こんな質問にお答えします。
こんにちは、こびと株(@kobito_kabu)です。
私は、この下落相場でもすいぶんと個別株を買い漁っていますが「恐怖・不安はないのか?」と聞かれたら、迷わずこう答えます。
だって、個別株って、最悪の場合は倒産までいきますからね。株券がただの紙切れになる可能性があるわけです(電子化されてるので、もう紙じゃないけど)。
今は、2008年のリーマン・ショック以来の荒れ相場と言われていますから、恐怖心なく買い向かえる投資対象は、それほど多くないだろうなと思います。とはいえ、あることにはあるんですよね。
この記事では、
今のような弱気相場でも、強気で買い向かえる「数少ない投資商品の1つ」
について解説したいと思います。
先に結論をネタバレしておくと、この通り。
S&P500連動のインデックスファンド
(具体的には、コスト最安級のSBI・バンガード・S&P500インデックス)
何度考え抜いても、やっぱり結論はコレになりますね。
※私は、投資資金の大半を高配当株投資に充てつつも、iDeCo・家族分のつみたてNISAでは上記ファンドを買い付けています。
以下、
- 個別株の無限ナンピンが危険な理由
- 弱気相場でも強気で積み立てられるファンド(S&P500)とその理由
について、解説していきます。
目次
個別株の無限ナンピンが危険な理由
- 保有している銘柄の株価が下がったときに
- さらに買い増しをして平均購入単価を下げること
これを、ナンピンと言います。
ナンピンすると、保有株の平均購入単価がどんどん下がっていきます。そして、ひとたび株価が反転し上昇に転じると、含み益は一気に拡大。
とっても、気持ちよくなれます。
※特に、高配当株投資では、ナンピンが決まると「配当利回り」もかなり上昇します。配当金と値上がり益の両方が取れるので、中毒性があります。I Love ナンピン。
しかし、「下手なナンピン素寒貧(すかんぴん)」という相場格言があるように、ナンピンは必ずうまくいくとは限りません。
無限ナンピンが危険な3つの理由を見ていきましょう。
危険な理由①:長期で株価が低迷する可能性
米国の石油会社、エクソン・モービルを例にとって解説します(エクソン・モービルは、NYダウ30社を構成するような超大企業です)。
株価の5年チャートは、以下の通り。
ご覧の通り、右肩下がりです。
2016年に95ドルの高値をつけて以来、2020年現在にいたるまで一度もその水準を越えていません。この時期に買ってしまった人は、いくらナンピンを繰り返しても利益確定のチャンスがなかったということです。
ナンピンを繰り返すうちにズルズルと投資金額が増えていって…
最後にはコロナショックに掴まり、大暴落・大損失
こういう人もいるでしょう。
危険な理由②:配当金が出なくなる可能性
2020年4月6日時点で、エクソン・モービルの配当利回りは約8.9%です。
エクソン・モービルは37年にわたり連続増配を維持している優良企業ですから、この水準の配当が続くことを前提とするならば、配当金を貰いながらダラダラとやり過ごすことも可能です。
- ひたすら配当金を貰い続け
- 業績が回復し、株価が反転すれば
- 配当+含み益で一気に利益!
長い冬を乗り越えて、収穫に至るというストーリーも描けるわけです。
ところが、世の中そう甘くはありません。
- 業績が悪くなれば、配当金は減額されます(減配)
- 最悪の場合、配当金が一切でなくなることもあります(無配)
たとえば、東京電力は、東日本大震災が起きるまでは資産株の代名詞のような存在でした。まさか、配当が出なくなるほど経営が悪化するとは、誰も予想していなかったでしょう。
でも、こういう「まさか」の事態は「しょっちゅうある」のが株の世界です。稀によくある大惨事というやつですね。
危険な理由③:そのまま倒産する可能性
もし無配転落しても、業績が回復すれば
- 株価は底を打ち、上昇に転じ
- いずれ配当金も復活して(復配)
- もとの軌道に戻る
こういうストーリーも考えられます。
しかし、業績が長期低迷すると、最悪の場合は倒産に至ります。
こうなると、言葉通り「株主は出資の範囲で責任を負う」ことになります。要するに、投資額が全部チャラになるということです。
これが無限ナンピンのなれの果て。
今回のような暴落相場・恐慌不安にあっては、個別株への投資は特に慎重にならざるをえません。先をまったく見通せない状況になっているからです。
恐怖に打ち勝って、リスクをとった人は大きなリターンが得られるかもしれません。しかし、その一方で何もかも失うリスクもあるわけです。
弱気相場でも強気で積み立てられるファンド
弱気相場での個別株への投資(無限ナンピン)には、高いリスクが伴います。
- 株価が長期低迷するかも
- 配当金が出なくなるかも
- 最悪、倒産するかも…
その一方で、信頼できる指数に連動したインデックスファンドは、個別株ほどリスクが高くありません。
- インデックス投資と
- 個別株への投資
どちらの方が無限ナンピンで地獄を見る可能性が高いかは、一目瞭然です。
特にS&P500のような優良指数に連動する低コストのインデックスファンドは、まさに弱気相場でも「強気」で積み立てられるファンドと言えますね。
その3つの理由を解説します。
強気で積み立てられる理由①:右肩上がりの歴史
S&P500というのは、米国の大型企業500社で構成される、代表的な株価指数です。
