目次
要点だけ知りたい!
こびと概要
項目名 | 内容 |
---|---|
本名 | CDS |
誕生月 | 1980年2月 |
仕事の内容 | 技術系資料の制作受託、設計業務支援、技術システム開発など |
配当献上月 | 9月(予定) 3月(予定) |
特徴 | ・顧客企業の製品開発から製造・販売・サービスまでのビジネスプロセスをトータルにサポート ・主要な取引先は、情報家電産業、産業設備・工作機械産業、自動車産業、医療機器産業などに代表される「ものづくり企業」 ・ロボットエンジニアリングビジネスを確立し業容拡大することを目指す |
主なリスク | ・特定取引先(特に三菱自動車工業株式会社)への売上依存 ・瑕疵担保責任や製造物責任等の責任問題発生のリスク ・人材の確保 |
重要項目No.1:投資効率
「投資額の何%の配当金を得られるか?」
「株価の下落リスクは低いか?」
以上2点を確認します。
配当利回り 3.65%
PBR 1.53倍
(※いずれも2023年7月14日の終値ベース)
重要項目No.2:配当姿勢
「オーナーに対する配当をどのように考えているか?」を確認します。
配当については、経営環境の急激な変化に対応し、安定的な経営基盤の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、株主への利益還元として長期的な安定配当を維持することを方針としております。配当の回数については、定時株主総会にて1回もしくは中間配当を含めた2回を基本方針としており、配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。なお、当社は会社法第454条第5項に基づき、中間配当制度を採用しております。
(「2022年12月期 CDS有価証券報告書」の「配当政策」より一部修正・抜粋)
CDSの配当方針には、具体的な数値基準は含まれていません。「長期的な安定配当」がどの程度を指しているのか、過去の配当実績と、当期の配当予想を並べて確認しましょう。配当性向は最低30%のラインで意識されているようです。
配当 | 2010/12 | 2011/12 | 2012/12 | 2013/12 | 2014/12 | 2015/12 | 2016/12 | 2017/12 | 2018/12 | 2019/12 | 2020/12 | 2021/12 | 2022/12 (予想) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中間 | 6.5 | 10 | 13.5 | 16 | 18 | 18 | 20 | 20 | 22 | 24 | 30 | 25 | 28 |
期末 | 10 | 12.5 | 16 | 20 | 18 | 18 | 20 | 20 | 22 | 26 | 25 | 31 | 28 |
合計 | 16.5 | 22.5 | 29.5 | 36 | 36 | 36 | 40 | 40 | 44 | 50 | 55 | 56 | 56 |
※2013年1月1日を効力発生日として1株につき200株の割合をもって株式分割が行われています。上表では、2008/3期~2012/3期分の配当について、実際の配当金額を200で除した金額を記載しています。
一見、2020/12期→2021/12期で減配してるように見えますが、これは2020/12期配当に記念配当5円が含まれているため。
実際のところ、「長期的な安定配当」と言って問題はないように思えます。
景気の回復に併せて増配傾向であった上、コロナ禍でも減配しない姿勢を見せてくれています。
重要項目No.3:配当継続力
「最近の配当実績と同水準の配当を何年間継続できるか?」を確認します。
① 12.5年(調整後利益剰余金ベース)
② 4.3年(修正ネットキャッシュベース)
他のこびと達と比較すると、まだ1980年に生まれた比較的若いこびとだけあって、まだまだストックが足りている感じではないですね。
特に修正ネットキャッシュベースの配当継続力は、もっともっと伸ばしてほしいところ。今後の頑張りに期待です!
以上、こびと概要と3つの重要項目をチェックしてきました。
「このこびと株に興味を持った!」という方は、以下「もっと詳しく知りたい!」をご覧になって下さい。配当に関連する主要情報について、さらに詳細なデータを記載してあります。
もっと詳しく知りたい!
主要財務情報(直近10年)
(1)損益計算書・貸借対照表関係
一覧表(Excel Onlineのデータを表示します)
※2013年1月1日付で普通株式1株を200株とする株式分割が行われています。
【筆者3点コメント】
- 売上の約30%を三菱自動車に依存しており、自動車業界との連動性が高いのが大きなリスクです
- 2011年以降、財務体質が劇的に改善しています。営業利益率は9.5%~14.6%と比較的高水準で、総資産を48.6億円から94.0億円まで1.9倍に増やしています。自己資本比率や、総資産に占める現金債券等の比率も優良です
- 2012年~2017年は売上80億円強と横ばいの業績が続いています。営業利益率が優れているため、この業績を維持することさえできれば年を増すごとに財務体質は盤石となります。その意味で、2019年の売上が100億円を超えたのは、大きな前進と言えました。ところが2020年・2021年はコロナ禍により、売上は80億円前後のラインまで逆戻りしています。コロナ禍からの回復→さらなる成長へのトレンドを描けるかどうかがポイントになるでしょう。
(2)キャッシュフロー関係
一覧表(Excel Onlineのデータを表示します)
【筆者3点コメント】
- 営業C/Fは常に黒字です。2011年に8.1億円だった現金は、2021年には24.7億円まで積み上がっており、約3倍の水準にまでキャッシュを増やしています。
- 2011年と2013年に多額の投資を行ったため、フリーキャッシュフロー(営業C/F+投資C/F)がマイナスとなっていますが、売上を維持するのには必要な投資で財務上特に問題のある動きではありません。2017年から続く売上債権増加が気がかりでしたが、2019年をピークに歯止めがかかった様子。現時点で特に心配な点はありません。
- 1株当たり56円の配当を維持するとなると、年間配当総額は3.8億円。年間の投資水準を5~6億円と見込むと、営業C/Fが10億円以上あれば安心できるのですが、2021年の営業C/Fは5.7億円と大きく下回っています。
エックスネットや宝ホールディングスといったこびと達と比較すると、まだまだストックに余裕が十分とまでは言えないので、コロナ禍をいかに乗り切り、業績の維持・向上させていけるのか、引き続き観察が必要なこびとです。
直近10年の株価推移
2012年9月に東京証券取引所市場第二部に上場して以来の株価情報です。
こびとの過去のつぶやき
こびと目線での決算速報やIR解説などを記事にしています。
ゆるゆるピックアップ!
2017年2月、このこびとを見かけたときに簡単に財務分析しています。
(最終更新日:2023年7月16日)
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