蔵王産業 2019年3月期期末決算(2019年4月26日公表)
ざおうさんより2018年4月1日~2019年3月31日の業務報告が届いております。
経営成績について
当期 前期
売 上 高 69.5億円 72.0億円
営業利益率 15.7% 16.3%
1株純利益 117.90円 125.07円
配当予想 30円(中間)+31円(期末)
前期比で減収減益・利益率も低下と、調子の振るわないざおうさんでした。(低下後の営業利益率で15%を超えているというのは、驚くべきコトではあります)
- 原価率 :低減(48.0%→47.7%)
- 販管費率:増大(35.7%→36.6%)
という状況です。売上の低下に比べて販管費の圧縮幅がイマイチだったのが、利益率低下の要因ということですね。
販管費の明細を見ていくと、人件費・減価償却費・賃借料など、短期的には圧縮のしにくい費用が7割以上を占めています。
減収減益傾向は3Q決算時点で明白でしたから、業績予想の見直しや要因の説明など、情報開示の充実をはかってほしいところでした。
ところが、通期決算においても、十分な情報が開示されているとは言えません。
- 製造業には、総じて販売増加
- ビルメンテナンス業への関連商品販売は、堅調
- OEM供給によるオリジナル商品提案では、シェア拡大につとめ
- アフターサービスも、工賃及びパーツの合計売上が堅調
- 子会社エタニ産業も、増収
⇒これらの結果、減収。
OEM供給がシェア拡大につとめたけど、うまくいかなかったのか?ビルメンテナンス業への販売のうち、関連商品販売以外の売上がダメだったのか?それとも…
想像は膨らみますが、いまひとつ要因がつかめません。
品目別でみると
- 清掃機機は、増収(+14.6%)
- 洗浄機器は、減収(-18.2%)
- その他は、増収(+5.9%)
ということなので、洗浄機器が足を引っ張っている様子。
洗浄機器の詳細情報としては、「コンシューマー向けのスチーム機器の販売が減少したこと等から、減収(蔵王産業2019年3月期決算短信より)」と記載されていますが、
と疑問が広がる状況です。
こびと株たちもそれぞれ性格がありますが(かのんちゃんはよくしゃべるとか、ざおうさんは秘密主義とか。)、悪いニュースがあるときくらいは、細かい説明があるとありがたいものです。
財政状態について
当期末 前期末
総 資 産 136.0億円 133.5億円
1株純資産 1,882.94円 1,827.31円
自己資本比率 86.7% 85.7%
A(※)/総資産 43.9% 41.5%
※A=現金預金+有価証券+投資有価証券
財政状態については、相変わらず何の心配もいりません。現金も増え、自己資本も増え、より一層強固になっている様子です。
アメリカ企業なら「おカネ溜め込みすぎ!」と怒られるところでしょうが、日本企業の場合はここに安心感を感じてしまいます。
もちろん、現金保有が増えることには一長一短ありますが、とりあえず、企業としての継続性に全く不安がないのは良いところ。収益性の改善にも、ゆっくり取り組んでくれればと思います。
キャッシュ・フローの状況
当期 前期
営業C/F 8.5億円 8.2億円
投資C/F ▲0.0億円 ▲0.0億円
財務C/F ▲4.0億円 ▲3.5億円
キャッシュの状況も健全で、ゆとりがあります。営業CFが順調に推移し、投資CF・財務CFを余裕でカバーしているので、不安感がありません。
有形固定資産の取得支出の推移は
- 27/3期:0.04億円
- 28/3期:2.38億円
- 29/3期:5.03億円
- 30/3期:0.04億円
- 31/3期:0.12億円
といった感じ。投資額がちょいちょいブレるざおうさんですが、当期は少なめに抑えられています。
今後の見通し
業績予想
ざおうさんによれば、来期の業績は増収増益。当期も、
- 予想段階では、増収増益
- 実績は、減収減益
だったので油断はできませんが、希望はあるようです。
ざおうさんは、「毎年必ず増収増益を予想する」みたいなヤンチャな子ではありませんから、来期の業績回復に期待したいと思います。
配当予想
ざおうさんの配当政策は、配当性向重視。50%程度の配当性向を目安にしています。
来期の1株あたり利益は、123円の予想。この50%と考えると、61円の配当は妥当なラインと言えそうです。
ざおうさんの業績を長い目で見守りつつ、いつかまた増配してくれることを期待したいと思います。
それではまたっ!
(参考:蔵王産業株式会社 決算短信等)
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