こんにちは、シーウィード@こびとが見える経理マン(@kobito_kabu)です。
生活費を配当金で払おうという考え方があります。いわゆる配当金生活です。
配当金が魅力的なのは
- 完全な不労所得である(一切の手間ヒマがかからない)
- 入金額・入金時期が比較的読みやすい
- そう簡単になくならない
こういった理由です。
さて、この配当金生活を送るには、
- いったい、いくら必要なのでしょうか?
- いったい、どんな株式・債券に投資すれば良いのでしょうか?
本記事では、上記2点について考えてみたいと思います。
目次
配当金生活にいくら必要か?
さて、配当金生活を実現するためには
- 1億円必要なのでしょうか?
- それとも5,000万円もあれば足りるのでしょうか?
- いや、3,000万円もあれば…?
先に結論を言ってしまうと、いくら必要かはその人次第です。
と思うかもしれませんが、以下の順でちゃんと説明します。
- 配当金生活に定義はない
- 配当金生活にいくら必要かは、統計データでは分からない
- どれだけリスクをとれるかには個人差がある
①そもそも、配当金生活の定義って?
そもそも配当金生活に定義はありません。
まず、多くの人がイメージするのは
- 年間の生活費が500万円で
- 年間の配当金も500万円
配当金だけで生活できる!という感じだと思います。これならだれもが「配当金生活」だと認めるでしょう。
では、下記のようなケースについてはどうでしょう。
- 年間の生活費は400万円
- 年間の配当金は300万円
- 足りない年間100万円はフリーで稼ぐ
生活費の75%を配当金でカバーして、足りない分をちょっと稼いでいるだけの状態です。
年間100万円稼げば良いだけなら、フルタイムの正社員として時間を捧げる必要はないでしょう。
私は、このレベルでも十分に「配当金生活」と呼べるんじゃないかと感じています。
人によっては、家賃だけでも配当金で払えるようになれば「配当金で生活してる!」と感じられるかもしれません。
②統計データはあくまで参考にしかならない
月いくらの配当金を手に入れれば配当金生活を実現できるのか?
こういうことを考えた時に、世の中には参考になりそうなデータがたくさんあります。
例えば、下記ですね。
- 家計支出調査(総務省)
- 生活保護費(厚生労働省)
- 老後の生活費(生命保険文化センター)
具体的に見てみましょう。
2019年12月の家計支出調査によると、消費支出(2以上世帯)は279,671円です。
平成28年の資料(厚生労働省)によると、生活保護の生活扶助額(例)は、母と子2人の母子世帯で189,870円です(※これが健康で文化的な最低限度の生活が送れるという建前の金額です。住宅扶助は別です)。
生命保険文化センターの調査によると、老後の平均支出は22.1万円です。ゆとりある生活費では36.1万円になります。
で、これが自分の配当金生活を設計するうえで何かの役に立つかというと、まったく何の役にも立ちません。これはただの平均値・事例に過ぎないからです。
身長170cmの人と、身長180cmの人がいたら、その二人の平均身長は175cmになります。
ところが、実際には175cmの人はいないわけですから「平均像」というのは、ある意味幻のようなものと言えます。
人の生活スタイルは千差万別です。把握すべきなのは、あくまでも「自分の生活費」ということになりますね。一般の統計数値をこねくり回すのはタダの数字遊びにしかなりません。
③どれだけリスクをとれるかには個人差がある
例えば、こういう人がいるとします。
年間の家賃は84万円です。これだけの配当金をもらうためには、投資元本はいくら必要になるでしょうか(いったん、税金は無視します)。
- 配当利回り2%の場合…4,200万円必要
- 配当利回り3%の場合…2,800万円必要
- 配当利回り4%の場合…2,100万円必要
- 配当利回り5%の場合…1,680万円必要
なんと、1,680万円~4,200万円もの幅が出来てしまいました。
一般に、配当利回りが高くなればなるほど、その株式のリスクは高くなります。
どれだけリスクをとれるかは個人差があるので、一概に「配当金生活のためにはいくら必要」と決められないというわけですね。
ここまでのまとめ
上記で見てきたとおり、
- 配当金生活の定義なんて人それぞれだし
- ライフスタイルも人それぞれだし
- どれだけリスクをとれるかも個人差がある
だから、配当金生活をしたければ〇〇〇万円あればいい!なんて言えない、ということです。
ただ、これだけだとつまらないので、もう少し深堀りしてみます。
- 年間配当額早見表
- 目標配当利回りを達成するための銘柄
配当金生活のゴールイメージ:年間配当額早見表
- いくら投資すれば
- いくらの配当金が得られるのか?
