こんにちは、こびと株(kobito_kabu)です。
現在、
- 高配当株投資
- インデックス投資(つみたてNISAやiDeCoのみ)
の両刀で資産運用をやっています。
毎月恒例企画ということで、4月の投資トピックスについて「この2つの投資にどのような影響があるか」という観点で、まとめていきます。
本記事の構成はこの通り。
- 日本株の投資トピックス
- 外国株の投資トピックス
- まとめ:高配当株投資のポジションについて
目次
日本株の投資トピックス
日本株については、以下の順番で解説します。
- 株価指数の推移
- その他指数の推移
- 4月のトピックス
①株価指数の推移(日経平均・TOPIX・J-REIT・マザーズ)
4月28日時点の株価は、この通り。
- REIT指数:1,976pt(-5.06%)
- TOPIX:1,900pt(-6.43%)
- 日経平均株価:26,848円(-8.37%)
- マザーズ指数:694pt(-28.91%)
※端数は四捨五入。カッコ内は、いずれも「年初来」。
この4つの指数の、年初来の値動きを見てみるとこんな感じです。
4月単月の動きを見ると、この通り。
- REIT指数 -2.34%
- TOPIX -4.62%
- 日経平均株価 -4.97%
- マザーズ指数 -8.59%
先月、日経平均株価は、
- 一時24,000円台をつけるなど急落しましたが
- その後、2年半ぶりとなる9連騰を記録し、27,821円でフィニッシュ
「やっぱり、下げた株価はすぐに戻るんだ!」
楽観視する投資家も出始めるなか、4月はそこから1,000円以上、下げましたね。
日本の上場企業の状況を確認しておきます。
簡単に言うと、こういうことです。
- 多くの大企業が、コロナ禍前の利益を確保
- 最高益を更新する企業も少なくない
- 儲かっているので、「配当金」や「自社株買い」で株主にお金を渡している
この状態で、今の株価。
- 割安なのか?
- 割高なのか?
バリュエーションの方は、この通り。
- 日経平均株価PER:12.85倍(標準は14倍~16倍)
- 日経平均株価PBR:1.2倍(1.0倍を割るとだいぶ割安)
バーゲンセールというほど割安ではないですが、少なくとも割高ではありません。
なお、円安の影響で海外勢の買いは増えているようです。
ドル建ての日経平均株価は、ほぼコロナ前の価格と同水準。
パっと見、だいぶお安いです。
急速に進む円安が海外から見た日本株の割安感を強め、投資マネーを呼び込んでいる。
海外投資家は約1年4カ月ぶりに4週連続で現物株を買い越した。
ドル建ての日経平均株価は約1年10カ月ぶりの安値水準で推移しており、海外勢が買いを入れやすくなっている。
(出典:日経新聞「海外投資家、日本株を4週連続買い越し 約1年4か月ぶり」
※インデックス運用の方は、いつも通り愚直に積立継続
②その他指数の推移
この2つをチェックしておきます。
- 景気動向指数
- その他の指数(物価、失業率・求人倍率など)
まず、①景気動向指数(先行指数)について。
2月の数値(4月25日公表)は、100.0となりました。
(出典:景気動向指数 速報からの改訂状況)
景気動向指数は、
- 景気全体の現状を知ったり
- 将来の動向を予測したりするときに
使われる経済指標です。産業、金融、労働など、経済に重要かつ景気に敏感な30項目の景気指標をもとに指数が算出されています。
色々な指標をミキサーに入れてスイッチをいれると、1つの「景気動向指数」ができるというイメージです。
景気動向指数を見る上で大切なのは、この2つ。
- この数カ月、プラストレンドか?マイナストレンドか?
- プラス幅(又はマイナス幅)はどれぐらいか?
ココ1年の推移を見てみると、この通り。
- 3月 102.2(前月比+3.3ポイント)
- 4月 103.5(前月比+1.3ポイント)
- 5月 102.5(前月比−1.0ポイント)
- 6月 104.7(前月比+2.2ポイント)
- 7月 104.0(前月比-0.7ポイント)
- 8月 101.6(前月比−2.4ポイント)
- 9月 99.9(前月比-1.7ポイント)
- 10月 100.6(前月比+0.7ポイント)
- 11月 101.9(前月比+1.3ポイント)
- 12月 102.8(前月比+0.9ポイント)
- 1月 101.2(前月比-1.6ポイント)
- 2月 100.0(前月比-1.2ポイント)←New!!
