こんにちは、こびと株(@kobito_kabu)です。
ふと思ったんですけど。
- 体調を崩すまで長時間労働を続けたこと
- 残業ナシの定時帰り生活を継続したこと
どちらもある私が、ちょっと考えてみたいと思います。
目次
長時間労働や残業の責任は誰にあるのか?
よくある切り口ですが、次のように分けて考えてみたいと思います。
- 自分でどうにもできない問題
- 自分でどうにかできる問題
自分だけの力ではどうすることもできない問題というのは、まさに組織的な問題であり、この意味においては長時間労働や残業の責任は労働者個人にはありません。
一方で、自分でどうにかできる問題というのは、個人の資質に関わる問題であり、この意味においては長時間労働や残業の責任は労働者個人にあります。
なお、本題に入る前にハッキリさせておきたいと思うのですが、この記事でいう「責任」というのは何らかの法的責任を指しているわけではなく、「道義的責任」という意味合いが強いです。
要するに、
- 原因は誰にあるのか?
- 非難されるのは誰か?
という程度の意味です。
(1)組織的な責任
①経営陣の責任(ビジネスモデル上の問題)
会社経営において強力な権限を持つ彼らが構築した会社組織やビジネスモデルに問題があって、構造上、長時間労働や残業が避けられないということです。
- 人員配置がめちゃくちゃ
- 全社的に人材不足
- 経営陣や株主に対する利益還元を最重視する企業文化
- 極端な顧客第一主義
- 丁稚奉公文化
例をあげだすとキリがないですね。
このような職場にいる場合、長時間労働の問題に対して、労働者個人として抗うのはかなり難しい状況です。
それこそ経営サイドとしては「(長時間労働や残業が)嫌なら辞めろ」というだけでしょうから、言葉通り話になりません。
この「嫌なら辞めれば?」という経営陣の思いはそのまま数字に表れます。こういう企業は常に離職率が高いのですね。
このような観点から、転職する気がなくても転職サイトに登録して市場観察するのは結構参考になります。
- 業績が好調で人材を増やしているところ
- 組織的な問題があっていつも人が足りないところ(離職率が高すぎる)
これが見分けられるようになってくるからです。
転職者を募集するための広告ですから、どちらのパターンでも耳障りの良いことばかり謳っているのは変わらないです。でも、募集をかけてる期間がまったく違います。
優良企業は必要な人員を確保できたらすぐに転職市場から姿を消しますが、問題のある企業はいつでも転職市場に残り続けています。
私の知り合いは人材派遣業界のとある会社に在籍していたのですが、その企業は1年中急募をかけているような企業でした。
内部が問題だらけで人がバンバン辞めていくので、募集を止めることが出来なかったのですね。
②部長やマネージャー等の責任(チームマネジメントの問題)
先ほどの事例とは異なり、経営上の問題は特にないものの、管理者の個人的な資質によってチーム全体が長時間労働を強いられるという状況です。
ありがちなのが次のようなタイプです。
- 長時間労働で成果をあげて出世してきた(部下にもそれを求める)
- 上の役職者が帰らない限り、自分も帰らない(部下にもそれを求める)
- なんでも仕事を引き受けてしまう
このような方が上司になると、チームメンバーは途端に長時間労働を強いられるようになります。
会社自体は長時間労働を求めているわけではないのですが、社内で問題になるギリギリのラインまで残業し続けます。
会社側が本人に、長時間労働を抑制するよう働きかけている場合でも、これは変わりません。
サラリーマンは組織の歯車ですから、自分の上にいる歯車が回る限りはそれに従って自分も回り続けなくてはなりません。
現場の責任者たるマネージャーが「残業しろ」と言うのなら、それに抗うのは難しいですよね。
こうなってしまうと、
- 部署やグループを変えてもらえる
- 特殊な個人事情(医師の診断書をもらうなど)がある
といったケース以外では、長時間労働は避けられなくなってしまいます。
(2)個人的な責任
「経営陣の責任」や「管理職の責任」とは異なる視点です。
残業が発生してしまうのは、労働者個人の
- 能力不足
