こんな人のための記事です。
みなさん、「経費で落とす」と聞くと、どんなイメージを持ちますか?
- いいね!
- いっぱい使っちゃえ!
- オトクだね!
といった感じでしょうか。
この記事では、その「経費で落とす」について、
を解説していきます。
- 副業を始めた(始めたい)サラリーマン
- 独立を狙っているサラリーマン
- フリーランスの友人がいるサラリーマン
といった方の、お役に立つ内容をサッと解説しますので、ぜひ目を通しておいて下さいね。
ちなみに、筆者の私こびと株は、経理歴10年超の経理のプロでもあり、ブロガー歴約6年の個人事業主でもあります。
目次
「経費で落とす」の勘違い①それってタダってことだよね!
会社員(サラリーマン)から見た「経費で落とす」
そもそも、サラリーマンにとって「経費で落とす」というのは、「会社が費用を負担してくれる」という意味です。
だから、「経費で落とせば自分のお金は減らない(=タダ)」という感覚は、間違っていません。
個人事業主(フリーランス)から見た「経費で落とす」
では、フリーランスの場合はどうでしょう?
フリーランスの場合、「経費」とは言っても、その支出を負担してくれる人はいません。
事業の運営主体が自分自身である以上、経費(=事業に必要なお金)を負担するのも自分自身です。
「経費で落とす」の勘違い②経費は使った方がトクだよね!
常に大特価 3割引きセール
フリーランスが、ボールペンを買う場合について考えてみましょう。
- 経費で落とす場合
- 経費で落とせない場合
それぞれ、どんな違いがあるでしょうか。
①経費で落とす場合のイメージは、こんな感じです。
- 事業で上がった収益(例えば1,000円)があって
- そこから、ボールペン(例えば100円)を購入し
- 手元には、900円が残る
- 残った900円に、税率(例えば30%)をかけて
- 270円(900円×30%)の税金を納める
- 最終的には、630円(900円-270円)が残る
一方、②経費で落とせない場合のイメージは、こんな感じ。
- 事業で上がった収益(例えば1,000円)があって
- そこに、税率(例えば30%)をかけて
- 300円(1,000円×30%)の税金を納める
- 手元に残った700円(1,000円-300円)から
- ボールペン(例えば100円)を購入し
- 最終的には、600円(700円-100円)が残る
そうなんです。
経費で落とすと、買ったモノの値段(100円)×税率(30%)分だけ、税金が減ります。
だから、①経費で落とせるお買い物は、②経費で落とせないお買い物に比べて、税率分だけオトク!手元に残るお金が多くなります。
仮に、税率を30%とするのなら、フリーランスが経費で落とせるお買い物をするときは、常に30%引きということになります。
注意点①「セールだから」買う人はお金が貯まらない
結局、フリーランス的には
- 買い物をしない
- 経費で落とせる買い物をする
- 経費で落とせない買い物をする
の順番で、手元にたくさんのお金が残ります。
その通りです。
だから、
- 経費だからオトクだぜ♪
- オトクなんだから、どんどん使おう♪
なんて思っていると、お金はどんどん減っていきます。
注意点②利益がなければ悲劇です
「常に割引」。
確かに魅力的な響きですよね。
しかもこの割引率、平均年収くらいの人で15%~20%程度、年収の高い人なら50%近い数字になることも。
さきほどのボールペンの例で、「収益がゼロだけどボールペンを買う」という場合のイメージを考えてみましょう。
①経費で落とす場合のイメージは、こんな感じです。
- 事業で上がった収益はゼロ
- どこかから借りてきた100円で
- ボールペン(100円)を購入すると
- 100円の赤字になる
- 赤字のときは税金を納めなくて良いので
- 税金は0円になる
- 最終的には、100円の借金が残る
一方、②経費で落とせない場合のイメージは、こんな感じ。
- 事業で上がった収益はゼロで
- そこに、税率(例えば30%)をかけて
- 税金は0円(0円×30%)になる
- どこかから借りてきた100円で
- ボールペン(100円)を購入すると
- 最終的には、100円の借金が残る
経費で落とすことでオトクになっていたのは、税金を減額することができたから。
そもそも事業が赤字で納付すべき税金がなければ、税金減額の効果は得られません。
※ここで説明している経費の処理や税金の計算は、あくまで、経費について理解しやすくするための”イメージ”です。「赤字でも納めるべき税金はあるだろう!」「税率30%って何の想定だ!」みたいなツッコミはご容赦下さい(笑)
「経費で落とす」の勘違い③領収書・レシートがあればなんでもイケるよね!