配当利回りごとに、早見表を作ってみました。
- 配当利回り3.0%の場合、1億円投資してようやく240万円(月額20万円)ほどの配当金
- 配当利回り5.0%の場合、6,000万円あれば240万円
ということで、配当利回りの重要性が良く分かります。
ついつい配当利回りを高めたくなりますが、基本的には、配当利回りが高ければ高いほど「成長性や財務」などに問題が多いと考えるべきです。
- できるだけ少ないお金で多くの配当金を得たい(高配当利回りが良い)
- だけど、株価が下落し続けたり、減配したりような銘柄に投資しては意味がない
ということで、どこかで折り合いをつけないといけません。ここが難しくもあり、やりがいのあるところでもあります。
含み益も高配当も、両方とれると嬉しいですからね。
※ちなみに、私たちのポートフォリオは、増配等もあって税引後配当利回り4.0%ほどになっています。個人的には、安心して攻められるギリギリの利回りかなという感じ。
さて、以下では
- 目標とする配当利回り(税引き前)毎に
- その利回りに見合った投資商品のイメージ
を解説していきたいと思います。
配当利回り2.5%~3%のポートフォリオ
わりと簡単に構築可能です。
- 高配当株式ETF
- 債券系のETF
小難しい個別株への投資をやらなくても、ファンドへのだけで到達できます。
例えば、下記ですね。
※私たちは日本株についてはファンドを自作しています。
ポートフォリオのリスクを下げるために、債券系ETFを混ぜるのもアリです。優良社債をかき集めたLQDなんかは扱いやすいですね。
といった感じで調整できます。
配当利回り3%~4%のポートフォリオ
これぐらいの利回りだと、債券を入れる余裕はなくなります。
※先進国ではなく、新興国の債券ならば高利回りですが、ポートフォリオのリスクを下げるという点ではそこまで役に立ちません。
基本的には、上記で紹介したような高配当株ETFだけで達成可能な利回りです。まだまだ個別株について考える必要はないと思います。もちろん、投資が趣味で個別株大好きな人は別です。
配当利回り4%~5%のポートフォリオ
このあたりの利回りになると、高配当株ファンドだけでは無理が出てきます。
上記で紹介した高配当株ファンドの他に、個別株をトッピングしなければ届かない利回りでしょう。
高配当株ファンドを中心に、個別株を混ぜて目標の利回りを達成するという流れになります。当然、高配当株ファンドだけの場合と比較して、リスクは高まります。
日本株の場合は、下記カテゴリを参照ください。
※このブログではあまり紹介していませんが、REIT(リート。不動産投資信託)も十分投資対象になります。
米国株の場合は、連続増配銘柄が取り組みやすいかなと思います。とんでもない年数の連続増配株でも、十分に高利回りのものがあります。
(※2019年12月時点のデータ)
現時点で利回りを達成できていなくても、数年放っておけば増配により高利回りになる可能性がありますね。
配当利回り5%~のポートフォリオ
まともな既存ファンドでは、このレベルの配当利回りは出せません。基本的には、個別株だけでポートフォリオを作る必要があります。
配当利回り5%超というと、銘柄はかなり限られてきます。間違いなく上級者向けです。投資手法としては、
▼不人気&低成長業界のトップクラス企業に逆張りする
- 石油業界の【XOM】エクソンモービル、【CVX】シェブロン
- 通信業界の【T】AT&T、【VZ】ベライゾン
- タバコ業界の【MO】アルトリアなど
▼個別の理由で暴落している銘柄に逆張りする
▼BDC銘柄(ARCC)やREITなど、分配金重視の銘柄に投資する
といった感じになるでしょうね。
いずれにせよリスクは高く、株価の下落リスク・減配リスクには十分注意を払うべきです。
ここまでのまとめ
だいぶごちゃごちゃしたので、整理します。
目標配当利回りごとに、投資先を概観してみるとこんな感じです。
2.5%~3% | 3%~4% | 4%~5% | 5%~ | |
---|---|---|---|---|
高配当株ETF | 〇 | 〇 | △ | × |
債券ETF | 〇 | △ | × | × |
個別株式 | × | × | 〇 | 〇 |
〇…使える
△…使おうと思えば使える
×…使えない、もしくは不要
2019年の水準なら、3~4%はファンドだけでもOKです。投資初心者でも、お手軽に達成できるということですね。
まとめ:人には人の配当金生活
以上をまとめると、次の通り。
- 配当金生活の定義なんて人それぞれだし
- ライフスタイルも人それぞれだし
- どれだけリスクをとれるかも個人差がある
だから、配当金生活をしたければ〇〇〇万円あればいい!なんて言えません。
個人差があるものだということを前提に、下記の早見表を参考にして、
- 自分の理想の生活
- 達成できそうな投資額
- 自分がとれるリスク
を考えてみてもらえればなと思います。
月10万円ぐらいのラインなら、リスクをとる覚悟があるなら見えてくる人も多いかなと思います。
- 月5万円分の節約(家・保険・車など、大きいところを節約すれば!)
- 月5万円分の副業・残業
これだけで月10万円(年間120万円)投資に回せるわけですからね。20年で2,400万円です。配当金再投資すれば、投資元本3,000万円は決して有り得ない金額ではありません。
大卒・22歳で入社するとしたら、40歳を過ぎる頃には人によっては「配当金生活」に入れるということです。
普通のサラリーマンのお小遣いは、平均3~4万円です(新生銀行の調査による)。
月額10万円の配当金というのは、普通のサラリーマンの3倍近いお小遣いになります。40歳を過ぎてから死ぬまでの間、一生それだけのお小遣いが入り続けるのはスゴイことですよね。
老後2,000万円問題が騒がれて久しいですが、月額10万円の配当金があれば、老後問題は消滅します。公的年金+配当金でゆとりある生活が送れるからです。
もし40歳すぎて仕事に嫌気がさしていたら、配当金+フリーの仕事でゆるく生きても良いでしょう。
いずれにせよ、配当金は人生にゆとりある選択肢をもたらしてくれます。不労所得というのはそういうものです。
すでに実感がありますが、若いうちに資産を積み上げておくと、後の人生がほんとラクになりますよ。
ということで、この記事は以上です。
それではまたっ!
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まずは目指せ月3万円の配当金。月3万円達成できれば、同じ要領で5万円、10万円と増やしていけると思います。
配当金生活は難しいかもしれませんが、老後のじぶん年金を準備するぐらいならそこまで難易度は高くないかなと。
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