- 姿勢の問題
という観点です。
①能力の問題
大前提として、基本的に、与えられた仕事はしっかりこなす必要があります。
サラリーマン稼業は、個人と企業間の労働契約によって成り立っているものですから、契約は遵守しなくてはなりません。
この契約を履行する能力が欠けてしまっている場合、残業が発生するのはその労働者個人の問題ということになります。
定時内で仕事を終わらせたいと思うのなら、自分の業務に係る
- 意思決定のスピード、正確性
- 事務処理能力
- スケジュール等の管理能力
は必須です。
どれが欠けても、時間内に仕事を終えることは難しいと思います。
②姿勢の問題
もう1つは、姿勢の問題です。
仮に能力があったとしても、残業そのものを許容する姿勢をとっている限り、残業は決してなくなりません。
- 自分の仕事は終わったけど、仲間のサポートをしないと
- ルーティンは終わったけど、改善課題にも手をつけないと
- 頑張ってるように見られて評価されたいから、遅くまで残ろう
- 残業代を稼ぎたいからダラダラやろう
- なんか帰りづらい雰囲気だから、みんな帰るまで待とう
残業をやめられない理由・残業を正当化する理由は、探せばいくらでも出てきます。
このような理由に蓋(ふた)をして、
時間内の成果を最大限にすることだけを考えられるかどうか
それが労働者個人の姿勢の問題だと思います。
残業=組織の責任という報道に目が曇っていた
さて、私個人のケースでは、体調を崩すまでやった過去5,000時間以上の残業の責任は一体誰にあったのでしょうか?
私の反省では
- 残業をやめる前の認識:会社の管理責任だ!
- 残業をやめた後の認識:自分の能力と姿勢による部分も大きかった
という感じです。
ここ最近、いわゆるブラック企業の問題が世間を賑わせています。
テレビを見て、このような問題を目にしないことの方が少ない世の中です。
そして、マスコミで報道されるような問題というのは、すでに労働者個人の問題ではなく「組織的・構造的な問題」であることが多いです。
だから、長時間労働・残業は会社の責任という風潮です。
政府が働き方改革に着手しているのも、そういう背景があってのことでしょう。
これらの報道に触れるうち、いつの間にか私自身もこのように感じていたのです。
自分がこんなに残業しなきゃなのは会社のせい
しかし、いざ残業をやめてみたらそれほど大きなハードルなく、残業をやめられてしまったのです。
冷静に分析するならば、私の職場は、世間で騒がれているような大問題を抱えている職場ではなかったわけです。
どこに一番残業の責任・問題があったかというと、
自分の姿勢
です。
結局、雑なまとめをすると残業代や出世の機会・社内での評判を代償にしてでも帰ろうと思えば帰れる状況にあったわけです。
何も、鎖で物理的に拘束されていたわけではありません。
残業をやめられなかったのは、自分の時間や健康よりも賃金と評価・評判を優先した結果に他ならなかったということです。
まとめ
長時間労働・残業の問題は
- 自分でどうにもできない問題
- 自分でどうにかできる問題
に分けられます。
自分でどうにもできない問題というのは、経営陣の責任であり、組織構造上の問題であったりビジネスモデルの問題であったりして、労働者個人では如何ともしがたいです。
もし、「仕事漬けの人生を送りたくない!ライフワークバランスを考えたい!」ということであれば、職場を変えることが有力な選択肢なのかなと思います。
一方で、自分でどうにかできる問題というのは、能力や姿勢の問題です。
能力が極端に不足していると感じられるならトレーニングの機会を設ければ良いですし、姿勢に問題があるならそれを変えるための努力をする必要があります。
もし、自分に問題があることに気がつかず転職してしまった場合、ずっと長時間労働の問題がついて回ることになります。
それに気がつかず周りのせいにし続けたところで、状況が改善することは決してありません。
責任の所在を冷静に見極めて、もっとも自分らしく働けるスタンスを追求していきたいですね。
それではまたっ!
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