こんにちは、こびと株(@kobito_kabu)です。
ここ数年は、自分の世帯の家計管理のみならず、一族全体の家計アドバイスまで手掛けております。
親の確定申告書を3期分チェックしてみた
数年前、親の「資産管理プロジェクト」を発足し、ぼちぼちと取り組んでおった時の話です。
※ごくごく一般的な家庭です。
- あまりに多すぎる銀行口座・証券口座等の解約・整理
- 一部株式の売却、新規株式の買い付け(インカム重視のポートフォリオに組み替え)
- 生活防衛資金・リフォーム資金・介護資金等、無リスク資産の分別管理
- 不要なサービスの解約による支出削減(通信費、貸金庫等)
このプロジェクトのゴールは、
- 基礎生活費を「年金」と「配当」だけで賄い
- 遊興費を自営業で稼いだお金で賄い
- 病気・介護等のイザというときの対応は3重で(預金・リバースモーゲージ・親族頼る)
こういったスタイルの確立です。
いったい、我が親にはいくらの収入があるのか?
世の中には知らぬが仏という言葉がありますが、親族がいくら稼いでいるかなんて、基本は知らない方が良いですよね。多かろうが少なかろうが、知ったところであまりいい方向に進む気がしません。
とはいえ、親も子も、もうイイ歳。
そろそろ懐具合(の一部)を共有しても良い頃合いでしょう。
そんななか行われた家計ヒアリングの過程で、家計に占める国民健康保険料の負担が大きすぎることに気が付きました。
これは何かあるぞと思い、確定申告書をチェックすることにしました。
すると、さっそく間違いを発見…
「収入」と「所得」が同じ金額で記入されている
母は自営業者です。在宅でできるお仕事なので、内職者と言った方が分かりやすいかもしれません。
この内職者には「家内労働者等の必要経費の特例」というのがあって、65万円の控除が認められています。サラリーマンでいう給与所得控除みたいなものですね。
- 収入が100万円だとしたら
- 所得は100-65=35万円
と記入すべきということですね。収入と所得は、まったく違う概念です。
国民健康保険料は、所得が多ければ多いほど高くなります。人によっては、目が飛び出るような料金になることも。
母は「最近、国民健康保険料が高いな~」と感じたものの、保険料率が上がったのかしら?と勝手に納得し、しっかりと納めていた模様。
明らかな過大納付ですね(n*´ω`*n)
確定申告間違えた!還付を受けるためには?
なんでやねん
確定申告の誤りに気付いた場合、以下2つの手続きにより訂正することになります。
- 修正申告
- 更正の請求
修正申告というのは「納付税額が少なすぎました、ごめんなさい」というやつです。
修正申告という言葉に聞き覚えのある方もいるでしょう。大企業が税務調査に入られてニュースになることがありますが、そういうときに良く聞く言葉だからですね。
大企業「税務署との見解の相違があったが、すでに修正申告は済ませている」
税務調査が入れば、たいていは「納付税額が少なかった」ということで決着します。だから、みんな修正申告をするハメになるわけですね。
一方で、更正の請求というのは「納付税額が多すぎました、返してください」というやつです。あまり聞きなれない言葉かもしれません。
今回の場合は、特例の適用を忘れたことで所得が大きくなりすぎた=税金を納め過ぎていたということなので、更正の請求をすることになります。
税務署は、国民の「所得」をガッチリ把握している最強の公的機関です。そして、税務署が持つ国民の「所得」に関する情報は、市役所にも共有されているのですね。
ややこしいので、これまでの流れをまとめると、こんな感じ。
- 税務署に更正の請求をして、正しい所得・税額を申告しなおす
- 税務署は、更正の請求に基づき所得税を還付する
- 同時に、税務署は「正しい所得」を市役所に連絡する
- 市役所は「正しい所得」に基づいて住民税や国民健康保険料を計算しなおす
- 住民税や国民健康保険料の納め過ぎが判明した場合には、還付する
今回の件は、税務署に話を通しておけばOKということ。
- 更正の請求の期限は5年
- 家内労働者等の必要経費の特例に当初申告要件(※)はない
ということで、今回の「更正の請求」に法的なハードルはないと思いましたが、念のため、所管の市役所・税務署に確認のTELを入れました。
結論としては、上記の流れでまったく問題なく進むそうです。
「お得な特例に後から気がついてもダメ、最初に確定申告する時点でちゃんと特例を適用してね」というルール。
租税特別措置法には、そういう特例もあるので注意が必要です。
まとめ:知らないと損をし続けるのがお金の世界
税務署や市役所は「申告ミスをしているので損してますよ」とは教えてくれません(納税額が少ないときだけはしっかり連絡してきますけどね)。
もし今後同じような間違いを続けてしまった場合、冗談抜きで今後20年で100万円近く過大にお金を払うことになっていたでしょう。
自分のお金を守るには、しっかりと知識を身につける必要があります。自分で知識を身に着けるのが大変なら、こういうハナシに強い仲間・専門家と関係を持てるといいですね。
信頼と実績のプライベートバンカー、こびと株。ご相談はTwitterにて受け付けておりま………せん!
それではまたっ!
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