こんな疑問にお答えします。
私(@kobito_kabu)は、大学卒業後に一部上場企業の経理・財務部に配属され、10年以上のキャリアがある現役の経理マンです。もちろん簿記1級も持っています。
- 転職してきた契約社員さん、派遣社員さん
- 転職していった同僚・上司たち
- 一般職から総合職へと職位を変えた女性社員
色々な人を見てきているので、経理の転職市場には詳しい方かなと思います。ふだん付き合いのあるエージェントから、よく転職市況も聞いてますしね。
というわけで!
未経験からの経理転職希望の方に、就職のパターンをお伝えしたいと思います。
先に結論を言っておくと、こちら。
- 未経験でも、簿記2級・簿記1級があればチャンスあり
- 「簿記」「年齢」「職歴」で、4パターンのうちどこに行けるか大体決まる
- あとは市況次第。景気の良さは百難を隠す
目次
未経験から経理に転職!就職パターンは大きく4つ
まず、転職先のイメージを掴んでおきましょう。
パターンとしてはこの4つかなと。
- 派遣・契約社員
- 会計事務所の正社員
- 中小企業の経理正社員
- 上場企業の経理正社員
上記の通り。
順番に見ていきましょう。
①派遣・契約社員
どこかの企業・会計事務所で、派遣・契約社員として働くパターンです。
派遣先の業種は多種多様で、色々な業界を経験できる可能性があります。仕事の内容は、下記のようなルーティンが多いです。
- 経費精算
- 請求書作成・発行
- 売掛金・買掛金管理
- 伝票起票・確認、帳簿整理
- 会計ソフト入力
時給は1,200円~2,000円ぐらいが一般的で、賞与は出ません。
経理の基礎(実務)はみっちり学べますが、それ以上伸びしろのある業務を担当できることはないでしょう。割り切れば気軽に稼げるということでもあるので、考え方次第ですね。
※未経験→派遣から、正社員にステップアップした知り合い(女性)もいます。
②会計事務所の正社員
会計事務所の正社員として就職するパターンです。
仕事の内容は、先輩の補助業務から始まり、成長した後は経理(制度会計)の基本的なところを1から100まできっちりやる感じです。
- 先輩職員の補助業務
- 記帳代行
- 決算業務
- 税務申告書類作成
- 帳簿確認、月次決算と試算表の作成
- 給与計算、事業計画書や資金繰り表の作成
給与水準は年収200~300万円程度が一般的と言われています(もちろん、経営状態の良い事務所はもっと出せますが)。
特徴的なのは、時期的な業務の偏りです。クライアントの決算月が12月・3月など特定の時期に集中していると、その時期だけ超激務になります。
こんな感じで、会計事務所での労働は一般的に「薄給・激務」でブラックと言われています。
ここで働くメリットもあるのですが、クセが強いので人を選びます。注意が必要ですね。
※会計事務所に転職すべき人・そうでない人は下記の記事にまとめてあります。
③中小企業の経理正社員
中小企業の正社員として、経理をやるパターンです。
小さな企業では、人事・総務・経理の機能がまとまっていたりするので、
- 月次決算もやるし
- 税金申告もやるし
- 給与計算もやるし
- 株主総会対応もする
みたいな感じで「何でも屋さん」になりがちです。
とはいえ、それが必ずしも悪いというわけではなく、20代~30代前半ぐらいで一通り経験できると美味しいかもしれません。経理職としては間違いなく実力がつきます。
一人で会社の全体感を把握できるというのは楽しいことですしね。
プラスアルファとして、もう少しレベルの高い
- スキル(英語力など)
- 経験(税務調査対応など)
などがあれば、転職市場での評価も悪くありません。
※上場企業の会社員は、若いうちに規模の小さめな子会社に出向して経理全般の修行をすることがあります。それと同じような経験が積めるのだから、やはり良い選択肢の1つですね。
待遇に関してはピンキリです。スタッフレベルなら、年収350~450万円ぐらいのラインが一般的かと思います。会計事務所と違って、この後の給与の伸びしろは全然あります。
④上場企業の経理正社員
上場企業の正社員として、経理をやるパターンです。
仕事の幅の広さは無限大です(業種によります)。海外展開しているメーカーなんかは人気ですね。やれることが多いので。
- 決算業務
- 税務申告
- 管理会計(予算管理)
- ファイナンス(資金調達・運用)
- 開示業務
- M&A(買収)
- 内部統制対応
- 海外駐在で経理全般管理
などなど。連結決算や高度な原価計算など、面白い論点も盛りだくさんです。
あまりに業務が細分化されすぎていて、パーツしか経験できないのがタマに傷です。ジョブローテーションが機能していない会社だと「10年間原価計算しかやってません」みたいな人が平気でいる世界です。
とはいえ待遇はトップクラスによく、管理職でもないスタッフクラスで年収500万円600万円の人がゴロゴロいる世界です。管理職層になればハイクラス層(800万円~)には余裕で到達します。
上場企業での経理経験があると転職市場での選択肢も幅広く、食うに困ることにはなりません。
※大企業の経理をやると、ライフスタイルがどう変わるかはこの記事をどうぞ
簿記2級・1級さえあれば未経験でも就職できるのか?
以上、就職先の4パターンを見てきたわけですが、
- 経理未経験で
- 簿記の資格(2級、1級)を持っている場合
どこに就職できるのでしょうか?