- サラリーマン:会社の経費で落とせるなら、個人負担額はゼロ
- フリーランス:事業の経費で落とせるなら、個人負担額は割引
基本の考え方:「事業に必要」と説明できるもの
フリーランスは、どんなものでも経費で落とせる。
でも当然、何でもかんでも経費で落とせるわけではありません。
基本的な考え方としては「事業に必要なモノ」なら経費で落とせます。
反対に、「事業に必要とは言えないモノ」は経費では落とせません。
- 飲み代
- カフェ代
- 手土産代
- 電子機器代
- 家具代 …etc.
支出した項目ひとつひとつについて、「これは事業に必要なモノか?」それとも「事業に必要とは言えないモノか?」を判断して、経費かどうかを判別していかなければいけないんです。
例えば、カフェでのコーヒー代。
カフェで何をしていたのかによって、経費で落とせる可能性も、落とせない可能性もありますよね。
- 取引先と打ち合わせをしていた
- 仕事のメールを打っていた
といった場合なら、経費で落とすことができるでしょう。
一方で、友達とおしゃべりをしていたとか、趣味の読書を楽しんでいたといった場合には、経費で落とすことはできないわけです。
領収書は、「いつ何を買って誰にいくら払いました」ということを示す証拠として必要です。
でも、領収書があっても、事業に必要のないモノなら、経費では落とせないことに変わりはありません。
会社員(サラリーマン)から見た、経費のリスク
サラリーマンが、経費で落とせそうかどうかハッキリ分からないとき、「とりあえず経費として申請してみよう」というのは、時々あることかもしれません。
このとき、サラリーマンが負っているリスクは、それほど大きなモノではありません。
個人事業主(フリーランス)から見た、経費のリスク
一方で、フリーランスが、経費で落とせそうかどうかハッキリ分からないときに、「とりあえず経費として処理しておこう」というのは、
な行動です。
なぜなら、「これは経費で落とすべきモノではない」というときに、怒ってくるのは
- ×経理部の人
- 〇税務署の人
だからです。(笑)
フリーランスのところに税務調査が入る可能性は高くありません(0.3%以下と言われています)。
また、例え間違いがあっても大きな問題にはならないケースがほとんどです。
とはいえ、
- 適当な処理
- 安易な処理
- 不誠実な処理
を重ねていれば、税務署の人の目だって厳しくなります。
過少申告加算税・延滞税・重加算税といった、罰金的な税金を課される可能性も出てきます。
私たちの場合:経費にするモノ・しないモノ
フリーランスとして事業を始めると、
- 何が経費で落とせて
- 何が経費で落とせないのか
というのは、意外に頭を悩ませる点です。
税務署にビビって、経費で落とせるモノを経費で落とさないのは、「確実に損するやり方」です。
一方で、「本当は事業に必要なモノじゃないけど、バレないだろう」と考えて
- 友達とのカフェ代
- 友達との飲み代
- 遊びに出かけたときの交通費
- 観光旅行の宿泊費
なんかを経費で落とし始めると、
細かいルールが色々とあるモノもありますし、最後は税理士と相談して決める方が良いケースもありますが、基本はとにかく「事業に必要なモノか」を誠実に考えて判断すること。
①カフェ代
- 打ち合わせに使った場合は、もちろん経費で落とす
- 純粋な友人とのおしゃべり目的なら、もちろん経費にはしない
- 友人かつ事業関係者である場合には、内容を精査
(目的は何だったか?お店選びは仕事にふさわしかったか?実際に何の話をしていたか?)
②家賃
プライベート利用と、オフィス利用を時間で按分しています。
例えば、「毎日2時間自宅で作業している」ときには
ということで、家賃の1/12を経費で落とす感じですね。
「経費で落とす」の勘違いまとめ:正しい理解が我が身を救う
ざっくりまとめると
- サラリーマンの「経費で落とす」=本人の負担はゼロ円
- フリーランスの「経費で落とす」=割引購入可能(でも本人負担アリ)
- 経費で落とせるのは、あくまで”事業に必要なモノ“だけ
という感じ。
それではまたっ!
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