こんな質問にお答えします。
私は、新卒で一部上場企業に入社後、経理・財務で一貫して10年以上の実務経験がある現役の経理マンです。簿記1級や証券アナリスト、TOEIC800点オーバーなどを取っているいわゆる意識高い系です(*ノωノ)
部内には銀行出身者もいますので、参考になるかと。
いきなりですが、これが結論。
- 全然アリ。銀行員と経理は相性良し
- 20代なら全然チャンスあり
- 30代になると途端に厳しい
※転職に向けた具体的なステップ・アドバイスも、記事の後半に記載しています。
目次
銀行員から経理への転職がアリな3つの理由
銀行員から経理への転職がアリだと思うのは、こういう理由です。
スキルがマッチしている
銀行員(特に法人担当)は、下記のようなスキルセットを持っていることが多いです。
- 会計知識(簿記)
- 財務、法務、税務に関する知識(銀行業務検定)
- 金融用語に関する教養(証券外務員)
- ファイナンスの知識
- 金融法制に関する知識
- リスクマネジメントに関する知識…etc
銀行は、資格・研修が大好きな業界です。銀行の中にいると気がつかないかもしれませんが、多くの社会人は資格の勉強なんてやりません。
そして、規制の厳しい銀行業界にいるからこそ、銀行員は法令順守に対する意識が非常に高い傾向にあります。
こういった姿勢は、経理への転職に有利に働きます。経理の世界も、ルールを守ってナンボの世界だからです。
本人の性格が経理に向いていることが多い
そもそも、卒業後に銀行への就職を選ぶ人はこういう性格の人が多いです。
- マジメ
- 保守的
- 努力家
- 安定志向etc…
そして、経理マンにも似たような人が多いです。縁の下の力持ち的なポジションで力を発揮するタイプですね。
出世欲の強いバリバリのチャレンジャーは、銀行で勝ち残る道を選ぶでしょう。
そういう人は経理には向かないと思いますが(成果主義ではないので)、銀行での出世競争に疲弊している人はむしろ経理向きかなと思います。
弊社にいる銀行出身の経理マンは
- 物腰が低く誰にでも丁寧で
- 電話対応や外部業者に対する応接が上手く
- 実直な仕事ぶり
をとても評価されています。信頼を絵に描いたようなキャラクターですねw 数字アレルギーが一切ないのもGOODです。
※経理に関する向き・不向きについてはこちらの記事をご参照ください。
一般企業からの印象も良い(履歴書がきれい)
私も中途採用者のレジュメを見ることがあるのですが、銀行出身者はおしなべて安心感がありますね。大企業では年齢が高めの人が採用権限を握っていますが、彼らからの評価も高いです。
- アヤシイ奴はそもそも銀行で採用されないし
- 優秀で(扱いやすい)組織人が多いし
- 勉強に対するアレルギーもない
こういう印象を持たれているわけですね。
実際のところどうかは分からないわけですが、有利に働く印象なので「そんなことないよ!」と声を荒げて反論する必要もないでしょう。あくまでイメージの問題です。
銀行員から経理への転職はアリだが、年齢制限は割とシビア
というわけで、相性バッチリの銀行員→経理への転職に見えますが、いいことばかりではありません。
それは、年齢制限が厳しいことです。
- 20代→余裕でチャンスアリ
- 30代→いきなり厳しくなる(実務経験の内容による)
銀行業界もそうだと思いますが、会計業界も「未経験者に厳しい業界」です。
ひとたび経験者になってしまえば、そのあとの転職はだいぶイージーになるのですが、とにもかくにも未経験者→経験者になるときがハードモードです。
20代は余裕でチャンスあり
20代では余裕でチャンスがあります。
- そこそこの大学を卒業後
- 23歳で銀行に入って
- 5年間働いて28歳で経理にキャリアチェンジ
こういうパターンでの転職は、それほど苦労しないと思います。スキルセットもポテンシャルも十分ですから、企業サイドとしては邪険に扱う理由がありません。
20代というと、自社で新卒採用した経理マンも別にそこまで育っていません。彼らと並べても大きな差はついていないですし、他業界からの新しい風を入れてもらうことによるシナジーも期待できます。
30代になると途端に厳しい
ところが、30代になると途端に厳しくなります。なんでやねんと思うのですが、それが市場経済なのでしょうがないですね(-_-メ)
- 30歳ならまぁいいか
- 31歳でギリギリOK
- 32歳だとうーん…でもまぁもしすごく魅力的な人なら…
- 33歳はキツいわぁ
みたいな、謎の小刻み判断が入ります。年齢そのものというより、他業界・他社で染みついた長年のクセみたいなものが嫌がられるのも、この年代からです。
もし未経験から(大企業経理への)30代以降の転職を成功させたければ、なんとしても
- 簿記1級
- TOEICハイスコア
- 経理に関連した(無理やりのこじつけでもOKです)実務経験
のいずれか(もしくは全部)が必要になります。③のアピールの仕方が重要ですね。
いかに「完全未経験者ではない」と言えるか。そこがポイントになります。このへんをいかにアレンジできるかが、転職エージェントさんの腕の見せ所と言えるかもしれません。
銀行員から経理へ転職するために必要な3ステップ
STEP①:書類スペックを確認する
