こんにちは、こびと株(kobito_kabu)です。
現在、
- 高配当株投資
- インデックス投資(つみたてNISAやiDeCoのみ)
の両刀で資産運用をやっています。
毎月恒例企画ということで、3月の投資トピックスについて「この2つの投資にどのような影響があるか」という観点で、まとめていきます。
本記事の構成はこの通り。
- 日本株の投資トピックス
- 外国株の投資トピックス
- まとめ:高配当株投資のポジションについて
目次
日本株の投資トピックス
日本株については、以下の順番で解説します。
- 株価指数の推移
- その他指数の推移
- 3月のトピックス
①株価指数の推移(日経平均・TOPIX・J-REIT・マザーズ)
3月31日時点の株価は、この通り。
- REIT指数:2,003pt(-3.75%)
- TOPIX:1,946pt(-4.13%)
- 日経平均株価:27,821円(-5.05%)
- マザーズ指数:790pt(-19.09%)
※端数は四捨五入。カッコ内は、いずれも「年初来」。
この4つの指数の、年初来の値動きを見てみるとこんな感じです。
※日経平均のマイナス5%という成績は、現状「S&P500とほとんど同じぐらい」の成績です。
3月単月の動きを見ると、この通り。
- REIT指数 +6.01%
- 日経平均株価 +3.64%
- TOPIX +2.59%
- マザーズ指数 +1.82%
日経平均株価は、
- 一時24,000円台をつけるなど急落しましたが
- その後、2年半ぶりとなる9連騰を記録し、27,821円でフィニッシュ
相対的には、REIT(不動産)の強さが目立ちました。
しかし、REITは「金利上昇」や「経済危機」に非常に弱いです。
現状を踏まえると、「これ以上の値上がり余地は小さい」というのが私見です。
買い時という気はしませんね。
さて、ここで1つニュースです。
日本の上場企業の配当総額は、過去最高の水準となりそうです。すまんな、岸田総理よ
上場企業が株主還元を積み増している。
2022年3月期の配当予想を期初の計画から引き上げた企業は25%にのぼり、日本企業が最高益だった18年3月期の同じ時期を上回った。~中略~
前期比で増配を見込む企業は全体の4割にのぼり、配当総額は3年ぶりに過去最高を更新する。
(出典:日経新聞「配当増額、4社に1社 今期577社、総額3年ぶり最高 電機や化学けん引」※赤字は筆者
米国株でもそうですが、「右肩上がりのトレンド」に乗る投資は、ラクで良いですね。
とはいえ、
- 新型コロナウイルスの感染状況
- ウクライナ情勢
これらを踏まえると、見通しは明るいとは言えません。
企業の業績を注視して、「配当余力」のある会社をより丁寧に選んでいきたところです。
②その他指数の推移
この3つをチェックしておきます。
- 日銀短観
- 景気動向指数
- その他の指数(物価、失業率・求人倍率など)
最初に、①日銀短観について。
(出典:日本経済新聞「大企業の景況感悪化、資源高が重荷 3月日銀短観」)
業況判断DIは、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を引いた値です。
- 大企業製造業:プラス14(前回から-3ポイント)
- 大企業非製造業:プラス9(前回から-1ポイント)
製造業・サービス業ともに「7四半期ぶりの悪化」です。
コロナ禍にウクライナ情勢が重なり、
- 円安と資源高で原材料費が高騰
- 個人消費の回復は遅れ…
という状況を反映しています。
景気の先行きについても「悪くなるかも」と考えている企業が多く、
という現実があります。
次に、②景気動向指数(先行指数)について。
1月の数値(3月23日公表)は、102.5となりました。
(出典:景気動向指数 速報からの改訂状況)
景気動向指数は、
- 景気全体の現状を知ったり
- 将来の動向を予測したりするときに
使われる経済指標です。産業、金融、労働など、経済に重要かつ景気に敏感な30項目の景気指標をもとに指数が算出されています。
色々な指標をミキサーに入れてスイッチをいれると、1つの「景気動向指数」ができるというイメージです。
景気動向指数を見る上で大切なのは、この2つ。
- この数カ月、プラストレンドか?マイナストレンドか?
