こんな悩みをもつ人向けに、女性総合職の本当の姿をお話ししたいと思います。
「女性総合職」という言葉から連想されるのは
- やりがいがある
- 責任がある
- キャリアウーマン
みたいなイメージかと思います。
でも、そのイメージ、すべての会社・すべての職種にあてはまるわけじゃないんです。
10年超女性総合職としての経歴を持つ私こびと株が、実体験や当事者(友人たち)からのヒアリングをもとに、女性総合職の真実を語ります!
お読みいただいて「これはヤバい」と思われた女性は、ぜひ、会社と職種を慎重に選んで、ブラックな仕事を避けるようにしてみて下さい。(選び方は後半でキッチリご紹介します。)
※ちなみに、女性総合職がブラックになっているような会社・職種では、女性一般職の居心地もよろしくはないと思われます。一般職と総合職の仕事を、きちんと線引きできていないケースが多いからです。
目次
日本の会社は男社会
男女雇用機会均等法が施行されて、30年以上がたちました。
男女雇用機会均等法というのは、ざっくりいうと、
- 採用や昇格などについて、性別を理由に差別してはいけません
- 婚姻や妊娠・出産を理由に、クビにしたり左遷したりしてはいけません
- セクハラやマタハラが起きないように、会社は防止措置をとらないといけません
などというようなことが書いてある法律です。
けれども、いまだにきちんと女性を「総合職扱い」することのできない会社がたくさんあります。
理由は簡単。日本の会社は、今でも男社会だからです!
サラリーマンは男性が多い
総務省統計局の行う労働力調査によれば、2016年時点で、役員を除く雇用者の約47%は女性です。
しかし、その半数以上が非正規社員であり、正規社員に限定すると女性比率は3割程度まで低下します。
管理職は圧倒的に男性が多い
厚生労働省の雇用均等基本調査(令和3年度)によれば、役職者に占める女性の割合は、上位の役職ほど低くなっています。
- 係長級で18.8%
- 課長級で10.7%
- 部長級に至ってはたったの7.8%
です。
女性総合職の仕事=女性一般職の仕事+男性総合職の仕事
男性社会である会社の中では、いわゆる「性別役割分業観」が根強く残っています。性別によって、担当するべき役割や労働は違うよね、という考え方です。
ザックリ単純に言えば、おじさんたちの心の中には「女の子にやらせとけよ」という仕事区分が存在するというわけ。
具体的には、一般職(ほとんどが女性)にお任せしている、細かな事務作業やお茶くみなどの庶務業務ですね。
一方で「総合職がやるべき」という仕事区分も当然あります。
すると、女性総合職は
- 女性一般職の仕事
- 男性総合職の仕事
両方を求められるハメになるのです!
もちろんすべての職場でそうなっているわけではありません。
しかし、そういう職場があるのも間違いのない事実です。(こういう職場を選ばないための方法は後ほど解説します。)
求められる女性一般職的仕事
はい、突然ですがここでランキング発表!
総合職なのに「女性だから」と押し付けられてびっくりしたことランキング!私こびと株と友人たちの会合(ケーキ付)で厳選いたしましたw
- 部署全員分の湯飲み洗い
- 来客へのお茶出し
- 神棚の掃除・榊の水替え
- 年賀状の宛名書き大会
- 郵便の仕訳係
総合職であるにも関わらず、「女性だから」と庶務を押し付けられている。その間に、同期の男性総合職(もちろん一切庶務をやらない)はしっかり仕事を身に着けていく…。
そんなときの焦燥感は、本当に辛いものです。
仕事を言いつける側のおじさんたちには何の自覚もありません。
総合職として働こうという女性に対して、「女の子に頼んどけばいいじゃん」の一言で、派遣さんや一般職社員と同じ庶務を割り当てるのです。
「何のために就職活動を頑張って総合職としての立場を勝ち取ったのか…」と呆然としている友人もいました。彼女は、新入社員時代、くやしさのあまり毎日泣いていたそうです。
求められる男性総合職的仕事
女性総合職の扱い方がわからないおじさん上司たちは、普段は庶務業務の指示ばかりしてきます。
そのクセ、困ったとき(人手が足りない)や評価面談の場では、堂々と「キミも総合職なんだから…」とおっしゃいます。
さらに、この話にはオマケがつきます。時間をやりくりして男性総合職的仕事をがんばろうとした女性がぶつかる障害は…
- 頑張ろうにも、チャンスが少ない(華やかな仕事は男性総合職に)
- 発言すると、「生意気だ」「かわいくない」と言われる
- 社内外の関係先から「キミじゃ話にならないんだよね」という態度をとられる(若い女性の話などハナから聞く気がない)
などなど。男社会も困ったものです。
こんな風に考える人に、ひとつだけ注意点を…。
女性総合職がブラックな状況で働いているような会社では、女性一般職も居心地よく過ごすことはできません。
「女性総合職の仕事=女性一般職の仕事+男性総合職の仕事」になっているということは、つまり、職種による仕事の線引きがされていないということ。
そういう職場では、「それ一般職がやるの!?」と思うような性質の仕事が
- 忙しいから
- 頼みやすいから
- 面倒だから
- なんとなく手が空いていそうだから
- ついでに
という、なんとも乱暴な理由で割り当てられたりします。
一般職で就職するにしても、会社選びには十分注意しましょう。
女性が総合職として尊重されて働くために
さて。ここまで、女性総合職のブラックさについて語ってきました。
ここからは、女性がひとりの総合職社員として尊重されて働くために、どんな会社・職種を選べばいいのかお伝えします!
