こんな人のための記事です。
以下のことを、具体例を交えて解説していきます。
- 会計士は、かなりストレスの溜まる仕事
- 事業会社への転職で、ハッピーになれるケースが多い
目次
公認会計士のストレス8選
この記事では、監査法人で働く公認会計士のストレスについてご紹介します。
会計士のストレス①クライアント=監査対象
会計士にとって、監査対象の会社は、同時にクライアントでもあります。
つまり、
- 不適切な会計処理がないかチェック
- より適切に処理するよう指導
しなければいけない相手が、お金を払ってくれる「お客さま」でもあるわけです。
大口のクライアントから
なんて言われれば、対応に悩まされること間違いナシ。
これは、監査業務の構造的な問題と言えるでしょう。
- 監査人を選ぶ人
- 監査される人
①と②が同じでは、会計士サイドは、やりにくいことこの上もありません。
会計士のストレス②パートナーとクライアントの板挟み
経理部員として会計士さんを見ていると、同情したくなってしまう場面がしばしばあります。
…数週間後。
みたいな感じですね。
経理部に勤めて10年超になりますが、
- パートナーに突然ハシゴを外されたり
- パートナーとクライアントの板挟みになったり
して、涙目になっている会計士さんを見たのは、1度や2度ではありません。
会計士のストレス③上下関係がキビシイ
ストレス②でご紹介した、パートナーとの関係でもわかるとおり、監査法人はどうやら
部署が多いようです。
- パートナーの手のひら返しにやられるマネージャー
- マネージャーの2枚舌に振り回されるシニア
- シニアの不親切に泣きそうになるジュニア
を、しばしば見かけます。
※そんな状況がクライアントにバレてしまっているのはどうかと思いますが…彼らも大変なのだと思います。
会計士のストレス④新人でも「先生扱い」の裏側は…
確かに会計士さんは、新入社員であっても「先生扱い」されます。
20歳ちょっとの若い頃から、大企業の部長に
なんて言われるのは、悪くないですよね。カッコイイのも確かです。
でも、これは、裏を返すと、新人だろうが若かろうが
- 会計については、なんでも知っていて当たり前
- プロとして答えを出すことを求められる
- 「まだ若いので」は言い訳にもならない
ということ。これは中々、厳しい世界です。
会計実務を何十年もやっている経理部員に、納得してもらえるだけの対応をするのは、決して簡単ではありません。
会計士のストレス⑤知識と実務のギャップ
会計士さんは、会計知識を豊富にもっています。会計士試験でガッツリ問われますから、当然ですね。
けれども、経理の実務では、会計知識のみではなんともならない場面が、どうしても出てきます。
- 試験では問題文に書かれているような、前提条件を決めるのが一番難しい
- 試験には出てこないような、奇妙に複雑な取引が現実には行われる
- 「重要性の原則」で許容できるラインがグレー
- 前任者の判断の理由がわからなくてコメントできない
などなど、実務ならではの悩みがあるわけです。
こういう場面でも、
- センパイたちは忙しそうで、なかなか助けてくれません
- クライアントには、早急な回答を求められます
- トンチンカンな答えをすると、クライアントの対応は目に見えて冷たくなります
会計士のストレス⑥めちゃめちゃ忙しい
監査法人の繁忙期は、激務で有名です。
- 徹夜明け
- 連日タクシーで深夜帰宅
- 休日返上
なんて、毎年・毎四半期の恒例行事。
最近は働き方改革の波で
- 下っ端は、残業規制
→制限時間内に仕事ができなければ、「使えないヤツ」扱い - 中間層は、部下の残業時間管理が査定に響く
→下っ端の残した雑務を、夜な夜な一人でこなす
なんて現実も。
会計士のストレス⑦形式的な業務が多い
監査の現場では
- 会計不正が起きる
- 再発防止のための監査項目が増える
- 作成を要求される監査調書の枚数が増える
- 形式的な作業にとられる時間が増える
という悪循環が起こっています。
実際、私の周りにも、もっと会社側とコミュニケーションをとって、
- 取引の「実態」を聞き出したり
- 財務諸表のあるべきカタチについて議論したり
- 信頼関係の中で必要な指導をしたり
実のある監査をしたいのに、とてもそんな時間は無い…と嘆いている会計士さんは少なくありません。
会計士のストレス⑧将来が不安
会計士さんのストレスの中でも、もっとも重大なのが、これ。将来の不安です。
監査の仕事は、遅かれ速かれAIに代替される運命にあります。
