こんにちは、こびと株(@kobito_kabu)です。
「どうやら私たちは、100歳近くまで生きるらしい。」
最近、こんなことを耳にするようになりました。
「人生100年時代」「100歳時代」なんて言葉も聞こえてきます。
「多くの人が100歳まで生きる時代になるなんて、本当?寿命長すぎじゃない?」と思って色々と調べていたら、面白い気づきがあったので記事にしてみました。
結論としては、本当に100歳まで生きる時代になるみたい。
平均寿命・健康寿命にはちょっとした「罠」があるようなんです。
- 平均寿命の罠:多くの人は、今公表されている平均寿命より長く生きるようになる
- 健康寿命の罠:算出方法がいい加減
順番に解説します。
目次
平均寿命の罠:想定しているより長生きするかも
現在の平均寿命
現在の平均寿命は、次の通り。
- 男性81.47歳
- 女性87.57歳
(出典:生命保険文化センター「リスクに備えるための生活設計」より)
これを見て、お算数が苦手な私はピンときました。
でも、これは勘違いです。
おそらく、多くの人がこれよりも長く生きるようになります。
平均寿命とは
まず、平均寿命というのは「今0歳時点の子供の平均余命」です。30代半ばに差しかかろうかというおじさん(=私)の平均余命ではありません。
こちらの表をご覧ください。
各年齢ごとの、平均余命の一覧です。
(出典:厚生労働省 令和3年簡易生命表)
- 0歳時点の男の子の平均余命
- 0歳時点の女の子の平均余命
この2つが、ズバリ前述の平均寿命と同じになります。
平均余命を見てみると、私の寿命は81歳ではなく82歳くらいになりそうです。
50%生存年齢
さて、平均寿命というと、なんとなくこんなイメージを持っている人が多いんじゃないでしょうか。
ところが、これはちょっと実際とは違います。
現実には、「平均寿命≒60%生存年齢」になっているそうです。多くの人がイメージしている50%生存年齢は、平均寿命+3歳ぐらいになるとのこと。
こうやって見てみると、私がイメージしていた自分の寿命は、85歳ぐらいで見ておくと妥当な感じがします。
ところが、ここからさらに考慮すべき点があります。
平均寿命の推移
平均寿命は伸び続けているという現実です。
(出典:令和2年版厚生労働白書より)
若干伸び率が鈍化していますが、
- 予防医療の進歩
- 医学の進歩
- 長生きのための生活習慣の研究
- 食生活・運動生活の改善
などにより、平均寿命は伸び続けています。
今後も、伸びることはあれど、縮むことはないでしょう。
1990年生まれの人の50%生存率
これまでと同じペースで平均寿命が伸び続けた場合、「50%生存年齢」がどうなるかを算定した人がいるので、そのデータを紹介します。
男性のケースです。
- 1970年生まれ:91.6歳
- 1980年生まれ:93.8歳
- 1990年生まれ:96.0歳
(出典:「いらない保険」講談社より)
衝撃的な数字ですね。
1990年生まれ=今30歳の人は、2人に1人が96歳まで生きるそうです。
平均寿命まとめ:本当に100歳近くまで生きる時代
今までの話をまとめると、こうなります。
- ざっくり、自分は男性平均寿命の81歳ぐらいまで生きるのかなと想定してた
- 平均寿命というのは、現時点で0歳の人の平均余命
- 自分の年齢(30歳半ば)の平均余命を見直してみたら、自分の寿命は82歳だった
- 50%生存年齢で見てみると、85歳だった
- 寿命の伸び率を考慮すると、50%生存年齢は95歳だった
イメージしてたのと全然違う!
思ってたより10年以上長生きしそう。寿命、長すぎ!
- 80歳ちょいまで生きるつもりでカネを準備してたら
- 思ったより長生きしてしまい、実は全然足りなかった
なんてことは普通にありそうです。
やはり、高度に分散された高配当株ポートフォリオで、終身の「じぶん年金」を用意しておくというスタイルは、時代に合っていそうですね。
健康寿命の罠:測定方法がいい加減
もう1つ紹介しておきたいのが、健康寿命の罠です。
健康寿命とは
健康寿命という言葉をご存知でしょうか?
健康寿命:医療や介護を受けずに自立した生活を送れる年齢
厚生労働省によると、健康寿命は下記の通りです。
- 男性:72歳
- 女性:75歳
これを見ると、不安になる人は多いかもしれません。
なぜなら、平均寿命と健康寿命の差が「不自由な生活を送る期間」「寝たきりの期間」に見えるからです。
平均寿命(男性81歳)と健康寿命(男性72歳)の差は、約10年。
この数字を使ってマーケティングしている保険会社は少なくありません。
人生100年時代を前提とするのなら、不健康で生活する時期はさらに伸びて、30年近くに及びます。
まさに絶望のデータ!
ところが、この「健康寿命」というのは、わりといい加減な概念のようなのです。
健康寿命の計算の仕方
健康寿命の算定方法は次の通り。
- 政府が3年ごとに行う「国民生活基礎調査」により算定される
- 全国30万世帯、約70万人を対象としたアンケート調査
- 「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか?」と聞く
- 「ある」と答えた人は、不健康に区分
- 「あなたの現在の健康状態はいかがですか?」と聞く
- 「よい」「まあよい」「ふつう」と答えた人以外は、不健康に区分
こうやって、何の医学的根拠にも基づかない、アンケートに答えた人の主観的な意見をもとに、健康寿命が推計されているのだそうです。
大学生の頃、私は「大航海時代」というオンラインゲームにハマって、1日18時間ほどプレイしていました。
当時は寝不足でかなり調子が悪かったですから、もしこのアンケートが私に届いていたら、何の遠慮もなく「健康上の問題がある」と答えていたでしょう。
こういう回答が、健康寿命の計算に反映されるのです。どうかと思うわ。
まったく無意味とまでは言いませんが、これをもとに人生設計するのはイマイチな感じがしますね。
※健康寿命を使ってマーケティングしている保険会社はろくなもんじゃないというのは、保険や寿命のデータに詳しい有識者からするともはや常識のようですね。
まとめ:ほんとに100歳時代になりそう
というわけで、まとめると次の通り。
- 平均寿命の罠:多くの人は、今公表されている平均寿命より長く生きるようになる
- 健康寿命の罠:算出方法がいい加減
1990年生まれ=現在30歳の人の2人に1人は、96歳まで生きます。
2007年生まれの人は、2人に1人が107歳まで生きると言われていますね(出典:LIFE SHIFT)。
すごい時代だわ~。
平均寿命に関する、私の勘違いは主に
- 平均寿命=ざっくり50%生存年齢だと思っていた
- 平均寿命の伸び率を考えていなかった
この2つですね。
これらを考慮すると、自分が思っているよりも、長生きする可能性は高そうです。
また、健康寿命をアテにした人生設計は、あまり意味を持たなそうだなと思いました。
保険会社は、ことさら「平均寿命と健康寿命の差」をアピールして、割高な医療保険・介護保険などを売りつけてきます。
健康寿命をセールストークにする営業の話は、話半分に聞いた方が良いかもしれません。
結局、長生きに対する最強の備えは「個人資産を作ること」ですね。
寿命が長すぎお金が足りない…なんて悩まないためにも
それではまたっ!
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