- プラス幅(又はマイナス幅)はどれぐらいか?
ココ1年の推移を見てみると、この通り。
- 2月 98.9(前月比+1.0ポイント)
- 3月 102.2(前月比+3.3ポイント)
- 4月 103.5(前月比+1.3ポイント)
- 5月 102.5(前月比−1.0ポイント)
- 6月 104.7(前月比+2.2ポイント)
- 7月 104.0(前月比-0.7ポイント)
- 8月 101.6(前月比−2.4ポイント)
- 9月 100.0(前月比-1.6ポイント)
- 10月 101.4(前月比+1.4ポイント)
- 11月 102.9(前月比+1.5ポイント)
- 12月 103.7(前月比+0.8ポイント)
- 1月 102.5(前月比-1.2ポイント)←New!!
現状、株価が割安というワケでもありません。
- 景気全体が良いんだから
- どの会社の株を買ったとしても
- 業績が上がってハッピー!
- 株価も上がってハッピー!
という状況にはならなそうなので、個別銘柄を選ぶ際には慎重に。
最後に、③その他の指数について。
まず、消費者物価指数(3月18日発表)。
こちらは、前年同月比+0.6%となりました。
(出典:日経新聞「2月の消費者物価0.6%上昇、「携帯」要因除けば2%超え」)
この1年、当ブログの経済状況記事を毎月読んでくれてた人は変化に気づけているでしょう。
インフレ、じわじわと来てます。
最後に、雇用関係(失業率、求人倍率)の指標です。
- 失業率…2.7%(前回は、2.8%)
- 有効求人倍率…1.21倍(前回は、1.20倍)
※完全失業率が2.2%ぐらいまで戻ればほぼ完全雇用=ゴール。
(出典:日本経済新聞「失業率2月2.7%、2カ月ぶり低下 就業控えも目立つ」)
雇用環境は、相変わらず一進一退。
「悪くない水準」ですが、「踊り場」が続いています。
③3月の国内トピックス
国内、3月のトピックはこちら。
- コロナ最新状況
- 6年ぶりの円安
コロナ最新状況
まず、1つめ。
「コロナ最新状況」について。
3月6日までを予定していた、まん延防止等重点措置。
東京、大阪、愛知など18の都道府県において、3月21日まで延長となりました。
第一生命経済研究所のレポートによれば、この延長による経済への影響は
- 個人消費は1兆円程度減少
- 失業者が3.9万人程度増加
とのこと。
そして3月21日、延長期限を迎えた「まん防」は、全国すべての地域で解除されました。
(日本経済新聞「まん延防止、2カ月半ぶり全面解除決定 経済再開に軸足」より)
時短営業などを始め、各種制限が解除され
- 春休みの国内旅行需要が回復傾向
- 出張・会食を再開する企業の増加
- 歓送迎会・GoToイート再開などによる飲食店需要への期待
- 宿泊施設などを含めた求人の回復
など、明るい話も聞こえてきます。
とはいえ、
- 制限解除に伴う支援制度終了の影響
- 感染再拡大への懸念(より感染力の強い「BA.2」への置き換わりも)
といった不安の声はなくなりません。
(東洋経済ONLINE「ウクライナ、インフレ、コロナ…日本経済の今後」より)
ブルームバーグの「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」では、3月24日時点で日本は34位。
(Bloomberg「新型コロナ禍から脱却へ、制限解除が鍵ー安全な国・地域ランキング」より)
世界的に見て、
- 社会的・経済的混乱を最小限に抑え
- かつウイルス封じ込めに成功した度合い
は、53の国・地域の中で34番目、という状況です。
世界の地域別新規感染者数は
(日本経済新聞「チャートで見る世界の感染状況 新型コロナウイルス」より)
- アメリカなど北米ではピークアウトか(マスク義務などの規制撤廃中)
- ヨーロッパは再拡大中(WHOは「規制緩和が早すぎた」とコメント)
- アジア・中東も減らない(韓国・ベトナムなどで高水準、上海でロックダウン)
といった感じ。
日本の新規感染者数も、ご覧の通り一進一退です。
(NHK「特設サイト 新型コロナウイルス」より)
6年ぶり円安
お次のトピックは、「円安」についてです。
今、ものすごいスピードで円安が進行しています。
- 2月は、「1ドル115円」ぐらいだったのに
- 3月は、一時「1ドル125円」をつけるほど
急激に円安が進みました。
チャートで見ると、その動きの激しさは一目瞭然。
(出典:YAHOO!ファイナンス)
あまりに急激に円安が進むので、日経新聞などでも連日記事になっていますね。
(日本経済新聞「円、一時125円台に下落 1日で3円以上円安進む」より)
なぜ、円安になっているのか?
