こんな人のための記事です。
簿記1級保有の現役経理部員の私フルーツが解説いたします。
- 初級はカンタン。でもあんまり使えない。
- 3級は基礎の基礎。ビジネスパーソンのたしなみ。
- 2級は結構すごい。専門家の入り口。
- 1級は難関資格!就職・転職の切り札に。
簿記の勉強方法などについてチェックしたい方は、以下の一覧から、気になる記事を選んでクリックしてみてくださいね!
すべて日商簿記検定についての解説です。受験者数や受験者層の観点から、全経簿記能力検定(年間受験者約6万人)や全商簿記実務経験(受験者の99.5%が高校生)の受験はおすすめしません。「とるなら日商簿記検定!」です。
※おすすめしない検定と、おすすめできない理由
・全経簿記能力検定:受験者数が少ない(日商が年間約44万人に対し、全経は年間約6万人)
・全商簿記実務検定:受験者の99.5%が高校生
簿記のレベル①試験のレベル
試験のレベル:簿記初級(旧:簿記4級)
一言でいうと、まぁまぁカンタンです。
- 受験者数:年間2千人前後
- 合格率 :43%程度(過去5年平均。各回は25%~50%)
- 試験頻度:年3回(2月・6月・11月)
- 試験時間:40分
- 試験形式:ネット試験
- 勉強時間:60~70時間程度(目安)
試験問題に決算処理に関する問題を含まないという特徴があります。試験範囲等からすると、簿記3級の6~7割程度の難易度と言えるかもしれません。
平日1時間&休日5時間の勉強時間が確保できれば、1~2ヶ月で十分合格圏内だと思われます。
3級の勉強を始める前に、ざっとテキストに目を通しておくくらいで十分でしょう。
試験のレベル:簿記3級
きちんと勉強すれば、誰でも合格できるタイプの試験です。
- 受験者数:年間30万人以上
- 合格率 :43%程度(過去5年平均。各回は35%~50%)
- 試験頻度:年3回(2月・6月・11月)
- 試験時間:120分
- 試験形式:筆記試験
- 勉強時間:50~100時間程度(簿記に初めて取り組む場合の目安)
簿記の基礎力が問われます。
- 勉強時間を短くしたい
- きちんと内容を理解して合格したい
(2級以上にステップアップしたい人は必須)
という人には、スクールの利用がおすすめです。
特に、理解の深さと時短のバランスがいいクレアールを利用するとかなり効率的。その濃縮されたテキストは「薄い」ことで有名で、忙しい人でもキッチリ理解して合格できるように作られています。
※資料請求すると、無料で講義のサンプル教材がもらえます。利用するかどうかは内容をチェックしてから決めればOKなので、とりあえず請求だけしておくのが良いでしょう。
試験のレベル:簿記2級
ちょっと頑張らないとだけど、合格すればバッチリ使える。コスパのいい試験です。
- 受験者数:年間20万人前後
- 合格率 :26%程度(過去5年平均。各回は10%~50%)
- 試験頻度:年3回(2月・6月・11月)
- 試験時間:120分
- 試験形式:筆記試験
- 勉強時間:150時間程度(3級取得済の場合の目安)
3級と比べると、難易度がグッと上がります。本支店会計や連結会計などが入ってきます。また、工業簿記も出題範囲になります。
つまずきやすい論点も少なくないので、スクール利用がおすすめです。独学は、お金の代わりに時間がかかります。
こちらも基本的にはクレアールがおすすめですが、通学で講義を受けたい人は大原も選択肢になります。(クレアールはWeb講義のみなので。)
大原は、講師が非常に優秀で魅力なのですが、費用は高めなのが難点です。
試験のレベル:簿記1級
国家試験並みの難関試験です。
- 受験者数:年間2万人前後
- 合格率 :10%程度(過去5年平均。各回は5%~15%)
- 試験頻度:年2回(6月・11月)
- 試験時間:180分(90分×2)
- 試験形式:筆記試験
- 勉強時間:500~1,000時間程度(2級取得済の場合の目安)
1級はかなりの難易度です。(その分希少価値がありますから、合格するとメリットも大きいです)
合格を目指すならスクール利用が王道です。2級と同じく、クレアールか大原を使いましょう。
というイメージです。
簿記のレベル②知識のレベル
知識のレベル:簿記初級(旧:簿記4級)
一言でいうと、簿記の初歩の初歩がわかるレベルです。
