こんにちは、こびと株(kobito_kabu)です。
現在、
- 高配当株投資
- インデックス投資
の両刀で資産運用をやっています。
毎月恒例企画ということで、11月の経済ニュース・統計調査を振り返って
- この「2つの投資」にどのような影響があるのか
- じぶん達の「仕事や生活環境」=景気はどうなっているのか
重要ポイントをまとめていきます。
本記事の構成はこの通り。
- 日本の経済状況
- 海外の経済状況
- まとめ:投資のポジションについて
日本の経済状況
以下の順番で解説します。
- 株価指数の推移
- その他指数の推移
- 11月の国内トピックス
①株価指数の推移(日経平均・TOPIX・J-REIT・グロース)
11月30日時点の株価は、この通り。
- 日経平均株価:33,487円(+30.21%)
- TOPIX:2,375pt(+27.13%)
- グロース250連動ETF:556円(+1.18%)
- REIT連動ETF:1,972円(-2.21%)
※端数は四捨五入。カッコ内は、いずれも「年初来」。
※J-REITとマザーズ指数については、当該指数に連動している「ETF」のデータを表示しています。そのため、実際の指数の動きとは誤差があります。
※11月6日付でマザーズ指数が「グロース市場250指数」に名称変更されました。
年初来の値動きをチャートで見てみると、こんな感じです。
日経平均株価は年初来で+30%
今年の最高値水準にまで戻っています。
11月単月の動きを見ると、この通り。
- グロース250連動 +10.81%
- 日経平均株価 +5.97%
- TOPIX +2.78%
- REIT連動 -0.076%
チャートはこんな感じ。
株高の背景のひとつが、米国の長期金利下落です。
- あれ?景気後退(リセッション)、もしかして本当にこない?
- インフレ退治、うまくいった?
こんな感じで、金利が下がって相場の雰囲気が良くなっていたんですね。
10月には
- 月間の下げ幅(約1000円)は今年最大
- 4ヵ月連続での下落は9年半ぶり
という感じでしたが、11月は5ヵ月ぶりに大きく反発。
日経平均は33年ぶりの高値水準にあり、全上場企業の16%が上場来高値となっています。
②その他指数の推移
「株価(TOPIX)」は、年初来で約27%のプラスと絶好調。
一方で、「リアル景気」の方はどうなのか?
実際のところ、景気は
- 良いのか?
- 悪いのか?
いくつか、指数をチェックしていきましょう。
- 月例経済報告
- GDP
- 景気動向指数
- 景気ウォッチャー調査
- 消費者物価指数
- 実質賃金指数
- 完全失業率・求人倍率
お堅~い言葉が並んでいますが、「雰囲気」だけ掴めればオッケーです。
月例経済報告
まずは、一番大きなところから。
日本政府としての景気判断(公式見解)は、
このところ一部に足踏みもみられるが、緩やかに回復している
- 先月:緩やかに回復している
- 今月:このところ一部に足踏みもみられるが、緩やかに回復している
企業の設備投資が減っていることを受けて、景気の基調判断は10ヵ月ぶりの下方修正です。
※細かな分野における「政府認識」はこの通り。興味のある方だけ、どうぞ。
(出典:月例経済報告 令和5年11月22日公表)
なお、政府認識のリスク要因は
- 海外の金融引き締め
- 中国経済の先行き(中国の不動産市況、かなり怪しいですね)
- 国内インフレ
- 中東地域の情勢
など。
GDP
次に、GDPについて。
2023年7月~9月期のGDP(速報値)が発表されました。
GDP(年率換算)の推移はこの通り。
(出典:NHK NEWS WEB「7~9月のGDP 年率-2.1% 3期ぶりマイナス 食料品消費減などで」)
- 年率換算で2.1%減(前期比マイナス0.5%)
- 3期ぶりのマイナス
という結果です。
減少の主要因は、
- 物価高の影響で食料品の消費が減ったこと
- 企業の設備投資もマイナスだったこと
ですね。
景気動向指数
一致指数の推移は、この通り。
(出典:景気動向指数)
現在の景気は、
- ゴリゴリ拡大しているとか
- 急激に縮小しているとか
そういう雰囲気ではありません。
景気動向指数は、
- 景気全体の現状を知ったり
- 将来の動向を予測したりするときに
使われる経済指標です。産業、金融、労働など、経済に重要かつ景気に敏感な30項目の景気指標をもとに指数が算出されています。
色々な指標をミキサーに入れてスイッチをいれると、1つの「景気動向指数」ができるというイメージです。
景気に一致して動く「一致指数」、景気に数か月先行して動く「先行指数」などがあります。
先行指数の推移は、この通り。
結局、
- 一致指数は、緩やか~に上昇…現在の景気は、ちょっとだけ拡大中
- 先行指数は、下落傾向だったが下げ止まりの兆し…数か月先の景気見通しについては慎重な見方が広がっていたが、トレンド変化か?
