目次
要点だけ知りたい!
こびと概要
項目名 | 内容 |
---|---|
本名 | エックスネット |
誕生月 | 1991年6月 |
仕事の内容 | アプリケーションアウトソーシング(XNETサービスの提供) |
配当献上月 | 6月(予定) 12月(予定) |
特徴 | ・エヌ・ティ・ティ・データの子会社 ・情報システムを構築し、顧客から月々のサービス料を得るビジネスモデル ・顧客は、銀行・投資顧問会社・保険会社など |
主なリスク | ・IT技術への対応 ・システムの不具合の発生 ・顧客の大半を金融機関が占めている状況 ・情報セキュリティのリスク |
重要項目No.1:投資効率
「投資額の何%の配当金を得られるか?」
「株価の下落リスクは低いか?」
以上2点を確認します。
配当利回り 2.97%
PBR 1.04倍
(※いずれも2023年7月14日の終値ベース)
重要項目No.2:配当姿勢
「オーナーに対する配当をどのように考えているか?」を確認します。
安定的な経営基盤の確保と株主利益の向上を重要な経営政策と考えており、今後も積極的に利益還元をしていく方針です。
中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
(「2020年3月期 エックスネット有価証券報告書」の「配当政策」より一部修正・抜粋)
この文章からは配当方針は少し曖昧に思われます。「積極的に利益還元をしていく」と書かれているだけだからです。しかし、日本証券アナリスト協会のホームページに掲載された会社説明会要旨に重要な情報が載せられていました。
ー株主還元(配当額)については、いかなる状況でも上げるのか。
「安定配当」という意識があり、配当性向50%キープが重要と考えている。前期は減損実施、利益減の局面でも、56円をキープした。
(「会社説明会((公社)日本証券アナリスト協会主催)の要旨」の「質疑応答」より一部修正・抜粋)
日本の上場企業の配当性向は平均で3割弱(出典:2015/4/19付 日経新聞「配当性向 日本は欧米企業より低く」)といわれていますので、配当性向50%というのは、なかなか高い目標です。
「安定配当」という言葉もこびと株保有の趣旨にあっていて魅力的ですね。
では、過去の配当実績と、当期の配当予想を並べて確認してみましょう。
配当 | 2010/3 | 2011/3 | 2012/3 | 2013/3 | 2014/3 | 2015/3 | 2016/3 | 2017/3 | 2018/3 | 2019/3 | 2020/3 | 2021/3 | 2022/3 (予想) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中間 | 2,800 | 2,800 | 2,800 | 28 | 28 | 28 | 28 | 28 | 14 | 14 | 14 | 14 | 14 |
期末 | 2,800 | 2,800 | 2,800 | 28 | 28 | 28 | 28 | 28 | 14 | 14 | 14 | 14 | 14 |
合計 | 5,600 | 5,600 | 5,600 | 56 | 56 | 56 | 56 | 56 | 28 | 28 | 28 | 28 | 28 |
2013年3月期及び2018年3月期に株式分割を行っています。実質的には、ずっと同額の配当を続けているのです。配当方針は配当性向を基準にしているようですが、実態としては定額配当に近いようです。
若い会社ながら、まるで食品セクターや医薬セクターの株式のように、かなり安定的な配当金を出してくれています。
重要項目No.3:配当継続力
「最近の配当実績と同水準の配当を何年間継続できるか?」を確認します。
① 22.5年(調整後利益剰余金ベース)
② 27.2年(修正ネットキャッシュベース)
以上、こびと概要と3つの重要項目をチェックしてきました。
「このこびと株に興味を持った!」という方は、以下「もっと詳しく知りたい!」をご覧になって下さい。配当に関連する主要情報について、さらに詳細なデータを記載してあります。
もっと詳しく知りたい!
主要財務情報(直近10年)
(1)損益計算書・貸借対照表関係
一覧表(Excel Onlineのデータを表示します)
【筆者3点コメント】
①平均約18%という高い営業利益率を背景に築き上げた高い財務安定性。(80%台の高い自己資本比率と500%前後の流動比率)。
②豊富なキャッシュ(過去12年間、総資産の60%以上のキャッシュ等を保持)を備えた無借金経営(2011年3月期以降、期末の有利子負債残高ゼロ)。
③エヌ・ティ・ティ・データの連結子会社。
2009年3月以来、エックスネットはエヌ・ティ・ティ・データの連結子会社となっています。
エヌ・ティ・ティ・データはNTTグループ主要企業のひとつで、連結での売上高2兆円以上、総資産約2.5兆円、従業員12万人以上という大企業です。
この資本関係は、信用力の維持・向上に大いに役立つものと思われます。
しかし一方で、エックスネット自身にコントロールできない親会社の事情に振り回される可能性もあります。
※エックスネットは単一事業・単一サービスの提供会社であるため、個別リスクは非常に大きいです(だからこそ、逆に事業利益も大きいのですが)。この個別リスクを軽減するには、集中投資を避け複数銘柄を保有するしかありません。
(2)キャッシュフロー関係
一覧表(Excel Onlineのデータを表示します)
【筆者3点コメント】
①過去12年間、景気変動にも負けず、毎年プラスの営業C/F。
②キャッシュ残高は、2011年3月期末以前は20億円超、2012年3月期以降は7~14億円程度で安定的に推移し、2022年3月期末には18億超の水準に。2012年3月期を境にキャッシュ残高が減ったように見えているのは、㈱エヌ・ティ・ティ・データへの預け金や定期預金が増加したため。実際は総資産82億円に対して約65%(52億円超)の現預金等を保有しています。
③2023年3月期の予想年間配当金30円をベースにすると、配当総額は約2.4億円。2022年3月期のFCFならまかなえます。今後も問題なく配当を続けてくれるのではないかと期待しています。
直近10年の株価推移
隠れこびとになってしまったXネッコ君。現在の予想配当金からすると、株価が746円くらいまで下がらないとXネッコは人前に姿を現しません。税引後で3%程度の配当利回りを確保できるよう、今はじっと待つべきときなのかもしれませんね。
こびとの過去のつぶやき
こびと目線での決算速報やIR解説などを記事にしています。
ゆるゆるピックアップ!
当社の特徴は、中期経営計画をあえて公表しない方針としている点にあるが、企業理念、社員の目指すべき姿、短期業績予想、目標となる経営指標(期限なし)、中長期の経営戦略は公表している。
(「会社説明会((公社)日本証券アナリスト協会主催)の要旨」より一部抜粋)
目標となる経営目標に期限設けないって強気ですよね!親会社がしっかりしてると安心して腰を落ち着けて経営できるってことなんでしょうかね。
パパ(エヌ・ティ・ティ・データ)が強いから強気なんて!!うらやましい限りです(笑)
(最終更新日:2023年7月16日)
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