアッププラン①社内で仕事をとる
まずは、今いる会社の中で仕事をとる方法。
これは意外と単純で、
- 実績を見せること
- 勉強は自分ですませておくこと
- ヤル気をアピールすること
の3つです。
多くの場合、3つがそろえば(時間はかかっても)望む仕事をさせてもらえるでしょう。
まずは、①実績を見せること。
上司の立場になって考えてみましょう。重要な仕事を任せやすいのは、どんな部下でしょうか?
今まで、担当した業務について
- 期限通りに処理してきた
- 正確に処理してきた
- トラブルがあっても、手当てが適切だった
- 業務改善がすすんでいる
- 前任者から引継ぎが無くても文句は言わない
- 後任者への引継ぎはきちんとやる
こんな、実績のある部下ではないでしょうか。
まずは今担当している仕事で、成果を出しましょう。
信頼を積み重ねて、意見が通りやすい状況を作りましょう。
次は、②勉強は自分ですませておくこと。
経理の仕事は、前提知識を必要とする業務が多くあります。
「仕事をGETしてからお勉強を始める」「教えてもらいながら実務に取り組む」という人より、「自分で勝手に知識修得を済ませている」人の方が、仕事を得やすいのは当然です。
お勉強は自分でしましょう。
そして、お勉強が済んでいることを、わかりやすくアピールしましょう。
- 財務報告実務検定に合格した
- 予備校で税理士試験「法人税」の講座を受講した
- 連結の参考書を10冊読んで、問題集を10冊やった
という具合です。
仕事を得る準備は、万端にしておきましょう。
最後に、③ヤル気をアピールすること。
意外にも、3つの中で一番重要なのはコレ、ヤル気アピールです。
- 目標設定の面談で
- お昼休みの雑談で
- 飲み会で
とにかくそこらじゅうの人に「この仕事がやりたい!!」とアピールしまくってください。
もちろん、特に力を入れるのは上司へのアピールです。上司の耳にタコができるまで言い続けましょう。
仕事を「したくない」人はたくさんいますが、仕事を「したい」という人はあまりいません。
「仕事を選ぶやつ」と思われないようにだけ気を付けていれば、ヤル気アピールだけでも評価が上がってしまうかもしれません!
ステップアッププラン②社外に仕事を探しに行く
- 実績を見せ、勉強をして、ヤル気アピールをしたけどムダだった
- そもそも異動をさせない会社だから、自分の課に無い仕事はどうやったってできない
- 「お前はとにかく伝票の打ち込みだけやってろ」と言われる
こういう場合は、社内で仕事をとるのをあきらめるしかありません。
さっさと社外に目を向けて、必要以上に消耗しないようにしましょう。
今、経理の転職市場はかなりの売り手市場です。経理として勤めた経験のある転職者は、かなり有利に転職活動ができます。
やりたい仕事をさせてもらえない会社に、いつまでも居続ける必要はありません。
これを機に、サクッと転職活動を始めてみましょう。今がチャンスなのですから。
「やりたい仕事がある。今の会社ではできない。だから転職したい」という主張は、転職活動の志望動機としても受け入れられやすいです。
私は実際に、転職活動で「今の会社は10年20年異動をさせないので、新しい業務にチャレンジする機会が得にくい。私は今税務をやってみたい。」というような主張をして、内定をとりました。
もちろん内定先は、税務グループへの配属を約束してくれました。
※ちなみに、内定を獲得した状態で今の会社と交渉すると、異動希望が通るケースもあるようです。「もう転職しちゃうんだからっ!」と言われて始めて真剣に考えるということでしょうか…。
転職について少しでも気になったら、とりあえず転職エージェントに会ってみるべきです。決断は、情報収集の後でするのが◎。良い転職エージェントは、良質な情報源です。
経理マンへのおすすめは、MS-Japan。
転職エージェントには、得意分野があります。ぴたりとハマればめちゃくちゃ役に立ってくれますが、合わないエージェントなら使わない方がマシ。
他にももちろん大手の転職エージェントはたくさんありますが、やはり専門性が高く自分に合いやすいエージェントを使うのが近道です。ぜひ相談してみてください。
経理のステップアップまとめ:自分のキャリアは自分でつくる
- いちばん大事なのは実務経験
- まずは財務会計。特に開示・税務・連結
- 良い仕事をとるには、①実績・②勉強・③ヤル気アピールの3点セット
- それでも仕事が取れなければ、サクッと転職するのが◎
自分の転職価値は、定期的にチェックしておきましょう。
ちなみに今は経理の転職市場が熱いので、ステップアップできる会社に転職するなら「今」がおすすめです。
それではまたっ!
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