という感じです。
景気ウォッチャー指数
景気ウォッチャー指数の推移は、この通り。
(出典:景気ウォッチャー調査 11月9日公表)
10月は49.5ポイント(前月比-0.4ポイント)となっており、景気判断の分かれ目となる50を下回りました。
と言っても、ほとんど50みたいなもんですね。
銀座のママさんやタクシーの運転手さんが「景気は良くも悪くもなく、普通」と判断しているということです。
百貨店・スーパーマーケット・コンビニなどの小売店やレジャー業界で働く人、タクシー運転手など、景気に敏感な職種の約2000人にインタビューし、調査結果を集計・分析して発表するもの。
なお、2~3か月先の景気の先行きに関しては48.4(前月比-1.1ポイント)となり、こちらも50を下回っています。
消費者物価指数
こちらは、前年同月比+2.9%となりました。
(出典:日本経済新聞「消費者物価指数、10月2.9%上昇 4カ月ぶり伸び拡大」)
でも、3%切ってるんだからいいじゃん!
と思った人は要注意。
政府による「電気・ガスの料金抑制策」がなければ、上昇率は3.4%だったとの試算も出ています。
物価、まだゴリゴリ上がってます。
実質賃金指数
実質賃金指数の推移は、この通り。
(出典:NHK「9月の実質賃金 去年同月比2.4%減少 18か月連続でマイナス」)
2023年9月の実質賃金は、前年同月比‐2.4%。
基本給や残業代などをあわせた「働く人1人当たりの現金給与総額」は、平均で27万9304円。
これは去年の9月に比べて1.2%高い水準ですが、依然として物価の上昇に追いつかず、実質的な賃金は低下しました。
結局、実質賃金は恐怖の18ヵ月連続マイナスになっています。
つまり、国民の購買力(モノを買う力)は落ち続けているということです。
完全失業率・求人倍率
ご覧の通り。
- 10月の完全失業率…2.5%(前回は2.6%)
- 10月の有効求人倍率…1.30倍(前回は1.29倍)
※完全失業率が2.2%ぐらいまで戻ればほぼ完全雇用=ゴール。
(出典:日本経済新聞「10月の求人倍率1.30倍、10カ月ぶり上昇 失業率は改善」)
完全失業率は0.1ポイント下がり、有効求人倍率は0.1ポイント上昇なので、若干改善という結果です。
ただし、景気の「先行指標」とされる新規求人数はマイナス。
一概に改善傾向とは言えないかもしれません。
ここまでの話をまとめると、この通り。
▼株価
日本株(TOPIX)は、年初来+約27%と絶好調
▼リアル景気
政府公式見解…足踏みも見られるが緩やかに回復している
GDP…3期ぶりマイナス
景気動向指数…現在の景気は緩やか~に拡大中。先行きについても慎重な見方からトレンド変化か
景気ウォッチャー…「良くも悪くもない」感じ。一服感アリ。
消費者物価…+2.9%と高水準(政府による抑制策がなければもっと高い)
実質賃金…-2.4%と下落(18ヵ月連続マイナス)
雇用状況…失業率・求人倍率ともに若干の改善
という感じ。
引き続き、「日本経済の行く末は”賃上げ”にかかっている」という感じですかね。
以上が、景気の全体感です。
③11月の国内トピックス
日本株について、今月のトピックスはこれです。
- 企業の決算絶好調(3年連続過去最高更新の見込み)
- 経済対策空振り!支持率低迷
企業の決算絶好調(3年連続過去最高更新の見込み)
日本の上場企業、絶好調です。
- 製造業は12%、非製造業は8%の増益
(11月17日まで発表した3月期決算企業の、2023年4~9月期決算) - 6割の企業で純利益がアナリスト予想を超えた
(主要180社の、2023年7~9月決算) - 2024年3月期の予想利益は、前期比13%アップ&3年連続過去最高