試験の主催団体である日本商工会議所によれば
簿記の基本用語や複式簿記の仕組みを理解し、業務に利活用することができる。
というくらいですね。(太字は筆者)
実際のところ、経理部では
という見られ方をします。
知識のレベル:簿記3級
一言でいうと、簿記の基礎はクリア!というレベルです。
日本商工会議所によれば
ビジネスパーソンに必須の基本知識。経理・財務担当以外でも、職種にかかわらず評価する企業が多い。
基本的な商業簿記を修得し、経理関連書類の適切な処理や青色申告書類の作成など、初歩的な実務がある程度できる。
小規模企業の経理事務に役立つ。
というくらいですね。(太字は筆者)
経理担当者以外のビジネスパーソンであれば、このレベルでも悪くないかもしれません。
実際のところ、経理部では
という見られ方をします。
知識のレベル:簿記2級
一言でいうと、専門家の入り口!というレベルです。
日本商工会議所によれば
経営管理に役立つ知識として、最も企業に求められる資格の一つ。企業の財務担当者に必須。
高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できる。
高校(商業高校)において修得を期待するレベル。
というくらいですね。(太字は筆者)
実際のところ、経理部では
という見られ方をします。
知識のレベル:簿記1級
一言でいうと、簿記の勉強は完了!というレベルです。
日本商工会議所によれば
公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門。合格すると税理士試験の受験資格が得られる。
極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析ができる。
大学等で専門に学ぶ者に期待するレベル。
というくらいですね。(太字は筆者)
実際のところ、経理部では
という見られ方をします。
簿記のレベル③就職・転職活動でのレベル
就職・転職活動でのレベル:簿記初級(旧:簿記4級)
ハッキリ言うと、履歴書には書かない方がよいレベルです。
仕事に使うという観点では、知識レベルがまだまだ足りません。また、試験自体も難しいものではありませんので、「努力」や「地頭の良さ」をアピールするにもイマイチです。
就職・転職活動でのレベル:簿記3級
アピール次第ではプラスアルファとして評価されるレベルです。
- 金融業界(銀行の法人営業など)への就活
- 経理以外の事務職採用
といったシーンで、会計知識の基礎があることをアピールするには悪くありません。
就職・転職活動でのレベル:簿記2級
学生の就職活動はもちろん、転職活動でもしっかり評価されるレベルです。
- 最も企業に求められる資格と言われています
- 新卒の専門職採用でも、資格欄が輝きます
- 未経験からの経理転職にも、チャンスが出てきます
- 経験者の転職でも、「知識レベルはOKだね」と思われます
就職・転職活動でのレベル:簿記1級
経理部採用において、切り札(ジョーカー)になるレベルです。
- 就職・転職活動を有利に進められる
- 他に少々欠点があっても、見逃してもらえる
- 経理部採用で、最も評価が高い
簿記1級は、そんなレベルの資格です。
実際私は簿記1級によって
- 就職活動:ESと面接に難があっても、倍率100倍の会社の内定獲得!
- 転職活動:優良企業の面接で、「面接でなくて勧誘です」と言われる(※)
という経験をしました。(※転職活動では、簿記1級+実務経験が活きたと思われます)
※税理士・会計士は「高ーい給料を払わないといけない」「独立・転職(監査法人へ)志向の人が多く、長く働いてくれない」というイメージを持たれているせいです。
簿記のレベルまとめ:簿記は2級以上が強い!
簿記のレベルは、ざっくり言うとこんな感じ↓です。
- 初級はカンタン。でもあんまり使えない。
- 3級は基礎の基礎。ビジネスパーソンのたしなみ。
- 2級は結構すごい。専門家の入り口。
- 1級は難関資格!就職・転職の切り札に。
今は、「スキマ時間を使ってスマホで勉強!」なんてことができるので、とってもお手軽ですよね。
それではまたっ!
簿記の勉強方法などについてチェックしたい方は、以下の一覧から、気になる記事を選んでクリックしてみてくださいね!