もっともシンプルな説明は「日米の金利差」です。
- 米国が利上げしているのに
- 日本は利上げしないから
どんどん、金利差が開いていってるんですね。
- 金利の高い通貨が買われ
- 金利の安い通貨が売られるというのは
短期的にはよくある流れです。
実際の話は、もう少し複雑です。
インフレ率も考慮した「実質金利の差」で考える必要があるからです。
この点、もう少し踏み込んだ話は、こちらの動画で分かりやすく解説されているのでおすすめです。
為替というのは、多くの要素が複雑に絡み合って決まります。
上記で見たような「金利の差」以外に、このような要素も重要ですね。
- 経常収支(国の収支を表す基準の1つ)…赤字だと円安傾向になる
- マネーの供給量…円を刷りすぎると、円安傾向になる
- 財政状態…財政状態が悪化すると、円安傾向になる(円の信頼性が落ちるため)
日本は「輸出大国」で、貿易でウハウハに儲けてると思っている人は少なくないでしょう。
でも、2022年2月の貿易収支は6,683億円の赤字でした(つまり、輸出より輸入の方が多い。7ヵ月連続の赤字)。
また、日本政府は、コロナ対策で大量の円を刷り、債務を抱え財政を悪化させています。
いま、全世界株や米国株に「つみたて投資」している個人投資家も増えてきましたね(私もやってます)。
- 外国株を買うために、円を売ってドルにして
- ドルで投資したまま、20年30年と寝かせるワケです
多くの投資家が似たような行動をとれば、これもバカにならない「構造的な円安要因」になりうるでしょう。
短期的な為替の動きは読めないものの、長期的な観点では「資産を円だけで持つ」というのはリスクが高いと言えそうです。
今まさにそうなっているように、円安になると生活費が上がりうるからです。
外国株の投資トピックス
お次は、外国株の話題です。
外国株については、この4つの順番で見ていきます。
- 株価指数の推移
- ゴールド・債券ファンド等の値動き
- 高配当ファンドの値動き
- 3月のトピックス
①株価指数の推移
G7(主要先進7ヵ国)の、主な株価指数の推移(年初来)はこの通り。
※グーグルファイナンスでは、チャートを5つまでしか同時比較できないので、泣く泣く「FTSE MIB(イタリア)」を抜いています。
- S&P TSX(カナダ) +3.08%
- FTSE100(イギリス) +0.14%
- S&P500(米国) ▲5.55%
- CAC40種(フランス) ▲7.72%
- FTSE MIB(イタリア) ▲9.77%
- DAX30(ドイツ) ▲10.02%
TOPIX(日本)は▲4.13%。
カナダとイギリスが年初来プラスに浮上し、1位2位を走っています。
S&P500は、四半期(=3ヵ月)ベースでは2年ぶりにマイナスに沈みました。
3月単月の動きを見ると、この通り。
すべて上昇です。
特に、米国株は上げ幅が大きかったですね。
こういう見方をしている人もいると思いますが、私個人としては懐疑的です。
こちらの表をご覧ください。
1971年以降の、ナスダックの「1日の上昇率ランキング」トップ20です。
(出典:Twitter)
上昇率ランキングトップ20のうち
- 16回はベアマーケット(弱気相場)で起きていて
- その他の4回のうち、2回はベアマーケット”終了直後”に起きていました
(1日の間における)大きな株価上昇というのは、
- イケイケのブルマーケット(強気相場)で発生するというより
- むしろ、ベアマーケット(弱気相場)で発生する傾向にある
ということ。
今は、まさにそのベアマーケットの最中です。
だから、あんまり油断しちゃダメよということですね。
「今の株式相場は、ベア相場中の”一時的な反発”に過ぎない」
こう見る人は、少なくありません。
②ゴールド・債券ETF等の値動き
有名なゴールドETFである、「GLD」の値動きはこの通り。
