「経費で落とす」の勘違い あるある3選【経理のプロが教える】

サラリーマン
「経費で落とす」って、いいよねぇ。自営業の人は、経費使い放題でうらやましいな~

こんな人のための記事です。

 

みなさん、「経費で落とす」と聞くと、どんなイメージを持ちますか?

  • いいね!
  • いっぱい使っちゃえ!
  • オトクだね!

といった感じでしょうか。

 

この記事では、その「経費で落とす」について、

フルーツ
サラリーマンが、やりがちな勘違いを3つ!

を解説していきます。

  • 副業を始めた(始めたい)サラリーマン
  • 独立を狙っているサラリーマン
  • フリーランスの友人がいるサラリーマン

といった方の、お役に立つ内容をサッと解説しますので、ぜひ目を通しておいて下さいね。

 

ちなみに、筆者の私フルーツは、経理歴10年超の経理のプロです。

そして同時に、副業としてブログをスタートしてから約4年(=自分の事業で”経費”を使い始めて約4年)が経ちます。

フルーツ
個人事業は楽しい!でも、”経費で落とす”には要注意!

 

「経費で落とす」の勘違い①それってタダってことだよね!

サラリーマン
コレ、フルーツの事業の経費で落ちるんだよね?わーい、タダ飲みっ!最高♪
フルーツ
待って!待って待って!経費で落とすって、タダになるってことじゃないよ!?
サラリーマン
え…?

 

会社員(サラリーマン)から見た「経費で落とす」

そもそも、サラリーマンにとって「経費で落とす」というのは、「会社が費用を負担してくれる」という意味です。

だから、「経費で落とせば自分のお金は減らない(=タダ)」という感覚は、間違っていません。

サラリーマン
そうそう。経費で落ちる飲み屋代とか交通費とか、ボクのお金は1円も減らないよ!
フルーツ
その通りです。サラリーマンが言う「経費で落とす」は、「個人負担額ゼロ(=タダ)ってこと」で正しいのです

 

個人事業主(フリーランス)から見た「経費で落とす」

では、フリーランスの場合はどうでしょう?

サラリーマン
フリーランスだって、「経費で落ちる」っていう言う以上は、タダなんじゃないの?

フリーランスの場合、「経費」とは言っても、その支出を負担してくれる人はいません。

事業の運営主体が自分自身である以上、経費(=事業に必要なお金)を負担するのも自分自身です。

フルーツ
だからフリーランスの場合、経費を使うとお金は減ります。ココは大事なポイントなので、勘違いしないように気を付けましょう♪

 

「経費で落とす」の勘違い②経費は使った方がトクだよね!

サラリーマン
そうは言っても、経費は使った方がオトクなモノじゃないの?

 

常に大特価 3割引きセール

フリーランスが、ボールペンを買う場合について考えてみましょう。

  1. 経費で落とす場合
  2. 経費で落とせない場合

それぞれ、どんな違いがあるでしょうか。

 

①経費で落とす場合のイメージは、こんな感じです。

  • 事業で上がった収益(例えば1,000円)があって
  • そこから、ボールペン(例えば100円)を購入し
  • 手元には、900円が残る
  • 残った900円に、税率(例えば30%)をかけて
  • 270円(900円×30%)の税金を納める
  • 最終的には、630円(900円-270円)が残る
フルーツ
結局、1,000円稼いで、手元に残るのは630円+ボールペンというわけです。

 

一方、②経費で落とせない場合のイメージは、こんな感じ。

  • 事業で上がった収益(例えば1,000円)があって
  • そこに、税率(例えば30%)をかけて
  • 300円(1,000円×30%)の税金を納める
  • 手元に残った700円(1,000円-300円)から
  • ボールペン(例えば100円)を購入し
  • 最終的には、600円(700円-100円)が残る
フルーツ
結局、1,000円稼いで、手元に残るのは600円+ボールペンというわけです。

 

サラリーマン
①経費で落とす場合と、②経費で落とせない場合で、30円差がついたね!

そうなんです。

経費で落とすと、買ったモノの値段(100円)×税率(30%)分だけ、税金が減ります

だから、①経費で落とせるお買い物は、②経費で落とせないお買い物に比べて、税率分だけオトク!手元に残るお金が多くなります。

仮に、税率を30%とするのなら、フリーランスが経費で落とせるお買い物をするときは、常に30%引きということになります。

フルーツ
ちなみにこの税率は、たくさん稼いでいる人ほど高くなるように設定されています。だから、経費で落とすお買い物は、稼いでいるほどオトク度が高くなるわけです

 

注意点①「セールだから」買う人はお金が貯まらない

結局、フリーランス的には

  1. 買い物をしない
  2. 経費で落とせる買い物をする
  3. 経費で落とせない買い物をする

の順番で、手元にたくさんのお金が残ります。

 

サラリーマン
ふむふむ。経費で落とすと、経費以外で買うよりはオトクだけど、タダじゃない(お金が減る)っていうことなんだね!

