【エクセル実務】経理のプロが教える基礎中の基礎

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経理部員
経理って、よくエクセル使うよね。上手に使えるポイントって無いのかな?
経理部員
エクセルが…もどかしい…。経理でエクセルを使うのに、知っておくべきポイントを教えてほしい…

こんな人のための記事です。

こんにちは、こびと株(@kobito_kabu)です。

最近の学生って、パソコンあんまり使わないらしいですね。

 

経理をやっていると、エクセルを使う機会はかなり多いですよね。

  • 仕事が早い人になりたい
  • 効率的に作業したい
  • 説明のいらないキレイな資料をつくりたい
  • 引継ぎのいらない計算シートを作りたい

と思う場面も多いはず。

そんなとき、エクセルの基本スキルがあるのと無いのとでは、成果の出方が格段に違ってきます

 

こびと株
ブラックボックスを作っても、外注化で一発アウトになる時代。生き残れる経理部員になるためにも、効率化・定型化の技術は欠かせません

この記事では、エクセル初心者の経理部員向けに

  • 超使える関数
  • 毎日使うショートカット
  • 押さえておきたい計算シートの基本

をまとめます。

※経理部員向けの記事ですが、経理以外の職種の人にも参考にしてもらえるかと思います

 

筆者のスペック
  • 経理歴10年超の経理のプロ
  • 資格もないしマニアじゃないけど、
  • 部署トップクラスのエクセル使い
こびと株
体系的な学習ではなく、実務で覚えたエクセルスキルです。ですから、この記事でご紹介するのは、実務で今日から使えるものばかりです!

 

これだけは押さえて!超使える関数5選

経理部員
関数ねー。エクセルやるなら、やっぱり関数とか使うよねー。でもなんかいっぱいあるし、よく覚えられないんだよね…

エクセルを使いこなすのに、基本的な関数を覚えていることは大切ですよね。

とはいえ、実際、しょっちゅう使う関数なんて、そんなにたくさんあるわけじゃありません

  • 超使える5つだけ覚える
  • あとは必要なときにグーグル先生に聞く

これくらいの気持ちで十分です。

こびと株
ここでは、本当に便利な関数を5つに絞ってご紹介します!

 

関数①「sum」

有名な、足し算の関数ですね。

足し算は、あらゆる場面で出てきますよね。この「sum」は、表の合計欄を作るときなどに便利です。

※簡単すぎるぞふざけるな!という声が聞こえてきそうですが「1つずつセルを足してる」伝説のおじさん、職場にいるでしょう!知ってるんだぞ!

=sum()

と入力して、()の中に足したい数字orセルを入力すればOKです。

 

数字と数字の間・セルとセルの間には「,」を打ちましょう。

=sum(3,4,5)

みたいな感じですね。(「3+4+5」という意味になって、「12」が表示されます)

 

たくさんのセルをまとめて足したいときは「:」を使ってあげてください。

=sum(A3:A10)

みたいな入力です。(「A3セル~A10セルまで全部合計して」という意味になります)

 

こびと株
これでもう、A3+A4+A5+A6+A7+A8+A9+A10…みたいな式からは卒業です!エクセル使い、初めの一歩、ですね。

 

関数②「round」

今度はちょっぴりレベルアップ。四捨五入する関数です。

=round()

と入力して、()の中に四捨五入したい数字orセル四捨五入後の桁数を入力すればOKです。間には「,」を打ってくださいね。

 

例えば

=round(1.23,0)

みたいな感じですね。(「1.23を四捨五入して0桁で表示」という意味になって、「1」が表示されます)

=round(A6,1)

なら、「A6セルを四捨五入して1桁で表示」という意味なので、小数点第2位を四捨五入して、小数点第1位までで表示してくれます。

 

桁数のところにマイナスを入れて、

=round(B3,-3)

と入力すると、B3セルを1,000未満四捨五入で表示してくれます。

 