(出典:グーグルファイナンス SPDRゴールド・シェアーズ(GLD))
先進国株の多くが、いまだ年初来でマイナスになっているなかで、年初来+7.32%と堅調です。
ゴールドに投資していた人は、株式の下げ分をいくらかカバーできているでしょう。
お次は、債券です。
投資額に対して2%~5%ほどのインカム(利息)が欲しければ、米国債券が有望な投資候補になります。
米国の優良債券ファンドを3つチェックしてみましょう。
- AGG:ローリスク・ローリターンな債券(格付け高く、利回り低い)
- LQD:ミドルリスク・ミドルリターンな債券(格付け普通、利回り普通)
- HYG:ハイリスク・ハイリターンな債券(格付け低く、利回り高い)
米国総合債券に投資する【AGG】というファンドのチャートはこの通り。
- 年初来▲5.47%
- 現在の分配金利回りは1.83%
- 投資対象の約7割は、格付けがAAA(トリプルエー)の債券です
価格推移はイマイチで、右肩下がりですね。
値下がりの理由は、金利上昇です。
「債券」と「金利」は、シーソーの関係にあり、逆の動きをします。
その証拠に、金利のチャートを見てみましょう。
こちらは「米国の長期金利」の推移です(現在の金利は約2.4%)。
(出典:三井住友銀行「マーケット情報チャート」)
ご覧のとおり、(債券価格の動きとは正反対で)2年ほど前から上昇し続けていますね。
米国優良社債に投資する【LQD】というファンドのチャートはこの通り。
- 年初来▲7.76%
- 分配金利回りは2.49%ほど
- 投資対象の約8割は、格付けがBBB(トリプルビー)~Aの債券です
- ギャンブル性の低い「投資適格」な債券であるものの、AGGよりは安全性が低いです
こちらも、金利上昇を背景に、価格推移はイマイチです。
最後は【HYG】です。
「ジャンク」「ゴミ」と言った呼ばれ方をする「投資不適格の債券」を集めた、ハイリスクな債券ファンドです。
- 年初来▲5.38%
- 現在の利回りは4.23%ほど
- 投資対象のほぼすべてが、格付けCCC(トリプルシー)~BBの債券です(リスクが高いぶん、長期的なトータルリターンは大きい傾向)
こちらも、値動きはパっとしないですね。
まとめると、
- AGG(総合債券)…▲5.47%
- LQD(優良社債)…▲7.76%
- HYG(ジャンク債)…▲5.38%
いずれも年初来でマイナスリターンで、「ちゃんと仕事しなさい」という感じ。
とはいえ、金利がある程度上がりきってしまえば
- 保有しているだけで、高い利回りでインカム(利息)が得られる
- (これ以上金利が上がらないので)、価格の下落余地が小さくなる
- 利下げフェーズに入ると、むしろ価格が上昇していく
ということで、投資する旨味が出てきます。
③インカム系ETFの値動き
私の愛する高配当株ETFについて。
- キャピタル(売却益)も
- インカム(分配金)も
両方狙えるポテンシャルのあるファンドたちです。
HDV、VYM、SPYDの年初来のチャートは、この通り。
分配金を無視して価格だけ見ると
- 1位がHDV…+5.63%
- 2位がSPYD…+3.68%
- 3位がVYM…▲0.35%
という順位になりました。
年初来で、S&P500が▲約5%、NASDAQが▲約10%と沈むなか、かなり健闘していますね。
現在の分配金利回りは
- SPYD:約3.5%(過去平均は約4.1%)
- VYM:約2.7%(過去平均は約3.1%)
- HDV:約3.2%(過去平均は約3.4%)
という状況。
低すぎる!というほどではないですが、特に旨味を感じる水準ではありません。
④3月のトピックス
最後に、3月の海外トピックスを解説して終わります。
- ウクライナ危機の経済影響
- 米国の金利動向
ウクライナ危機の経済影響
トピックスの1つめ。
2022年2月24日、ロシアがウクライナへ侵攻しました。
これに伴って、世界経済にどのような変化が起きたのか?
