こんな疑問にお答えします。
私は大学卒業後、一部上場企業の経理採用試験に突破して、以来10年超一貫して経理をやっている筋金入りの経理マンです。簿記1級とか証券アナリストの資格も持っています。
この職業の面白いところ、たっぷり語ります!!
目次
経理の面白さベスト5を発表!
経理の面白いところ【5位】:知識があれば上司にも勝てる
私が新人の頃は、さすがに実務経験が豊富な上司に「知識レベル」で勝つことはできませんでした。
業務では「上から目線」で指示されることが多かったように思います。このぐらいの難易度ならできるでしょ?ほら、ちゃんとやっといてね、みたいな。
まぁ、立場も経験も上なんで当たり前なんですけどね!
しかし、意識高い系経理マンとしては、いつまでも負けっぱなしではいられません。毎週末に専門予備校に通い続けて、会計/税務の知識をどんどん吸収していきました(80万円ぐらいは使ったでしょうか…w)
そして、20代後半で「部署で5本の指に入る」と評価されるほど知識を身につけたのです。それからは、急に仕事がイージーモードになりました。
とにかく「気を遣われる」「頼られる」ことが多くなりました。雑務を押し付けられることはほとんどなくなりましたし、上司に対する要望も通りやすくなりました。
さすが、経理は専門職というわけですね!
知識/実務能力さえあれば、役職・肩書など関係ありません。理不尽な上下関係からは解放されます。
経理の面白いところ【4位】:対外試合がある
経理部員が作る「財務諸表」「税金の申告書」というのは人に見られる”作品”です。
- 財務諸表は、経営者や監査役、他部署の部署長や監査法人にチェックされます
- 税金の申告書は、税務署や市町村などにチェックされます
こんな感じで、経理の仕事は「やったら終わり」ではありません。経理は英語で「アカウンタント」と言いますが、語源は「account(説明する)」から来ています。
自分でやった仕事は、大なり小なり必ず「人に説明する機会」がやってきます。そこで相手と議論を交わして論破するという、エキサイティングなゲームを楽しむことができるのです。
ちなみに、私の知り合いに「対国税局」無敗のレジェンドがいます。
6ヶ月もの間、毎日深夜まで国税とやりあって完全勝利を勝ち取ったそうです。もし負けてたら追徴税額は数十億円。新聞モノの影響額でしたね。
私も腕利きの国税調査官達とやりあった経験がありますが、ここまでの金額ではありませんでしたね。う~ん、カッコイイ!
経理の面白いところ【3位】:毎日がパズル解き/タイムアタック
経理の仕事はパズルみたいなところがあります。それは、経理で使う「簿記」という技術がパズルみたいなものだからです。
こちらを動かすとあちらが動く、あちらを動かすとこちらが動くといった感じで、会計帳簿は非常に複雑な動きをします。そこを見抜いて、すべての帳簿を適切に管理するのです。
- 不整合な箇所は残さない
- 不明瞭な箇所は残さない
この美しい状態を破壊する不届きな輩が必ず存在します。私の目の届かぬところで…!
それを見つけて、ぐちゃぐちゃにされてしまったパズルを綺麗に解いて、理想の状態に戻します。そうやって、誰が見ても問題ない帳簿/財務諸表を作るのです。毎日がパズルゲームなので、数字遊びが好きな人にはたまらないですね。
あとは、タイムアタックができることも面白さのひとつですね。経理の仕事をあらわすキーワードは「大量反復」。毎年、毎月、同じような仕事を繰り返すのです(もちろん、そういう仕事ばかりじゃないですよ)。
それを1分でも早く、1秒でも早くできるように、業務を効率化していきます。そして、余った時間でトピックスや経営課題のサポートに取り組むのです。
私の決算締め最速記録はしばらく抜かれないでしょう。このレコードを抜いてくれる後任の出現に期待しています。まぁ無理でしょうけどね~フフフ
経理の面白いところ【2位】:会社の動きがすべて分かる
会社のあらゆる動きが、すべて会計帳簿に記録されます。伝票は、情報の宝庫です。これを見ると何もかもが分かるのです。
- 社長・役員が、いつ、どこに何の目的で接待に行ったか?
