キヤノン 2018年12月期第2四半期決算(2018年7月26日公表)
かのんより2018年1月1日~6月30日の業務報告が届いております。
経営成績の報告
当第2四半期 前第2四半期
売上高 1兆9,671億円 1兆9,652億円
営業利益率(※1) 8.9% 8.5%
1株純利益 124.83円 113.98円
配当 80円(中間実績)+80円(期末予想※2)
※1:退職金関係の会計基準が変わったために、前期の営業利益率が変動しています。かのんちゃんの実態に変わりはないので、あまり気にしなくて大丈夫だと考えています。
※2:かのんちゃん自身は、期末の配当予想を発表していません。しかし中間配当が、前期の「10円の記念配当を普通配当に組み入れる前提」で行われているため、ここでは年間配当金を160円(前期並み)と推定して記載しています。
かのんちゃん、なかなかの好成績です。
売上は微増、利益は5~10%程度とかなりの増益です。すばらしい!
あえて懸念点をあげるとすれば、原価率が上昇傾向にあることでしょうか。
- 原価率 :2.3%上昇
- 販管費率:2.3%低下
- 研究費率:0.4%低下
で、合計して営業利益率0.4%上昇。
「原価率の上昇分を販管費のコストダウンで補い、研究費を抑えることで利益率を改善している」という風にも見える財務状況です。
営業利益率の上昇はうれしいですが、主因が研究費の抑制であれば、いつかそのツケを払う日が来ます。
かのんちゃんの原価率と研究費については、今後の動向を注視したいと思います。
財政状態の報告
当第2四半期末 前期末
総資産 5兆119億円 5兆1,983億円
1株純資産 2,618.81円 2,658.59円
自己資本比率 56.4% 55.2%
流動比率 202.9% 201.2%
前期末に比べて、843億円、キャッシュの残高が減少しています。
第1四半期末には1,211億円の減少でしたから、3ヶ月で367億円回復したともいえます。営業CFが第1四半期の3.9倍となり、投資CFをまかなえるようになったことが大きな原因です。
為替変動の影響は相変わらずマイナス(△149億円)ですし、第3四半期には中間配当金の支払いもあります。
- 投資額
- 配当金支払
- 為替のマイナス影響
これらをまかなうだけの営業CFを稼ぎ出し、しっかりキャッシュフローを確保してほしいものです。
業績予想の報告
第1四半期末時点の予想と比べ、売上・営業利益・税引前利益の各項目について下方修正が行われています。一方、最終利益は変更されていません。
原因としては
- 有機ELディスプレイへの投資先送り
- オフィス複合機やレンズ交換式カメラの売上の、低価格帯へのシフト
があげられています。
企業規模が大きく(総資産の5兆円は、国家予算レベルの金額です)、為替の影響も受けやすいかのんちゃんは、なかなか予想通りの事業展開が難しいようです。
無事、増収増益で成長していってくれるといいな、と思います。
配当金について
最後に、気になる配当金の水準について。
「記念配当を普通配当に組み入れる」発表は、配当金目的に投資を行うこびと株オーナーにとっては、かなりうれしいニュースでした。
さすがは、30年減配なしのかのんちゃん。ぜひこの記録を続けていってほしいと思います。
それではまたっ!
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