といった調子。
簡単に言うと、ボロ儲けしてます(笑)
主な要因になっているのは、
- 円安
- 値上げの浸透
- 人流回復
など。
流れとしては、こんな感じですね。
企業「すまん皆…もうこれ以上は限界だ…値上げするしかないんだ!許してくれ!」
消費者「いいよいいよ。お互い大変だもんな。値上げ、受け入れるよ」
企業「ありがとう…!本当にありがとう!」
~1年後~
企業「過去最高益達成~! イェ~~イ!」 ← 今ここ
業績絶好調につき、当然株価も絶好調。
- 日経平均は33年ぶりの高値
- 東証プライム全上場企業の16%(約260社)が上場来高値
という状況です。
一方、「家計」の方は苦しい状況が続いています。
- 実質賃金は18カ月連続でマイナス
- エンゲル係数は27.4%とピークに迫る(過去1年間の移動平均値)
※エンゲル係数は、支出に占める食費の割合。一般に、高いほど「ゆとりのない家計」とされる。
物価高で、どんどん生活が苦しくなってるんですね。
現状、企業と家計では、景気の状態に対する印象に差がついています。
図で見ると、こんな感じ。
(出典:日本経済新聞「企業と家計、広がる景況感格差 賃上げが縮小のカギに」)
この「差」が良い方に縮まっていくのかどうか?
つまり、
企業が儲ける
→賃金が上昇する
→家計が改善する
→消費が増加する
→企業がもっと儲ける
…という好循環の始まりになるのかどうか?
これが、今後の日本経済を占うカギ…ということになるのでしょう。
政府もこれらのことは当然認識していて、大規模な経済対策を発表しました。
経済対策空振り!支持率低迷
11月2日、政府は臨時閣議において「大規模な経済対策」を決定しました。
お値段、なんと17兆円。
と、ノリノリ(?)です。
経済対策の内容は、ざっくりこの通り。
まず、国民の財布にキャッシュをねじ込むシリーズ。
- 1人あたり年4万円の減税(所得税&住民税)
- ガソリンや電気・ガス料金の補助延長(2024年4月まで)
- 児童手当の支給前倒し
- 1世帯あたり7万円給付(住民税非課税世帯のみ)
お次は、企業への働きかけシリーズ。
- 中小企業の賃上げ促進税制の拡充(賃上げしたら減税してあげるよ、というもの)
- 半導体工場などの立地規制緩和
- 各種研究開発支援…
要は、
- 国民には、「生活費補助するよ!」
- 企業には、「生産性上げて、稼いで、賃上げしてね!」
こうアプローチしているということ。
現状の物価高は「お財布にキャッシュをねじ込む」ことでなんとか乗り切ってもらって、中長期的には賃上げによって生活を良くしていってもらう。
そして、デフレから完全に脱却する。
政府はそういう「絵」を描いているワケです。
この17兆円の経済対策で、GDPを1%押し上げる効果があると言われています。
しかし!
これだけのお金を使おうとしているにも関わらず、岸田政権の支持率低下は止まりません。
日経新聞とテレビ東京の調査によると、岸田政権の支持率は過去最低を記録。
- 支持する…30%
- 支持しない…62%
と、散々な状態になっています。
(出典:日本経済新聞「岸田内閣支持率、発足後最低の30% 辞任ドミノも影響」)
内閣支持率の数字はメディアによって異なりますが、「発足以来、過去最低の支持率を記録している」という点にはおおむね変わりありません。
※民間シンクタンクの調査では、内閣支持率はすでに16.8%しかないなんてデータも。
一般に、マーケットは「政局混迷」を嫌います。
株安に繋がりやすいということです。
- 減税やガソリン代の補助等、自分自身の生活にも影響がある17兆円もの経済対策が決定されたこと
- それにも関わらず、内閣支持率が過去最低を記録していること→政局、大丈夫?
