こんにちは、こびと株(@kobito_kabu)です。
上場企業で10年以上の経理経験があります。
会計・投資好きが高じてこんなブログを運営しているのですが、このブログを通じて、学生や転職希望者から「就活相談」を受けることがあります。
その際に必ず聞かれるのがコレ。
今日は、この話題に関して私の思うところをまとめたいと思います。
結論から言うと、簿記は就職・転職の役に立ちます!
- 職種の適性判断
- 志望企業選び
- 書類選考
といった場面で役に立ちます。
ただし、
- 未経験で30代以上だとキツイ
- 簿記は就職の「決め手」にはなりにくい
- そもそも不景気だとNG
といった点には注意が必要。
これらにさえ気を付ければ、簿記はムダになることのない優良資格です。就職・転職の武器が欲しい人は、ぜひ取り組んでみてくださいね。
※簿記学習の最強の味方、おすすめ資格スクールは以下の記事をご覧ください。
目次
就職・転職での、簿記の役立て方3つ
ズバリ、簿記は就職・転職に役に立ちます。(ただし注意点については、後半で説明します。)
- 職種の適性判断
- 志望企業選び
- 書類選考
①職種の適性判断で、役に立つ
簿記と言えば経理・会計事務員・銀行員・コンサルですね。
簡単に、楽しんで簿記に受かることができたのなら、これらの職種に適性アリだと分かります。
しかし、簿記が苦手な人・嫌いな人にとって、経理の仕事は苦痛でしかないでしょう。毎日毎日簿記を使って働くわけですから、当然です。
また、銀行やコンサルは、数字の分析をしてナンボの商売です。簿記にアレルギーがある人には厳しい仕事だと考えられます。簿記は、彼らの仕事の土台になるスキルだからです。
②志望企業選びで、役に立つ
簿記の知識は、志望企業選びにも役立ちます。
- 志望企業を深く知ることができる(面接を有利に進められる)
- 財務の危ない企業に就職してしまうリスクを減らせる
簿記の知識があれば、企業の財務諸表を読むことができます。財務諸表を読むことが出来れば、
- その企業の財務状態
- 競合他社と比べてどのような特徴があるか
が手に取るように分かります。
財務諸表を読むことで企業に関する知識を深めておけば、より良い企業を選ぶことができますし、面接を有利に進められる可能性も高くなるでしょう。
そして、個人的にもっとも重要だと思うのは、簿記によって財務の危ない企業に就職するリスクを減らせるという点です。
とある居酒屋チェーンに就職したがっている後輩がおりました。ところが、私がその居酒屋チェーンの財務状況を分析してみると…
- 賞与引当金が積まれていない→賞与は出ていない
- 利益剰余金がどんどん減っている→赤字で、日々経営が苦しくなっている
- 現預金の減少に対応するため、借入金を増やした→資金繰りが厳しくなっている
という状況でした。
私はこれをストレートに伝えましたが、彼は「その居酒屋チェーンのお店が好きだから」という理由で就職を決めました。
ところが…。入社してみると、やはりかなりキツかったようです。
- 残業代が出ない
- 休日はサービス出勤
- 賞与なし・福利厚生カット(住宅手当がなくなった)
彼は後に「財務状況の重要性を甘く見すぎていた」と言っていました。(彼自身は、そのような状況でも必死に仕事を頑張り、経験を積むことで、無事に転職することができました。)
経済的に自立をし、自らが望むような生活を送るためには、やはりそれなりの労働環境が整った職場を選ぶ必要がありますよね。
簿記の知識があれば客観的な経営状態・財務状態を知ることができます。
- ブラック企業を選ばない
- 給与とやりたい仕事のバランスがとれた企業を選ぶ
- とにかく楽で給与が高いホワイト企業を選ぶ
どの目的にせよ、簿記の知識は役に立つわけです。
口コミや噂なども、企業選定の際には役に立ちますが、財務諸表の情報と比べるとかなり主観的です。かたよっている恐れがあります。
また、学生の就職人気ランキングも、社会人から見ると「え?」となっていることが多いです。学生たちが抱いているイメージというのは、必ずしも実態とは一致しないと言えるでしょう。
財務諸表は、どの企業でも共通して守るべきルールに基づいて作られた信頼性の高い資料。就職・転職活動においても、とても有用だと言えます。
③書類選考で、役に立つ
日商簿記は、すべての社会人が学ぶべき基本資格とも言われています。近年は受験者が減少傾向にありますが、それでも年3回の試験で、受験者が10万人を超える資格です。
そのため、企業からの評価も高く、学生に取得しておいて欲しい資格・知識では常に上位にきます。鉄板の3資格は、会計・英語・ITの3つですね。
- 日商簿記
- TOEIC
- ITパスポート・基本情報処理技術者
これらの資格は、資格そのものの知識がそれなりに役に立つのはもちろんですが、
- 就職に対する意識の高さ
- 勉強熱心で前向きなこと
- 計画性
などをアピールするのにも役に立ちます。
