こんにちは、こびと株(@kobito_kabu)です。
独身男性の公的年金受給額は、ざっくり月15万円ぐらいです。
高配当株でじぶん年金を作り、ここに月7~8万円上乗せできたら良いな、という話をします。
この記事では、下記について解説します。
- 高配当株を使って、じぶん年金を作るプラン
- このプランのメリット・デメリット
目次
高配当株で終身年金【モデルケース】
モデルケース
- 22歳で就職
- 投資額は年平均48万円(月4万円)
- 配当利回り4%超の高配当株を買い続ける
受け取った配当金を再投資すると、40歳までに投資額は1,000万円を超えます。
- 投資元本:864万円
- 配当金 :312万円
- 投資総額:1,176万円
ここで、ステージを変化させます。
- 追加投資はもうしない
- 配当金再投資はもうしない
もし子供がいれば、教育費の負担は徐々に大きくなってくる頃です。40代は家計を維持するのが一番厳しい時期ですから、高配当株を売らなきゃいけないような事態にならないことが重要です。
ところで、追加投資・配当金再投資をしなくても配当金は増えていく可能性があります。増配の可能性あるからです。
企業の業績が好調だと、毎年100円払っていた配当金を、110円にアップさせたりします。これを増配と呼びます。世の中には、50年60年連続で増配を続けている企業もあります。
仮に増配率を3%とすると、40歳~65歳で配当金の推移はこうなります。
※もちろん毎年必ず3%ずつ増配する必要はありません。計算上、結果的に年平均3%増配しているというだけです。
25年間で、配当金の受取総額は約1,600万円。
- ひとりで大好きな趣味に没頭するにも
- 恋人や友人と楽しい時間を過ごすにも
- 子ども2人の高校・大学教育費を出してあげるにも
十分な金額です。
これだけ出費していてもなお、65歳以降は毎年約90万円の配当金が得られるというわけです。
ここまで流れ(5つのフェーズ)を整理
ここまでの流れを整理します。
- 22歳~40歳で、860万円分入金して高配当株を買う
- 22歳~40歳で得られた配当金312万円で高配当株を買う
- 投資ストップ。お金を使うフェーズに移行
- 40歳~65歳までに1600万円の配当金を受け取り、使う。
- 65歳以降は毎年90万円の配当金を受け取り、使う。
上記の通り。
高配当株でじぶん年金を作る9つのメリット
これだけのメリットがあります。
①流動性が高い
iDeCo(確定拠出年金)は、60歳になるまでお金が引き出せません。
民間の個人年金保険については、60歳~65歳までに解約することは基本的に想定されておらず、もし途中解約すると元本割れするケースがほとんどです。
一方、高配当株のじぶん年金は、イザというときはいつでも市場で売却し現金にすることが可能(=流動性が高い)です。
②少額から大きい受給額が作れる
しっかりと増配が続けば、65歳時点で
- もともとの入金額約1176万円(配当金の再投資含む)に対して
- 年間90万円の配当金が得られます
毎年7.7%の利回りで配当金が得られるということです(これを簿価利回りと言います)。
※もし90万円の利息を、利回り1%程度の預金・債券などで得ようとすると9,000万円もの元本が必要になります。
③65歳を待たずに即受給スタート
高配当株のじぶん年金は、投資をした直後、すぐに配当金が得られるようになります。
65歳を待たずしてキャッシュの受取がスタートするため、現役時代の家計も楽になります。
④手間がかからない
配当金は、完全な不労所得です。
その手間のかからなさは、不動産などとは比較になりません(不動産投資は「事業運営」です)。株は、資産として保有する金銭的コストも低いです。
良い銘柄を選定するのは非常に大変ですが、一度購入してしまえばそのあとはほとんどやることがありません(時に、想定外のダメ株を入れ替える必要はあります)。
ほったらかしでチャリンチャリン配当金が入ってきます。
⑤インフレに強い
インフレが起きると、お金の価値が下がります。
50年前の100万円と、現在の100万円では価値が異なります。100万円あれば一等地が買えた時代もありました。
インフレ対策としては、お金ではなくモノを持っておくことが重要です。
株式は、インフレに強いです。
- 企業が保有する土地や建物等は値上がりし
- 企業が提供する商品・サービスも値上がりします
株式を持つことは『企業の一部を保有すること』なので、インフレへの耐性がある資産ということです。
⑥増配により受給額が増えていく
公的・民間の年金とは異なり、株式の配当金は増配により増えていく可能性があります。