結論から言うと「簿記資格の有無だけでは判断できない」です。
厳しい現実ですが、やっぱりこの2つは無視できません。
- 年齢
- 職歴
上記の通り。当たり前すぎますね。
あくまでイメージですが、下記図をご覧ください。
資格 | 年齢 | 職歴 | ||
---|---|---|---|---|
派遣・契約 | 簿記2級 (簿記1級尚有利) | 20~40代 | 未経験でも可 | |
会計事務所 | 簿記2級 (簿記1級尚有利) | 20~40代 | 未経験でも可 | |
中小企業正社員 | 簿記2級 (簿記1級尚有利) | 20~30代 | 経理っぽい経験欲しい | |
上場企業正社員 | 簿記2級 (簿記1級尚有利) | 20代~30代前半 | 経理っぽい経験ほぼ必須 |
派遣・契約や会計事務所であれば、簿記の資格さえあれば未経験でも大丈夫なことも多いです。そもそも人手不足で、人材の移り変わりも多いからですね。
中小企業や上場企業(従業員100名~300名ぐらいの小さめなところ。ジャスダックやマザーズなど、一部以外。)で正社員のポジションを狙うとなると、やはり
- 若くて(どんなに年齢がいっていても30代前半)
- 多少経理に関連のある職歴(事務職の経験)
が求められるケースが多いです。
年齢も、1歳きざみで判定されるぐらいシビアですね。今後、終身雇用の崩壊→人材の流動性アップで、年齢があまり気にされなくなるかもしれませんが。
※基本的には、未経験で大企業経理は無理と考えてください。シェアードサービス(本社から経理機能だけが切り離されて分社化しているところ)ならチャンスはあるかもしれません。
今は経理の転職市場がアツイので、割といい転職先がカンタンに見つかります。
景気の良さは百難を隠します。まったくの未経験から、二部上場の経理に潜り込んだ知人もいるぐらいです。
というわけで、結論をもう一度伝えておくと
- 未経験でも簿記2級・簿記1級があればチャンスあり
- 「簿記」「年齢」「職歴」で、4パターンのうちどこに行けるか大体決まる
- あとは市況次第。景気の良さは百難を隠す
という感じです。
経理職の良いところ:終身雇用の崩壊も怖くない!
- 楽だから
- ワークライフバランスがとりやすいから
- 終身雇用の崩壊も怖くないから
意識が高いんだか低いんだか分からなくてすみませんm(_ _”m)
向き不向きの分かれる職種ではありますが、簿記が楽しめるなら、経理はラクだと思いますよ。
- ノルマがない(これが最高。ノープレッシャー)
- 休みをとりやすい(私の年間休日145日ぐらいです)
- モンスタークライアントを相手にしなくていい(お客さんいないですから)
- ルーティンが多い(ITの進化でますますラクに)
- ソロプレイしやすい(一人で没頭できるの楽しい)
- 上司より法律や会計基準の方が強い(アホな上司は無視できる)
- 時々出張で遊べる(支店監査とか子会社ヘルプとか)
詳しくはこちらの記事にて
ライフワークバランスのとりやすさでいうと、トップクラスの職種じゃないかなと思ってます。
そして、終身雇用ほ崩壊が叫ばれる昨今においても、専門職(スペシャリスト)はそんなにビビる必要はないと思うのです。
行き場を失うのは、専門性を持たないゼネラリストたちです。
経理スタッフでも
- ただ仕訳を入力するだけ
- 経費精算するだけ
みたいな人は、ITの進歩によってどんどん少なくなっていくと思います。でも、会社の事業運営のかじ取りをサポートする経理がなくなることは絶対にありません。
手に職つけたい!と思う人にとって、「経理はとても魅力的な選択肢である」ということは強調しておきたいと思います。
まとめ:簿記があれば、未経験でもチャンスあり!
以上見てきた通り
- 簿記の資格さえとってしまえば、未経験でもチャンスが出てきます
- 就職先は4パターンあって、年齢・職歴・市況次第で大きく変わります(運の要素もある)
- 経理はいいところがいっぱいある職種です
経理業界は、未経験者には厳しいですが、ひとたび経験者になってしまえばそのあとの転職は比較的容易です(派遣→正社員にステップアップする人も少なくありません)。
ぜひ、経理を目指してもらえたらなと思います。
最後に、経理職を目指す人にルート案内して終わりにします。
すでに簿記2級以上を持っている人
求人を探す際には、求人サイトを使うのではなく、転職エージェントを使いましょう。
求人サイトは採用コストが安あがりですむため、採用にお金がかけられないブラック企業が混ざりがちです。
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他のエージェントも気になるという人はこちらもどうぞ。たった3つに絞ってます。
まだ簿記2級以上を持っていない人
とにもかくにも、サクっと2級まで受かってしまいましょう(3級から始めても、2級合格まで1年もかかりません)。
独学ではなく、スクールを利用するのが絶対におすすめです。簿記はクセが強い技術なので、独学で挫折した人・我流で変な理解をしている人を何人も見てきました。
簿記2級のスクール利用料はコスパの良いところだと3~4万円(簿記3級なら1万円もかからない)ので、経理になれればすぐにモトはとれます。取り返せる投資なので、迷う必要はありません。
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はじめて聞く人もいるかもしれませんが、資格の受験指導歴50年の老舗です。特徴は下記。
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もっと詳しくクレアールを知りたいという人はこちらをどうぞ。
とにもかくにも、ハッピーな経理マンが増えると嬉しいですね(*ノωノ)
以上、「簿記2級・簿記1級さえあれば、未経験から経理に転職できるのか?」でした。
それではまたっ!
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