こんな疑問に答えます。
私(@kobito_kabu)は、大学卒業後に一部上場企業の経理・財務部に配属され10年以上のキャリアがある現役経理マンです。待遇・保有資格はこんな感じ。
- 30代前半で残業ほぼゼロ年収700万円弱、有給フル消化で年間休日140日超
- 簿記1級、TOEIC800オーバー、証券アナリスト、その他資格多数
それなりに説得力のある選択肢を示せるかなと思います。
本題ですが、本記事の内容はこの通り。
簿記1級合格後の選択肢は、大きく分けて3つです。
- さらなる資格取得を目指す
- 就職・転職する
- 副業(自営業)を始めてみる
目次
簿記1級合格のその後①:さらなる資格取得を目指す
有力候補としてはこの5つ。
- 公認会計士
- 税理士
- USCPA(米国公認会計士)
- 中小企業診断士
- 証券アナリスト
公認会計士
日本における最高峰の会計資格「公認会計士」にチャレンジするコースです。
そもそも、簿記1級の受験生の中には公認会計士試験の受験生も多いです。簿記1級に合格できるかどうかが、会計士試験でそこそこ良い勝負ができるかどうかの1つの目安になっています。
- 簿記1級に合格できない人は、公認会計士試験にも受からない
- 簿記1級に合格できる人は、公認会計士試験でもチャンスがある
※うちの職場にも公認会計士が何人かいますが、全員簿記1級ホルダーです。
簿記1級に合格できるぐらいの能力があれば、短答試験ぐらいまでは合格できる人が多い印象です。そのあとの論文試験でどうなるかは、神のみぞ知る世界ですね…
- メリット:合格できれば文句なしのハイステータス・高収入が得られる
- デメリット:難易度が超高い。学習コストが高い。脱落者多数。
税理士
次は、税理士にチャレンジするコースです。
税理士試験は会計2科目、税法3科目に合格すればおしまいです。
日商簿記1級レベルの知識があると、会計2科目(簿記論・財務諸表論)はちょっと試験対策するだけで合格レベルに達します。人によっては、簿記1級の方が難しいという人がいるぐらいです。
※私は「簿財」の方が大変だと思いますがw 試験問題のボリュームが尋常じゃなくて疲れる。
- メリット:合格できれば文句なしのハイステータス。収入は働き方次第。
- デメリット:難易度が高い。学習コストが高い(合格までに5~8年)。脱落者多数。市場が飽和状態。
USCPA(米国公認会計士)
お次はUSCPA(米国公認会計士)です。
米国では弁護士・会計士はステータスの高い職業です。これらの職種に就くには高等教育を経て試験を突破する必要があります。
日本の公認会計士試験と比較すると「報われやすい」試験になっています。合格率・学習時間など、詳しい難易度はこちらの記事をご覧ください。
イケてるキャリアの武器になる資格ですね。
- メリット:簿記1級+USCPAは日系グローバル企業の引き合いがめちゃくちゃ強い。外資にも転職可能
- デメリット:語学力がそこそこないとキツイ。学習コスト高め(全部コミで100万円前後)
中小企業診断士
中小企業診断士に挑戦するというコースもあります。
中小企業診断士の試験科目のなかには「財務・会計」という科目があります。簿記1級レベルの知識があると、間違いなくこの分野は得点源に出来ます。
日本版MBAと呼ばれることもある中小企業診断士ですが、日系大手のウケは良いです。意識の高い管理職層では、この資格を持っている人もよく見かけますね。
- メリット:IT、法務、会計、経営・経済学などに幅広く精通したビジネスマンになれる
- デメリット:合格したからといって必ずしも年収アップするわけではない。独立とはまた別問題
証券アナリスト
最後に、証券アナリストです。
証券アナリストの試験科目の中に「財務分析」という科目があります。簿記1級レベルの知識があると、この科目も間違いなく得点源に出来ます。
実際、私は財務会計を得点源に出来たおかげで、2次試験も余裕をもって突破できました。試験の難易度については下記記事をご参照ください。
金融系の資格では国内最高峰レベルの資格ですが、難易度はそこまで高くありません。お金が好きな人なら、試験内容は楽しめるものが多いです。