いつまで長生きするか分からない時代で、受給額に上振れ余地があるというのは大きなメリットです。
※デメリットの欄で説明しますが、その裏返しに「減配」つまり配当金が減ってしまうリスクもあります。
⑦終身年金である
企業が存続する限り、配当金は支払われ続けます。つまり、高配当株によるじぶん年金は終身年金です。
高配当株ファンド(何十銘柄も高配当株を集めたパッケージ商品)を買っておけば、ダメ企業はファンド運営者が勝手に入れ替えてくれます。
⑧日本株の場合は税率が優遇
日本株からの配当金には「配当控除」という優遇税制があります。
年間所得が330万円以下なら、配当金にかかる税金は5%で済みます(通常は20%)。これはきわめて有利な税率です。
⑨次世代に引き継げる
高配当株によるじぶん年金は、元本の取り崩し(株の売却)を想定していません。
お金を稼いできてくれる「こびとさん達」を売ってしまう必要はない、というわけです。したがって、彼らは次世代にも引き継いでいくことができます。
※土地家屋と異なり、親族で分け合うことも容易です。
これだけ老後不安を煽られている世代なら、自分の子どもたちにはせめて「老後資金を貯めるために生きる」なんてことになってほしくないと願うでしょう。
こびとさん達は、一生遊んで暮らせるほどのお金を運んできてくれるワケではないですが、一族のベーシックインカムを運び続ける存在として期待できると思います。
次は、デメリットを手短に解説します。激しいデメリットがあります。
高配当株でじぶん年金を作る5つのデメリット
株なのでハイリスク。
これに尽きます。
株式は、およそこの世の中に存在する金融商品のなかで、もっともリスクの高い資産です。
これだけメリットをゴリ押ししておいて恐縮なのですが、株式投資は時として「え?今何が起きてるの?…」というレベルでコントロール不能になることがあります。
個人ではコントロールしようのない不景気・事件はいつか必ずやってきます。
それを念頭にデメリットをご確認ください。
①元本割れリスク
株式には元本割れのリスクがあります。
大恐慌が起きると、株価は▲40%、▲50%と平気で値下がりします。
2年連続で▲40%の暴落が起きると、100万円は36万円にまで減少します。
②減配リスク
株式には減配リスクもあります。
実のところ、企業の寿命は人間の寿命より短いです。100年の伝統がある企業というのは少数派。多くの企業は生まれては消え、生まれては消えていきます。
稼ぎ続ける
ということは決して簡単なことではなく、不景気では当たり前のように配当金の金額は下がります。
※我らがエース「連続増配株たち」は、リーマンショック時にも▲1.4%しか減配しませんでした。
③為替リスク
外国株式には為替リスクもあります。
1ドル110円で買った外国株が、1ドル80円のレートになっただけで▲28%の下落です。
1,000万円の外国株を持っていたら、720万円になってしまうということです。
④資金効率が悪い
配当金には、支払われるたびに税金がかかります。
そのため、税金のぶんだけ複利の力が弱くなります。
株式投資のリターンは「売買益」と「配当」の2つで構成されますが、結果的に配当を出さないタイプの株の方がトータルリターンが大きいというデータもあります。
※諸説あります
⑤大金持ちにはなれない投資法
上記①~③で見たように、投資手法の如何を問わず、株式はかなりリスクの高い資産です。
そのくせ、高配当株への分散投資というのは大変に地味なタイプの投資で、大金持ちになれる可能性はほぼゼロです。
資産が2倍3倍、10倍になる可能性がないからです。
参考:増配率3%は現実的か
さて、高配当株投資というのは
- 株価ではなくひたすらに企業業績に着目し続ける
- とにかく配当金を減らさないことに主眼を置く
という投資法です。
前述したシミュレーションモデルの重要ポイントは、増配率3%という数値が出せるかどうかどうかです(税金を考慮するともう少し必要)。
この点、いくつかサンプルを出しておきましょう。
日本株の増配率(自分の持ち株の一部)
私の持ち株は、3~4年でこれぐらい増配しています(年利ではないので注意)。
景気敏感株の増配率が目立ちますが、他にも地味でディフェンシブな銘柄で増配している株たちがたくさんいます。
米国株の増配率
米国株は非常に株主還元を重視しており、そう簡単に減配しません。
増配にも熱心です。
- VYM:過去10年平均で年5~6%の増配
- HDV:過去5年平均で年7%の増配
- IBM:2018年増配率 4.6%
- JNJ:2018年増配率 7.1%
- VZ:2018年増配率 2.1%
