こんな疑問に答えます。
こびと株の運営メンバー(@kobito_kabu)は、全員が証券アナリスト有資格者です。
- 簿記1級やFP資格を持っていたり
- 上場企業で10年以上にわたり有価証券管理、決算書の作成・株主対応をしたり
- 5年以上に及ぶ投資経験があったりと
金融に関してはそれなりに知識があります。高配当株への投資により、すでに年金足りない問題(いわゆる老後問題)を解決できるぐらいの配当金を受け取れるようになっています。
この記事では「米国ETFをコツコツと定期買付する3つのメリット」について解説します。
本記事の概要は、次のとおり。
- 米国ETFとは
- 米国ETFをコツコツと定期買付する3つのメリット
- 米国ETFを積み立てる具体的な方法
結論:米国ETFの定期買付は、資産運用の勝ちパターンの1つです
※米国ETFの定期買付ができる証券会社はSBI証券だけ。ネット証券最大手、No.1人気の証券会社です。
それでは、順番に見ていきましょう。
目次
米国ETFとは
米国ETFの説明に入る前に、さっと基本をおさらいしておきます。
まずは、投資信託とETFの違いを確認します。
投資信託とETF(上場投資信託)の違い
投資信託とは、
- 複数の投資家からお金を集めて
- 資産運用プロが、株式や債券に投資をしてお金を増やす
そういう仕組みです。ファンドとも呼ばれますね。
(出典:一般社団法人投資信託協会)
投資信託にはこういったメリットがあります。
- 少額から購入できる
- 分散投資によりリスクを下げられる
- 手間がかからない
- 法律上、厳重に資産が保全されている
そして、この投資信託を「証券市場」で誰でも自由に売買できるようにしたのがETF(上場投資信託)です。
- 投資信託:上場してない
- 上場投資信託:上場している
上場したことによって、売買方法やコスト面に違いが生まれています。ざっくり、下記の2点だけはポイントとしておさえておきましょう。
- 売買方法:ETFは、ふつうの株と同じような買い方ができる(=一般に、自動積立投資はできない)
- コスト面:ETFの方が投資信託より低コスト
※もっと詳しく違いを知りたい人は、下記の記事をご覧ください。初心者向けに書いた記事なので、Twitter上でも拡散され、かなり読まれました。
米国ETFとは
米国ETFとは『米国の証券市場に上場しているETF』です。
よく勘違いされますが、米国にしか投資できないわけではありません。米国以外の国・地域の株式や債券にも投資可能です。
たとえば、VTというETFを使えば、これだけで世界中の株式(主要な約8,000銘柄)に投資することができますが、このETFは米国の証券市場に上場している「米国ETF」です。
米国の証券市場には世界中から優良な金融商品が集まってきますから、米国ETFを使えば世界中の資産にアクセスできるということになります。
ETFを運用している大御所は
- バンガード
- ブラックロック
- ステートストリート
あたりです。3社の運用総額は1,000兆円にものぼります。
日本の資産運用会社とはまさに桁違い。さすが、世界の金融の中心地であるアメリカの資産運用会社といったところ。
- 宣伝が上手いだけで
- まったく中身のない
ぼったくり金融商品に目を奪われている暇があったら、この3社が作ったファンドを買っていくほうが断然良いですね。
日本(の一部)で話題になっている投資なんて、世界の機関投資家は見向きもしていません。
米国ETFをコツコツと定期買付する3つのメリット
さて、資産運用の鉄則はこの3つです。
- 手数料をできる限り払わない
- 税金をできる限り払わない
- 投資目的に合うアセットアロケーション※にする
※アセットアロケーション=資産配分比率のことです。株式、債券、不動産、ゴールドといった資産を、それぞれどれぐらいの割合で保有するかという話です。
米国ETFは、
- 手数料
- アセットアロケーション
この2つを考えた時に、非常に便利なツールになります。
そして、この米国ETFに「コツコツ自動積立」という要素をプラスすると、非常に優れた投資手法が完成します。
- 低コストの優良ファンドに投資できる
- アセットアロケーションの調整が容易
