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宝印刷 2019年5月期決算(2019年7月4日公表)
たからちゃんより2018年6月1日~2019年5月31日の業務報告が届いております。
経営成績の報告
当期 前期
売 上 高 182.6億円 157.9億円
営業利益率 9.7% 9.7%
1株純利益 110.63円 99.39円
配当 25円(中間)+25円(期末)
売上・各段階利益(営業利益・経常利益・当期純利益)とも、前年比+11~16%程度に着地しました。企業買収による規模拡大も大きいものの、元来の事業も含め、全体として順調と言えるでしょう。
営業利益率以外の項目(売上高・営業利益・当期純利益・ROE)については、無事中期経営計画も達成しています。
営業利益率は、一昨年から9.7%を維持したまま。9.7%→9.9%→10%と進捗する計画は未達となっています。
詳細をみていくと
- 原価率 前期60.4% 当期61.9%
- 販管費率 前期29.9% 当期28.4%
ということで、去年に引き続き、「原価の上昇を販管費の抑制でまかない、前期並みの営業利益率に着地させた」という状況です。
原価率が59.8%→60.4%→61.9%と上昇し続けているのは、ちょっとした懸念事項ですね。
来期はぜひ、営業利益率も含めた全指標での、中期経営計画達成を望みたいものです。
財政状態の報告
当期末 前期末
総 資 産 222.0億円 197.2億円
1株純資産 1,342.03円 1,274.72円
自己資本比率 67.6% 72.3%
A(※)/総資産 46.3% 47.8%
※A=現金預金+投資有価証券
もともと安定感のあるたからちゃんですから、良好な業績もあいまって、総資産・1株当たり純資産は増加中です。安心の財政状態ですね。
あえていえば、自己資本比率が5%近く低下しているのが気になる程度でしょうか。
主たる原因は借入金の増加。前年比で6.5億円程度、借入を増やしているようです。
とはいえ、負債合計が68億円。現預金は78億円ですから、一括返済さえ可能なレベル。全く心配には及びません。
キャッシュ・フローの状況
当期 前期
営業C/F 18.0億円 14.9億円
投資C/F ▲7.8億円 ▲8.5億円
財務C/F ▲0.0億円 ▲4.8億円
当期のキャッシュフローは大幅なプラスとなりました。
増加額は、前年比+8.5億円。この主な要因は
- 増益
- 長期借入れ
の2つ。投資有価証券の取得を抑制したこともあって、子会社株式の取得による支出はカバーできた形になっています。
今後の見通し
最近のニュース
たからちゃんはここのところ、様々な業務提携・新規サービスなどを次々に発表しています。この4ヶ月では、
- Toppan Merrill Limited との業務提携
- 初のファイナンス付きTPM上場案件、無事上場
- TKCと連結データの自動連携機能リリース
- AI翻訳サービスを発表
といったところですね。
業績予想
来期は、たからちゃんの「新・中期経営計画2020」の最終年度。当期以上の成績(売上・営業利益・当期純利益)をあげ、無事達成となる見込みです。
その背景にあるのは、
- 既存製品の底上げ
- 情報開示の充実に即した各種サービス
- ディスクロージャー書類の翻訳
- 決算・開示にかかる支援
などによる受注増加とコストの維持。
今後の配当について
出ました、とうとう増配の予想!4円アップで、年間54円が支払われる見込みです。増配率は8%ですね。素晴らしい。
業績予想が達成できれば、それでも配当性向は47%程度。問題のない適性水準と言えるでしょう。
たからちゃんは基本的に、配当を「安定配当50円+業績連動型配当」で考えています。
今回の4円アップが、
- 「安定配当」のアップ
- 業績連動型配当としての配当
なのかは気になるところ。今後のIRを待ちたいと思います。
それではまたっ!
(参考:宝印刷株式会社 期末決算短信等)
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