こびと株
ほかに、「roundup」「rounddown」という関数もあります。それぞれ、切り上げ・切り捨てしたいときに使います。使い方は「round」と同じなので、試してみてくださいね。

※ちゃんと端数処理をしないと、印刷した資料の表を電卓で足し合わせた時に合計が合わない、ということが起きます。そういう資料を作る人は少なくないんですよね、本当に。

 

関数③「abs」

次は、絶対値をとる関数です。

経理では、計算シート上で仕訳を示したいときがありますよね。仕訳にマイナスの数字は出てきませんから、計算結果の「+」「-」をとって「絶対値」として使うわけです。

そんなときに便利な関数が、この「abs」。

=abs()

と入力して、()の中に絶対値にしたい数字orセルを入力すればOKです。

 

=abs(-123456)

みたいな感じですね。(「-123456の絶対値を表示」という意味なので、「123456」が表示されます。)

 

()の中には

  • 数字
  • セル
  • 数式

どれを入れてもOKです。(これは他の関数でも同じなんですけどね!)

こびと株
実務では、セルや、セル同士の足し算・引き算といった数式を入れて使うことが多いと思います。

 

関数④「vlookup」

次はちょっとした難関、「vlookup」。ブイルックアップと読みます。他のところにある一覧表から、数字を引っ張ってくるためによく使う関数です。

例えば、

  • 商品名と金額の「一覧」がある
  • 「商品名」を入れたら、一覧から「金額」を自動で引っ張ってくるようにしたい

みたいなこと、経理ではよくありますよね。「vlookup」は、こんなときに便利です。

 

=vlookup()

と入力して、()の中に次の3つを入力すればOKです。間は「,」で区切ってくださいね。

  1. 一覧表から探してほしい言葉はどのセルの言葉か
  2. 一覧表の場所
  3. 表示してほしいのは何列目か?

 

さっきの例だと、「一覧表から、商品名を探して、金額を引っ張てきてほしい」ということなので

  1. 「商品名」が入力されているセル
  2. 「商品名と金額の一覧」全体
  3. 「金額」は一覧の何列目に入っているか

という感じですね。

 

例えば

=VLOOKUP(D20,C2:M9,5)

みたいになります。

  1. 「D20」セルに入っている言葉を
  2. 「C2:M9」の場所にある一覧表の一番左の列から探してね。
  3. 見つけたら、その言葉のある行の「5」列目にある言葉(数字)を表示してね!

という意味になります。

 

こびと株
「vlookup」が使えたら、初心者は卒業かも?ちょっとわかりにくいけど、使っているうちに慣れてきて超便利だって気づくので、ぜひチャレンジしてみてください!

 

関数⑤「if」

最後にご紹介するのは、「if」。「もしも〇〇だったら、××してね。そうじゃなかったら△△してね」という、ちょっと複雑な関数です。

かなり利用範囲の広い関数でもあります。

 

=if()

と入力して、()の中に次の3つを入力すればOKです。間は「,」で区切ってください。

  1. 判定するための式
  2. ①がOKだったら、してほしいこと
  3. ①がNGだったら、してほしいこと

 

例えば

=if(B2=C2,”〇”,”×”)

みたいな感じですね。

  1. 「B2=C2」かどうか判定して
  2. ①がOKだったら、「〇」を表示して
  3. ①がNGだったら、「×」を表示してね!

という意味になります。経理の計算シートでは、エラーチェック等によく使われます。

 

こびと株
要注意ポイントは、「=if(if(if(…」みたいな、ifの中に延々とifが続く数式を作らないことですねw

※SUMとIFを合わせたSUMIF関数というやつがあります。もし~だったら、ほにゃららを合計してね。みたいな関数です。ここまで使えるとなかなかです。

 

作業効率メチャ上がる!毎日使うショートカット5選

経理部員
ショートカットキーも気になるなぁ。仕事が速くなりそうだし、マウス無しでパッパッって進むとカッコいいよね。

毎日使うようなショートカットキーを5つだけご紹介します。

  • まずはこれだけ覚える
  • 周りに便利なそうなものを使っている人がいれば、どんどん聞く

という感じで、知識を増やしていきましょう!