この2点は、頭の片隅に置いておいてソンはないでしょう。
海外の経済状況
お次は、海外の話題です。
この4つの順番で見ていきます。
- 株価指数の推移
- ゴールド・債券ETF等の値動き
- 高配当ファンドの値動き
- 11月のトピックス
①株価指数の推移
G7(主要先進7ヵ国)の、主な株価指数の推移(年初来)はこの通り。
※グーグルファイナンスでは、チャートを5つまでしか同時比較できないので、昨年に引き続き「FTSE MIB(イタリア)」を抜いています。
2023年G7パフォーマンスマラソン、「11月中継所」通過時点の順位はこの通り。
- FTSE MIB(イタリア) +23.09%
- S&P 500(米国) +19.45%
- DAX30(ドイツ) +15.25%
- CAC 40種(フランス) +10.86%
- S&P TSX(カナダ) +4.08%
- FTSE100(イギリス) -1.33%
TOPIX(日本)は+27.13%。
我らが日本、トップを維持です。
※高配当株の指数に関しては年初来+35%。増配続きで、インカムもキャピタルも両取りできててイイ感じ。
11月単月の動きはこの通り。
みんな仲良くプラスです。
特に、ドイツとアメリカが伸びました。
米国株に関しては、10月時点では
- S&P500
- ナスダック総合
どちらも7月高値から10%以上下落し「調整相場入り」していました。
しかし、一気にここ数か月の下げを取り戻すような動きを見せています。
②ゴールド・債券ETF等の値動き
有名なゴールドETFである、「GLD」の値動きはこの通り。
(出典:グーグルファイナンス SPDRゴールド・シェアーズ(GLD))
ゴールドの成績は、年初来で+10.34%です。
イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まって以降、上昇基調が続いています。
※12月1日には、NYの金先物価格は3年4カ月ぶりに史上最高値を更新。「利下げ観測」もあって、勢いづいていますね。
お次は、債券です。
投資額に対して2%~5%ほどのインカム(利息)が欲しければ、米国債券が有望な投資候補になります。
米国の優良債券ファンドを3つチェックしてみましょう。
- AGG:ローリスク・ローリターンな債券(格付け高く、利回り低い)
- LQD:ミドルリスク・ミドルリターンな債券(格付け普通、利回り普通)
- HYG:ハイリスク・ハイリターンな債券(格付け低く、利回り高い)
米国総合債券に投資する【AGG】というファンドのチャートはこの通り。
- 年初来-1.33%
- 現在の分配金利回りは3.13%
- 投資対象の約7割は、格付けがAAA(トリプルエー)の債券です
11月は、長期金利の下落によって、価格が大きく上昇しました。
「債券」と「金利」は、シーソーの関係にあり逆の動きをします。
参考までに、金利のチャートを見てみましょう。
こちらは「米国の長期金利(10年国債)」の推移です(11月末現在の金利は約4.26%)。
(出典:三井住友銀行「マーケット情報チャート」)
10月に一時5%を超えていた長期金利。
急激に低下していることが見てとれますね。
お次に、米国優良社債に投資する【LQD】というファンドのチャートはこの通り。
- 年初来+0.12%
- 分配金利回りは4.07%ほど
- 投資対象の約8割は、格付けがBBB(トリプルビー)~Aの債券です
- ギャンブル性の低い「投資適格」な債券であるものの、AGGよりは安全性が低いです
こちらも、先月から急上昇していますね。
最後は【HYG】です。
「ジャンク」「ゴミ」と言った呼ばれ方をする「投資不適格の債券」を集めた、ハイリスクな債券ファンドです。
- 年初来+2.63%
- 現在の利回りは5.91%ほど
- 投資対象のほぼすべてが、格付けCCC(トリプルシー)~BBの債券です(リスクが高いぶん、長期的なトータルリターンは大きい傾向)
こちらも、AGGやLQDと同様に急激に価格が上昇しています。
先月も触れた通り、
- (最近)価格が上昇しているものは、イイもの
- (最近)価格が下落しているものは、ゴミ