たくさんの後輩の就職サポートをしてきましたが、履歴書の資格欄がまっしろという学生は結構多いです。「日商簿記2級」などと書いてあると、この子は基本スキルが身についているんだなと思います。
そういう学生は、内定をとりまくります。
簿記は、就職を有利にする資格のひとつなのです。
もちろん、就職だけでなく、転職の場合にも役立ちます。
経理やコンサルに転職したい20代のビジネスパーソンにも、ぜひおすすめしたい資格ですね。今の転職市場の状況なら、簿記2級があれば結構良い会社に入れます。未経験でもOKです。
参考:「簿記の資格とっておくか」と思ったら
優良資格スクールを活用して、正しく効率的に勉強しましょう。
独学は、費用が安くて始めやすいのですが
- 理解が浅くて実務で使えない(下手すると面接でバレる)
- 分野ごとの重要度がわからないので、時間の効率が悪い
- つまずきポイントで挫折しやすい
といったデメリットがあるので、おすすめできません。
圧倒的なおすすめはクレアールです。理由はコスパが最強だから。科学的に解析され、厳選された超効率的な学習法で
- 効率重視で合格したい
- 忙しくて時間がない
- 費用を抑えて取り組みたい
という人に向いています。
WEB通信での学習が基本なので、スマホ学習でスキマ時間を活用できますし、早見再生で時間短縮もできます。音声のみのデータも用意されています。
こういうちょっとした利便性が、合格と挫折を分けたりするのですよね。
※資料を請求すると、無料でサンプル教材がもらえます。見てから決めればOKなので、とりあえず請求だけしておきましょう。
ちなみに、簿記3級・2級の難易度・習得コストについてザっとみておくとこんな感じ。
簿記3級 | 簿記2級 | |||
---|---|---|---|---|
受検者数 | 約10万人 | 約6万人 | ||
合格者数 | 約4万人 | 約1.5万人 | ||
合格率 | 40%前後 | 25%前後 | ||
勉居時間目安 | 多くて100時間 | 約200時間 | ||
受検費 | 2,800円 | 4,630円 | ||
独学テキスト | 約3,000円 | 約5,000円 | ||
スクール | 6,480円~ | 20,000円~ | ||
就職効果 | 物足りない | 十分 |
こちらの記事も、参考にしてみて下さい。
簿記が就職で役に立たない!注意点はコチラ
簿記は就職の役に立ちますが、この3つには気を付けて下さい。
- 未経験で30代以上だとキツイ
- 簿記は就職の「決め手」にはなりんくい
- そもそも不景気だとNG
①未経験で30代以上だとキツい
もちろん、年齢に関係なく、職種の適性診断や志望企業選びには、簿記が役立ちます。
しかし、いくら簿記を取得しても、未経験で30代だと経理への転職はキビシイです。32~33歳を超えて未経験だと、簿記1級レベルでもかなり厳しいと思います。
未経験で30代以上の場合、
- 簿記2級以上を取得
- 会計事務所で実務経験を積む
- 経理に転職
みたいなステップを踏むことも考える必要が出てきます。日本の転職市場では、若さが非常に重要な要素になるので、どうしようもありません。
②簿記は就職の「決め手」にはなりにくい
簿記は、あくまであなたのスペックを示すひとつのパーツです。就活・転職活動は総合力ですから、簿記だけで内定が得られるということはありません。
- 企業の経理部
- 会計事務所
- 銀行
- (財務系)コンサル
こういう、簿記の知識がダイレクトに効いてくるところでさえ、「簿記さえあれば100%大丈夫」というわけにはいかないのです。
「資格をとれば大丈夫!」「簿記さえとれば、あとのことは何とでもなる」という妄信はやめておきましょう。
※とはいえ、簿記すらないままこういうところを志望する人は結構多いので、簿記があれば有利なのは間違いないんですけどね。簿記があれば有利→〇、簿記さえあれば他はどうでも大丈夫→×、というイメージです。
③そもそも不景気だとNG
残念ながら、景気が悪ければどうしようもないのも事実です。
- 職種への適性は分かったけど、求人が無い
- 志望企業は選べたけど、倍率がめっちゃ高い
- 書類選考は有利だけど、それでも落ちる
みたいな感じですね。
「スキルさえあれば大丈夫!」という勘違いしている人も多いのですが、やっぱり世の中の動きは重要です。景気の波にうまく乗れると◎です。
まとめ:使い方とタイミングを間違えなければムダにならない
簿記の知識は、就職・転職活動で役に立ちます。
- 職種の適性判断で、役立てる
- 志望企業選びに、役立てる
- 書類選考を有利に進めるのに、役立てる
とはいえ、こういう点には注意が必要です。
- 未経験で30代以上
- 簿記が就職の「決め手」にはなりにくい
- そもそも不景気だとNG
使い方・タイミングを間違えなければ、ムダになることはないということですね。
それではまたっ!
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