未経験から経理への転職の場合、簿記2級は最低限必要です。
経歴・学歴や年齢などに不安がある場合には、さらに簿記1級やTOEICで補いましょう。
※ちなみに、スキルと年収に強い関係があると思っている人がいたら、それは半分正解で半分間違いです。経理における年収の真実についてはこちらをご参照ください。
ちなみに、労働市場においては「年収が高い=優秀」と見られます。もしあなた会社を経営しているとして
- 前職の年収が350万円の人
- 前職の年収が450万円の人
の2人が求人に応募してきたら、後者の方が優秀に感じることでしょう。だから、本気で転職を考えているのなら、現職の年収を聞かれた時に
- 残業代MAX想定の見込み年収で答えるか
- 実際に転職1年前に残業しまくって源泉徴収票の年収額をアップさせておくか
しておくと良いかもしれません。バカバカしく感じるかもしれませんが、割と効果があったりします。
STEP②:転職エージェントに登録する
書類スペックよりも重要なことは「市況」です。いくら優秀でも、求人がなければどうにもならないからです。
ちなみに、今は経理の転職市場が熱いです。ここ数年で一番の売り手市場になっていますね。
圧倒的なおすすめは、次の2つのエージェントを使うこと。
管理部門特化のMS-Japanで狭い範囲を攻めて、マイナビAGENTでは優良企業の取りこぼしがないようにもう少し広めにカバーしておくイメージです。
マイナビAGENTは日系大手に強いので、大企業志向の人は選ばない理由がありません。
ぶっちゃけた話をすると、評判の良いところならエージェント会社自体にそこまで大きなアタリハズレはありません(もちろん、強み弱みはあるのですが。)
しかし、あなたの担当につくエージェント(人間)には明確なアタリハズレがあります。
転職エージェントを使うときのコツはこの2つということです。
- 評判が悪い(無理やり人を転職させて売上を伸ばそうとする零細)エージェントを避ける
- 評判の良いエージェントを2社以上使う
※最低でも2社に登録する理由は、セカンドオピニオンをとらないと、案件は本当にこんなものなのか?担当エージェントの言っていることがまともかどうか?こういった比較ができないからです。
マイナビAGENTとMS-Japanは自信を持ってすすめられるエージェントです。
万が一この2社のエージェントがダメだったなら、リクルートエージェントなどのほかの大手を使えば良いでしょう。
なお、企業目線で見ると、転職サイトより転職エージェントを使った方が採用コストが高くつきます。
転職サイトにしか求人を載せてない企業は、採用にお金をかける余裕がないということ。
こういった面からも、転職エージェントを使った方が良いですね。
※経理という職種のすばらしさをあらためて確認しておきたい方はこちらの記事をどうぞ
なお、銀行から経理への転職する際の重要ポイントはこの3つです。この3つを転職エージェントの方とじっくり練り上げてください。
- 銀行で担当していた業務(融資先の財務状態チェックや、債権管理など)を経理業務と絡めて、完全未経験者ではなく「経理っぽい業務の経験者」だということ
- 銀行で培った能力(リスクマネジメントや、顧客との折衝・コミュニケーション力)が事業会社でも活かせるということ
- 今後、付加価値のある経理業務に取り組みたいということ(※)
※付加価値のある経理業務については、下記の記事を参考にしてください。
STEP③:運と縁が味方するまでひたすら粘る
あとは、運と縁が向くまでひたすら粘りましょう。
- 運が良ければ1ヵ月で終わりますし
- 縁がなければ半年かかるかもしれません
- もしかしたら、いったん諦めたあと、1年後にいきなり良縁があるかもしれません。
在職中の転職活動というものは、完全にノーリスクです。いいところが見つからなければ転職しなければ良いだけの話ですからね。
時間がムダになるじゃん!
という考え方もあると思いますが、自分を見つめ直す良い機会だと思えば、必ずしもムダではありません。転職活動をしてみることで、現職の良さを再認識できるかもしれませんしね。
まとめ:銀行員から経理への転職は多いにアリ!経理業界へのキャリアチェンジお待ちしています
- スキルがマッチしている
- 本人の性格が経理に向いていることが多い
- 一般企業からの印象が良い
20代では余裕でチャンスあり。30代では若干難易度はありますが、
- 完全未経験者ではないこと(銀行の業務は、何かしら経理っぽいものがあります)
- 銀行で培ったスキルが経理に活かせること
- 付加価値の高い経理業務を認識できていること
これらをうまく伝えられれば十分に可能性はあります。
自分の書類スペック・実務経験をもとに経理へのキャリアチェンジが可能かどうかは、経理市場に詳しいエージェントに必ず相談しましょう。
このブログには、
- エージェントから提案された3つの求人のうち、どれが良いと思いますか?
といった相談がよく来ます。本気で経理にキャリアチェンジしたい人には喜んで相談に乗りますので、遠慮せずご連絡くださいv
それではまたっ!
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