この記事は、大企業の管理部門に勤める人のための記事です。
大企業の管理部門に勤める人が、知っておかないとマズイことが3つあります。
- リストラは突然やってくるという事実
- 自分の職種のポータブルスキルは何か
- 自分自身の市場価値はどれくらいか
です。
この記事では、上記3点について解説しつつ、
- 大企業の管理部門勤務者が抱える5つのリスク
- 今すぐやるべき対策3つ
について、まとめていきます。
目次
大企業の管理部門に勤めるあなたが絶対に知っておくべき3つのこと
リストラは突然やってくるという事実
知っておくべきコトの1つめは、「リストラは突然やってくるという事実」。
ここ数年の
- キリンHD
- アステラス製薬
- カシオ計算機
などの例からも明らかなように、今は、業績が良くてもリストラが行われる時代です。
そこへやってきたコロナ経済危機。
「リストラなんて他人事」と言えるサラリーマンなんてほとんどいない…、コレが、現状の実態だと思います。
多くの人が
- まぁウチの会社は大丈夫でしょ
- まぁ当面は大丈夫でしょ
- まぁ自分は大丈夫でしょ
と思っているものです。
でも、次に
なんて声をかけられるのは、あなたかもしれません。
「自分だけは大丈夫」と思っているあなた。残念ながら、その発想は甘すぎます。
理由は2つ。
- ほとんどのぶら下がり社員には、自覚がありません
- リストラが行われると、リストラされなかった社員も悲惨な目にあいます
①ほとんどのぶら下がり社員には、自覚がありません。
- オレは貢献してる
- 出世ペースもそこそこ
- 評価も悪くないし
- 長年頑張ってきたんだ
と思っている人にも、会社側は
なんて考えていたりします。
大企業の管理部門では評価が横並びであることが多いです。すると、リストラが行われる段になって、突然現実を突きつけられるハメになるわけです。
しかも、あなた自身がリストラの対象にならなくとも、それで万事OKというわけにはいきません。
リストラの辛いところは
- リストラされた人も地獄だけど
- 残された人もかなり悲惨
だという点です。
リストラが行われた後の会社内を、想像してみて下さい。
- 突然、人員が激減する
- 仕事量は、急には減らない
これで労働環境が良くなるとは、思えませんよね。
さらに、
- 恨みを抱えて辞めていく人からは、きちんとした引継ぎなど無く
- 「退職勧告にあったが踏みとどまった」という人のモチベーションは著しく低下
- 辞めていく人の行っていた業務の押し付け合いが各所で発生
- 大量退職に伴い、管理業務は増加(人事、総務、経理…)
という状況が想定されます。
自分の職種のポータブルスキルは何か
知っておくべきコトの2つめは、自分の職種のポータブルスキル。
ポータブルスキルとは、会社をまたいで持ち運べるスキルのこと。管理部門の専門知識の中には、「どの会社でも使える」ポータブルな知識・スキルがたくさんあります。
- 人事:社会保険の手続き
- 総務:株主総会準備
- 経理:税務申告
- 法務:契約書のチェックポイント(※)
※業種による差はあるかと思いますが、会社による差は少ないでしょう。
みたいな感じですね。
反対に
- あの部門のキーパーソンは、〇〇さんだ
- この会社の申請ルールは、こうなっている
- 自社開発の経理システムは、こうやって使う
みたいな知識・スキルは、今の会社で働く限り役にたちますが、他社ではなかなか応用がききません。
最低限、
- 自分の職種で求められるポータブルスキルには、どのようなものがあるか
- 自分自身は、そのうちどれくらいが身に着いているか
- 自分自身が、今後身に着けられそうなものはどれか
- 転職市場で需要の多いポータブルスキルはどれか
くらいは、把握しておくことをおすすめします。
自分自身の市場価値はどれくらいか
知っておくべきコトの3つめは、自分自身の市場価値。ここでは
- 転職はできるのか
- 応募できる求人案件はどれくらいあるか
- 年収はどれくらいもらえそうか
- 条件はどれくらいワガママを言えそうか
- どんな企業が自分を欲しがってくれるか
という意味です。
怖がっている場合ではありません。
正しく現状を認識しない限り、適切に対策を打つことはできないのです。
リストラやパワハラ・ブラック労働などに直面してから、慌てて転職について考えたのでは、手遅れになりかねません。
市場価値は、「転職したいから」調べるコトではなく、常に把握しておくべきコトです。
大企業の管理部門に勤めるあなたが抱える5つのリスク
ここまで書いてきた「大企業の管理部門に勤める人が知っておくべき3つのコト」は、正直、
- 大企業勤めでなくても
- 管理部門勤めでなくても
知っておいた方が良いことだと思います。
それでも、私が「大企業の管理部門に勤める人」こそが知っておくべきだと考えるのは、「大企業の管理部門に勤める人」の抱える5つのリスクが気にかかるからです。
1つずつ、解説していきます。
リスク①リストラのターゲットになりやすい
管理部門は、基本的にコストセンターです。直接利益をあげることはできず、費用だけがかかる部門です。
自然、企業経営の先行きが暗くなったときには、リストラの対象になりがち。
実際に、富士通は間接部門を対象に5千人のリストラを行っています。(名目上は「SEへの配置転換」です。職種転換がイヤなら辞めてね、という話。)
- AI化
- システム化
- 外注化
なども、管理部門の雇用を不安定にしていく一因になり得ます。
なんて可能性もありますから、油断はしていられません。
リスク②自分の能力が把握しにくい
自分はいったい、
- 仕事がデキるのか?
