経理の転職に役立つスキル・売れる経験をピックアップしてみた【制度会計だけはダメ】

こんにちは、シーウィード@こびとが見える経理マン(@kobito_kabu)です。

興味深いテーマのツイートがあったので、考えてみました。

経理が『仕事をした!』と思えるのはどんな状況でしょうか?

経理の仕事をした!と思える業務が多ければ多いほど、転職市場での価値はアップするはず

そういう「付加価値の高い業務」について、10年選手の現役経理マンの目線でピップアップしてみました。

 

経理の転職でアピールできるスキル・経験はコレだ!

①制度会計業務の省力化・迅速化・精度向上

通常の決算業務・開示などですね。原価計算も含まれます。

この業務を突き詰めて考えると、行き着くところは3つしかありません。

これが制度会計のゴール
  1. 省力化
  2. 迅速化
  3. 精度向上

低コストで、スピーディに、正確なものを作る。

制度会計業務は、法令等の要求に基づいて(半ば仕方なく)やらざるをえない側面が大きく、この業務自体は会社の利益にほとんど貢献しません。むしろただのコスト。

あらゆる経理/財務業務の基礎となるところなので軽視してはいけませんが、付加価値を高めたい経理マンが注力しすぎる領域ではありません。

※ただ、相変わらず募集の多いジャンルでもあります。簿記1級まで持ってると食うに困ることはないかと。人が足りてないんですねぇ。開き直れば、この分野でダラダラとラクに給料をもらえます。

制度会計関係の業務については、こんな分野のことができます!というだけではなく、いかに省力化・迅速化・精度向上に貢献できたかをアピールするのを忘れないようにしましょう。

ふだんから、そういうことを考えて仕事する必要がありますね。

※簿記1級まで取っておくと、制度会計オンリーでも上述の通り割と安泰。

簿記1級の難易度・勉強時間の目安を現役経理マンが教えます【会計のコスパ最強資格】

2019.07.10

 

②予算統制の強化

管理会計の守備範囲です。

予算管理の重要性は、あえて説明するまでもないですね。

売り上げさえ立てば、あとは勝手に利益がついてくる」という古き良き時代は、終わりました。昔の日本企業は強かったんですけどね…今は、右を見ても左を見ても、コストカットの世の中です。

競争力を強化するためには、適切な予算管理が欠かせません。こういったところに関与できる経理マンは多くないですから、ぜひとも積極的に経験を積みたい分野ですね。

 

関連する資格は米国公認管理会計士です。USCPA(米国公認会計士)じゃないですよ、USCMAです。

日本企業での知名度はほとんどありませんが、外資では通用します。USCPAと同じぐらい知名度があると言っても良いかもしれません。

そのくせUSCPAの半分ぐらいの労力で合格できるので、コスパが良いです。

※日本にも「公認管理会計士」という資格や「管理会計検定」みたいな試験がありますが、受験生が毎年数名~数十名みたいな規模の超マイナー試験なのでおすすめしません。

 

資格の大手予備校の「TAC」が講座を開講しています。ほとんどTAC一択ですね。USCPAでも超大手なので、そのノウハウを生かした講座ということです。

興味のある方は無料で資料請求しておきましょう。ネットで調べるより全然早いし、情報がよくまとまってます。

補足

ちなみに、ここでUSCMAをお勧めしているのは、この試験の知識が実務でダイレクトに役に立つからではなく、箔がつくからです。経理の転職の転職市場では、実務経験+資格の組み合わせが最強です。

管理会計(予算管理など)に関連した資格がないので、このへんを取っておくと「理論的な裏付けをもって思考できるビジネスマン」とうい印象を与えられます。英語もできそうな雰囲気つきますしね。

  • 35歳(経理経験10年。決算業務は一通り経験済。USCMA(米国公認会計士)ホルダーで予算統制に特に強い。英語はビジネスレベル)

ね?すごそうでしょ?