日銀短観の業況判断など、他の経済指標も悪化してますからね。
(市場全体としては)企業業績が超回復するフェーズは、もう過ぎています。
現在、日経平均の予想配当利回りは、わりと高めの水準です(4月28日時点では2.33%)。
(出典:ダイヤモンドZAi ONLINE)
でも、配当利回りが高い”だけ”の会社を買うと、しっぺ返しを食らいますね。
経済状況が悪いと、業績がついてこずに減配・株価下落の憂き目にあうからです。
高配当株を買う際は、
- 本当に、長期にわたり安定した業績を維持できるか?
- 無理なく、高配当を出し続けられるか?
- 高値掴みにならない価格になっているか?
慎重に判断していきましょう。
次に、②その他の指数について。
まず、消費者物価指数(4月22日発表)。
こちらは、前年同月比+0.8%となりました。
(出典:日経新聞「消費者物価、3月0.8%上昇 エネルギー関連は20%」)
日本では、他の先進国と違って「インフレを止めよう!」というモチベがありません。
デフレに苦しんできた経緯があり、むしろインフレを起こしたくてしょうがない国ですからね。
これからも、生活費はジワジワと上がり続けると思った方が良いでしょう。
※なお、給料も一緒に上がってくれないと、生活はどんどん苦しくなります
最後に、雇用関係(失業率、求人倍率)の指標です。
- 失業率…2.6%(前回は、2.7%)
- 有効求人倍率…1.22倍(前回は、1.21倍)
※完全失業率が2.2%ぐらいまで戻ればほぼ完全雇用=ゴール。
雇用環境は、若干良くなりましたね。
「悪くない水準」ですが、「踊り場」が続いています。
③4月の国内トピックス
日本株については、この2つの順番で見ていきます。
- 20年ぶりの円安&金融緩和継続
- 金融所得増税は断念か?
20年ぶりの円安&金融緩和継続
急速な円安が進んでいます。
(後藤達也さんTwitterより)
4月28日には、2002年4月以来の1ドル=131円台を記録しました。
原因は色々と言われていますが、主なもののひとつが日米金利差。
- 日本の長期金利は約0.25%と低く
- アメリカの長期金利は約3.0%と高い
「だったらたくさん利息がつくアメリカドルを持ってる方がおトクじゃない!?」ということで、
- 円を売って
- ドルを買う
動きが進んでいるということ。
人気のあるドルは高くなり、人気のない円は安くなる。=円安ドル高というワケですね。
円安には、メリットもデメリットもあります。
メリット
- 輸出が有利
(輸出品の価格が下がる、輸出企業の利益が上がりやすい) - 海外からの観光客が増えやすい
- 外貨建ての収入・資産額が増える
デメリット
- 輸入企業が不利
(輸入品の価格が上がる、輸入企業や消費者は困りやすい) - 海外旅行がしにくい
- 外貨建ての資産が買いにくい
みたいな感じですね。
メリット・デメリットあるので、「円安は結局、得なの?損なの?」という点については議論がありますが
ということは言えそうです。
- 中小企業は半分以上が「デメリットの方が大きい」と回答
- 財務相が「悪い円安」と指摘
など、景気への悪影響も懸念されています。
そもそも、「日本の金利を抑えるぞ!」というのは、日銀の方針です。
4月28日に行われた日銀の重要会議「金融政策決定会合」でも
- 今まで通り金利は抑えます!
- そのための「指値オペ」も毎日やります!
※指値オペ:ややこしいので詳しい説明は省きますが、金利を抑えるための強力な手段です
と決定。
「これだと、日米金利差は縮まらないじゃん!むしろ、もっと開く?」と思われて、この日は1日で3円以上も円安が進む状況になりました。
(Bloomberg「財務省幹部、必要な場合には適切な対応を取る-一時131円台で」)
為替変動のリスクは決して小さくありません。
今回は”たまたま”円安に振れていますが、経済状況次第では大きく円高に振れる可能性もあります。
金融所得増税は断念か?
