キヤノン 2017年12月期期末決算に関するつぶやき(配当ポジティブ)

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キヤノン 2017年12月期期末決算(2018年1月30日公表)

かのんより2017年1月1日~12月31日の業務報告が届いております。

かのん
4年ぶりの増収増益!がんばったよ~!…利益が3Q予想に届かなかったのはごめんねぇ。

        当期     前期

売 上 高   4兆800億円   3兆4,015億円

営業利益率     8.1%         6.7%

1株純利益     222.88円    137.95円

配当      75円(中間)+85円(期末。記念配当を含む)

ようやく営業利益率が8%台にまで回復しました。翌期予想では9.8%になっています。営業利益率はこびと株.comが非常に重視している指標です。この調子でポイントを改善して欲しいですね。

 

次に、キャッシュフローを確認します。

       当期     前期

営業C/F    5,906億円     5,003億円

投資C/F  ▲1,650億円   ▲8,371億円

財務C/F  ▲3,405億円     3,557億円

営業C/Fが900億円ほど増えていますが、これは本業の調子が良かったためであり、素直に喜んで良い数字です。ここ7年ではもっとも高い水準の営業C/Fになっています。

前期はM&Aに6,500億円もの投資を行うとともに、6,100億円もの借金をしました。今期は大型買収がないため投資C/Fは1,650億円と平常運転で、余裕資金を利用して借入金を1,300億円ほど返済しています

当期のフリーキャッシュフローは4,300億円ほど。かのんちゃんは、株主に毎年1,600億円ほどの配当金を支払っていますが、その原資は十分に確保できているかたちです。

キャッシュまわりは非常に良い動きをしていると言えるでしょう。

 

かのん
お金の余裕はゆっくり回復なの。

       当期末     前期末

総 資 産  5兆1,983億円   5兆1,385億円

1株純資産   2,658.59円     2,548.49円

自己資本比率    55.2%     54.2%

流動比率       201.2%   213.5%

  • 事業拡大のための再投資を行い
  • 株主に配当を支払いつつも
  • 1株あたり純資産を着実に伸ばす

配当・株価は右肩上がりで、株主としては安心してホールドできる状態です(もっとも、個人的にはPER19.6倍/PBR1.64倍は割高に感じられますが。)

現行事業は回復、新規事業は拡大、事業構造転換は進展と3拍子そろった1年間だったようです。

とはいえ、第3四半期時点で発表の予想に対して、利益は未達。商業印刷事業での減損が原因です。買収による本格参入から3年、事業環境・技術潮流の変化に対応するには、研究開発投資を強化せざるを得ないのですね。今後注目していくべき事業になりそうです。

 

財政状態については、1年前とあまり大きな違いは見られません。長期債務の返済は進んでいるものの、未払法人税の増加等もあって、負債全体のボリュームはあまり変わっていません。

特に心配のある状況ではありませんが、欲を言えば、あと一歩の改善が望まれます。営業利益率を10%まで回復させ、それをキープしてほしいものですね。おのずとB/Sは改善されます。

 

さて、こびと株.comメンバーの大好きな配当です。記念配当10円を含め、第3四半期時点での予想通りとなりました!配当性向も昨年とは異なり、平年並み前後に収まっています。

一時期は減配不安すらありましたが、さすが「減配しない記録」を更新し続けているだけあって、そう簡単には株主を裏切らないこびと株です。

来年も増収増益の業績予想になっていますし、キャッシュフローも改善しています。全体としては、苦しい時期を脱し、回復基調に入ったとみて問題ないように思います(四半期ごとに予想を変えるかのんちゃんなので油断ならない面はありますけれども)。

苦しい時期も配当を減らさず、乗り切りつつあるかのんちゃん。これからも株主のためにがんばってね!配当金楽しみにしてるよー!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

こびと株.comの共同管理人。慶應義塾大学卒業後、一部上場企業に就職。経理/財務の実務経験10年超、日商簿記1級、証券アナリストを有する「企業と個人のお金の専門家」。4つの財布(給与/配当/不動産/事業収入)を駆使して経済的自由を達成することを目標に奮闘中。