結論としては、大きく2つの変化が起きています。
- 資源高・農産物高
- 金利上昇
日本経済新聞社が「経済チャートで見るウクライナショック」というウェブサイトを公表しているので、ここに掲載されているチャートをいくつか紹介・解説していきたいと思います。
まずは、原油価格。
2月24日以降、原油価格は急騰しました。
直近では下落気味ですが、それでも年初比+約38%の水準です。
原油高に伴って、ガソリン価格も高騰。
日本では、3月28日時点で
- レギュラーガソリンの小売価格(全国平均)が1ℓあたり174円
- 2008年9月のリーマンショック以来、13年半ぶりの高値水準
(出典:FNNプライムオンライン)
となっています。
お次は、天然ガス。
原油同様、落ち着きを取り戻しているように見えますが、年初比では+約65%です。
という人も多いと思いますが、「発電所の燃料」などに使われています。
原油価格や天然ガスが値上がりすると、電気代が上がります。
たとえば、3月30日には「楽天でんき」がこんなリリースを出しました。
(出典:楽天でんき公式HP)
要約すると
- 国際的に燃料価格が高騰
- 電力調達価格も昨年比2.7倍になるなど、高騰
- 値上げします、スマン
という感じ。
モロに影響出てますね。
お次は、小麦。
こちらも
- 侵攻が開始された直後に暴騰
- 現在は落ち着きつつあるも、年初比では+約32%
です。
農林水産省は9日、国が輸入して製粉会社などに売り渡す小麦の価格を4月から前半期(10月期)に比べ平均17.3%引き上げると発表した。
(中略)
現在の算定方法になってからの最高値だった2008年10月期(7万6030円)に次ぐ2番目に高い水準となった。(出典:日本経済新聞「輸入小麦、過去2番目の高値に 4月から平均17%値上げ」)
小麦の価格が上がると、パンや麺類など小麦粉を使った製品は値上げになりますね。
※なお、トウモロコシや大豆などの価格も高騰中です。
お次は、金(ゴールド)。
もともと上昇トレンドにありましたが、2月24日を境に高騰。
現在は落ち着きつつあるも、年初比+約5%です。
- 「有事の金」
- 「インフレ対策としての金」
ということで、需要が高まっています。
※その他、アルミニウムやパラジウムなどの金属も値上がりしています。
これらが使われる製品(鍋やフライパン、銀歯・工業用部品など)も値上げされていくことになるでしょう。
こんな感じで、
- ガソリン代が値上がり
- 電気代が値上がり
- 小麦や大豆が値上がり
- 金属が値上がり
という感じで、ウクライナ侵攻をきっかけに資源・農産物の価格が高騰し、生活コストも上昇しています。
世界中でインフレ(物価高)が起きている、ということです。
これが、ウクライナ危機が世界経済に与えた大きな影響の1つ目です。
次に、ウクライナ危機が世界経済に与えた大きな影響の2つ目が「金利上昇」です。
高インフレを受けて、各国の中央銀行はこぞって「金利を上げよう」としています。
なぜ、インフレになると、政府は金利を上げようとするのか?