実際、野村総研とイギリスのオックスフォード大学との共同研究でも、会計監査係員は「人口知能やロボット等による代替可能性が高い100種の職業」に名指しされているのです。(㈱野村総合研究所「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」より)
※詳しくは、以下の記事をご覧ください。
- 超難関の国家試験を突破して
- これだけストレスの多い仕事をがんばっているのに
- 将来性が無い
これが、監査業務の現状。
会計士のストレスからの脱出法
監査業務を担当する会計士さんには、ぜひとも検討してほしいことが2つあります。
- コンサル部署への異動
- 事業会社への転職
です。
脱出法①コンサル部署への異動
監査業務には将来性が無くても、会計士に将来性が無いワケではありません。
会計専門家として事業経営に関与する人は、変わらず求められています。
その、一つのカタチが、コンサルタント。
もちろん、コンサルタントにはコンサルタントのストレスがあります。
完全なクライアントワークですから、
- お客さんに振りまわれることは多いし、
- 今までとは違う営業スキルも必要になります。
- 「正解」ではなく「最適」を探すマインドが求められるし、
- 時期によっては監査以上のハードワークを強いられます。
それでも、
- 事業の役に立っている実感がもてる
- オンの時期とオフの時期のメリハリがつく
- 需要の大きい分野で、将来性がある
ので、チャレンジしてみる価値はあるはず。
「合わないな」と思ったら後戻りも可能ですから、まずは一度経験してみるのがおすすめです。
脱出法②事業会社への転職
でも、本当におすすめしたいのは、こちら。事業会社へ転職してしまう方法です。
知り合いの会計士さんも
と話してくれました。
実際のところ、会計士さんの事業会社への転職には、メリットがたくさんあります。
- 事業会社側は大歓迎なので転職活動はラク
- 経理は基本、ホワイトな仕事
- 事業会社に「会計士」は少ないので大事にされる
- 大手なら給料も下がらないし、福利厚生もしっかりしている
- 会計士なら昇進も早いし、手当もつく
- CFOを目指すコースも考えられる
- そしてもちろん、事業会社は無くならないので将来性もバッチリ
という感じです。
まずは一度、転職エージェントに話を聞いてみてください。
具体的には、MS-Japanという管理部門専門のエージェントと話してみるといいでしょう。
MS-Japanなら経理部・財務部・経営企画部といった部署の実情にも詳しいので、「会計士さんが事業会社からどれほど熱烈に求められているのか」リアルな情報を得ることができます。
話をきいて、「なんか違う」と思えば応募しなければいいだけのこと。もちろん無料なので、完全ノーリスクですよ。
「監査業務だけをやる会計士は、ストレスが多くて将来性が無いのでNG」という考え方は同じです。
具体的には
- 会計士になる→監査法人に勤める→事業会社に転職
- いきなり事業会社に就職
のどちらかのプランが良いでしょう。
①は、少し時間がかかります。とはいえ、もしも会計士試験合格が目の前なら、ぜひこちらを選びましょう。
会計士資格は、会計専門家の最上位資格。監査法人での実務経験のある会計士は、事業会社でも引っ張りだこです。
転職はラクになりますし、待遇も良いはず。事業会社就職後も、チャレンジできる業務が増えて、悪くないキャリアになると思います。
これから会計の勉強を始める…という人は、②のプランがおすすめです。
会計に興味があるのなら、まずは事業会社の経理部への就職が最適でしょう。
そのために必要な資格は、簿記1級です。会計士資格は取得に時間がかかりすぎるので、おすすめできません。
会計士のストレスまとめ
会計士は、ストレスが大きい仕事です。
- クライアント=監査対象という、構造的なストレス
- 上下関係やクライアントとの、人間関係のストレス
- 忙しすぎる、長時間労働のストレス
など、各種ストレスを取り揃えています。
会計士試験に受かるような優秀な人材が、ストレスの多い環境に留まりつづける理由はありません。
- 監査法人内の異動:コンサルタントに
- 事業会社への転職:経理・財務・企画系の仕事に
といった脱出方法が考えられます。
まずはともかく情報収集。ストレスの多い日々に疲れているとは思いますが、30分~1時間エージェントと会ってみるだけで、人生のチャンスをつかめるかもしれません。
相談は無料ですし、気がのる案件がなければ転職しなくてOKです。ノーリスクですので、ぜひ一度、情報だけは集めておきましょう。
それではまたっ!
※関連記事です。
Follow @kobito_kabu