その通りです。

だから、

  • 経費だからオトクだぜ♪
  • オトクなんだから、どんどん使おう♪

なんて思っていると、お金はどんどん減っていきます。

フルーツ
経費で落とせるなら、実質3割引程度でお買い物ができて確かにオトク。でも、3割引きだからってなんでもかんでも買ってたら、お金は決して貯まらないわけです

お金が貯まらない人の悪い「質問」あるある5選【いくつ当てはまる?】

2020.07.24

 

注意点②利益がなければ悲劇です

サラリーマン
経費で落とせば常に割引きか…タダじゃないにしても、十分魅力的だよな…

「常に割引」。

確かに魅力的な響きですよね。

しかもこの割引率、平均年収くらいの人で15%~20%程度、年収の高い人なら50%近い数字になることも。

 

フルーツ
とはいえ、注意すべきは「事業が黒字の場合に限る」という点!

さきほどのボールペンの例で、「収益がゼロだけどボールペンを買う」という場合のイメージを考えてみましょう。

 

①経費で落とす場合のイメージは、こんな感じです。

  • 事業で上がった収益はゼロ
  • どこかから借りてきた100円借りてきて
  • ボールペン(100円)を購入すると
  • 100円の赤字になる
  • 赤字のときは税金を納めなくて良いので
  • 税金は0円になる
  • 最終的には、100円の借金が残る
フルーツ
結局、手元に残るのは100円の借金+ボールペンというわけです。

 

一方、②経費で落とせない場合のイメージは、こんな感じ。

  • 事業で上がった収益はゼロで
  • そこに、税率(例えば30%)をかけて
  • 税金は0円(0円×30%)になる
  • どこかから借りてきた100円借りてきて
  • ボールペン(100円)を購入すると
  • 最終的には、100円の借金が残る
フルーツ
結局、手元に残るのは100円の借金+ボールペンというわけです。

 

サラリーマン
あれ?経費でも、経費じゃなくても一緒だぞ?割引になってない?

経費で落とすことでオトクになっていたのは、税金を減額することができたから。

そもそも事業が赤字で納付すべき税金がなければ、税金減額の効果は得られません。

サラリーマン
ちゃんと利益の出る事業をやらないと、経費で落としても意味ないってことなのか…

 

※ここで説明している経費の処理や税金の計算は、あくまで、経費について理解しやすくするための”イメージ”です。「赤字でも納めるべき税金はあるだろう!」「税率30%って何の想定だ!」みたいなツッコミはご容赦下さい(笑)

 

「経費で落とす」の勘違い③領収書・レシートがあればなんでもイケるよね!

  1. サラリーマン:会社の経費で落とせるなら、個人負担額はゼロ
  2. フリーランス:事業の経費で落とせるなら、個人負担額は割引
サラリーマン
ざっくりこういうコトだよね!…とはいえ、サラリーマンは会社の規定に縛られまくってるけど、フリーランスなら何でも経費で落とせるんじゃないの?

 

基本の考え方:「事業に必要」と説明できるもの

フリーランスは、どんなものでも経費で落とせる。

フルーツ
こういう誤解をしている人、時々いるんです。

 

でも当然、何でもかんでも経費で落とせるわけではありません

基本的な考え方としては「事業に必要なモノ」なら経費で落とせます。

反対に、「事業に必要とは言えないモノ」は経費では落とせません。

  • 飲み代
  • カフェ代
  • 手土産代
  • 電子機器代
  • 家具代 …etc.

支出した項目ひとつひとつについて、「これは事業に必要なモノか?」それとも「事業に必要とは言えないモノか?」を判断して、経費かどうかを判別していかなければいけないんです。

 

例えば、カフェでのコーヒー代。

カフェで何をしていたのかによって、経費で落とせる可能性も、落とせない可能性もありますよね。

  • 取引先と打ち合わせをしていた
  • 仕事のメールを売っていた

といった場合なら、経費で落とすことができるでしょう。

一方で、友達とおしゃべりをしていたとか、趣味の読書を楽しんでいたといった場合には、経費で落とすことはできないわけです。

 

サラリーマン
領収書があればいいって聞いたんだけど、そうじゃないの?

