こんにちは、こびと株.comの管理人(@kobito_kabu)です。
この記事では、10年超の大企業経理部への勤務経験をもとに、
- 大企業に転職すると、経理ライフはどう変わるのか?
- 大企業に転職するにはどうすれば良いのか?
を解説したいと思います。
中小企業の経理→大企業の経理に転職を考えている人の、参考になれば頂ければ嬉しいです。
- それは大企業全体の問題なのか?勤め先企業特有の問題なのか?
- 中小企業への転職はどうなんだ?
を考えるきっかけになるからです。
- 年収650万円 ※別途、退職金が年間80万円弱増加
- 年間休日145~150日 ※有給20日間をフル消化
- 転勤・異動なし
目次
中小企業の経理屋が、大企業に転職するとこう変わる
この3つが変わります。
- 待遇が良くなる
- より高度な論点が増える
- 予算が増える
年収は増えるし、スキルアップの機会も多いし、(予算が増えることで)システム導入やコンサル活用・海外出張の機会も盛りだくさん。
詳しく見ていきましょう。
変化①待遇が良くなる
残酷な事実を1つ確認しておきましょう。
日本企業の場合、あなたの年収は「どの会社にいるか」で決まります。
※総合商社の経理マンが年収1,000万円とか1,500万円とかもらっているのは、彼らが経理としてめちゃくちゃ優秀だからではなく、総合商社の給与水準が高いからです。
- 日本中の経理マンをスキルが高い順に並べて
- 上から順に高い年収を与えていく
そういう年収の決まり方は、していません。
ここを勘違いしている人が多いので、何度でも口を酸っぱくして言いますが、
のです。
給与の低い会社でいくら頑張り続けても、給与の伸びはたかがしれています(もともと年功序列で勝手に上がっていきますけどね)。
- スキルアップ
- 待遇の良い会社に転職
これではじめて努力が報われるというわけです。
一般に、大企業は中小企業よりも待遇が良いです。
国税庁の民間給与実態統計調査によると、
- 資本金10億円以上の大企業:平均年収578万円
- 資本金1億円未満の中小企業:平均年収351万円~401万円
このように、大企業と中小企業ではものすごく大きな差があります。200万円近い差があるわけです。
もちろん、給与に限らず福利厚生も手厚いです。
- 年収が高い
- 住宅手当、家族手当などの補助が手厚い
- 健康保険組合の補助が手厚い(医療費をカバーしてくれる)
- 十分な企業年金・退職金があり、老後も安心
変化②より高度な論点が増える
実務上、高度な論点が増えます。
単体決算がらみでいえば
- 税効果会計
- 退職給付会計
- 金融商品会計
- 減損会計
- ストックオプション
などでしょうか。
大企業ほど、ワケの分からない複雑な金融商品を持っていたり、従業員をグループ会社間で出向・転籍させまくったりするので、会計処理はどんどん複雑になります。
連結決算(国際取引)がらみでいえば
- 連結決算
- 企業買収/事業譲渡
- 組織再編税務
- 移転価格税制
などなど。あげればキリがないほどですね。
※余談ですが、移転価格関係の税務調査はヤバいです。国税のエリートが大挙して押し寄せてくるので、[会社+コンサル]vs国税で日夜熱い論戦が行われますw
こういった経験を積めるメリットは、やはり市場価値が上がることでしょう。つまり、より待遇の良い会社に移れる可能性が上がります。
※実際には、単純に楽しいというメリットもありますw
変化③予算が増える
扱えるお金の金額が増えます。
- 最新の機器・システムを導入できる
- 優秀なコンサルと付き合うことができる
- つまらないルーティンは外注できる
- 出張や研修の機会も多い
今の経理・財務は、システムとは切っても切れない関係にあります。
IT技術は日々進歩していますから、お金のある大企業で、最新のシステムを使えるというのは大きなメリットです。