150年チャートはこの通り。
(出典:S&P 500 Historical Prices)
きれ~いな右肩上がりですね。
S&P500はまさに伝統的な指数で、あらゆる事態を経験しています。
- 世界大恐慌
- 第二次世界大戦
- 朝鮮戦争
- ベトナム戦争
- オイルショック
- ITバブル崩壊
- イラク・アフガニンスタン戦争
- 世界金融危機
まさに、歴戦の勇者。コロナショックも、長い歴史のなかの1つの経験に過ぎないでしょう。
ビジネスの世界は、生き残るのが難しい熾烈な世界です。新たに生まれる企業もあれば、潰れていく企業もあります。
そういった企業を取り込んだり、放出したりして、なかば不老不死のような状態になっているのがS&P500という指数です。
※某国の株価指数と違って、ダメな会社はしっかり退場させるので、新陳代謝がしっかり機能しているのです。
15年以上投資すれば、誰一人として損しなかったというのがS&P500という指数です(ウォール街のランダム・ウォーカーより)。
- 米国は、世界最大の消費国で人口増加国
- 株主重視の文化
- 洗練された金融法制
- 数々のイノベーションの生まれる国etc…
過去だけではく、未来に目を向けても十分に魅力のある投資対象です。
強気で積み立てられる理由②:無配なんてありえない
S&P500を構成する各社は、もちろん配当金も出しています。
- 個社で見れば、減配・無配転落することはありえる
- 500社すべてが減配・無配転落するなんてことはありえない
配当金を出せるということは、会社として利益が出ているということです。
そして、もし、各社からの配当金などを原資として、インデックスファンド全体として「分配金」を出している場合には、その分配金を再投資することにより投資口数がじわじわと増えていきます。
そして、自然に増えていくこの投資口数が、トレンドが変わった時の「利益」の源泉になるのです。
- 低迷相場だけど、確実に「資産は増えている」
こういう感覚を持てるからこそ、長期低迷相場でもやりすごすことができるわけですね。
強気で積み立てられる理由③:倒産はありえない
S&P500という指数が「倒産」する可能性はほぼありえません。前述の通り、S&P500は「不適格」な会社を退場させる仕組みがあるからです。
- 個社で見れば、倒産することはありえる
- S&P500という指数が消滅することはほぼありえない
もしこの指数が消滅するほど世界経済が混乱していたら、とっくにアメリカという国、そして資本主義はなくなっているでしょう。
今とは異なる「新世界」で、貨幣がどれほどの価値を持つのか分かりませんが、こういう状況を想定するなら、およそ未来に対するあらゆる準備はムダになるでしょう。
あ、筋トレはムダにならないかもしれません。
「(自分が生きているうちは)この世から資本主義はなくならない!」と思うのなら、弱気相場での買い増しを遠慮する必要はありません。
まとめ:S&P500インデックスファンドはそんなに脆弱じゃない
以上、まとめるとこの通り。
- 超長期低迷がありうる(長期投資が報われる可能性が微妙)
- 減配・無配転落がありうる
- 倒産がありうる
伝統的な優良株価指数、たとえばS&P500のような指数に投資すれば…
- 長期的には右肩上がり(長期投資が報われる可能性が高い
- 減配・無配転落がありえない
- 倒産がありえない
個別銘柄の脆弱性と、インデックスファンドの堅牢さは比較になりません。
インデックスファンドは、金融工学・経済の専門家たちが時間をかけて生み出した発明品です。
不穏な空気が漂う、先の見通せない暗い相場ですが、インデックスファンドを積み立てている人は怯えることなく投資を継続すれば良いと思いますね。
まだ資産運用を始めてない人は、資産運用を始める絶好のチャンスだと思います。もちろん、長期の目線ではです。
ちなみに、S&P500連動のインデックスファンドはいくつもありますが、おすすめは「SBI・バンガード・S&P500 インデックス・ファンド」ですね。
●インデックスファンドの王者「バンガード」とのコラボファンド
●優遇税制「つみたてNISA」の対象ファンド
●運用コストが最安クラス(※)
●純資産額も増加傾向にあり、十分な規模(約230億円)
文句なしで家族・友人におすすめできる優良ファンドです。
※参考:運用コストの比較
- SBI・バンガード・S&P500インデックス:0.0938%
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):0.0968%
- iFree S&P500インデックス:0.2475%
- 米国株式インデックス・ファンド:0.495%
2020年4月時点の信託報酬
普段、個別株に手を出している人でも、こういう不安な時期は「インデックスファンドを積み立てる」というのもアリだと思います。長期目線での勝率が全然違うからです。
※私は、高配当株大好き人間なので、インデックスファンドはiDeCoやつみたてNISAの限度額内におさめますけどね。
というわけで、こんな弱気相場の時でも、強気で積み立てられるファンドは何か?
というテーマの記事でした。
それではまたっ!
※関連記事です
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