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USCPAと簿記はどっちがいいの問題

割とよく聞かれるので、この問題にお答えしようと思います。ちなみに私(@kobito-kabu)は大学卒業以後10年超、グローバル企業で経理を続けているバリバリの実務家です。
「USCPAと簿記」どれをオススメするかは質問者によって回答が異なるので、3パターン用意しました。
- 学生
- 経理未経験者
- 経理の実務家
です。



彼らにとって、USCPAと簿記はどちらが良いのか?見ていきましょう。
USCPA vs 簿記2級

USCPAと簿記2級、役に立つのはどっち?
学生さんの就活に役立つのは簿記2級です。理由は2つ。
- 一般企業にとって、USCPAより簿記2級の方が認知されている
- 日本企業で働く場合、使用されている会計基準は米国基準ではなく日本基準
監査法人に入りたいならUSCPAを取った方が良いですが、それならまずは日本の公認会計士資格を狙うべきです(新卒から海外の会計事務所で働きたい場合は別ですが)。
グローバル企業を狙う場合でも、簿記2級+TOEICハイスコアで内定ゲットを狙えます。USCPA資格を活かせる学生というのは、かなり限られるでしょう。

経理未経験の人にとっても、上記とまったく同じ理由で簿記2級の方が役に立ちます。
経理未経験30代の人がいきなりUSCPAに合格しても、それを活かすことのできるケースは限られます。採用サイドから見ると、この年齢でいきなりこんな資格とって何がしたいんだろう?と構えた目線になってしまいます。
未経験から経理に転職するのなら、まずは最低限簿記2級です。

経理の実務家で簿記2級を持っていない人というのは少ないかもしれませんが、もし簿記3級ホルダーの人がキャリアアップして年収を増やしたいというのであれば、簿記2級よりもUSCPAの方が役に立ちます。
理由は、年収水準の高い企業(グローバル企業・外資系企業)に転職できるようになるからです。
- 海外展開しているグローバル企業は大企業であることが多く、年収水準が高い
- 外資系企業は年収水準が高い
このことは超重要で、経理の年収は「何ができるか」ではなく「どの会社にいるか」で決まります。ここを理解しておかないと、報われない可能性が高いです。
実務経験さえあれば、簿記資格のグレードはあまり気にされません。それよりも、経験した実務の内容が問われることになります。
実務経験+USCPA(語学力・ポテンシャルの証明)で、高年収企業の経理/財務を狙うということですね。実務経験があれば、多少年齢が高めでも全然オッケーです。

USCPAと簿記2級、難易度が高いのはどっち?
難易度に関しては、3人に対して共通の回答です。
USCPAの方が断然難しいです。比べてはいけないレベルです。そもそもの比較対象がおかしいですね。
なぜ比較されるかと言うと、昔、合格率だけを比較した人たちが「USCPAは簿記2級より簡単」という情報をバラまいたからです。
- 簿記2級の合格率は約30%
- USCPAの各科目合格率は約40~50%
確かに、この情報だけ見るとUSCPAの方がはるかに簡単そうですね。しかし、実際は異なります。
- 4科目全体で見ると合格率は20~30%。ノンネイティブの日本人に限ればもっと低い可能性
- 膨大な勉強量。1000時間を超える学習時間が必要
- 受験資格が厳しい(会計単位を取得していないと受験すらできない)
詳細は、次の2記事を読んで比較してみて下さい。
>>簿記2級の難易度に関する記事はこちら
>>USCPAの難易度に関する記事はこちら

USCPA vs 簿記1級

USCPAと簿記1級、役に立つのはどっち?
学生さんの就活に役立つのは簿記1級です。在学中に、簿記2級ではなく、簿記1級に合格できたのなら大企業に就職できる可能性が一気に高まります。
- 簿記1級の合格率はたったの10%弱
- 会計知識があることだけではなく、ポテンシャルの高さ(地頭の良さ)もアピールできる
もし監査法人に入りたいならUSCPAを取った方が良いという結論は変わりません。ただし、簿記1級に受かる力があるのなら、やはり公認会計士を狙うべきでしょう。もちろん険しい道ではありますが。
やはり、学生さんにUSCPAをオススメするケースというのは相当限られます。
- 新卒から海外の会計事務所で働きたい
- 新卒から外資系企業の経理/財務で働きたい
- 総合商社(三菱商事や三井物産など)に入りたい(※それでも、USCPA資格が決定打になる可能性は高くはないです)

経理未経験の人にとっても、もちろん簿記1級の方が役に立つ可能性が高いです。
簿記2級と比べると、
- 求人案件の待遇の良さ
- 求人案件に合格する可能性
いずれも格段に有利になるでしょう。簿記1級はそれだけ価値のある資格です。
簿記1級があれば、最初は中小企業に就職して実務経験を積み、2~3年後に大企業に移るという選択肢も出てきます。ひとたび実務経験を積んでしまえば、経理の転職は非常にハードルが低くなります。