- ドルコスト平均法の恩恵を受けられる
- とにかくラク
以下、もう少し詳しく見ていきます。
①低コストの優良ファンドに投資できる
基本的に、人気のある米国ETFは超低コストです。最安クラスだと、信託報酬(運用手数料のことです)は0.03%程度。
1,000万円投資しても、年間3,000円の手数料で済みます。1日あたり8円です。
米国ETFの運用総額ランキングで上位にいるような人気ファンドは、どれも信託報酬が0.03%~0.1%程度と激安です。
ランキングTOP10に入っている王道ファンドの信託報酬はこんな感じです。
- VTI(アメリカ全体に投資)…0.05%
- VEA(アメリカを除く先進国に投資…0.05%
- VWO(新興国に投資)…0.12%
この3つのETFを「ウェルスナビ」というロボアドバイザーを通じて投資すると、手数料は年間1.1%(税込(※))に跳ね上がります(こちらは売買手数料等も込みですし、自動リバランスとかデタックスとか、そういう機能もありますが…)。
※手数料は預かり資産の1%(現金部分を除く、年率・税込1.1%)。3,000万円を超える部分は0.5%(現金部分を除く、年率・税込0.55%)
ウェルスナビの経営を支えるためにはこれぐらい必要なんですね。仮に100万円投資すると、毎年必ず1.1万円とられます。
※また、世間では信託報酬が1.5%を超えるような投資信託もたくさん売られています。こちらの場合、1,000万円投資したら年間15万円の手数料です。優良ETFとは圧倒的な差がありますね。
②アセットアロケーションの調整が容易
米国ETFを活用すれば、銘柄数をあまり増やさずに幅広い資産に投資することが可能です。
たとえば、たった5本のETFで全世界の株式・債券・不動産系資産に投資することもできます。以下のようなイメージです。
- VT(全世界株式)60%
- AGG(米国総合債券)…15%
- IGOV(先進国債券(米国除く))…15%
- IYR(米国不動産)…5%
- IFGL(先進国不動産(米国除く))…5%
ETFは市場でリアルタイムに売買できますから、比率の調整もラクチンです。パっと全体像が把握できて、パっと見直しできますね。
個別株ではこんなことをしようと思っても、絶対に不可能です。
③ドルコスト平均法によりリスクを下げられる
ドルコスト平均法は、
- 定期的かつ
- 継続的に
- 一定額で
金融商品を購入し続ける投資手法です。
- 株価が高い時には、少ない量しか買えない(=高値掴みを防げる)
- 株価が低い時には、多い量を買える(=割安にたくさん買える)
ということで、購入単価をこなれた水準にならすことが可能です。一発勝負で大きな買付けをして、結果大きな損失を被るというリスクを回避できるのが一番のメリットになります。
- 株価の変動リスク
- 為替の変動リスク
これら両方を一定程度抑えられるというわけです。
ドルコスト平均法は、教科書的にはよく推奨される投資手法です。国が作った優遇税制である「つみたてNISA」でも、ドルコスト平均法の考え方が採用されているといえますね。
※なお、最終的に資産価格が右肩上がりになるものを買い続けないと意味がないという弱点もあるので、何を買うかは慎重に判断する必要があります。
④自動積立の設定がすめば、その後はほったらかしOK
自動積立の設定が済めば、あとはほとんどやることがありません。とにかくラクです。まさに、お金がお金を増やしてくれるという状況を作ることができます。
メンテナンスとして、1年に1回ぐらいアセットアロケーションを見直せばOK。
あまりにラクすぎて、色々とポートフォリオをいじりたくなる欲求をおさえる方が大変かもしれません。資産運用の世界では「動けば動くほど金は減る」ので、暇を喜んでどっしりと構えていたいところですね。
米国ETFを自動積立する具体的な方法【SBI証券を活用】
上記で見た通り、米国ETFを自動積立するメリットはこの4つ。
- 低コストの優良ファンドに投資できる
- アセットアロケーションの調整が容易
- ドルコスト平均法の恩恵を受けられる
- とにかくラク
あんまりこういう言い方するのもどうかと思いますが、金融教育をまったくしてもらえない日本の中にあっては金融リテラシー上位数%の投資手法だと思います。