実務で高難度論点にぶちあたった場合、いわゆるBIG4や戦略系コンサルファームの優秀なコンサルを雇うことができます。
彼らの仕事の仕方を真似できる機会があるというのは、刺激的ですね。
ルーティンはガンガン外注していきますから、「え?そんなの自分たちでやらなくていいよね?」という業務は社内には残りません。
ここまでのまとめ:結局「市場価値が上がる」ということ
年収が高い人は、優秀に見られます。
- 年収300万円の人
- 年収500万円の人
この2人がいたら、後者の方が優秀に見えますよね?(実際のところどうかは分からないんですけどね)。
中小企業から大手に転職すると、経理ライフはこう変わります。
- 年収が高くなる
- 高度な実務経験を積める
- システム導入・コンサル/外部業者活用の機会にも恵まれる
結局、本人の市場価値が高まるということですね。
こうなると、ますます転職しやすくなり、自分の理想の職場環境を追い求めることができるようになります。
大企業で経理をやるデメリット
とはいえ、大手で経理をやるデメリットがないわけではありません。
唯一無二のデメリットは「ちゃんとジョブローテしてくれないと死ぬ」ということです。
唯一無二のデメリット
大企業は、その図体のデカさゆえに、経理業務を細分化しています。
1つの会社の経理をまとめて見ておいてね
という風にはできないということです。
- 原価計算担当者
- 税務担当者
- 連結決算担当者…etc
みたいな感じで、担当分けをしていくことになるわけです。
ということは、もしジョブローテの仕組みがちゃんとしていなければ、何年も同じ業務をやり続けるハメになります…。
心が折れて転職した人のエピソード
Aさんは中途入社(入社時30代前半)です。
もともと連結決算要員として採用されましたが、消費税の主担当者が突然転職してしまったため、その穴埋めに消費税の担当をやることになりました。
前職でのAさんのキャリアは、主に管理会計メインで、消費税申告はちょっとかじった程度。
今後は連結決算にどっぷりハマって、いつか海外駐在したいという思いがあったようです。
という部長の約束が守られることはなく、入社してから約4年が経過。
この間、Aさんが日々不満を漏らしていたのは言うまでもありませんw
ジョブローテーションがうまく機能していない大企業では、
- 急な理由で誰かが辞める
- 組織再編がある
こういうイベントがないとなかなか担当が変わりません。
一人で会社数値を全部見られる中小企業ならともかく、大企業で超狭い範囲の業務だけを長期間担当し続ける。
…こうなってしまうと、経理屋としての市場価値はまったく高まりません。
そもそも、同じことばっかりやってるのは、飽きるし、つまらないですよね。
結局、ついにAさんの堪忍袋の緒が切れ(年齢的にももう限界だった)、彼は転職することになりました。
大企業の経理に転職する方法3ステップ
まず、日系大手で求められているスキルについて知っておきましょう。
直近数年で人気があるのは圧倒的にこの2つです。
- 連結決算の知識・経験
- 語学力
国内経済の縮小が見込まれるなか、海外に活路を見出している企業が多いからです。
- 若い(30代前半まで)
- 経理・財務実務経験者
- そこそこの学歴 or 簿記1級 or TOEICハイスコア(もちろん複数あるとなお良い)
という人材は、希少価値が高いです。いくらでもチャンスはあるでしょう。
上記のような人をスタンダードなイメージとしつつ、自分流にアレンジしていきましょう。
転職ステップ①:転職エージェントに相談
とりあえず、転職活動についてハッキリしているのは、こういう事実です。
- どんな経験が求められているのか?
- どんなことにチャレンジしたいと言うとウケがいいのか?
- 今はどんな転職市況なのか?
- 他の応募者と比べて自分のスペックはどうなのか?
