こんにちは、こびと株(@kobito_kabu)です。
下記記事で「高配当株投資の始め方」について解説しました。
このなかで、
- 2019年9月から
- 30万円ぐらいで高配当株投資を始める
こういった場合の日本株のポートフォリオサンプル(配当利回り約4.4%)を公開しています。
それに対して、こんな質問を頂きました。
結論から言うと、日本株の高配当株ファンドで「これはイイ!」と私が思っているものはありません。
この記事では、日本株の高配当株ETF(ファンド)に手を出していない理由を説明したいと思います。
- 景気敏感な業種に偏りがち
- 明らかに配当狙いの長期投資に向かない銘柄が含まれている
- 信託報酬でお金を持っていかれる
目次
日本の高配当株ETFに手を出す気にならない3つの理由【1489を例に解説】
この記事では、日経高配当株50ETF(1489)を例にとって解説します。
日経平均高配当株50ETFについて
このファンドは、
- 日経平均を構成する225銘柄のうち
- 特定の条件を満たした配当利回りの高い50銘柄
に投資するファンドです。
このファンドが投資している上位10社(2019年8月時点)はこんな感じです。
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ
- SUBARU
- NTTドコモ
- みずほフィナンシャルグループ
- 武田薬品工業
- 日本たばこ産業
- キヤノン
- 日産自動車
- 三井住友フィナンシャルグループ
- 東海カーボン
誰もが知っている有名企業がズラリと並んでいますね。
変な銘柄に投資しないようなルールも定められています。
- 赤字を連発している(赤字でも無理に頑張って配当金を出している会社もあります)
- 特殊な事情で株価が暴落して高配当株化している
こういう「ハイリスクな高配当株」は除外される運用です。
とはならないんですよね。
①景気敏感な業種に偏りがち
まず、あまりに景気敏感な業種に偏り過ぎています(景気敏感な業種では、企業の業績・配当金が安定しません。)
(出典:配当利回りが魅力の高配当株ETF)
- 卸売業(ここでは総合商社のこと)
- 銀行業
- 輸送用機器(自動車)
- 電気機器
上位を占める業種が、すべて景気敏感です。
その他の業種に含まれる業種も大半が景気敏感な業種です。証券や石油、建設業などですね。
食品・通信・医薬品・鉄道・電気ガスといった景気に左右されにくい業種の企業がほとんどありません。
世の中の景気が悪くなれば、配当金が一気に減ってしまう(減配と言います)ということです。
- 景気が良くても
- 景気が悪くても
どんな時でも安定した業績で、安定した配当金を出し続けてくれる。
そういう企業に投資することで、超長期的に安定した配当を得続けることが高配当株投資の目的です。景気敏感株の投資比率が高いというのは、目的と手段が合っていないということになります。
②配当狙いの長期投資に向かない銘柄が含まれている
投資の必勝法というやつはありませんが、必敗法というのはあります。
配当利回りランキングの上位銘柄に上から順に投資し続けるというがまさにそれで、こんなことをやっていたらあっと言う間にお金が減っていってしまうでしょう。
配当利回りが高いのには、それなりの理由があるのです。
これは「長期の高配当株投資に向かないだろ~」と思う銘柄は、直近の事例で言えば下記銘柄。
- 日産自動車
- 日本郵政
いずれもコーポレートガバナンス(企業統治)に大きな問題がある企業で、お家騒動やらグループ会社の不正問題で企業価値を大きく損なっています。
株主を大切にしない企業に投資する理由は一切ありません。
絶対に、「配当利回りランキングの上位にいる」というだけの理由で投資をしてはいけません。
※とはいえ、未来の世界は誰にも予想できません。私が合っているかもしれませんし、間違っているかもしれません。どこまでいっても「答えのない自己責任の世界」なので、とにかく自分が納得できるように行動することが大切ですね。
③信託報酬でお金を持っていかれる
最後の理由はコレです。
- 景気敏感業種への投資比率が高く
- これはちょっと…という銘柄も複数含まれているのに
- このファンドを保有しているだけで年間0.3%の経費を持っていかれます
信託報酬というのは、ファンド運営のための経費のことです。
年間の信託報酬が0.3%ということは、配当利回りがそのぶんだけ低下しているのと変わりません。日経高配当株50ETFの分配金利回りは4.0%ほどですが、信託報酬を考慮すると3.7%になってしまうということ。
