こんな疑問にお答えします。
私は上場企業での経理/財務歴が10年以上ある、経理のプロ。
1年目は色々とコケてしまってヒドイものでした。
そんな私が、社内で確固たるポジションを築くにいたって、
と振り返るポイントを3つ、ご紹介します。
この記事を読んで、ぜひ経理1年目の過ごし方の参考にしてください!
目次
経理1年目の最優先事項は「信頼を得ること」
1年目の最優先事項は信頼を得ることです。なぜか?理由は3つです。
- 人は「最初の印象」を引っ張りやすい
- 1年目で獲得した信頼が、翌年以降の仕事内容を決める
- 居心地がよくなって、仕事が楽になる
理由①人は「最初の印象」を引っ張りやすい
何事も最初が肝心です。
1年目経理マンは、配属されて数か月の間に
- スタートダッシュをうまく決めて信頼を得る人
- 最初にコケてしまい、いい加減な奴だとレッテルを張られる人
- 可もなく不可もない、無難な人
色々なパターンに落ち着いていきます。
2年目になっても、3年目になっても、最初のイメージというのが、なかなか皆の頭から離れません。
経理は信頼が命。
最初につまづいてしまうと、いきなり仕事がハードモードになります。
そうなると、未来のあなたはGoogle先生に、
「経理 辞めたい」
というワードを入力して助けを求めることになります。
理由②1年目で獲得した信頼が、翌年以降の仕事内容を決める
経理の仕事は
- 重要性の高い業務
- 重要性の低い業務
が明確に分かれます。
面白い仕事が隠れているのは、重要性の高い業務の方。
でも、経理部内での信頼を勝ち得ない限り、いつまでたってもこういう仕事にはチャレンジさせてもらえません。
2人の差を分けているのは業務内容。
なぜ業務内容がそんなに違うのかというと、信頼の差というわけです。
理由③居心地がよくなって、仕事が楽になる
信頼されると、(上司や同僚からの)監視の目がなくなります。
結果として、比較的自由に仕事をすることが出来るようになります。
一方で、信頼されなければ、いつも誰かから「疑いのまなざし」を向けられて仕事をするハメになります。
どこの経理部にも
- ケタを間違えて取引先にお金を振り込んだ
- 間違った伝票を作ってしまい、監査法人や税務署に発見された
- 超重要な機密書類を、シュレッダーにかけた
こういうことを「やらかす人」「やらかしかける人」というのは存在します。
こういう人は、当然、「あの人はちょっと危ないよね…」という目で見られます。
こうなってしまうと、居心地は最悪。疑われながら仕事をするのが気持ち良いはずはないですよね。
というわけで、経理1年目に押さえるべき3つのポイントをお伝えします。
経理1年目に意識すべき3つのポイント
- 正確さ>速さ
- 根拠>結論
- 現状把握>改善提案
順番に見ていきましょう。
ポイント①正確さ>速さ
私は1年目の時に大きな勘違いをしておりまして、「スピードこそすべてッ!」と思っておりました。
- 今年の新人、仕事が速い~!!
- 今年の新人、2人ぶんの仕事やっちゃってるじゃん!!
多分、そういう風に思われたかったんだと思います。
けれども、現実は残酷。
速さを求めるあまり、正確性が犠牲になってしまったのです。
何度資料を突き返されたか分かりません。
たくさんのミスを重ね、結果的に、私の評判はこういうことに…
うっかりボーイ….(当時22歳)
経理では、速さよりも正確性の方が大切です(もちろん速くて正確なのがベストではある)。
間違えると修正に手間がかかるので、結果的にゆっくりやって間違えない人の方が速いということもよくありますしね。
目指すべきは、間違えない人です。
ポイント②根拠>結論
経理の1年目は、分からないことだらけです。
色々な人に教えてもらうことになりますが、答え方は人によってまちまちです。
まず、①ズバッと結論だけ教えてくれる人。
次に、②結論だけでなく根拠も教えてくれる人。
最後に、③教えてくれない人。
重要なのは、①のタイプの人との付き合い方です。
皆それぞれ担当業務を持っているので、新人に手取り足取り教えている余裕はありません。
教えてくれないわけではないんだけど、結論だけしか教えてくれない。こういうことは多々あります。
しかし、結論だけを聞いていたら、いつまでたっても一人立ちはできません。
時間に余裕のあるタイミングを見計らって「以前お聞きしたアレですが、なぜそういう結論なのですか?」と聞いておく方が良いです。
こうやって1つ1つ問題をクリアにしていく姿勢は、周囲も必ず見ています。
そして、しっかりと論拠をおさえて仕事ができる人は、他の人の手を借りずに高いクオリティの仕事ができるようになります。
結論だけおさえて仕事を終わらせた気になっている人は、すぐに行き詰まるので要注意です。
こうやって信頼を勝ち得ていきましょう。
※ちなみに私は、①のタイプに頭を下げてお願いするのが苦手でした。
そのうえ、③のタイプに対しては「なんだお前ナメてんのか」という態度を見せてしまう人間でもありました。
そんなわけで、結構いろいろな人と衝突しました!…人間関係って大変ですねぇ~
ポイント③現状把握>改善提案
これも1年目の私が大きな勘違いをしていたところですね。
とにかく、改善提案が大切だと思っていました。
- これは変なので、こうしましょう!
- あれはおかしいので、こうしましょう!
- それはダメなので、こうしましょう!
結果、どうなったか?
こんなことを多数引き起こしてしまったわけです。
改善の正しいステップはこうです。
- 現状、どうなっているかを把握する
- 本来、どうあるべきかを考える
- ①と②のギャップを埋める(落としどころを探る)
※この手の話は「経理の教科書系」の本を書いてある、仕事の仕方のセオリーですね。
①をすっ飛ばして「あるべき論」を振りかざし、妥協点を探ることなく「理想」ばかり声高に叫び続けると痛い人=1年目の私の完成です。
1年目は「現状把握」のスキルを磨くべきです。
- システムの使い方をマスターする(欲しい数字がとれるようにする)
- 資料のありかを理解する(キャビネット、倉庫)
- 会社のビジネスモデル/商品・サービス/商流を理解する
- 社内の組織体制、規程の整備状況を把握する
- 同僚達の担当業務を把握する(誰がどの業務のキーパーソンか理解する)
ひたすらに「今、どうなっているのか?」を把握することです。
これなくして、業務改善はありえません。
だいたい、5年目になっても10年目になっても現状把握が出来ていない人はたくさんいます。
現状把握がしっかりできているだけで、上位3割ぐらいの人材にはなれるでしょう。
まとめ:経理1年目。あわてずにじっくりと取り組みましょう!
信頼獲得こそが、最重要事項です。
- 人は「最初の印象」を引っ張りやすい
- 1年目で獲得した信頼が、翌年以降の仕事内容を決める
- 居心地がよくなって、仕事が楽になる
信頼を得るためには、次の3つを意識しましょう。
- 正確さ>速さ
- 根拠>結論
- 現状把握>改善提案
とにかく、あわてずにじっくりと取り組むことです。
1年目は信頼という土台を築く時期です。
2年目3年目の経理生活に大きく影響するので、ぜひポイントを押さえて「信頼される経理部員」を目指してみて下さいね。
それではまたっ!
※関連記事です
Follow @kobito_kabu