「岸田首相、方向転換か?」ということで、官房副長官の発言が話題になっています。
と言われがちだった状況に対し、「誤解だよ誤解!軽視なんてしてないよ!(小声:重視もしていません)」ということで、以下3つを明確に否定しました。
まず1つめは、「金融所得課税の早期引き上げ」。
首相に「最も近い側近」とされている官房副長官が、金融所得増税をキッパリ否定する発言をしたことには、ちょっとしたインパクトがありました。
岸田首相は、昨年9月の総裁選のときから増税を「選択肢」としていて
- 今20%の税率が、25%とか30%とかになるのでは?
- 政府は最近「貯蓄から投資へ」って言ってたのに、ハシゴ外すの!?
と不安がられていたからです。
2つめは、「自社株買い規制」。
自社株買いとは
- 上場企業が
- みずからの資金を使って
- 株式市場にある「自社の株」を買い戻す
こと。
実施されると「株価にプラス」ということで、株主還元策のひとつとして活用されています。
昨年12月、岸田首相がこれを「規制する可能性」に触れたことから、
と株価は下落。
今回、「自社株買い、規制するのはやーめた!」ということなので、株主的には「まずは一安心」というところでしょう。
最後、3つめは、「四半期開示義務の廃止」。
現在、上場企業は「3ヶ月ごとに業績を公表すること」を義務付けられています。
岸田首相は「これのせいで企業経営が短期的な視点になっているのでは?」ということで、見直しを検討していました。
でも、これがただの思い込みだったことに気づいたのか、撤回することになりました。
- 何かをやるにせよ
- 何かをやらないにせよ
いずれにしても、基本的には「決定事項」ではなく「検討事項」です。
外国株の投資トピックス
お次は、外国株の話題です。
外国株については、この4つの順番で見ていきます。
- 株価指数の推移
- ゴールド・債券ファンド等の値動き
- 高配当ファンドの値動き
- 4月のトピックス
①株価指数の推移
G7(主要先進7ヵ国)の、主な株価指数の推移(年初来)はこの通り。
※グーグルファイナンスでは、チャートを5つまでしか同時比較できないので、泣く泣く「FTSE MIB(イタリア)」を抜いています。
- FTSE100(イギリス) +0.52%
- S&P TSX(カナダ) −2.23%
- CAC40種(フランス) −9.47%
- DAX30(ドイツ) −12.00%
- FTSE MIB(イタリア) −12.54%
- S&P500(米国) −13.86%
TOPIX(日本)は−6.43%。
トップはイギリスで、唯一のプラス圏。
日本は、-6.43%ながら3位を走っています。
アメリカがまさかのビリ。-13.86%という成績です。(83営業日経過時点でのこの成績は、1928年以降「史上3番目」に悪いパフォーマンス。)
4月単月の動きを見ると、この通り。
やはり、アメリカの下げが目立ちますね。
先月の記事で
- 米国市場の戻しは一時的なモノである可能性が高い(3月は+5.21%でした)
- 今はベアマーケットの真っ最中なので、油断しないようにしましょう
という話をしていましたが、その通りの展開になりましたね。
特に、NASDAQの下げは「リーマンショック以来」の大きなものとなりました。
29日の米国株市場でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は前日比4.2%安と今年最大の下げとなり、年初来安値を更新した。
4月月間では13.3%下げた。
下落率はリーマン・ショックが起きた2008年9月(11.6%安)を上回り、08年10月(17.7%安)以来の大きさだ
(出典:日経新聞「「リーマン級」下落のナスダック、重なる売り要因(NY特急便)」※赤字は筆者
一方で、S&P500は少し景色が異なります。
(出典:グーグルファイナンス)
- S&P500の年初来リターン…-13.86%
