45歳以上を対象にしたリストラが横行する3つの理由とその対策

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こんにちは、シーウィード@こびとが見える経理マン(@kobito_kabu)です。

45歳以上を対象にしたリストラが止まりません

  1. 45歳以上を対象にしたリストラが横行する3つの理由
  2. その対策

この記事では、上記2つについて語りたいと思います。

 

こんなにある!45歳以上のリストラを発表した一部上場企業

ここ最近で、一部上場企業が発表したリストラのうち、主要なものを時系列でまとめてみました。いずれも、45歳以上が対象となっているものです。

2018年6月~2019年2月に行われたリストラ
  1. NEC…約2,000人以上が応募
  2. エーザイ…予定の3倍となる300人が応募
  3. 千趣会…約300人の退職を想定
  4. 日本ハム…約200人の退職を想定
  5. 昭文社…全従業員の2割にあたる80人程度の退職を想定
  6. アルペン…全従業員の1割を超える約350人が応募
  7. カシオ計算機…約150人の退職を想定
  8. 協和発酵キリン…約300人が応募
  9. コカ・コーラ…約700人の退職を想定
  10. 富士通…3月時点で約3,000人が応募

まさかあの名門企業も…という感じですね。

 

45歳以上を対象にしたリストラが横行する理由

ざっくり、この3つです。

3つの理由
  1. 日本企業の競争力の低下
  2. 中高年社員の生産性の低さ
  3. 中高年社員の伸びしろのなさ

順番に見ていきましょう。

 

日本企業の競争力の低下

この30年で、日本企業はその存在感を大きく失いました。

平成元年と平成30年における世界時価総額の比較は次の通り。

とんでもない数の日本企業が上位を占めていましたが、今やトップ50に入るのはトヨタ自動車のみ

意外に思われるかもしれませんが、今でこそ成果主義・実力主義を採用しているアメリカも、昔は「家族経営」を掲げ、終身雇用を維持しようと頑張っていたそうです。

従業員みんなで裕福になる」という幻想を打ち砕いたのは、他でもない日本企業です。

高度経済成長期、日本企業が世界経済を席捲するなか、日本企業に打ち破られた米国企業は次々とリストラを断行していきました。

それと同じことが、今、日本で起き始めているということです。

 

生産性の低さ

日本企業の給与体系は、メンバーシップ型です。

給与を決定する最大の要因は年齢です。

  1. 若いうちは給与がおさえられ(割に合わない)
  2. 歳をとってから給与が上がりはじめ(割に合うようになる)
  3. 退職金をもらったところでペイする

こういう仕組みですね。

様々な部署を経験したゼネラリストと言えば聞こえは良いですが、裏を返せば何の専門性も持たないということです。

 

弊社経理・財務部でも、25歳の会計士ホルダーより、他部署から異動してきた45歳のド素人の方が給与が高いです。誰が見ても会計士の方がアウトプットは優れているんですけどね。

企業から見ると、45歳の彼はあまりにも生産性が低いわけです。

こういう仕組み(年功序列)で

  • 人材の価値/評価を決めてきた
  • 人材を配置/育成してきた

それは他ならぬ日本企業&人事部なわけですが、ここにきてつじつまが合わなくなってきたようですね。その責任の取り方が「従業員の解雇」というのは不思議ちゃんですね。

※しかも、45歳以上をクビにしても実力のある若手の給料が増えるわけではありません。という残酷な事実は明記しておくべきでしょう。

 

伸びしろのなさ

生産性が低ければ、高めれば良いだけの話です。

しかし、40代半ばともなると、

  1. 学習意欲
  2. 積極性
  3. 向上心

こういったものが欠けてくる傾向にあります。要するに、これ以上の伸びしろが見込めないということ。

  • このままの職種では活躍できない
  • かといって配置転換で価値を出せるほどの意欲もない

そうなると、辞めてもらうしかないというわけ。「あなたにやってもらう仕事はありません」というやつですね。

エネルギッシュに働く人ももちろんいますが(そういう人はリストラの対象にならない)、人件費カットの対象とするにはあまりにも十分な人数、こういう「ぶら下がりおじさん」は存在しています。

