こんな疑問に答えます。
- 現役の経理部員
- 経理歴は10年以上
- 簿記との付き合いは15年以上
- 日商簿記検定1級保有
目次
簿記3級では就職は有利にならない【これが現実】
結論から言うと、「簿記3級で就職が有利になる」は甘い!ですね。残念ながら、基本的には有利になりません。
簿記の知識で就職を有利にできる場面は2つあります。
- 就職先を選ぶ
- 選考を受ける
の2つです。
でも、どちらの観点でみても、簿記3級はレベル不足なのです。
就職先選定:有利にならない
簿記の知識があって財務諸表を読むことができれば、就職先候補の状態を正しく見極めることができます。
- 利益はどれくらい出ているのか?
- 人におカネをかける会社か?
- すぐ潰れたりする危険はないか?
- 最近は伸びているのか?下降気味なのか?
といったことを、ウワサや雰囲気ではなく、数字を使って読み解くことができるというわけです。
そうはいかないのが残念なところ。簿記3級では、財務諸表の読み解きレベルがイマイチ足りていないのです。
簿記3級だと、現実に社会に出ている財務諸表の重要なポイントをまだまだ勉強できていません。
- 連結
- 退職給付
- 税効果
- のれん
といった、財務諸表に大きな影響を与える論点について、未学習な状態だからです。
選考試験:有利にならない
こちらも、なかなかそうはいかないのが残念なところ。
もちろん、
- 学生のうちからビジネススキルに目を向けた意欲
- 実際に資格勉強に取り組んだ事実
- 合格までこぎつけた実績
といった点は、アピール次第では評価してもらえる可能性もあります。資格欄が真っ白な学生に比べれば、多少印象はよくなるかもしれません。
とはいえ、簿記3級は
- 知識のレベルが物足りない
- 比較的カンタンに取得できると知られている
という理由で、「就職が有利」とまでは言えないのが現状です。
簿記で就職を有利にしたいなら【王道】
こんな人のために、簿記で就職を有利にする方法をご紹介します。
簿記2級を取れば、確実に有利に!
王道は、簿記のスキルを上げていくこと。
簿記3級と簿記2級では、資格の価値が全然違います。簿記2級までクリアした途端に
- 公表されているメインの財務諸表の基本、連結会計がわかる
- 高いレベルの会計知識を持っていると思われる
というわけで、就職は確実に有利になります。
簿記2級が「企業が応募者に求める資格ランキングトップ10(㈱リクルートキャリア)」で第1位を獲得しているのもその証拠です。
今後、ビジネススクールでMBA(経営学修士)を取りに行きたい!というようなエリートさんは、将来的に必ずアカウンティング(会計学)の授業を受けることになります。
簿記2級を学んでおくと、土台としてはばっちりです。ビジネスパーソンとして、学んでおいて損することはありません。
合格率は、平均すると3割程度。手軽な試験とは言えませんが、きちんと勉強すれば高校生でも受かる試験です。
簿記3級をもっているあなたは、既に周りの人より一歩も二歩もリードしている状態。せっかくの基礎知識、就職で使えない3級のままにしておくのはもったいないですよ。
ぜひ2級にチャレンジして、就職活動を有利にすすめましょう!
ちなみに、最近の簿記2級は合格率20%を切ることもあり、ただひたすらに難化傾向にあります。10年前の感覚でいると痛い目にあいます。
※連結とか税効果とか難しい論点が入ってるし、ルール改正も多いですからね…
絶対に、そして効率的に受かりたいのなら、オンライン資格スクールのクレアールがおすすめ。
「合格に必要な範囲だけを勉強する」のが特徴のスクールで
- 効率重視で合格したい
- 忙しくて時間がない
- 費用を抑えて取り組みたい(大手より20~40%くらい安いです)
という人に向いています。「満点」ではなく「合格」をねらうイメージですね。大手と違ってリアルな教室を持たない分、受講料が割安です。
教材の質はとても高いので、その点は不安にならなくてOKです。
WEB通信での学習が基本なので、スマホ学習でスキマ時間を活用できますし、早見再生で時間短縮もできます。音声のみのデータも用意されています。
※資料を請求すると、無料でサンプル教材がもらえます。見てから決めればOKなので、とりあえず請求だけしておきましょう。
簿記1級まで取れば、切り札レベルに。
ちなみに、さらに進んで簿記1級まで取得すると、就職活動ではジョーカー的に使うことができます。
簿記1級は、難関資格です。合格率は10%前後ですし、勉強時間は500~1,000時間程度必要です。
とはいえ、だからこそ価値の高い資格でもあります。就職に不安のある人は、一度チャレンジしてみると良いかと思います。
※ちなみに、独学で簿記1級を学ぶと、きっと後悔します。全くおすすめできませんので、ご注意くださいね。
簿記3級で就職を少しでも有利にする方法【そこをなんとか】
確かに、3級とはいえ、資格は頑張って勉強をした成果です。せっかく持っているのですから、ちょっとくらいは評価されたいですよね。
そんなときのポイントは、アピールの仕方を工夫すること。
- 他の資格と組み合わせる
- 他の経験と組み合わせる
- 次のステップに向かう途中だと示す(例:簿記2級を勉強中)
といった見せ方です。掛け算の発想が重要ですね。
具体的なアピール方法は、
- 人によって
- 応募企業によって
違ってきます。
1人で考えても的外れなアピールになりがちなので、就職のプロであるエージェントの力を借りるのが良いでしょう。
※昔はこのサイトで就職相談を受けていたのですが、問い合わせが増え過ぎて対応しきれなくなりましたw
キャリアチケットなんかは、無料でマンツーマンサポートが受けられるのでおすすめです。プロ渾身のアピールで、持てる力を最大限に活かしましょう♪
※的を外したアピールをすると、マイナス印象のパターンも有り得ます。簿記3級のまま就職活動をするなら、必ず一度はエージェントに相談してみてくださいね。
プロのエージェント「キャリアチケット」を使うメリット・デメリット等は、以下の記事をご覧ください。
まとめ:簿記3級で就職を有利にするのは、結構難しい
簿記3級だけで就職を有利にするのは、難しいです。
対策は2通り。
- 【王道】簿記のレベルを上げる
- 【おまけ】アピールを工夫する
もちろん、おすすめは王道(①簿記のレベルを上げる)の方。簿記2級は価値ある資格ですし、簿記1級なら就活をかなり有利にすすめられます。
無い内定の恐ろしさを思えば、今のうちにちょっぴり頑張っておくのも、悪くない選択だと思いますよ。
どこに就職するかによって、その後の生活がガラリと変わることは間違いがありませんしね。
どうしても簿記3級を活かしたければ、②アピールを工夫することで+αの加点くらいは得られるかもしれません。
オマケ程度の効果でも、あるのとないのとで合否が分かれることもありますから、持っている武器は全部使って就活に挑んでくださいね。
キャリアチケットで就活のプロと一緒に、アピール方法の作戦を練ってみてください。きっと、良いアドバイスが得られることでしょう。
それではまたっ!
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