基本をしっかりおさえていますからね。
ところで、これだけ優秀な投資手法であるにも関わらず、実際に米国ETFを定期買付しようと思うと、それができる証券会社は1つしかありません。
SBI証券です。
※ネット証券最大手で、人気No1の実績があります。楽天証券がライバルですが、楽天ポイントが欲しい人は楽天証券、ETFの定期買付がしたい人はSBI証券という使い分けで良いのかなと思います。どちらも取扱銘柄は豊富で、手数料も最安クラスです。
というわけで、最後に
- SBI証券で
- 米国ETFを自動買付する方法
をさらっと解説して終わりにしたいと思います。
SBI証券で米国ETFを自動買付する方法
以下の通り。
- 銘柄を決める
- 買付日を指定する
- 株数or金額を指定する
- 円貨決済or外貨決済を指定する
まずは銘柄を決めます。株式の場合、上記で見たような、
- VT(全世界株式)
- VTI(全米株式)
- VOO(S&P500)※世界一、信頼と実績のある株価指数
といった銘柄がオススメです。
※長期的に積み立てていくのなら、上記のような「時価加重型」のシンプルなETFが良いです。株式市場全体をまるっと、構成銘柄の時価比率で保有しようという考え方です。こういうETFは安定感・実績が違います。
次に、買付日を指定します。設定日としては
- 日付指定
- 曜日指定
- ボーナス月指定
といった感じで好きに設定することができます。
最後に株数または金額を指定します。
- 毎月25日に100株買う
- 毎月25日に30,000円分買う
こういった感じですね。決済通貨としては、円でも外貨でもどちらでも選択することができます。このあたりは好みに応じてやれば良いのかなと思います。
まとめると、こんな感じになりますね。
(出典:SBI証券より)
米国ETFの定期買付ができるのはSBI証券だけなので、
- インデックス投資をやってみたい
- 投資信託よりも、ETFを直接市場で売買したい
- 分配金は、別なものに再投資したり引き出して使ってしまいたい
- できるだけ手間をかけずに資産形成していきたい
こういう人は、口座開設するメリットが大いにあるかなと。
※ちょっと前まで、米国株取引の最低手数料が高かったため、最低でも毎月12万円ぐらい積み立てないと手数料が割高になってしまうという大きなデメリットがありました。
現在は最低手数料が撤廃されており、誰でも少額から使える素晴らしいサービスになったと思います。
まとめ:米国ETFの自動積立は、資産運用の勝ちパターンの1つ
以上をまとめると、次のとおり。
米国ETFとは『米国の証券市場に上場しているETF』です。
米国企業にしか投資できないわけではなく、米国以外の国・地域の株式や債券にも投資可能です。
米国の証券市場には世界中から優良な金融商品が集まってきますから、米国ETFを使えば世界中の資産にアクセスできるということになります。
「米国ETF+自動積立」というのは、初心者でもできる資産運用の勝ちパターンの1つです。
- 少額から購入できる
- 分散投資によりリスクを下げられる
- 低コストの超優良ファンドに投資できる(良いリターンが期待できる)
- アセットアロケーションの調整が容易
- ドルコスト平均法の恩恵を受けられる
- とにかくラク
NISAを使えば、分配金や売買益を非課税にすることも可能です。
まっとうなポートフォリオを組んで、手数料や税金を払わないようにするのですから、ここまで基本に忠実な資産運用もなかなかないでしょう。
※ちなみに、この記事の内容すら「実践するのがメンドクサイ」という人は下記のプランが良いかと。これより楽なスタイルはありません。
以上、参考になれば幸いです。
それではまたっ!
関連記事です。
こびと株.comメンバーが愛用している米国の高配当ETFについて紹介しています。
少額からのETF積立などを否定する人もいますが、私は断然賛成派です。少額からの投資は経験値を貯める意味では非常に大きな意味を持ちます。
コツコツと積立を続けた結果、手に入るのは「金のタマゴを産む痩せないニワトリ」ですね。
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