金利が上がるということは、「借金の金利が上がる」ということ。
借金の金利が上がると
- 人や企業は、借入れを抑えるようになり
- その結果、彼らが「使えるお金」が減り
- 物価が下がっていく(買い手が減ると、売り手はモノの値段を下げて売ろうとする)
こんなイメージです。
金利には
- 短期金利…主に、政府が決める
- 長期金利…主に、市場(マーケット)が決める
の2種類があります。
- 政府が短期金利を上げると
- 基本的には、長期金利も上昇します
実際、世界の長期金利チャートは、「政府が利上げを急ぐだろう」という予想のもと、3月以降右肩上がりになっています。
金利がどんどん上がっていけば、インフレもいずれ収まる見込みです。
以上の経済チャートをザっと眺めるだけで
- ウクライナ情勢が、世界経済にどんな影響を与えたのか
- その結果、私たちの暮らしにどのような影響が起きるのか
ということを、ざっくり把握できたかなと思います。
米国の金利動向
トピックスの2つめです。
先ほど解説したように、各国の中央銀行は「利上げ」に熱心な姿勢を見せています。
その中でも、特に大切なのがアメリカの金利動向です。
世界経済の心臓は、アメリカだからですね。
3月15日、16日に
- アメリカのすごく偉い人達が
- どれぐらいのペースで
- どれぐらい金利を上げていくか
めっちゃ大事な会議をしました(いわゆる、FOMCです)。
結果、どうなったのか?
こうなりました。
「ゼロ金利政策の解除」と「計10.5回分」の利上げが示されたということです。
最終的に、米国の短期金利は約2.75%程度になる予想です。
今後の注目ポイントは、2つです
- 利上げのペース
- 逆イールド
まず、①利上げのペースに関して。
- 現状は、1回につき0.25%の利上げが想定されていますが
- 場合によっては、0.50%の利上げになります
利上げ幅が大きければ大きいほど、「株価に与えるマイナス影響は大きい」です。
パウエル議長はこう言っています。
いやん。
※0.25%程度の利上げペースならまだしも、0.50%ペースは株式市場にはだいぶハード
次に、②逆イールドについて。
通常、「短期金利」と「長期金利」は次のような関係にあります。
長期金利の方が、短期金利よりも高い
これは、感覚的には分かりやすいんじゃないかなと思います。
- 10年定期預金と
- 2年定期預金だと
10年定期預金の方が、金利高そうですよね。
期間が長い分、利回りも高くないと「ワリに合わない」からです。
でも、この大小関係が逆転することがあります。
短期金利の方が、利回りが高くなってしまうんです。
これを「逆イールド」と言います。
逆イールドは、「景気後退の予兆」として知られています。不吉!
3月29日に、米国の債券市場でこの「逆イールド」が観測されました。
(出典:「逆イールド」なぜ注目 米金利の長短逆転、景気に警鐘)
一般に、逆イールドが観測されてから6ヵ月~24ヵ月以内に「景気後退」が始まるとされています。
- 今回の逆イールドは、たまたまそうなっただけ
- 逆イールドの状況に注視していても、良い投資タイミングが分かるわけではない
といった意見もありますが
ということは事実です。
世界経済に異変が起きていないか、アンテナをピンと張っておく必要がありますね。
まとめ:高配当株投資のポジションについて
以上をまとめると、この通り。
- 日経平均株価の3月終値は、年初来マイナス5%
- 相対的にJ-REITが強いが、今後の値上がり余地は小さいと見る
- 日本の上場企業の配当総額は過去最高水準(とはいえ、先行きは不透明)
- 米国のS&P500が、四半期ベースでは2年ぶりにマイナスに沈む
- G7の主要株価指数は、3月単月では3~5%程度上昇。S&P500は5%超上昇も、引き続き要警戒
- 原油、貴金属、穀物など、コモディティ高が続く(直近は若干落ち着きつつある)
- 債券はパっとせず、高配当株などのバリュー株は相対的に強い
- 引き続き「コロナ禍」や「ウクライナ情勢」と、関連する「インフレ」「円安」「金利上昇」に注意
という感じです。
- S&P500やナスダックなど、米国株一強だった昨年とはうって変わって
- 米国以外の先進国株、バリュー株、コモディティなどが相対的に強くなっており
相場の雰囲気がガラリと変わっています。
個人的には、
- iDeCoやつみたてNISAを中心としたインデックス運用は積立を継続しつつ
- 高配当株については、米国株・日本株ともに静観←New
というスタンスです。
なお、「高配当株ランキング」ですが、中・小型の銘柄は、ブログで紹介すると株価に影響を与えてしまう恐れがあり、触れるのが難しくなっています。
どうすべきか検討中なので、申し訳ないのですが今しばらくお待ち頂けますと幸いです。
それではまたっ!
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