 

リストラに備えた対策

ベースは、もう年功序列・終身雇用を信じないことです。

これだけリストラの事例が出てくれば、会社におんぶにだっこで定年まで生き延びようとする人はさすがに減ると思いますが…

年功序列の崩壊は前提として、次のような対策をとっておくべきでしょう。

対策
  1. ゼネラリストという言葉で飼い殺しにされないように、専門分野を持つ
  2. 転職市場で、常に自分の市場価値を測る
  3. 会社に頼らずとも収入を稼ぐ術を身に着ける
  4. ピンチを乗り切れるだけの資産を持つ

ゼネラリストというのは、特定の企業でのみ最適化されたクローズドな人材のことです。転職活動をしてみれば、専門性を持たないホワイトカラーがいかに評価されないか、よくわかるはずです。

こびと株.comメンバーは、開示業務に携わり、年間数百社近くの企業の財務諸表を分析していくなかで、このままだとヤバいということに気が付き始めました。

やはり、日本企業の収益性は低いのです。淘汰されていく可能性を否定できない。

だからこそ

  1. 経理・財務という専門職を極め(これはまぁ楽しいからやっていることですが)
  2. 今の職場に満足しつつも定期的に転職活動を行い
  3. 高配当株ポートフォリオからのキャッシュフローを育てている

というわけです。

 

今の30代40代にとって不運なのは、今がまさに終身雇用崩壊の過渡期にあるということ。

  • 年功序列が崩壊した企業
  • 年功序列を維持している企業

この2つのバランスが逆転しない限り、どんなに専門性があろうと、すでに埋まっている座席を横取りすることはできません。

この過渡期を生き延びるのは、終身雇用崩壊後の世界を生きるよりも難しいかもしれません。

 

なお、終身雇用が崩壊した先には、それはそれで合理的な世界が待っています。

  • 成果主義(もちろん、カンペキではありませんが…)
  • 同一労働同一賃金(年齢・性別・人種などによる不合理な給与格差がない)
  • 人材の流動性(仕事があれば採用、なければ解雇。働いたり辞めたりがしやすい)

※ちなみに、経済成長を謳歌している米国企業では、また家族経営・終身雇用的な考え方が流行りだしているそうですがwやっぱり、長期にわたる雇用の安定というのはありがたいものですからね。

どちらの世界の方が居心地が良いのでしょうかね。

 

まとめ:人生100年時代、定年延長のなかでの45歳リストラはキツイ

人生100年時代と言われています。

超少子高齢化で生産人口の比率が下がるなか、社会保障制度の維持がキツくなるのは目に見えています。要するに、年金とか医療保険の負担が増えるだろうということ。

最も簡単な対策は、働ける限り働き続けることです。定年がない世界ですね。

こういう世界にあって、45歳で急にリストラされるというのは相当に苦しいイベントです。企業側にも従業員側にも双方言い分はあるのでしょうが、残酷な現実は変わりません。

自分の身は自分で守るしかないということです。

対策
  1. ゼネラリストという言葉で飼い殺しにされないように、専門分野を持つ
  2. 転職市場で、常に自分の市場価値を測る
  3. 会社に頼らずとも収入を稼ぐ術を身に着ける
  4. ピンチを乗り切れるだけの資産を持つ

変化はじわじわと訪れます。

来るべき時に後悔しないように、余裕のあるうちから対策しておきたいところですね。

それではまたっ!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

こびと株.comの管理人。一部上場企業での経理/財務の実務経験10年超、日商簿記1級、証券アナリスト、FP資格を有する「企業と個人のお金の専門家」。4つの財布(給与/配当/不動産/事業収入)を駆使して経済的自由を達成することを目標に奮闘中。