この0.3%というのは非常に大きくて、投資判断を左右するレベルです。
例えば、三菱UFJ銀行の配当利回りが
- 5.0%なら買うけれど
- 4.7%なら買わない
こうやって考える人はたくさんいるわけです。ちょっとした経費に思えるかもしれませんが、こういう経費は少なければ少ないほど良いですね。
配当利回りを0.3%向上させるというのは、そう簡単なことではありませんから。
もちろん、パフォーマンスに納得できるファンドになら払っても良いのですが(米国株の高配当株ファンドなら全然OK)、日経高配当株50ETFに対して0.3%というのは、私なら絶対に払いません。
個別株に投資する分には、信託報酬は一切かかりません。
- 個別株:自分で分散投資して10年保有→10年間で1円もとられない
- ETF:信託報酬0.3%の高配当株ファンドを10年保有→10年間で3%の経費をとられる
①個別株と②ETFで、大きな違いが出ますね。
3%というと、1年分の配当金に相当する金額になります。こうやって考えると、小さな差がいつか大きな差になってしまうということが良く分かりますね。
最後に、日経高配当株50ETFのチャートを載せておきます。
2018年1月に42,000円ぐらいだった株価は、2019年8月現在で32,000円ぐらいですね。
日経平均のパフォーマンス自体が良くないですが、それにしても微妙すぎるパフォーマンスです。
自作のこびと株ポーフォリオは、
- 高い配当利回りを維持しながら
- 元本部分も増やせているので
日本株の高配当株ファンドに投資する理由が見当たらないですね。
まとめ:ETFから配当が欲しいなら、日本株の高配当株ファンドはイマイチ
以上、まとめると次の通りです。
- 景気敏感な業種に偏りがち
- 明らかに配当狙いの長期投資に向かない銘柄が含まれている
- 信託報酬でお金を持っていかれる
高配当株投資の基本は
- 一ヶ国に集中投資しない
- 業界・業種をちゃんと分散する
- 罠銘柄を避ける
この3つです。
米国株の場合は、VYM、HDV、SPYDといった優良高配当ファンド1本に投資しておけばOKという気軽さがありますね。信託報酬も0.07%前後と大変低く、パフォーマンスも良好です。
一方で、日本株の場合は「これは…!」と思える高配当株ファンドがありません。上記であげた問題点の他、大型株に偏り過ぎるという弱点もあります。
上記でお見せしたとおり、チャートも散々の結果です(逆張りするなら悪くない水準なんですけどね)。
というわけで、3年前から毎月欠かさず高配当株ランキングを作成し、数百社のなかから納得できる高配当株だけを地道に積み立てていっているわけです。
ちなみに、こういった「少額からのコツコツ分散投資」を気軽にできるのは今のところSBIネオモバイル証券だけです。
- 1株から購入できる(NTTドコモやKDDIなどの注目している企業を3000円前後から買える)
- 月額50万円までの投資なら、サービス利用料が固定で220円(税込)かかるが、毎月ネオモバ限定Tポイントが200pt貰える
- Tポイントを使って株が買える
※1株から買える大手ネット証券もありますが、取引の都度手数料がかかるため、分散投資をすると手数料負けします。
- 一ヶ国集中投資はしたくないから、日本株にも投資したい
- 日本株にも投資したいけど、高配当株ファンドはろくなのがなさそう…
- 自分で個別銘柄を選んで、投資経験を積んでいきたい
こういう人には非常にメリットの大きい証券口座にですので、ぜひ検討してみてください。
2022年9月26日、
株式会社SBIネオモバイル証券は、株式会社SBI証券と経営統合することが発表されました。
これに伴い、SBIネオモバイル証券の新規口座開設は2022年10月7日をもって受付が停止されています。
- 最大手・国内株式個人取引シェアNo.1
- 口座開設・口座維持手数料無料
- 1株から購入可能(単元未満株の売買手数料無料)
※投資にはリスクがあることを正しく認識し、ご自身の判断と責任により行って下さい。
自分で高配当株を選ぶのは大変…!と思うかもしれませんが、個別株の選定が上手になると、ファンドの選定も上手になります(ファンドは個別株の集合体なので、ファンドの中身をちゃんと把握できるようになる)。
最初は手間暇がかかるように感じるかもしれませんが、長い目で見れば、メリットは非常に大きいと思いますね。
それではまたっ!
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