- ナスダックの年初来リターン…-22.09%
ご覧の通り、ナスダックほどはひどくないですね。
S&P500に関しては
- 採用企業の約8割が、事前予想を上回る成績(つまり、業績の良い企業が多い)
- 一方、「どれだけ予想を上回ったか」の率は、過去5年平均を下回る(つまり、成長性は鈍化している)
という状況です。
勢いが衰えつつあるものの、実力のある企業が多いことは間違いありません。
下落の主な理由は
× 企業業績がボロボロだから
〇 政府の政策影響(利上げ等)
という認識です。
金融政策の変化によって、「今まで履かせてもらっていたゲタがなくなってしまった」イメージですね。
②ゴールド・債券ETF等の値動き
有名なゴールドETFである、「GLD」の値動きはこの通り。
(出典:グーグルファイナンス SPDRゴールド・シェアーズ(GLD))
先進国株の多くが、いまだ年初来でマイナスになっているなかで、年初来+5.10%と堅調です。
- 値動きの良さ
- 円安影響
この点を踏まえると、ゴールドにも投資していた人は、株式の下げ分をいくらかカバーできているでしょう。
お次は、債券です。
投資額に対して2%~5%ほどのインカム(利息)が欲しければ、米国債券が有望な投資候補になります。
※当ブログでは、利上げ局面の今、一貫して「投資するには時期尚早」という立場です。
米国の優良債券ファンドを3つチェックしてみましょう。
- AGG:ローリスク・ローリターンな債券(格付け高く、利回り低い)
- LQD:ミドルリスク・ミドルリターンな債券(格付け普通、利回り普通)
- HYG:ハイリスク・ハイリターンな債券(格付け低く、利回り高い)
米国総合債券に投資する【AGG】というファンドのチャートはこの通り。
- 年初来−9.21%
- 現在の分配金利回りは1.87%
- 投資対象の約7割は、格付けがAAA(トリプルエー)の債券です
価格推移はイマイチで、右肩下がりですね。
値下がりの理由は、金利上昇です。
「債券」と「金利」は、シーソーの関係にあり、逆の動きをします。
その証拠に、金利のチャートを見てみましょう。
こちらは「米国の長期金利」の推移です(現在の金利は約2.9%)。
(出典:三井住友銀行「マーケット情報チャート」)
ご覧のとおり、この1年、(債券価格の動きとは正反対で)上昇し続けていますね。
米国優良社債に投資する【LQD】というファンドのチャートはこの通り。
- 年初来−14.12%
- 分配金利回りは2.62%ほど
- 投資対象の約8割は、格付けがBBB(トリプルビー)~Aの債券です
- ギャンブル性の低い「投資適格」な債券であるものの、AGGよりは安全性が低いです
こちらも、金利上昇を背景に、価格推移はイマイチです。
最後は【HYG】です。
「ジャンク」「ゴミ」と言った呼ばれ方をする「投資不適格の債券」を集めた、ハイリスクな債券ファンドです。
- 年初来−9.70%
- 現在の利回りは4.43%ほど
- 投資対象のほぼすべてが、格付けCCC(トリプルシー)~BBの債券です(リスクが高いぶん、長期的なトータルリターンは大きい傾向)
こちらも、値動きはパっとしないですね。
まとめると、
- AGG(総合債券)…−9.21%
- LQD(優良社債)…−14.12%
- HYG(ジャンク債)…−9.70%
いずれも年初来で大きなマイナスリターンです。
債券は「株式よりも比較的安全な」資産クラスです。
それなのに、この短期間で、この成績。
逆に見れば、日に日に「投資妙味が増している」ということでもあります。
債券市場の弱気相場はまだまだ続いていますが、見向きをしている人が少ないこういう時こそ、監視を怠らないようにしたいですね。
金利がある程度上がりきってしまえば
- 保有しているだけで、高い利回りでインカム(利息)が得られる
- (これ以上金利が上がらないので)、価格の下落余地が小さくなる