※エクセルというより、Windows共通のショートカットキーでもあります。

 

ショートカット①「Ctrl+C」

コピーのためのショートカットキーです。

  1. コピーしたいセルを選択した状態で
  2. キーボードの左下の方にある「Ctrl」キーと
  3. 「C」のキーを同時に押します

これだけで、コピー完了。カンタンですね。

こびと株
この後ご紹介する「Ctrl+V」とセットで使うことがほとんどです。

 

ショートカット②「Ctrl+V」

貼り付けのためのショートカットキーです。

  1. 貼り付けたいセルを選択して
  2. キーボードの左下の方にある「Ctrl」キーと
  3. 「V」のキーを同時に押します

すると、コピーしてあった内容が①のセルに貼り付けられます。

こびと株
「Ctrl+C」と「Ctrl+V」のセットは、本当にほぼ毎日使ってますよ~

 

ショートカット③「Ctrl+X」

切り取りのためのショートカットキーです。

  1. 切り取りたいセルを選択して
  2. キーボードの左下の方にある「Ctrl」キーと
  3. 「X」のキーを同時に押します
こびと株
こちらも、「Ctrl+V」とセットで使うショートカットキーですね。

 

  • 元のセルに内容を残したいとき:「Ctrl+C」→「Ctrl+V」
  • 元のセルからは内容を消したいとき:「Ctrl+X」→「Ctrl+V」

と使い分けましょう。

 

ショートカット④「Ctrl+P」

印刷のためのショートカットーキーです。

  1. 印刷したいシートを表示して
  2. キーボードの左下の方にある「Ctrl」キーと
  3. 「P」のキーを同時に押します

すぐに印刷画面に飛ぶことができます。

印刷部数などの設定を済ませて、即「Enter」キーで確定。プリンターから印刷物が出てくるという段取りです。

こびと株
経理はまだまだ、紙で確認・押印・保管という書類も多いですから、利用回数の多いショートカットキーだと思いますよー!

 

ショートカット⑤「Ctrl+S」

上書き保存のためのショートカットーキーです。

  1. 上書き保存したいエクセルブックを表示して
  2. キーボードの左下の方にある「Ctrl」キーと
  3. 「S」のキーを同時に押します

これだけで、上書き保存が実行されます。

こびと株
私の場合、作業の区切りではほとんど無意識に「Ctrl+S」を押しています。突然PCの調子が悪くなって、作業内容を失ってしまうのはイヤですからね。

 

計算シートの基本のキ!押さえておきたいポイント5つ

経理部員
計算シートとか、自分で上手に作れるようになりたいなー。関数とショートカットキー以外に、覚えておくべきことってある?

今まで数々の計算シートを作成し、色んな人に感謝されてきた私が

  • ものすごく実務的で
  • 最低限の

計算シート作成の基礎を、5つのポイントに絞ってご紹介します!

こびと株
誰でも使いやすい、引継ぎやすい計算シートを作りましょう!自分専用はNGですよ。だって、お仕事ですからね~

 

ポイント①何を計算するシートなのか示す

最初のポイントはコレ。何を計算するシートなのか、わかるようにすること

経理部員
そんなこと?

と思うかもしれませんが、これ、意外に重要です。

 

実際、私の資料共有ストレージには

  • 目的がわからない
  • 使用タイミングがわからない

困ったファイルがいくつも眠っています。

 

  • タイトルを工夫したり
  • 「目的」という欄を作ったり
  • 結論部分を目立たせたり

することで、自分以外の人にも使える計算シートを目指しましょう

こびと株
作成者本人にとっては「目的なんて明らか」なので、見落としがちなポイントです。誰にでもわかるように、ハッキリさせておきましょう。

 

ポイント②更新セルを区別する

エクセル初心者さんの作った計算シートを引き継ぐとき、いつも叫びたくなるのがコレ。

こびと株
一体どこを更新すればいいの!?