「女性が総合職として働く」ということになると、
- ワークライフバランス
- やりがいと責任
- 結婚・出産後のキャリアプラン
といった話題がよくでてきます。
でも、ここでとりあげるのは、それよりもっと手前の話。女性が総合職として働く上で、きちんと一人前の人間として扱われるために考えたいことです。
女性総合職は、
- (庶務ばかりやらされて)いつまでたってもスキルはつかず
- まじめに仕事をしようとすると逆風ばかり強く
- 都合のいいときだけ総合職の責任を押し付けられる
という超ブラックな仕事になりがち。
これを避けるためには、
- 働く会社を選ぶ
- 働く職種を選ぶ
の2つに気を付ける必要があります。
女性総合職として、働く会社の選び方
「女性総合職」がブラックな職種になっている会社と、男女がきちんと平等な会社。
世のなかにはどちらの会社もありますが、正直、本当のところは入ってみないとわかりません。
ただ、次のような会社は、女性総合職が尊重されて働ける会社である確率が比較的高いといえます。
- 創業者が若いベンチャー企業
- 外資系の企業
- 海外との取引の多いグローバル企業
- IT系など変化の速い業界の企業
要するに、新しいモノ、海外のモノを受け入れる下地のある企業を選ぶと◎というわけです。
例えばネット系のベンチャー企業なんかだと、女性も男性と完全に対等に働いていることが多いですね。社長が若くて男女平等が当然だと考えているので、それが社員にも浸透しています。
逆に、女性総合職がブラックである確率が高いのはこんな会社です。
- 古き良き日本企業
- オーナー(昔気質のおじいちゃん)の権限の強い中小企業
- 規制の強い業界の企業
古いやり方を守り続け、過去の遺産を食いつぶしながら存続しているような会社には、要注意です。そこで働くおじさん・おじいさん達にとって、時代は昭和で止まっています。
「女性総合職?よく意味がわからんが… ?」という頭の固くなったおじさん・おじいさんがすべてを決める会社で、女性が尊重されて働くなんて、夢のまた夢なのです。
女性総合職として、働く職種の選び方
もうひとつ、女性が尊重されて働くために重要になってくるのが、職種選びです。
会社か職種、どちらかひとつでも正しく選べれば、なんとか働いていけると思います。(イヤな思いはするかもしれませんけれども。)
基準はただひとつ。正誤がハッキリする職種を選ぶこと。例えば
- 法務:法律に書いてあることが正しい
- 経理:会計基準に書いてあることが正しい
- プログラマー:動作するプログラムが正しい
といった職種です。専門職と呼ばれる仕事に多いですね。
正誤がハッキリする職種では、「誰が言った意見か」ではなく「どんな内容の意見か」で採否が決まります。
おじさん上司がいくら男性社員をひいきしようにも、動作しないプログラムを採用するわけにはいきませんし、法律に反する内容を認可するわけにもいかないのです。
おじさん上司も、トラブルが起きて責任をとらされるのはイヤなわけです。すると、男女に関係なく、正解を見つけられる人に重要な仕事を振らざるを得なくなります。
きちんと勉強して正解を示し続ければ、必ず一目を置かれるようになるでしょう。(時間はかかるかもしれませんけれども。)
逆に、正誤のハッキリしない職種は、女性総合職にとってブラックな職種になりがちです。例えば、
- 企画職:正解は世に出してみるまでわからない
- 営業:対人対応に正解なんてない
といった職種です。クリエイティブな仕事にあこがれる女子大生のみなさん、注意してくださいね。
最初の2年くらいは「女だからってバカにされてる」と毎日感じていました。
でも今は、部内に私をナメてかかる人間はいません。
それもこれも、経理は数字で正解がわかるからこそ。経理で本当によかった…!
銀行や保険会社などで「地域総合職(エリア総合職)」という職掌をよくみかけます。
この職掌、タテマエとしては
- 基本的には総合職の仕事をする
- ただし転勤だけはない
- その分給料が安い
ということになっています。
しかしその実態は、総合職というより一般職。
- メイン業務は庶務
- 転勤はない(ことが多い)
- 給料はガッツリ安い
総合職で就職したい女性は、地域「総合職」という言葉に惑わされないようにしましょう!
まとめ:総合職を目指す女子大生へ
必要なことは2つ。
- どの会社が男女平等な会社なのか、正確な情報を手に入れる
- 正誤のハッキリする職種や男女平等な会社を選ぶために、資格をとる
できれば両方、少なくとも片方はクリアしておきましょう!
1つめ。男女平等な会社探し。
入社前にこれを見極めるのは、かなり困難です。
就活は情報戦。情報収集の労力は惜しまないようにしましょう。
このあたりは押さえておきたいですね。全て無料ですから、登録して損はありません。
特にキャリアチケットというサービス(完全無料!)は、プロがマンツーマンでサポートしてくれて、評判も◎です。
カウンセリングでしっかり話ができますから、男女平等の会社にしぼって就活することが可能になるでしょう。実情をしっかり教えてもらった上で、自分にあった会社を選べるわけです。
総合職を目指す女性には、必須のサービスですよね。
登録のひと手間を惜しんで、入社後数十年を棒に振ることのないように気をつけましょう!
2つめは、資格をとっておくこと。
例えばグローバル企業や外資系の企業を目指すなら、TOEICである程度のスコアをとる必要があります。
また、専門職での採用を目指す人は、その分野の専門資格を取得しておきましょう。
おすすめ資格は以下の記事をご覧ください。
本当、在学中に簿記を学んでおいて良かったと思っています。数か月の勉強が、数十年にわたって効果を発揮しますから、コスパは最強ですw
この資格が人生を変えたといっても過言ではないですね。
総合職を目指す女子大生のみなさまが、いきいきと働ける職場環境を手に入れられますように。私こびと株、心からお祈りしております。
それではまたっ!
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