- 利下げフェーズに入ると、むしろ価格が上昇していく
ということで、投資する旨味が出てきます。
- リスクの高い、配当利回り約4%の株式
- 低リスクな、分配金利回り約4%の債券ファンド
この2つが選択肢に出てきたら、私は後者に対してもそれなりの額を投資します。
元本を守りながら安定的にインカムを稼ぐ手段としては、十分な魅力があるというワケです。
③インカム系ETFの値動き
私の愛する高配当株ETFについて。
- キャピタル(売却益)も
- インカム(分配金)も
両方狙えるポテンシャルのあるファンドたちです。
HDV、VYM、SPYDの年初来のチャートは、この通り。
分配金を無視して価格だけ見ると
- 1位がHDV…+2.44%
- 2位がSPYD…+0.73%
- 3位がVYM…−4.54%
という順位になりました。
年初来で、S&P500が−約14%、NASDAQが−約22%と沈むなか、大健闘ですね。
現在の分配金利回りは
- SPYD:約3.6%(過去平均は約4.1%)
- VYM:約2.8%(過去平均は約3.1%)
- HDV:約3.2%(過去平均は約3.4%)
という状況。
低すぎる!というほどではないですが、特に旨味を感じる水準ではありません。
「円安」と「日本株の割安さ」を考えると、日本の高配当株の方が魅力的だと判断します。
④4月のトピックス
最後に、外国株のトピックスです。
この2つの順番で見ていきます。
- 米国利上げ観測
- GAFAMの成長に陰り
米国利上げ観測
米国の利上げ、想定以上に速いペースで進むかもしれない、という話です。
ここしばらく、世界のマーケットは「強~い追い風」を受けてきました。
追い風というのは、この2つですね。
- 利下げ…金利を下げること(金利が下がると、一般に株価は上がります↑)
- QE…中央銀行が市場に金をバラまくこと(お金の量が増えると、一般に株価は上がります↑)
株式市場は、「じゃんじゃん金を刷るでぇ~」という中央銀行の政策によって下支えされてきたというワケ。
一方、これから先は、今までと真逆のことが起きます。
- 利上げ…金利を上げること(金利が上がると、一般に株価は下がります↓)
- QT…中央銀行が市場の金を回収すること(お金の量が減ると、一般に株価は下がります↓)
追い風からの、逆風です。
今、世界中で強烈なインフレが発生しています。
アメリカのインフレ率、なんと8.5%。カネを刷りすぎたんや…
(出典:Twitter @charliebilello)
この強烈なインフレを退治するには
- 利上げ
- QT
などで、市場に出回っているカネを回収するしかありません。
カネの量が多すぎるからインフレになるのであって、カネの量が減れば、インフレはおさまります。
「利上げ・QTをやるのは当然」として、次の問題は
- いつ
- どれぐらいやるか?
です。
アメリカでは、FOMCがこれを決めています。
FOMCというのは、米国の金融政策を決めるエラ~い人たちの集まりです。
FOMCのスケジュール、こうなっています(全8回で、次は3回目)。
(出典:時事エクイティ)
3月の会合が行われるあたりでは、市場参加者はざっくりこんな予想をしていました。
「FOMCは、年内残り6回の会議で、それぞれ0.25%ずつ利上げをするだろう」
ところが、今や予想はここまで変わってきています。
これは、今まで多くの人たちが考えていたペースより、はるかに速いペースです。
※2000年以来20年以上もの間、0.5%幅の利上げは実施されていません
利上げやQTのペースが速ければ速いほど、株式市場がクラッシュする確率は高まります。
暴落を招いて、こんなことになる可能性も否定はできません。
(出典:「風の谷のナウシカ」より)
投資家達「暴落してやがる (利上げ・QTが)早過ぎたんだ。」
- 予想よりも、早いペースで利上げが進むのか?
- それとも、予想よりもゆっくりした利上げで済むのか?
