こんな疑問に答えます。
こびと株(@kobito_kabu)の私見としては次の通り。
- 日本株→日経平均は年初来高値更新
- 米国株→ダウもS&P500も最高値更新
- 米国債→異常な価格上昇ペース
- 米国社債→異常な価格上昇ペース
- 都内マンション→ひたすら価格上昇
- REIT→ひたすら価格上昇
私は割安なタイミングを測って投資する逆張りの投資家なので、こういう時は黙ってこの2つに投資です。
- キャッシュ
- 人的資本(「稼ぐ力」を伸ばすための自己投資をする)
※順張りの投資家なら、波に乗る時期かもしれません。インデックス投資家なら、アセットアロケーションを愚直に守り積立投資を続けるべきでしょう。投資スタイルによって「どう立ち振る舞うか」は変わります
というわけで、こびと株が
- 現状の相場をこうとらえている
- こういう方針でやり過ごすつもり
ということを解説したいと思います。
目次
相場観:各アセットクラスの状況を確認
めっちゃバブリーな感じになっていることを、チャートを見せつつ解説します。
株式
日本株(日経平均)の10年チャートはこんな感じです。
10年で2.5倍弱になってますね。
最近は、年初来高値を更新し続けています。
米国株(NYダウ)のチャートもずーっと右肩上がりです。
こちらは10年で2.8倍弱といったところ。
NYダウもS&P500も最高値を更新し続けており、絶好調です。
日本や米国のような先進国ではなく、新興国はどうでしょうか?
バンガードのVWOというファンドの値動きを見てみます。
※新興国市場の株式をまるっと集めたファンドで、新興国を対象にした株式ファンドではもっとも有名、運用総額の大きなファンドです。
こちらは完全にボックス相場になっていますね。この10年でほとんど成長していません(新興国=高い成長性だと思っている人には意外に見えるかも)
さて、株価だけを見ていても、それが適正かどうかは見えてきません。
株価の妥当性を測る指標はたくさんありますが、ここでは1つ、バフェット指数というやつをチェックしてみましょう。
バフェット指数とは、有名な投資家ウォーレン・バフェット氏が株価の割安・割高を判断するときに使っているといわれる指標です。
「株式市場の時価総額 ÷ その国のGDP × 100」で表せます。GDPの成長が伴わずに株価だけが上昇すると、この指数はグングン膨らみます。
バフェット指数は伝統的に50~150のレンジにおさまっており、
- 指数が100を下回っていると割安
- 指数が100を上回っていると割高
と判断されます。
現在のバフェット指数は次の通り。
- アメリカ:145(この10年で一番低い水準は73)
- 日本:119(この10年で一番低い水準は52)
対GDP比で見た時に、明らかに株式市場が膨らみ過ぎている印象です。特に、米国株は相当割高な水準にあり、2000年のITバブル(その後崩壊)の時と同じぐらいの過熱感です。
債券
次に、債券市場について見てみます。
米国総合債券市場ファンドであるAGGの10年チャートはこんな感じになっています。
特筆すべきは2019年の急激な価格上昇です。今年、めちゃくちゃ値上がりしてるんですよね。
もともとリーマンショックのような金融危機でも5%ぐらいしか下げないような、値動きの小さなファンドです。それが、短期間で約7%上昇しているわけです。
米国の社債市場でもひたすら債券価格が上昇しています。
10年チャートで見るとボックス相場に見えますが、やはり2019年に入ってからの価格上昇ペースには目を見張るものがあります。たった1年で15%近いリターンですからね…
不動産
次に、不動産の状況を見てみます。
米国不動産市場のファンド、IYRの10年チャートを見てみます。
文句なしの右肩上がりですね。2019年の年初来リターンは24%にもなります。
少し目線を変えて、日本の不動産市況を覗いて見ます。
実は、都内のマンション価格はひたすらに上昇の一途を辿っています。
東京23区の新築マンション平均価格は、2016年に6,629万円だったのが、翌年には7,000万円を突破し、2019年上半期は7,644万円でした。
(出典:幻冬舎「東京五輪で頂点へ…2020年「不動産バブル」は弾けるのか?」)
たった3年間で15%もの価格上昇です。新築マンションの価格上昇につられて、中古マンションの価格もひたすらに値上がりしています。
REIT市場も絶好調です。
JREIT指数は、2年足らずで37%も上昇しています。
私も数年前からREITに投資していますが、どれも30~40%ぐらいの含み益があります。分配金を含めるとリターンはさらにプラス20~25%といったところでしょうか。