- 次はどの会社を買収しようとしているのか?
- 他の会社とどのような訴訟トラブルが起きているのか?
- 次はどのサービスを大々的に売り出すつもりなのか?
- 給料カットされてしまった人は何をやらかしたのか?
- 1つ10万円で売れている高級品。実はその製品の原価はたったの…etc
もう、何もかも分かります。会社の活動はすべて数字で記録されるので当然です。
座りながらにして、会社の全容を掴むことができるのです。この全能感は経理ならではの楽しさといって良いでしょう。
さすがに「どこの誰さんが、他部署の誰と不倫してる」みたいなゴシップネタは分かりませんけどね。この辺の情報は人事・総務部が握っています。もし知りたければ、彼らとコネを作りましょうw
経理の面白いところ【1位】:レベル上げゲーム
経理の仕事には「スキルの一覧表」があります。経済産業省が主導したプロジェクトで作成されたものです。
参考(外部サイトエクセル資料):鳥瞰図:経理・財務業務の全体像
経理マンとしては、ここに記載されているような業務経験を積めば積むほど市場価値が上がります。
私は定期的に転職エージェントと話をして自分の市場価値を確認しています。
その時に転職エージェントが持ってくる求人票には「入社したら、あれをして欲しい/これをして欲しい」という要求がたくさん載っているのですが、経理経験が10年もあるとかなりの業務に対応できるようになっています。
ゲームの世界では「レベルやスキルが高くないと受注できないクエスト」みたいなものがあると思うのですが、まさにそれですね。経理マンとしてのレベルを上げると、受注できるクエスト(入社できる会社)がどんどん増えていくのです。
色々な会社の求人票見てると、あ~経理ならたいていの会社で勤まるな…と思えるようになりました。
私は小さいころから「レベル上げ」が好きでした。100時間でも200時間でも延々とレベル上げをし続けられるタイプです(もはやレベル上げが目的ではなく手段に…)。時間がありあまっている大学生の頃はネトゲ廃人でしたからね。廃ステータスすぎて2chで晒されていたこともあります。
経理の場合、
- 単体決算/単体財務諸表の作成 → できた!次に身につけるべきスキルはなんだ!
- 連結決算/連結財務諸表の作成 → できた!次に身につけるべきスキルはなんだ!
- 法人税・消費税の申告 → できた!次に身につけるべきスキルはなんだ!
こんな感じで、延々と自分のレベル上げ・スキル修得に励めるわけです。そうやってスキル一覧表を埋めていくと、自然と市場価値が高まっていきます。
仕事ができるようになれば、業務上のストレスもなくなりますし(でかい顔できるのでw)、会社が嫌になればどこへでも転職できます。いいことだらけです。
毎日がレベル上げの経理は、楽しいですよ!
まとめ:経理は楽しい!!面白さを感じた人は、ぜひ経理の道へ!
経理は楽しいです。
- 理不尽な上下関係に悩まされたくない
- 人にモノを説明すること・議論で白黒つけるのが好き
- パズル・数字遊びが好き
- 会社の全体を把握して、事業推進のサポートがしたい
- レベル上げが大好き!専門性を鍛えて腕一本で生きていきたい
どれか当てはまる項目がある人にとっては、経理は天職になりうるかもしれません。
くわえて経理には
- 個人プレイが多く、過度なコミュニケーションが発生しない
- 繁忙期と閑散期の差がハッキリしていて、有給が取りやすい
- ノルマのプレッシャーがない
など、ホワイトな文化もあります。まったりやりたい人にはおすすめです。
経理に興味を持った方、今は特にチャンスです。未経験者でも年齢次第では可能性があります。
もちろん、経理を目指すなら簿記は必須です!こちらの記事も参考にどうぞ。
以上、「経理は楽しい!「面白さベスト5」を現役経理マンがリアルに語る」でした。
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