- 仕事がデキないのか?
本当はどちらなのか、あなたにはわかりますか?
自信をもって断言できる人は、どれくらいいるでしょう?
という人でも、判断基準は「自社の自部門内での比較」でしかなかったりします。
- 仕事ができているのは、自分の能力のおかげ?会社の看板のおかげ?
- 自社・自部門ではなく、世間一般と比べたらどうなの?
ということを冷静に考えると、判断は困難です。
それぞれ担当する仕事が異なるので、一律の基準で比べることができないわけです。
例えば営業なら「3年連続売上1位だったから、部内ではオレが一番優秀」というのは、ある程度納得性のある話だと思います。
けれども例えば経理の場合、
- 税務申告の担当者
- 連結決算の担当者
どちらが優秀かなんて、比べようがありません。
リスク③変化を感じ取れるタイミングが少ない
管理部門に勤めていると、圧倒的に少ないのが顧客に会う機会です。
顧客と接する仕事では、顧客からのプレッシャーを通じて、
- 世の中の流れ
- 業界の変化
- 自社の立ち位置
などを感じ取る場面が多くなると思います。
反対に、顧客と会わない管理部門の仕事は、プレッシャーが少なく気楽である代わりに、変化を感じ取りにくい仕事でもあります。
- 社内政治、ムダな会議、古い習慣にどっぷりと漬かり
- 大企業病も、気づけば「当たり前」。
- 年齢や職掌で、実力がなくても優遇され
- 大した仕事をしなくても、給料は毎月振り込まれ
- 昨日と同じ今日を過ごすうちに
世の中の変化を感じ取れないまま、時間だけが過ぎていく…。
リスク④意識しないとスキルアップしにくい
大企業の管理部門に長くいると、同じ仕事を長期間担当するというワナにハマってしまうことがあります。
例えばベンチャー企業にいる人は、自分が意識しなくても、環境の方が変化していきます。昨日と同じ仕事を繰り返すなんて、許されないわけです。
例えば営業部門にいる人は、社外から変化のプレッシャーを受けることがあると思います。同じ仕事の仕方が、通用しなくなっていくわけです。
けれども大企業の管理部門では、多くの場合、昨日と同じ今日が許されてしまいます。
今日も許され、明日も許され、明後日も許され、スキルアップをしないまま同じことを繰り返し続けた後…ある日突然、リストラを宣告されるのです。悲惨の一言です。
リスク⑤現状維持は後退である
ウォルトディズニーの名言に、
というのがあります。
転職市場での人材価値は、何もしなければ右肩下がりです。基本的には若い人材の方が人気があるからです。
- 年齢が上がっているが
- その分スキルも上がっている
という状態になって初めて、市場価値が維持されます。
人は毎年必ず1つ歳をとりますから、ぼんやりと1年を過ごせば、あなたの市場価値は確実に低下していくのです。
そもそも、管理部門で必要とされる「専門知識」は、放っておくと古くなってしまうものがほとんどです。
- 法務部なら法律
- 経理部なら会計基準
- 人事部なら採用市場の状況や人材マネジメントの潮流について
などの知識は、常にアップデートを繰り返すことでしか価値を維持できません。
大企業の管理部門に勤めるあなたが今すぐやるべき対策3つ
大企業の管理部門に勤めるあなたに、今すぐ始めてほしい対策をご紹介します。
- スキルアップに着手する
- 市場価値をチェックする
- 給料以外の収入源を確保する
の3つです。
対策①スキルアップに着手する
対策の1つめは、スキルアップに着手すること。
- 本を読む
- 資格をとる
- 仕事を選ぶ(人材価値のあがる実務経験をGETする)
など、方法はいろいろあると思います。
大切なのは、自分の人材としての価値を落とさないことです。
- 年齢が上がっても
- 突然リストラに合っても
- 次の異動でパワハラ上司がやってきても
市場価値の高い人材は、いつでも転職が可能だからです。
アップさせるスキルの選択は、慎重に行うべきです。
- 自分の職種の専門的なスキル(例:経理部員がUSCPAを取る)
- 自分の職種と相性の良い他職種のスキル(例:経理部員がITを学ぶ)
- 汎用的なスキル(例:リーダーシップ、企画力等)
などのうち、確実に自分の市場価値をあげてくれるものを選びましょう。
どんなスキルをアップさせればいいのか悩んでしまう人は、一度転職エージェントに相談してみると良いでしょう。
- この職種で、今一番求められているスキルは何か?
- この経歴を見たときに、足りていないと思われる経験は何か?