領収書は、「いつ何を買って誰にいくら払いました」ということを示す証拠として必要です。

でも、領収書があっても、事業に必要のないモノなら、経費では落とせないことに変わりはありません。

 

会社員(サラリーマン)から見た、経費のリスク

サラリーマン
うーん。どういうのが経費で落とせて、どういうのが経費で落とせないのか、イマイチ分かりにくいなぁ。…とりあえずやってみちゃダメ?会社でもそうしてるんだけど。

サラリーマンが、経費で落とせそうかどうかハッキリ分からないとき、「とりあえず経費として申請してみよう」というのは、時々あることかもしれません。

このとき、サラリーマンが負っているリスクは、それほど大きなモノではありません。

サラリーマン
うん。経費にならないとしても、ちょっと経理に怒られるくらいかな~。

 

個人事業主(フリーランス)から見た、経費のリスク

一方で、フリーランスが、経費で落とせそうかどうかハッキリ分からないときに、「とりあえず経費として処理しておこう」というのは、

フルーツ
サラリーマンの経費申請に比べると、ハイリスクかも

な行動です。

なぜなら、「これは経費で落とすべきモノではない」というときに、怒ってくるのは

  • ×経理部の人
  • 税務署の人

だからです。(笑)

サラリーマン
ぜ、税務署か…。ちょっと怖いな…。

 

フリーランスのところに税務調査が入る可能性は高くありません(0.3%以下と言われています)。

また、例え間違いがあっても大きな問題にはならないケースがほとんどです。

とはいえ、

  • 適当な処理
  • 安易な処理
  • 不誠実な処理

を重ねていれば、税務署の人の目だって厳しくなります。

過少申告加算税・延滞税・重加算税といった、罰金的な税金を課される可能性も出てきます。

サラリーマン
「とりあえず全部経費にしちゃえ!なんだってイケるだろ!」みたいのは危なすぎるってことか…

 

私たちの場合:経費にするモノ・しないモノ

サラリーマン
ふーん。どうせ使うお金なら、経費で落とした方がオトクだけど、事業に必要なモノじゃないとダメで…意外と難しそうだね…

フリーランスとして事業を始めると、

  • 何が経費で落とせて
  • 何が経費で落とせないのか

というのは、意外に頭を悩ませる点です。

 

税務署にビビって、経費で落とせるモノを経費で落とさないのは、「確実に損するやり方」です。

一方で、「本当は事業に必要なモノじゃないけど、バレないだろう」と考えて

  • 友達とのカフェ代
  • 友達との飲み代
  • 遊びに出かけたときの交通費
  • 観光旅行の宿泊費

なんかを経費で落とし始めると、

フルーツ
いつかきっと痛い目を見ます。

 

細かいルールが色々とあるモノもありますし、最後は税理士と相談して決める方が良いケースもありますが、基本はとにかく「事業に必要なモノか」を誠実に考えて判断すること。

フルーツ
私の場合だと、例えばこんな感じ。

①カフェ代

  • 打ち合わせに使った場合は、もちろん経費で落とす
  • 純粋な友人とのおしゃべり目的なら、もちろん経費にはしない
  • 友人かつ事業関係者である場合には、内容を精査
    目的は何だったか?お店選びは仕事にふさわしかったか?実際に何の話をしていたか?)

 

②家賃

プライベート利用と、オフィス利用を時間で按分しています。

例えば、「毎日2時間自宅で作業している」ときには

家賃×2時間/24時間

ということで、家賃の1/12を経費で落とす感じですね。

 

フルーツ
「厳しすぎじゃん!?」と思われるかもしれませんが、そこは経理の性(さが)ですね。例え税務調査がきても、こちらの見解をしっかり説明できるレベルにはしておきたいのです

 

「経費で落とす」の勘違いまとめ:正しい理解が我が身を救う

ざっくりまとめると

  • サラリーマンの「経費で落とす」=本人の負担はゼロ円
  • フリーランスの「経費で落とす」=割引購入可能(でも本人負担アリ)
  • 経費で落とせるのは、あくまで”事業に必要なモノ“だけ

という感じ。

サラリーマン
OK、理解したよ~。フリーランスの「経費で落とす」は、①タダって意味じゃない!②お金はキッチリ減る!③何でも経費にできるわけじゃない!

 

フルーツ
勘違いから、恥ずかしい思いをしたり、痛い思いをしたりしないで済むように、正しい知識を持っておいて頂ければと思います♪

それではまたっ!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

フルーツ

こびと株.comの共同管理人。慶應義塾大学卒業後、一部上場企業に就職。経理/財務の実務経験10年超、日商簿記1級、証券アナリストを有する「企業と個人のお金の専門家」。4つの財布(給与/配当/不動産/事業収入)を駆使して経済的自由を達成することを目標に奮闘中。