 

計算シートには、

  1. 数字を手入力して更新すべきセル
  2. 計算結果が表示されるセル

の2種類のセルが含まれています。

見た目でこの区別がつかない計算シートは、引き継がれた人にとって

こびと株
全部のセル、クリックして確認しないとダメってこと!?

という、ショッキングな事態を引き起こします。

 

例えば

  1. 更新セル:背景色は黄色
  2. その他のセル:背景色は無色

などのように、色分けをすることで、計算シートの使いやすさは各段に変わります。

こびと株
ぜひこれだけは、守ってほしいです!

 

ポイント③数式内に固定数字を入れない

これもエクセル初心者さんが、やってしまいがちなのが、「セル内の数式に、固定数字を使う」こと。

=B4*1.08

みたいなヤツです。

紙で見たとき、計算過程がわからないのはNGと覚えておきましょう。

 

計算過程がわからないと、

  • チェックできない
  • メンテできない

の二重苦です。

こびと株
1つずつセルをクリックしてみないと理解できない計算シートは、イマイチだってことなんです。

 

さっきの例は、例えばB5セルに「1.08」と打ち込んだ上で、

=B4*B5

としてあげればOKです。

固定の数値は、数式内に入れず、別のセルに表示しましょう!

 

ポイント④作業順がわかるように並べる

引き継がれたときに安心する計算シートは、

  • 何のために
  • 何を
  • どうやって
  • どんな順番で

する計算シートなのか、作業の目的・内容・手順が明らかになっています。

 

「何のために」は、ポイント①で述べた通り。タイトルを工夫したり、計算シート内に明記したりすることで、作業の目的をハッキリさせましょう。

「何を」は、ポイント②で述べたこと。どこが更新箇所なのか明確になっていれば、作業するときに悩むことはありません。

「どうやって」は、ポイント③。計算過程がわかりやすい計算シートを作るということですね。

そして、ポイント④は「どんな順番で」。作業順序がわかる計算シートなら、その業務に初めて取り組む人でも、安心して使いこなすことができるでしょう。

 

すべきことは、とても単純。

  • ブック内のシートを、作業すべき順番に並べておく

これだけです。

複雑な計算シートでは

  • 入力シートと結果出力シートの色を変える
  • 作業手順を書いたシートをつけておく

なんて工夫もあると、さらにわかりやすいですね。

こびと株
こんな単純なことが、計算シートの使いやすさを決めるのですっ!

 

ポイント⑤余分なモノは省く

こびと株
最後にお伝えしたいのは、シンプルな計算シートほど美しいということです
  • 不要な箇所は削除する
  • 非表示セルは作らない
  • 必要な数値は、1度だけ入力すれば済むようにする

といった細かい点に気を配って、シンプルで、見やすくて、わかりやすい計算シート作りを目指してくださいね♪

 

まとめ:エクセルってすばらしい。

  • 使いこなせばこなすほど便利だし
  • むしろ無かったら経理なんて苦行っぽいし
  • 上手に使えば大体のことができるし(言い過ぎです)
こびと株
エクセルって本当にすごい!

ぜひあなたもエクセルを使いこなして、優秀な経理部員を気取っちゃってください。

私もどんどんレベルアップしてきたいと思います♪

それではまたっ!

 

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こびと株
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ABOUTこの記事をかいた人

こびと株.comの共同管理人。慶應義塾大学卒業後、一部上場企業に就職。経理/財務の実務経験10年超、日商簿記1級、証券アナリストを有する「企業と個人のお金の専門家」。4つの財布(給与/配当/不動産/事業収入)を駆使して経済的自由を達成することを目標に奮闘中。