- 応募できる会社を増やすには、どんなスキルが必要か?
- 年収をアップさせるには、何があればよいか?
きちんとしたエージェントに質問すれば、最もリアルな実情がわかります。
相談相手としてのおすすめは、JACリクルートメント。ある程度キャリアを積んだ、専門家の転職に強いエージェントです
- 職歴をしっかりみる能力があり
- その職種でニーズの高いスキルがわかり
- 見落としがちだが押さえておくべきポイントを知っていて
安心できる相談相手です。
今、PCをはじめとする機械ナシでは仕事ができないように、いずれは、AIとも共存・協働する時代がやってくると言われています。
そんな時代がきたとき、人間に求められるスキルは
- 問題解決
- リーダーシップ
- 創造力・イノベーション
- 適応力
だと言われています。(参考:PWC「真のイノベーションを求める『攻めの働き方改革』」)
この辺りのスキルは、職種を問わず、「高付加価値人材の必須スキル」と呼ばれるようになるのかもしれません。
対策②市場価値をチェックする
対策の2つめは、市場価値をチェックすること。
現状を正しく認識することは、リスクに備える第一歩です。
方法は簡単。転職エージェントに登録してみることです。
エージェントと面談してみれば、自分の市場価値は一発でわかります。
- どんな条件の求人を紹介されるか
- どのくらいの数の求人を紹介してもらえるか
- 希望年収に対するエージェントの反応はどうか
注意点は、評判の良いエージェントを選ぶこと。
まれではありますが、
- ムダに高圧的
- 職種に関する知識がない
- 無料のはずが、突然費用を請求してくる
といった、悪質なエージェントもいないわけではないからです。
おすすめは、先ほどもご紹介したJACリクルートメント。
「自分の市場価値を知る」なんてドキドキするタイミングだからこそ、親切で安心できるエージェントを選んで下さい。
特に、「もしも転職するなら、年収上げたいなぁ」と思う人は、JACリクルートメントで決まりかなと思います。
ハイクラス向けの求人案件を数多く取り揃えていて、情報収集がしやすいからです。
自分が応募可能な案件がどれくらいあるか見せてもらって、市場価値をキッチリ把握して下さい。
対策③給料以外の収入源を確保する
対策の3つめは、給与以外の収入源を確保すること。
副業や、資産運用を始めるということです。
はじめは誰でも初心者です。初めてのことに不安があるのは当たり前。
それでも最初の一歩を踏み出せるかどうかが、大きな違いになっていきます。
副業で言えば
- せどり
- プログラミング
- ブログ
- ハンドメイド作品の販売
といった例があります。他にも、「管理部門として働いてきた専門性を活かして、中小企業と顧問契約を結ぶ」なんてプランも考えられるかもしれません。
ピンとくる例が思いつかない人は、↓の本を読んでみるところから始めると良いでしょう。
一方、資産運用については、「とりあえず目についたものから始めてみる!」という方法はおすすめしません。
あなたのサイフを狙っているぼったくり投資商品が、世間にあふれているからです。
まずは情報収集から。最低限の知識を身に着けて、自分に合った運用方法を見るけるのが◎でしょう。
※当サイトでも、資産運用に関する情報を発信しています。ご参考にどうぞ!
まとめ:大企業勤務者ほど、ボーっとしてると危ない
大企業の管理部門に勤めていると、危機感をもつこと自体、なかなか困難です。
- 頑張らなくとも時間は流れる
- ノルマや成果を厳しく詰められることも少ない
- 給料はなんとなく振り込まれる
こんな日々が続くからです。
でも、考えてみてください。こんな毎日を送っていて、ある日突然のリストラにあうなんて…ちょっと悲惨すぎませんか?
ぜひ、
- リストラは突然やってくるという事実
を認識し、
- 自分の職種のポータブルスキル
- 自分自身の市場価値
を把握して下さい。
そして、
- スキルアップ
- 市場価値のチェック
- 給料以外の収入源の確保
を今すぐスタートして下さい。
経団連の前会長やトヨタ自動車の社長さえも「終身雇用は維持できない」という趣旨の発言をする時代になりました。
これから
- 終身雇用の時代から
- キャリアは自分で創る時代に
移り変わっていくのは確実と言えそうです。
企業の側も、だんだんと、個人のキャリア形成を支援する体制を整えていくことと思います。
※そうでないと、人材が集まらないからです。終身雇用もできない・キャリア形成の支援もしないという会社では、働く人にとって魅力がなさすぎます。
ただ、問題なのは「今」です。移り変わりの時期である今、日本の会社には、個人のキャリア形成支援について
- 本気で取り組んでいる会社
- あまり関心のない会社
が入り乱れています。
もし、あなたの勤め先が「あまり関心のない会社」であるのなら…ただぼんやりとそこに勤め続けることは、あなたにとって大きなリスクになるかもしれません。
安心を得るためには
これを意識して努力する人と、何も知らずに毎日を過ごす人とでは、大きな差がつきます。
まずは、転職エージェントへの相談から。
ぜひ一歩、踏み出して下さい。
それではまたっ!
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