 

③原価管理による収益性改善

こちらも管理会計の守備範囲

製造業で経理やるなら絶対に積んでおきたい経験ですね、原価管理。

  1. 日常のルーティン(支払いや債権・債務管理)
  2. 単体決算業務
  3. 連結決算業務
  4. 開示業務
  5. 税務申告

将来的に、このへんはガンガン外注に出される可能性があります。ルールがあって、それに則ってやるだけのルーティンが多いからです。

ウソだと思うなら、

  • DIVA
  • プロネクサス
  • 宝印刷
  • BIG4(コンサル)

とか、このへんの会社に、色々外注したいから提案書持ってきて。って相談してみてください。喜んで飛んできますから。

ところが原価系の業務は外注されにくいです。コンサルは使うかもしれないですけど、丸投げで最初から最後までやってもらうなんてことには、普通はならないでしょう。

会社の歴史、会社の文化、商流や商品に対する理解、経営ニーズ…

様々な「内輪のこと」に精通している必要がありますし、なんといっても製造業にとっての心臓部分のデータですからね。自分でしっかりグリップしておきたいと思うところが多いでしょう。

管理会計ジャンルの将来性は暗くないと思います。

やっぱり資格としてUSCMA(米国公認管理会計士)とか良いですよね。

 

④最適資本構成の検討

財務面のお仕事です。この項目だけピックアップするのも変な感じですが、ホットなテーマということで。

  • 配当政策をどうすべきか
  • 自社株買いをどうすべきか
  • 投資資金をどこから調達するか(新株の発行?借り入れ?)
  • 格付け戦略をどうすべきか?

資本生産性、すなわちROEの向上にひもづく課題ですね。

かなり上流のお仕事と言えます。最新のファイナンス理論・実務の習得はあたりまえのこと、気難しい役員、ご立派なコンサルたちとのタフなコミュニケーション能力が必要となります。

このような業務を経験できる会社は限られますが、憧れのポジションでもあります。

※私もプロジェクト関係でこういう業務に携わるようになりましたが、証券アナリストの資格を取得して努力を認められてからですね。

証券アナリストに独学で合格する7つのポイント【合格者は語る】

2018.03.12

金融業界では最高峰の資格です。ファイナンスに興味のある方はぜひどうぞ。

 

⑤M&Aや新規事業への関与

会計屋というより、ビジネスマンとしての取り組みが求められる分野です。

経営企画部主導でやるのか、各事業部門の企画部署がやるのか分かりませんが、とにかくこういった案件にお呼ばれしない「経理/財務部」だとすると、かなり社内での立場が弱い経理部ですね。

ずいぶん前から、様々な企業の経営層から「制度会計しかできない経理/財務部はいらん」と言われるようになっています。

こういったところで「数字に強いところ」をアピールできないと、40過ぎた経理屋はキツイ気がしますね。

弊社のエースたちは、みんなこういう案件に引っ張りだこですが、そうでない人はみんな頭でっかちの作業屋さんです。

 

⑥税コストの最適化

日本人とか日本企業って、税に対するコスト意識が希薄です。納税額を少なくしようとすると「悪いことしてる」みたいに見られます。

でも、欧米企業では、税は明確に「コスト」です。削ってナンボ。だから、税に詳しい経理屋は重宝されます

まぁ、欧米企業がやりすぎたせいで、世界ではこんなプロジェクトが出来上がってしまったわけですが。

OECDでは、近年のグローバルなビジネスモデルの構造変化により生じた多国籍企業の活動実態と各国の税制や国際課税ルールとの間のずれを利用することで、多国籍企業がその課税所得を人為的に操作し、課税逃れを行っている問題(BEPS)に対処するため、平成24年よりBEPSプロジェクトを立ち上げました。

(出典:国税庁HP

いわゆるBEPS(ベップス)というやつです。「税源浸食と利益移転」の略です。

アマゾンとか、日本で儲けまくってるのに税金おさめてなくて有名ですよね。

アマゾン日本法人2社に課された法人税(法人3税)は11億円。

これは、イオンなど日本の小売り大手10社の平均法人税額(329億円)の30分の1で、ネット通販大手の楽天と比べても30分の1程度にすぎなかった

(出典:Amazon税逃れ、法人税が「楽天の30分の1」報道…多くの利益が米国に流れる仕組み

いつの時代も、当局の「課税」と企業の「税回避」はイタチごっこです。永遠に終わりません。

経理マンの目線で見ると、いつの時代もメシのタネがあるということです(※日系企業ではただの申告屋でも喜ばれます。ほほぅ、法人税の申告をやってたんですか…みたいなw)