この価値観ならば、ここ最近の債券はまさにゴミだったということになります。
ですが、その「ゴミ」を買い漁っていた人は、11月はかなり心地よい相場になったんじゃないでしょうか。
5%近い金利の債券を持っている人は
- 長期保有においては、高い利回りでのインカムゲイン(利息)が得られるし
- 金利が下がれば下がるほど、債券価格が上昇してキャピタルゲインも得られます
私個人としては、
という感じ。
※反対に6%とかまで上がるようなことがあれば、また買いますけどね。
金利は、資産運用の「心臓」とも言える重要テーマ。
引き続き、金利動向についてのチェックは続けていきましょう。
③インカム系ETFの値動き
私の愛する高配当株ETFについて。
- キャピタル(売却益)も
- インカム(分配金)も
両方狙えるポテンシャルのあるファンドたちです。
HDV、VYM、SPYDの年初来のチャートは、この通り。
分配金を無視して価格だけ見ると、順位はこの通り。
- 1位がVYM…-1.18%
- 2位がHDV…-3.81%
- 3位がSPYD…-7.53%
11月で多少値を戻しましたが、プラスにはならず。
ということも、特になく。
私の考えるインカム資産の役割は
- 長期的に元本を割ることなく
- 高利回りの配当金を安定的に出し続けてくれること
彼らの仕事は「私の生活費を出し続けること」だけ。
私が使っている楽天証券では、
- ドルの配当金を、円貨で受け取ることができるようになりました
- また、楽天銀行と連携すれば、証券口座に余っている円貨は自動で出金することができます
つまり、私の日常はこうなってるワケです。
- 楽天銀行に紐づいたクレカで、全ての生活費を払う
- クレカの引き落としで、楽天銀行の残高が減る
- 保有する高配当株から、楽天証券の口座に配当金が振り込まれる
- その配当金は、楽天証券から楽天銀行にすぐに自動出金される
- 楽天銀行の残高は、自動で補充され続ける=永久機関
上記の米国高配当ETFは、長期で見れば
- 増配が続いていて
- 配当金も安定的で
- 株価の伸びにも期待できます
優良高配当株ほど、
- 生活設計がしやすく
- 手間暇がかからず
- 長期的にも成長が見込める
そんなアセットを、私は他に知りません。
※インデックスはインデックスで積み立てを続けていて、こちらは「総資産の成長」に貢献してくれています。ハイテク株の成長は、こちらで享受。
価格が下がってくれたら、キャッシュフロー効率を上げるチャンスになるだけ。
生活水準向上のため、喜んで買い増しさせて頂きます。
というワケで、現在の分配金利回りはというと
- SPYD:約4.99%(過去平均は約4.5%)
- VYM:約3.17%(過去平均は約3.0%)
- HDV:約4.12%(過去平均は約3.5%)
という感じ。
過去水準との比較で言えば、「旨味」が感じられるレベルでしょう。
暴落時のような「大バーゲン!」という価格には遠いですが、決して高くはないお買い物かなと思います。
短期的には「今の円安状況」が気になりますが、長期で見るならばまぁ飲めるリスクかなと。
- 株価の成長力
- 配当金
これらが、為替ダメージを吸収してくれるからです。
④11月の海外トピックス
海外について、今月のトピックスはこれです。
- S&P500 11月は記録的上げ幅
S&P500 11月は記録的上げ幅
11月のS&P500は、+8%あまりの上昇を見せてフィニッシュしました。
これは、単月の成績としては、1928年以降ほんの「10回」も経験されていない快挙です。
※1928年以降、+8%を超えた年は以下の通り
(出典:Bloomberg「米国株の急騰に息切れの兆し、先物は既にやや弱気-シティ」)
振り返ってみると、2022年、S&P500のトータルリターンは-18.11%と散々でした。
その流れで、2023年のはじめ、一部では「米国株はオワコン」とすら言われていましたね。
ところが、フタを開けてみれば現時点のS&P500のリターンは+約20%と絶好調。
主要な資産クラスのなかで「トップ」の成績を走っています。
主要資産クラスの、年毎のランキングはこの通り。
(出典:X @ISABELNET_SA)