経理の実務家の場合、実務経験を通じて自分のキャリアが見えてきていると思います。
- 国内志向なのか?
- 海外志向なのか?
どのような業務にやりがいを感じ、どのような業務に面白みを感じないのか、ハッキリしてきているのではないでしょうか。
簿記1級は、経理のキャリアを固めるうえで有用な資格ですし、USCPAはグローバルな会計人としてのキャリアを築くための有用な資格です。
簿記2級とUSCPAで悩むなら、インパクトのあるUSCPAにチャレンジしちゃいなよ!
と思いますが、簿記1級とUSCPAの比較なら、自分のキャリアに合わせた資格を取れば良いと思います。いずれにせよ、年収アップ(転職)には役に立ちますから。

USCPAと簿記1級、難易度が高いのはどっち?
難易度に関しては、3人に対して共通の回答です。
USCPAの方が若干難しいと思います。これはUSCPAの方が試験内容が難しいという意味ではなく「時間とお金がかかる分大変だ」ということです。
USCPAは、やれば報われる試験と言われています。問題の傾向が素直で、難問・奇問の類で受験生を悩ませるようなことがあまりありません。
一方で、簿記1級は合格率がかなり絞られており、年によっては合格率が5%前後のこともあります。ハマると抜け出せず、何回受験しても受からないという人もいます。
>>簿記1級の難易度に関する記事はこちら
こうやって見ると、試験内容としては簿記1級の方が難しいのかもしれません。
しかし、USCPAは受験範囲が膨大で、テキストを積み上げるだけで数十センチもの高さになります。受験範囲の問題を一通りこなすだけで3,000題~5,000題ものボリュームになります。
簿記1級は独学なら数万円、予備校を利用しても10~20万円弱で済みます。
しかしUSCPAは、独学ではほとんど無理。予備校の利用が必須で、受験費用も含めると100万円近いコストがかかります。受験資格を得るための単位認定も大変です。
そして、当たり前ですがUSCPA試験はすべて英語です(英文自体は難解ではありません)。ノンネイティブの日本人は、それだけでハンデを負っているとも言えます。
こうやってトータルで見ると、簿記1級よりUSCPAの方がハードと言えるでしょうね。

こういう考え方はアリだと思います。グローバル企業はいつでも英語+会計が使える人材を求めていますし、外資系企業は日本企業よりも年収水準が高いです。
簿記1級もUSCPAも難易度は高いですが、十分にモトが取れる資格です。
ちなみに、日本の公認会計士に言わせると、USCPAホルダーは、「え?そんな仕訳も分からないの?」というぐらい仕訳に弱いそうです。USCPAは簿記のような仕訳力を問う試験が少ないですからね。
まとめ:汎用性が高いのは簿記!USCPAをオススメできる人は限られる

汎用性が高いのは簿記です。
- 取得コストが安い
- 難易度がちょうどいい
- 企業からの認知度が高い
- 実務に役立つ
どの点をとっても、申し分ない優良検定試験です。簿記を取得して失敗するなんてことは、まず考えられないでしょう。
一方で、USCPAは人を選びます。バシっと条件が合う人にとっては、素晴らしいチャンスをもたらす資格になります。
- 勉強期間が1年~2年かかる
- 予備校代+受験費用で総額100万円かかる
- でも、合格後に大手グローバル企業や外資に転職できれば1~2年でモトがとれる
特に、中小企業等に勤務する20代の経理マンにはかなりおすすめ出来る資格です。監査法人なり外資なり大手企業に転職すれば、大幅な生涯年収アップが見込めるでしょう。
実際、身の回りにもそういう人がいます。
少しでもUSCPAに興味があるならアビタスに資料請求しておきましょう。USCPA予備校のトップブランドです。合格者実績から考えて、予備校選定の候補から外す理由がありません。
USCPAの受験を悩んでいるなら、少しでも早く資料を取り寄せた方が時間を無駄しないと思います。結局、どうせアビタスについて調べることになりますから。
少しでも興味のある方は、ぜひ資料請求してみて下さい。ネットサーフィンしているだけでは得られない質の高い情報が得られます。
- 米国の予備校教材を利用して学習する1/3以下の時間での合格が可能
- 多忙なビジネスパーソンの方でも、学習の継続ができるプログラム
- アビタスの講師は、USCPAを取得済み。しかも実務家(講師だけではなく、他にも会計系の仕事に従事)として活躍しており、現場の活きた知識も学べます。
- 生徒から定期的に評価をしてもらい、5段階評価で4.3以上をとれた講師のみが教壇に立ちます
ちなみに、セミナー(無料)に参加すると、このUSCPA攻略本(定価1,080円)がタダで貰えてお得です。セミナーに参加できる地域に住んでる人は、行かないともったいないですね。
ご自身の
- 年齢
- 職歴
- 志向(国内?海外?安定?リスクとる?)
- お金に対する興味(年収は高い方が良い?気にしない?)
このへんを踏まえてトータルで判断してもらえればと思います。
以上、「USCPA vs 簿記2級&簿記1級|どっちが役に立つ?どっちが難易度高い?問題に答える」でした。
それではまたっ!
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