アマゾンまでやっちゃうとやりすぎですけど、いち企業の経理マンとして税コストの最適化に関与できたら、経営者として雇う価値のある人材だと思いますね。

なお、 税 理 士 試 験 は ス ス メ ま せ ん

税理士試験に挫折した経理マンが悟る「税理士試験がヤバい2つの理由」

2019.05.15

※アスリート気質の方は合格できると思うのでがんばってください

 

⑦コンプライアンス・リスクマネジメントの強化

経理・財務部門の立場から、会社のコーポレートガバナンス強化に携わる職務も重要です。

日本にいるとピンとこないかもしれませんが、コーポレートガバナンスの水準は企業価値に直結しています。

海外の機関投資家は、コーポレートガバナンスが弱い日本企業が保有する現金をディスカウントして評価しているという話があるくらいですからね。

  • 山一證券の粉飾決算
  • カネボウの粉飾決算
  • ライブドアの粉飾決算
  • オリンパスの粉飾決算
  • 東芝の粉飾決算

こういった直接的な事例のほか、タカタの欠陥エアバッグリコール問題や、自動車業界の不正検査問題など、呆れるような問題を起こす企業は少なくありません。

コーポレートガバナンスの強化は、企業価値を高める(信用を守り、競争力を維持する)ためには避けては通れない課題なのです。

企業によっては、コンプライアンスやリスクマネジメントを専門とする部署もあると思いますが、実効的な取り組みを行うには経理・財務部門の関与は欠かせません。

なぜなら、あらゆる企業活動は金銭によって表現されるからです。監査や税務調査などで不正が見つかることが多いのも、そういう理由です。

 

業務に関連する資格としては、CIA(公認内部監査人)でしょうか。興味のある人は「アビタスの公認内部監査人コース」に無料資料請求してみると良いでしょう。資格の概要や試験形式が一発で分かります。

ぶっちゃけ「会計」一本ではジリ貧なので、もう1つこのような専門性を身に着けておくと安泰ですね。CIAは、経営管理部門のマネージャー・コントローラーを目指すなら価値は高いです。

 

⑧その他経理の転職で役立ちそうなスキル・経験

  1. システム導入
  2. 会計基準改正対応
  3. 監査対応
  4. 税制改正対応
  5. 税務調査対応
  6. 子会社の立ち上げ・精算
  7. 海外駐在

とか、こんな感じでしょうかね。ご参考まで。

 

まとめ:経理の転職価値を高めたいのなら、狙うべきスキル・経験は明確

大前提として

  • 制度会計一本はキツくなるかも
  • 英語ができないとキツくなるかも

 

これを踏まえたうえで、

こういうスキル・経験があると強い!
  1. 省力化・迅速化・精度向上
  2. 予算統制の強化
  3. 原価管理による収益改善
  4. 最適資本構成の検討
  5. M&Aや新規事業への関与
  6. 税コストの最適化
  7. コンプライアンス・リスクマネジメントの強化

こういうスキル・経験を得ておくと強いですね。

簿記1級があるかどうか、TOEICが何点かとか、どこの会社出身かとか、年齢が何歳かとか、色々気にされるポイントはありますが、同じようなスペックなら上記のような経験がある経理マンが絶対に勝つでしょう。

 

Twitterやコメント欄で、なんでそんなに経理業界に詳しいんですか?視野が広いんですか?

と聞かれることが多いのでネタバレしておくと

  1. 経理マンの集いで情報収集している
  2. 転職エージェントとマメに連絡を取ってるから

ですね。転職エージェントと付き合いがないと、自分の会社がマトモかどうかとか、自分のキャリアがどうなのかっていう視点が身につきません。

これを機に、転職エージェントに自分のキャリアを見てもらって、客観的な市場価値を判断してもらうのも良いと思いますよ。一次情報を自分でゲットするのも大切です。

エージェントは↓から選んでおけばOKです(ジャスネットキャリアMS-Japan)。

【経理の転職】おすすめエージェント 現役経理部員が選ぶベスト3

2019.05.01

それではまたっ!

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ABOUTこの記事をかいた人

シーウィード

こびと株.comの管理人(役割:投資対象の選定)。お金の話と健康をこよなく愛するアラサーリーマン。一部上場企業の経理/財務部で財務諸表を作成している会計の専門家(日商1級・証券アナリスト)。40歳時点で給与以外の収入(配当/不動産/サイト運営)を月額20万円にすることを目標に活動中。187cmの大男。