こんにちは、シーウィード@こびとが見える経理マン(@kobito_kabu)です。
- 誰でも
- 再現性の高い方法で
- お金持ちになれる
この言葉に魅力を感じる人は、多いのではないでしょうか。
なぜなら、誰しもが『並々ならぬ努力・高いリスク』を嫌うからです。普通の人でいるだけでお金持ちになれるなら、そんなに気楽なことはありません。
この記事では、
- 平均的な年収の人が
- 平均的な家計支出で
- 平均的な資産運用をすればお金持ちになれるのか
簡単に検証してみたいと思います。
※結論を先に行っておくと、無理です。
イメージを持つためだけに超ざっくり計算しただけなので、統計的に精緻な分析をしているわけでは全くありません。ご承知おきくださいm(_ _”m)
平均的な年収
まず、平均的な年収を確認してみます。
大手転職エージェントのDODAによると、年齢別の平均年収はこの通り。
DODAのデータは、下記の通りサンプル数が多いので、それなりに参考になるでしょう。
2017年9月~2018年8月の1年間に、dodaエージェントサービスに登録した人のうち、正社員として就業している20~65歳までの約36万人のビジネスパーソン(サラリーマン)のデータを元に、さまざまな切り口で平均年収や生涯賃金をまとめました
(出典:平均年収ランキング最新版【年齢別】)
※ざっと見た感じ、国税庁の民間給与統計調査も似たような結果です。
上記に退職金を加えると、生涯賃金を算出できます。退職金は、下記によると概ね1,000万円~2,000万円程度です。※退職金は、下記を参照。支給水準は、企業規模や高卒・大卒区分による。
- 経団連の「退職金・年金に関する実態調査結果」
- 東京都産業労働局労働相談情報センターの中小企業の賃金・退職金事情
これをDODAのデータと合わせると、男性の生涯賃金は2億5千万円~2億6千万円ほどになります。
この数字は、独立行政法人労働政策研究・研修機構による労働統計(男性生涯賃金2億7千万円)とも似た数字なので、イイ線いってるのではないでしょうか。
平均的な家計支出
次に、平均的な家計支出です。
総務省統計局がとりまとめている家計調査をもとに、こちらでデータをいじって作成してみました。
平均的な月間支出はこの通り。
- 勤労者世帯で、2人以上の世帯です
- 家賃は、平均月収(手取り)の25%に設定
- 家賃以外は、家計調査の数字通り
35歳で妻子持ちの場合、月の生活支出が概ね32万円程度ということですね。
- 生活費、高くない?
というご意見があるような気はしますが、これでは低すぎる!という人は少ないんじゃないでしょうか。どうかな。
※都市部に住んでいるか、田舎に住んでいるかなどで大きく変わるのであまり細かく詰めることもできないのですが、ざっくりしたイメージとして掴んで頂ければと。
平均的な資産運用
さて。
- 年齢別平均年収が出せた
- 年齢別平均家計支出が出せた
ということで、それを差し引きすれば「余剰資金」が分かります。それを平均的な資産運用した場合のことを考えれば検証したいことが分かるわけですが。
- 年齢別平均年収を手取りベースに換算して(額面の75~80%の手取りになる)
- 年齢別家計支出を対応させると…
65歳期末時点での資産残高は▲342万円の赤字になりました。
色々な統計をもとに
・2人以上世帯(片働き)
・ずっと平均年収(23歳~65歳)
・ずっと平均的な家計支出で65歳時点の資産を計算したら、残高が▲342万円になった。平均的な退職金を貰うと700~1,700万円ほど手元に残る
・平均的な年収
・平均的な支出
・平均的な資産運用ではお金持ちにはなれない。
— こびと株.com (@kobito_kabu) May 22, 2019
各年齢において、貯金額はほぼほぼゼロ。40歳以降に少しずつ水準が膨らみはじめて、▲342万円でフィニッシュします。
退職金と併せると、65歳の退職時に700~1,700万円ぐらいの金額が手元に残る計算になります。
参考までに、各年齢の貯金額中央値はこんな感じ。
20代 30万円
30代 130万円
40代 300万円
50代 408万円
60代 740万円
- 平均的な収入・支出から余剰資金を生み出すのは難しく
- 年間生活費の1年に満たない金額を貯金として手元に置いてある
これぐらいの人が多い印象ですかね。
つまり、そもそも資産運用とかそれどころの話じゃない。
以前、こういうやりとりをどこかのブログ記事で見かけました。投資家と金融庁のやりとりだったと思います。
- 質問者:つみたてNISAの金額が年間40万円というのは少ないのではないか?
- 金融庁:一般的には、年間40万円の投資も厳しいのが実情だと思う
国税庁の民間給与調査、総務省の家計調査、その他家計資産の統計調査などをみるに、金融庁の見解は妥当な感じがしますね。
- 年間40万円×20年=800万円
- これをなんとか運用で1.5倍~2倍にして老後の足しに
という感じでしょうか。公的年金で賄いきれないぶんを、なんとか国民各自で用意して欲しいという思いが見てとれますね。
お金持ちを目指す投資とは程遠いということです。
結論:平均的な年収・平均的な家計支出でお金持ちは無理
という当たり前の結論でした。夢がない国、ジャパン?
お金持ちになりたいのなら
- 少なくとも平均の倍稼ぐ(でも、暮らしぶりは平均)
- 平均的な家計支出の半分で暮らす
- 超ハイリスクな投資をする
もしお金持ちになりたいのなら、ですが、
- 平均的な年収
- 平均的な家計支出
- 平均的な資産運用
ではゴールすることは難しいとしっかり認識しておくべきですね。正しい戦略なくしてゴールに到達できることはありません。
なお、日本では「億り人」という言葉があるように1億円もってるとお金持ち、みたいなイメージがありますが
ブルームバーグの記事によると、米国で「お金持ち」と見なされる資産はどのくらい? 2.5億円以上だそうです。どひゃー。
人生はお金持ちを目指すレースではないですし、何のためにいくら必要かは人によって違います。あまり周りとの比較に目を奪われ過ぎず、自分自身と向き合っていきたいところですね。
それではまたっ!
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