予想が修正されるたび、株式市場は大きく動きます。
引き続き、ボラティリティの高い相場が続きそうですね。
GAFAMの成長に陰り
一世を風靡していたGAFAM、勢いが衰えています。
年初来の成績は、次の通り。
(出典:グーグルファイナンス)
- Meta(旧Facebook)…−40.78%
- Amazon…−27.07%
- Google…−20.75%
- Microsoft…−17.10%
- Apple…−13.38%
背景にあるのは、この2つ。
- 利上げ
- 決算ミス
一般に、急激な金利上昇は株式市場にマイナスです。
※すでに見てきたとおり、世界中で株価が軟調
そのなかにあって、ハイテクグロース株はことさら金利上昇に弱いです。
そして、最近発表された決算の状況はこの通り。
- Meta(旧Facebook)…売上高が市場予想を下回る。純利益は21%減。
- Amazon…7年ぶりの赤字転落
- Google…売上高が市場予想を下回る。純利益は8%減。
- Microsoft…売上高・EPSともに市場予想を上回る
- Apple…売上高過去最高。EPSも市場予想を上回る
※EPS:1株あたり当期純利益。株式投資の超重要指標。
市場予想を上回り続ける驚愕の成長を見せつけてきたGAFAM。
コロナでさえも追い風にしていたワケですが、地合いが変わってきていることは間違いなさそうです。
いざこうなってみると、「信じてガチホ※」することがいかに難しいか分かりますね。
※ガチホ…ガチホールドの略。何があっても売らずに、持ち続けること
今はまだ、「米国市場全体」がそこまで大きく崩れているワケではありません。
しかも、日本人にとっては、円安という「評価額のプラス要因」もあります。
だから、こう感じている人もいると思います。
でも、明日は我が身。
米株全体が、もっと大きく崩れないとも限りません(崩れるとも言えませんが)。
急に、円高方向に振れ始めないとも限りません。
もし、米国株全体が「暴落」と呼べるレベルで崩れた時に、S&P500等の優良ファンドを
- ガチホし続けられるのか?
- それとも、できないのか?
もし、「持ち続けるなんて無理!」と感じるようなら、それはリスクを取りすぎているということ。
一本調子で右肩上がりを続ける相場の方が、異常です。
- 調子が良い時にだけ持ち続けられるポートフォリオではなく
- 調子が悪い時にこそ持ち続けられるポートフォリオにして
長く投資を続けていけるようにしたいですね。
まとめ:高配当株投資のポジションについて
以上をまとめると、この通り。
- 4月に入り、世界の株式市場はまたしても下落
- 日本株は、相対的に見て多少割安感アリ
- 1ドル130円台を突破し、20年ぶりの円安水準に
- 岸田政権のスタンスが、投資家に対してほんの少しだけマシになった可能性アリ
- S&P500が年初来約-14%、NASDAQが-22%と、大きく調整中
- 特に、NASDAQの月間-13.3%という成績は、リーマンショック以来の大きな下げ幅
- GAFAMを中心としたハイテクグロースの勢いが鈍化中
- 高配当株など、バリュー株は相対的に持ち堪えている
- 債券は、金利上昇を背景に1~3月期は史上最悪レベルの下落。引き続き、悲観相場続く
- 今後のポイントは、とにもかくにも「利上げ・QT」のペース
という感じです。
- S&P500やナスダックなど、米国株一強だった昨年とはうって変わって
- 米国以外の先進国株、バリュー株、コモディティなどが相対的に強くなっており
相場の雰囲気がガラリと変わりましたね。
米国の金融政策にばかり目がいきがちですが
- ウクライナ情勢
- 世界各国のインフレ進行
- コロナ感染拡大に伴う、中国のロックダウン
など、不安要素は盛りだくさん。
投資家心理は悪化しています。
個人的には、
- iDeCoやつみたてNISAを中心としたインデックス運用は積立を継続しつつ
- 高配当株については、日本株については「割安」なものがあればピンポイントでちょっと買う(米国株は静観)←New
というスタンスです。
- 現金のままにしておくと、インフレでやられる
- 債券を買うと、金利上昇で価格が下落する
- 株を買うと、下落相場に巻き込まれる可能性がある
- コモディティは、意外と価格変動が大きく短期の守りには向いていない…
どのように資産を守り、そして増やしていくか、難しいフェーズですね。
個人的には
- インフレで多少削られることを承知で
- キャッシュを積み上げて守りを厚くしておいた方が
長い目でみればトータルで良いポジションを作れるんじゃないかなと思っています。
そういう温度感です。
上手に対応して、生き残っていきましょう!
それではまたっ!
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