こういうことは、基本的には転職エージェントに聞かない限り分かりません。
と感じる人ほど、転職エージェントに相談しておくべきです。
勝手な思い込みで動くことほど、リスクの高い行為はありません。
さらに、今はコロナ禍による不況が深刻化しつつあります。この状況で正しく自分をアピールするには、プロのサポートが不可欠。
- 自分:独力で転職活動→我流でアピール
- 他の候補者:エージェントのサポートを受けて転職活動→市場や会社が求めていることを知ってアピール
これでは、はじめからハンデを背負っての勝負になってしまいます。
具体的な相談先としては、「JACリクルートメント」という転職エージェントがおすすめです。
専門職の転職サポートを得意とするエージェントで、日系・外資ともに大手企業への太いパイプをもっています。
普段から専門職の転職をサポートしているJACリクルートメントなら、あなたのキャリアが活かせる良い会社を紹介してくれるはず。
※こびと株.comの管理人には、実際に7つのエージェントの利用経験があります。色々なエージェントとのお付き合いの結果、今一番おすすめしたいのがJACリクルートメントです。
- エージェント会社自体が、安心の一部上場企業
- 専門職向けで、即戦力なら有利にすすめられる求人案件が多い
- 基本的には、評判はかなりイイ
- 実際に使ってみても、大満足の対応
- 経理の現状に詳しい
- 良い転職先がなければ転職しなければ良いだけなので、ノーリスク
- 継続的に経理業界の転職事情を入手するパイプができる
どれも、外せないメリットですよね。ぜひ一度、気軽に相談してみて下さい。
企業目線で見ると、転職エージェントを使った採用の方が「採用コストが高い」です。
したがって、お金(予算)に余裕のある企業しか転職エージェントに広告を出せません。
お金をかけるぶん、企業側も本気です。
一方で、転職サイトへの求人掲載は比較的低コストで済みます。
なので、ブラック企業などがガンガン求人をかけるときには、こちらを使う傾向にあります。
利用者負担はゼロ円ですから、良い企業を見つけるためには迷わず転職エージェントを使いましょう。
転職ステップ②:実務経験の棚卸・履歴書(たたき台)の作成
次に、実務経験の棚卸です。
今までどんな業務をやってきたのか、ザっと書き出してみましょう。
それをベースに、自分の強み・PRポイントをまとめていきます。
※具体的なまとめ方はこちらを参照ください。
売れる経験というのは、↓のような経験です。
- こういうことをやってきた
- こういうことをやってこられなかったので、チャレンジしたい!
こういうアピールの仕方は、刺さると思います。
こう思う方もいるかもしれませんが、私たちは「先にエージェント相談」をおすすめしています。
だって、自分ひとりで業務の棚卸しをするって、大変じゃないですか?
履歴書とか職務経歴書とか、途中で心が折れたりしません?
自分が軽く見ている経験の中に、重要なアピールポイントがあるかもしれないですし、的外れなところをアピールして空回りしてしまうかもしれません。
転職ステップ③:採用試験を突破する
- 転職エージェントからアドバイスを受けて
- 実務経験等の棚卸が済んでいる
となれば、あとはもう採用試験を突破するだけです。
転職エージェントによっては、面接の練習や面接に向けたアドバイスなども実施してくれます。
※もちろんJACリクルートメントも、選考対策をしっかりサポートしてくれるエージェントです!
「履歴書」「面接」と聞いて、就活を思い出してうんざりする人もいるかもしれませんが、転職時のアピールは、就活より断然気楽。
まっさらな状態で「まじめです」「やる気あります」みたいな抽象的な自己PRを求められるわけではなく、基本的には自分がやってきた仕事の話をすればいいだけだからです。
まとめ:大企業での経理は楽しいですよ!
大手の経理に転職すると、経理ライフはこう変わります。
- 待遇が良くなる
- より高度な論点が増える
- 予算が増える
結局、あらゆる意味で「経理としての市場価値が高まる」ということです。人生安泰の戦略ですね。
唯一のデメリットが「狭い範囲の業務しか経験できない可能性」というリスクの存在。
このリスク低減するためには、転職前にジョブローテーションの実態を確認するのが良いでしょう。
経理業界の年収の真実はこれです。
待遇の悪い会社でいくら頑張り続けても、明るい未来はやってきません。
今の環境に不満があるのなら、ぜひ大企業のホワイト経理を目指してください。
JACリクルートメントが良き相談相手になってくれるはずです。
それではまたっ!
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