2023年(右端)は、上から順に
- 1位 S&P500…19.9%
- 2位 MSCI EAFE…12.1%(米国およびカナダを除く先進国株)
- 3位 ゴールド…9.3%
- 4位 Global HY…8.1%(ハイイールド債)
- 5位 MSCI EM…6.1%(新興国株)
といった感じ。
S&P500、ダントツですね。
株高の背景にあるのは、「金利の低下」です。
- インフレ率が低下
- FRB(連邦準備理事会)の利上げ停止期待が広がる
- 米国債利回りが低下
- 米国株が上昇
こういう流れですね。
一般に、金利高=株安、金利安=株高です。
※2022年、米国株がズっこけてたのも、利上げラッシュが主要因でしたからね。
そして、株高を牽引しているのは「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる銘柄達です。
- アップル
- アルファベット
- マイクロソフト
- アマゾン・ドット・コム
- メタ
- テスラ
- エヌビディア
これらの超大型ハイテク株のことですね。
これら7銘柄の時価総額は、年初時点では約12兆ドル。
それが、今年に入って5兆ドルも増加しました(なんと、約42%もの上昇!)
ナスダック指数も絶好調ですが、ナスダックの時価総額増加分(約6兆ドル)の大半は、この7銘柄の伸びで説明できてしまう状況です。
(出典:日本経済新聞「米株「神7」上昇、ドットコムバブルの再来か(NY特急便)」)
これら7銘柄は、S&P500の時価総額の約3割を占めています。
ハイテク株は金利に敏感ですから、利下げ期待が指数(株価)に与える影響は大きいというワケです。
つくづく、
- その年、どの資産クラスが1位になるか?
- その月、上がるか、下がるか
これを当て続けるのは難しいですね。
個人的な予想で言えば、11月は「下がる」と思っていたので大外れです(笑)
短期的な目線において、アクティブ運用では機会損失になりそうですが、涙と鼻水を流しながらハンカチくわえて悔しがるしかできないですね。んもぅ!
インデックスファンドは育ち続けてるから、まぁいいか~~~。
まとめ:投資のポジションについて
以上をまとめると、この通り。
- 日本株(日経平均株価・TOPIX)は年初来+30%前後と絶好調
- 企業業績も3年連続過去最高更新の見込みで絶好調
- 日本経済は緩やかに回復しつつあるも、実質賃金18ヵ月連続低下は大問題。家計の景況感は厳しい
- 17兆円規模の経済対策が決定されるも、岸田内閣の支持率は過去最低を記録
- 調整相場入りしていた米国株は、一転約100年に10回もないレベルで上昇。一気に高値圏に
- イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まって以降、ゴールドは上昇基調。過去最高値圏
- 長期金利(米国債10年モノの利回り)は5%→4.3%と大幅低下
- 米国高配当株は、逆風続く(日本の高配当株は絶好調)
という感じです。
個人的には、
- インデックス運用(iDeCoやNISAなど)は、淡々と継続
- アクティブ運用(高配当株投資)は、引き続き資金保持。よりお買い得な利回りになるタイミングを待つ。
というスタンスです。
日本の高配当株については
- 約510社とそれなりに数があるものの
- 株価の上昇に伴って、着実に減ってきている(ピーク時から約200社減)
という状況。
「お、これいいじゃん!」というものは明らかに減っていますね。
「買えるものがない!」という状況でもないですが、うま味は減少中。
ちなみに、米国の「恐怖・強欲指数」は現在こんな感じ。
(出典:Fear & Greed Index)
- 相場がイケイケの時は「Greed(強欲)」を示し
- 相場が弱気の時は「Fear(恐怖)」を示す
そんな指数です。
最近までの「恐怖感」はどこへやら。
今は、「Greed(強欲)」を示していますね。
さて、今後はどうなっていくでしょうか?
引き続き、定点観測していきましょう。
それではまたっ!
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