銘柄選択もへったくれもあったものではなく、基本的に全部値上がりしています。
ここまでのまとめ
- 日本株→日経平均は年初来高値更新
- 米国株→ダウもS&P500も最高値更新
- 米国債→異常な価格上昇ペース
- 米国社債→異常な価格上昇ペース
- 都内マンション→ひたすら価格上昇
- REIT→ひたすら価格上昇
という感じで、「どれもこれも値上がりしすぎて、全力で買い向かう気にはならない」という感想。
順張りで大儲けするのが投資家の醍醐味なのかもしれませんが、私は臆病な投資家です。
- 大きく勝つことより
- 負けないことを考える
そういう性格なので、こういう相場では慎重になってしまいますね。
じゃあ今は何に投資する?→キャッシュや人的資本
この質問に対する回答は、投資スタイルによって異なります。
- アセットアロケーションを守り続けましょうorメンテしましょう
アセットアロケーションというのは、資産配分のことです。
- 株式50%
- 債券30%
- REIT10%
- ゴールド10%
こういうイメージのやつですね。インデックス投資をしている人は、どんな相場だろうとアセットアロケーションを維持しながらひたすらコツコツと積み立てていけばOKです。
※資産価格が上昇している時は良い気分になりますが、逆に言えば少し風向きが変われば今と同じぐらい(時にそれ以上に)資産が目減りすることになります。
効率良く資産を増やせるというのは、裏を返せば効率良く資産を減らせるということでもあります。
最近の相場で「保有資産の値動きが激しすぎるかも」と思ったら、債券やキャッシュの比率を増やしてリスクを下げておきましょう。資産比率は、投資経験を積みながら洗練させていくものです。
- キャッシュを増やしましょう
これしかないですね。
割安に買うことがすべてなので、無理して「高い」と感じる相場で買う必要はありません。どうせ株価はいつか下がるのだから、納得のいく価格になるまで待ってればOKです。
バフェット氏もしこたま現金ため込んでますね。
手元現金は1280億ドルとこれも過去最高
(出典:ブルームバーグ「バフェット氏のバークシャー、利益と手元現金が過去最高」)
いずれにせよ、相場の割高感を感じる時に、もっとも効率的な投資先は「自分」です。
手元にある30万円で
- 割高に感じる株を買うか
- 割高に感じる債券を買うか
- 割高に感じる不動産ファンドを買うか
それとも
- 書籍を買ったりセミナーに通って資産知識を増やすか
- プログラミングやライティングなどをスクールで学ぶか
私ならば、自己投資を最優先させますね。
こういう時に投資資金を自分に回しておけば
- 資産の高値掴みを防げる
- 相場が下がった時に、アップさせておいた年収で投資できる銘柄が増える
選択肢としては合理的だと思います。
※簿記やFPなどの基礎教養を知らずに資産運用・家計管理している人がいたら、今のうちにのんびり学んでおくと良いと思います。
- 学習コストは数千円~2万程度
- 1~3ヵ月の学習で済みます
身につけた知識は絶対に無駄になりません
まとめ:生き残りたいので、常に慎重に立ち回ります
というわけで、まとめます。
金融緩和を推し進めた結果なのか、資産価格は上昇の一途を辿っています。
- 日本株→日経平均は年初来高値更新
- 米国株→ダウもS&P500も最高値更新
- 米国債→異常な価格上昇ペース
- 米国社債→異常な価格上昇ペース
- 都内マンション→ひたすら価格上昇
- REIT→ひたすら価格上昇
価格だけではなく、様々な「指標」を使って判断しても、割高と言える水準にあると思います。バフェット指数なんかは、ITバブル崩壊前夜に近似した水準にまでなっています。
将来の株価は誰にも読めません。
- 今はバブルで、いつか崩壊するのか
- 今はバブルではなく、これからも右肩上がりを続けるのか
それは誰にも分かりません。
分からないなかで、自分の投資スタイルのなかでもっとも合理的な選択肢をとっていく必要があるのです。なかなかアタマを使う大変な世界ですね。
こびと株メンバーは、投資ペースを落とし、リスクを下げていく調整をしています。
- キャッシュ比率を増やす
- 自己投資を増やす
少額での高配当株の買い増し※は続けますが、基本的には上記2つですね。生き残り続けるために、ひたすら慎重に相場に向き合おうと思います。
※日本株はまだ買える銘柄がありますが、米国株はもう完全に買えるものがないですね┐(´д`)┌
以上、参考になれば幸いです。
それではまたっ!
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