こんにちは、シーウィード@こびとが見える経理マンです。
こびと株.comのメンバーは4人全員日商簿記1級持ちですが、現在、私とフルーツ(♀)だけは「証券アナリスト」資格に挑戦中です。2016年の春に1次試験を突破し、2017年6月に2次試験を受験予定です。
(⇒2017/6/14追記:2017年6月4日、証券アナリスト試験を受けてきました。試験当日の様子はこちらの記事を参照)
経理の資格と言えば、簿記!
会計の最高峰資格と言えば、公認会計士!
そんな会計の世界で働く経理マンが、あえて「証券アナリスト」という資格を取るメリットについて考えてみました。他の経理マン(経理ガール)との差別化を図りたい方、経理・財務・IRの仕事に興味がある学生さんは是非ご覧下さいませ。
目次
そもそも証券アナリストって?
証券アナリストとは
証券アナリストとは、証券投資の分野において、高度の専門知識と分析技術を応用し、各種情報の分析と投資価値の評価を行い、投資助言や投資管理サービスを提供するプロフェッショナルです。
(出典:日本証券アナリスト協会)


でも、確かに説明するのは難しそうです。
なぜなら、証券アナリストというのは法律で定められた資格ではなく、民間団体の認定資格にすぎないからです。実は、資格を持っていなくても誰でも「アナリスト」を名乗れるし、「アナリストの仕事」ができるのですね。弁護士や公認会計士のような独占業務はありません。
具体的に見てみると、証券アナリストとは次のような人達です。
- 証券会社で、企業や業界の分析をして株式の評価をする人(リサーチアナリスト)
- 銀行や保険会社で、株式や債券などのポートフォリオを運用する人(ファンドマネージャー)
- 投資銀行や投資顧問で、企業や業界の分析をしてミクロ・マクロレベルで投資戦略を決定する人(投資ストラテジスト)
証券アナリストの人数は?
2016年9月現在、26,533名の証券アナリストがいます。

普通の事業会社で働いている人は、3,213人しかいません。
どんな試験勉強をしてアナリストになるの?
この4科目です。
- 証券分析
- 財務分析(コーポレートファイナンス)
- 経済
- 職業倫理(アナリストとして順守すべきルール)
受験するには、証券アナリスト協会の通信教育を受講して、一次試験・二次試験を突破する必要があります。制度上、最低でも2年間の勉強が必要になる資格です。
さて、前置きが長くなってしまいましが、経理マン(経理ガール)が証券アナリスト資格を取得するメリットを見ていきましょう!
経理マン(経理ガール)が証券アナリストを取得するメリット
IR部門への異動・転職がしやすい
インベスター・リレーションズ(Investor Relations、IR)とは、企業が投資家に向けて経営状況や財務状況、業績動向に関する情報を発信する活動をいう。
(出典:wikipedia)
IR担当者は、企業の窓口となって外部のアナリストからの質問に回答する必要がありますが、それが非常に難しいのですね。なぜなら、IR部門で働いている人はそもそも会計やファイナンスの専門家ではないからです。
うちの会社では、IR担当者から経理部門に「アナリストから財務諸表に関して質問がきたけど意味が分からない!助けて!」っていうお願いがよくきていました。
さて、このIRの仕事、世間では割と人気のある職種だと思います。異動したくても、結構競争率が高いのではないでしょうか。経理経験者であるというだけで、他部門の希望者に比べると有利かも知れませんが、「証券アナリスト」の資格を持っていればまず他の希望者には負けないと思います。
対外的にも「証券アナリスト有資格者」がIR担当者というのはウケが良いですからね。ちなみに、うちの会社のIR担当者のなかには、証券会社からの転職組(アナリスト有資格者)がいました。
管理会計の業務に就きやすい
これはもう単純にイメージの問題ですが、一般に「アナリスト=分析が得意」なイメージが定着していますので、会社内で「管理会計分野の仕事がしたい!」というアピールをする時に有利です。
ただでさえ経理・財務の部署では「勉強熱心な人は評価される」風潮があります。常に会計制度の変更や税制改正に対応し続けなければならないので、勉強嫌いの人ではなかなか信用が得られません。
実際、私は1次試験に合格しているだけで管理会計系のグループに異動することができました。そこのグループでは、資本構成の最適化に関する分析など、早速勉強した知識を活用した業務をすることが出来ています。
他の経理部員との差別化がしやすく、生き残りに有利
ある程度の企業規模になると、日商簿記1級を持っている人はゴロゴロいるので、日商簿記1級をとってもアピール材料になりません。中には公認会計士や税理士などの資格を持っている人もいるので、簿記の資格だけではますます太刀打ちできないのですね。
しかし、証券アナリストの有資格者はほとんどいません。公認会計士は監査のプロ、税理士は税法のプロ、証券アナリストは企業・産業分析のプロですから、分野が被らないのでとても差別化がしやすいです。
簿記+証券アナリストの組み合わせは、非常に分かりやすい差別化だと思います。財務諸表を作るのも分析するのも得意な人、というイメージを持ってもらえるでしょう。こういった差別化は、サラリーマンの生存戦略としては非常に重要ではないでしょうか。
「いくらでも替えがきく」と思われるほど、リスクが高いことはないですからね~
まとめ
簿記+証券アナリストは、経理部門ではレアな人材になれる!ってことですね。
間違いなく担当業務の幅・視野は広がると思うので、勉強して損はないと思います。
年収に直結するかというと、それはないと思いますが。残念ながら。
というわけで、引き続き我々も合格に向けて頑張ろうと思います!
それでは!
追記:2017年7月2日
意外なことに、転職活動中に証券アナリスト学習中であることをベンチャー企業のCFOから評価されたり、1次試験合格済というだけで転職エージェントから評価されて財務系の案件を紹介されたり、割とメリットを実感しています。ネット上だと少し過小評価されている気がしますね。
資格を取得する意味があるかどうか悩んでいる場合は、早いところ転職サイトに登録してしまって、転職エージェント何人かに「自分にとって、証券アナリストは取得すると転職に効果があるか」確認してしまうのが良いと思います。現職や年齢などによって回答が変わるでしょうから、直接確認してしまうのが一番効率的で合理的です。
役に立たなそうなら、コスパの悪い投資(学習)は辞めておきましょう。一方で、もし取得するメリットを感じられたらチャレンジしてみるのは悪くないと思います。需要を確認してから勉強するのが資格試験の鉄則です。思い込みで動くのは時間の無駄になるばかりか、年齢によっては取り返しがつかなくなるので要注意です。
いくつか転職サイトを使ってみましたが、やはりリクナビネクストは鉄板です。サイトの使いやすさ・信頼性はダントツです。
リクナビネクストを1年活用して受け取った「企業からのスカウト」を一覧にしてみました。経理・財務職に興味がある方は参考になるかもしれません!
さらに追記:2017年8月15日
無事合格しました!
合格ノウハウをすべて詰め込んだ記事を作成しました!
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