- XOM:2018年増配率 6.5%
- MO:2018年増配率 6.1%
- MRK:2018年増配率 14.6%
- その他いろいろ
VYMとかHDVというのは、高配当株を数十~数百銘柄集めたファンドです。それでも年5%以上は増配してるんですね。
IBMやジョンソンエンドジョンソン、ベライゾンやエクソンモービル。メルクといったそうそうたる一流企業も、きっちり増配してくれてます。
- 過去の増配率がこの先も維持されるとは限りません
- 米国・欧州で、日本で起きたような「失われた〇〇年」と呼ばれるような不況がきたら、増配どころか配当維持も難しくなるかもしれません
こういったリスクをふまえたうえで、増配率をいくらでシミュレーションすると適切か考えてみると良いですね。
※ちなみに、企業の稼ぐ利益が年3%ずつ増えていくと、25年後にその企業の利益は当初の2倍になります。3%とはそういう数字です。
まとめ:斜陽の世界を生きるヒントは、稼ぐ人から分けてもらうこと
まとめるとこの通り。
高配当株でじぶん年金を作ると、9つのメリットがあります。
- 流動性が高い
- 少額から大きい受給額が作れる
- 65歳を待たずに受給スタート
- 手間がかからない
- インフレに強い
- 増配により受給額が増えていく
- 終身年金である
- 日本株の場合税率が有利
- 次世代に引き継げる
とはいえ、株というハイリスクな資産を扱う以上、強烈なデメリットがあります。
- 元本割れリスク
- 減配リスク
- 為替リスク(外国株の場合)
- 資金効率が悪い(税金)
- リスクは大きいのに、大金持ちになれる可能性はない
高配当株じぶん年金は、ややもすると景気が良いからこそ出てきた「アタマの中お花畑」なプランかもしれません。いくらか冷めた目で見て頂く必要はあると思いますが、
- 国民年金は低リスク
- 厚生年金は低リスク
- 低リスクゆえに、受給金額的には不足しがち
- 増えない給与&増える税金では、お金が貯まらずこの不足分を補えない
こういうことであれば、どこかで一定のリスクはとらざるを得ないのもひとつの事実。
いつの時代も、世の中のどこかには必ず稼いでいる人たちがいます。株を持つというのは彼らが稼ぐ利益の一部に対して権利を持つということです。稼ぐ人から分けてもらうという発想です。
こうやって、公的年金を土台にして、その上に+アルファのじぶん年金を積み上げるイメージですね。
満足できる規模の高配当株ポートフォリオができたら、あとは現金なり債券なりにさらに厚みを持たせていけばいいのかなと。
医療・介護・リフォーム費用など、一時金での備えは絶対に必要ですし、いつまでもハイリスクな資産を買い続けるのも危険です。
※あと、まかり間違っても退職後の資産運用開始はすすめません。今回のプランは(リスク許容度の高い)若いうちにじぶん年金を準備するなら、という前提です。
以上、参考になれば幸いです。
それではまたっ!
補足:日本株の高配当株投資に最適な証券口座
自分も高配当株への投資を始めてみようかな…と思った方には、SBIネオモバイル証券を活用した「少額からの分散投資」がおすすめです。
大手ネット証券(楽天証券やSBI証券)にはないメリットがあります。
- 1株から購入できる(NTTドコモやKDDIなどの注目している企業を300円前後から買える)
- サービス利用料が固定で220円(税込)かかるが、毎月ネオモバ限定Tポイントが200pt貰える
- Tポイントを使って株が買える
※大手ネット証券を使って少額分散投資をすると、手数料負けします。
SBIネオモバイル証券を使った高配当株投資の始め方はこちらの記事をどうぞ。
日本株の優良株に数百円から分散投資したいなら、SBIネオモバイル証券以外の選択肢はないですね。千里の道も一歩から。まさに初心者向けの口座です。
2022年9月26日、
株式会社SBIネオモバイル証券は、株式会社SBI証券と経営統合することが発表されました。
これに伴い、SBIネオモバイル証券の新規口座開設は2022年10月7日をもって受付が停止されています。
- 最大手・国内株式個人取引シェアNo.1
- 口座開設・口座維持手数料無料
- 1株から購入可能(単元未満株の売買手数料無料)
※投資にはリスクがあることを正しく認識し、ご自身の判断と責任により行って下さい。
関連記事です。
配当利回りが高い理由について解説しています。いい理由はほとんどないです。
一般に、高配当株は低成長。高成長の高配当株を掴むヒントについて触れています。
高配当株に投資する際に気をつけるべき5つの注意点です。
Follow @kobito_kabu