- メリット:財務(ファイナンス)分野に強くなれる、自分の資産運用に役立つ
- デメリット:証券業に携わる人でなければ、資格そのものを評価されることはない
※この資格の学習を通じて身につけた知識をもとに、4桁万円の資金を運用しています。サラリーマンが資産形成するのに役立ちますね。あと、経理の世界では財務の知識も重宝されるので、M&Aや資金運用の時にはしょっちゅうお呼びがかかるようになりました。
簿記1級合格のその後②:経理系職種に就職・転職する
就職して専門家の道へ
簿記1級に合格したら、会計専門職として仕事をすることが可能です。ポテンシャルも基礎知識もバッチリ。
経理や財務職といったそのものズバリな職種から、IRや経営企画・事業企画部門などの隣接職への就職も視野に入ります。
当ブログのライター、フルーツもホワイト上場企業に勤める経理部員ですが、彼女は簿記1級を武器に内定を勝ち取りました。
大学生、20代のうちに合格できれば、チャンスはかなり広がりますね。
転職して待遇改善
転職して待遇を改善していくというコースです。
- 年収アップ
- 通勤環境の改善(フレックス・リモート)
- 休日増加(年間休日多い、有給取得率高い)
- 転勤なし
- 使用できるツールの改善(PC、システム、デスクや椅子)…etc
ひかえめに言って、日本の賃金体系は残酷なので、同じ会社で頑張っても報われるまでには10年15年かかります。転職しない限り、あなたの努力が短期で報われる可能性は低いです。
↓は当ブログの人気記事です。
幸い、今はめちゃくちゃ会計職の転職市場が熱いので(AIの進歩で経理はなくなる!なんて騒いでいる人もいますが、経理は人材不足で引く手あまたです)、チャンスは多いのが現状ですね。
年齢・職歴次第では、簿記2級レベルでも上場企業に行ける場合があるので、エージェントに相談してみると良いですね。
簿記1級合格のその後③:副業・自営業を始めてみる
最後は、思い切って副業(自営業)をやってみるというコースです。
簿記1級レベルの知識は明らかにオーバースペックで、何をするにしても経理処理に悩むことはほとんどないと断言しますw 上場企業の経理ができるレベルですからね。スモールビジネスなら余裕です。
イメージがわかない人のために、副業の具体例(スジの良い副業)をあげてみます。
- せどり
- プログラミング
- ウェブデザイナー
- 動画編集
- アフィリエイトブログ
- 激安戸建不動産
- 民泊(ゲストハウス)
※詳しくはこちらの動画をご覧ください。
私たちも、実益を兼ねた趣味としてサイト運営をやっていますが、月の生活費の半分以上を余裕で賄えるぐらいの収益が出ています。確定申告のための帳簿付けもラクラクです。
※経理処理や資金管理ができていなくて、現状把握・予算/実績管理がままならず迷走しているフリーランスさんも見かけます…ヘルプしてあげたい(*ノωノ)けど時間がないんですよねえええ
会計知識はビジネスの土台であり、数字感覚なしにビジネスをやっていくことはできません。財務諸表を作らないでビジネスをしている人はいませんからね。
逆に言えば、会計知識があるだけで経営のかじ取りはずいぶん楽になります。
もちろん、投資をする際にも役に立ちます(不動産投資など、事業に近い投資では特に役に立つ)。数字が分からないのに投資・資産運用するなんて怖くてできないですよね。
まとめ:簿記1級に合格したら、その後の可能性はたくさんある!
本記事の内容をまとめると、以下の通り。
- さらなる資格取得を目指す
- 就職・転職する
- 副業(自営業)を始めてみる
重要ポイントをあらためて伝えておくと
- 簿記1級があると、他の難関資格の合格性が高まる
- 簿記1級があると、就職・転職に有利(特に経理職では引く手あまた)
- 簿記1級を土台にして、副業にチャレンジしてみるのもアリ。会計を知っているのは超有利
といったところ。サラリーマンをやるにせよ、副業をやるにせよ、フリーランスを目指すにせよ、簿記を学んでソンすることなんてないということですね。
それではまたっ!
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