- 最近簿記の勉強を始めたの。何級まで目標にしようか考え中なんだけど、簿記1級って難しいのかしら?2級までとは違う?
こんな人のための記事です。
結論から言うと、簿記1級は、簿記2級までとは各段の違いがあります。
簿記1級は
- 価値(就職・転職・希少性)
- 試験の難しさ(合格率・試験範囲・試験日程)
- 必要な勉強(勉強時間・勉強方法)
- 専門性(スキルレベル・経理の現場での見られ方)
など、様々な面で違いのある資格。
この記事では、簿記1級ホルダー&経理歴10年超の私が「簿記1級の2級までとの違い」について語ります。
簿記1級は「価値」が違う
簿記1級の価値①:簿記2級までとの就職活動での違い
簿記についてざっくり言うと、就活の場面では
例えば、上場企業の経理専門職の採用試験には
- 経理への配属確定で内定がとれる
- 採用人数1名のところに数百名以上応募がある
という特徴があります。
この採用試験では、面接に進む学生のほとんどは簿記2級ホルダーです。
また、総合職採用で試験を受けても、簿記2級があれば
と聞かれる可能性があります。
- まじめ
- 数字が得意
- 会計知識がある
- 勉強をがんばれる
- 結果を出せる
といった印象もつくので、資格欄がブランクの学生と比べると、かなりチャンスが増えるでしょう。
簿記2級でこれだけの有利さがあると
と思いがちですが、そうでもありません。
簿記1級は一味違って、
とか言われちゃう感じなのです。
つまり、簿記1級は就活の切り札になるということ。
この記事↓にも書きましたが、資格以外にプラス評価できる点があまりなくても、簿記1級さえあれば、就活戦線を勝ち抜ける可能性があります。
- 書類スペック
- 面接突破力(コミュニケーション能力など)
- 就活タイミング(不況がくるかも…など)
に自信がない人ほど、簿記1級を取っておくと◎です。
簿記1級の価値②:簿記2級までとの転職活動での違い
経理の中途採用でも、簿記1級はかなり高得点です。
- 求人票には:「簿記1級、尚可」の字
- 面接では:「簿記1級持ってるの?じゃあ間違いないね」と言われ
- 未経験でも:「知識面ではバッチリなんだね」と思われる
というイメージ。
実際、私も経理の転職活動中に
なんて言われたりしました。
また、知り合いの転職エージェントも
と話していました。
簿記1級の価値③:簿記2級までとの希少性の違い
簿記試験の、年間合格者数をチェックしてみましょう。
- 簿記3級:10万人超
- 簿記2級:2~3万人程度
- 簿記1級:約1.5千人
あきらかに、簿記1級だけがケタ違いです。
※<参考情報>年間合格者数
- 司法試験:約1.5千人
- 公認会計士試験(最終合格):約1.3千人
- 税理士試験(官報合格):約0.6千人
簿記1級は「試験の難易度」が違う
簿記1級の試験①:簿記2級までとの合格率の違い
まずは簿記の、級ごとの合格率を見てみましょう。
- 簿記3級:40.9%程度
- 簿記2級:27.7%程度
- 簿記1級:10%弱
簿記1級は、レベルが違うのがわかりますね。
※<参考情報>合格率
- 司法試験:20-30%程度
- 公認会計士試験(最終合格):10%程度
- 税理士試験(官報合格):10-20%程度
簿記1級の試験②:簿記2級までとの試験範囲の違い
簿記1級の試験科目は
- 商業簿記
- 会計学
- 工業簿記
- 原価計算
の4つ。簿記2級の2科目(商業簿記&工業簿記)に比べて、2倍の科目数です。
※固定資産の減損・貸し手のリース・連結税効果・包括利益・連結キャッシュフロー計算書・セグメント情報、活動基準原価計算・連産品の計算・CVPの感度分析など。
簿記1級の試験③:簿記2級までとの試験日程の違い
簿記試験の日程も、簿記2級までとは違っています。
- 簿記2~3級:年3回(6月・11月・2月)
- 簿記1級:年2回(6月・11月)
と、簿記1級だけ1年にチャレンジできる回数が少なくなっているのです。
簿記1級は「必要な勉強」が違う
簿記1級の勉強①:簿記2級までとの勉強時間の違い
簿記1級の取得に必要な勉強時間は、ざっくり
程度です。
- 人によって
- 学習方法(独学/スクール利用)によって
差がつくところではありますが、なかなか大変な試験であることは間違いがありません。
- 簿記3級:50~100時間程度
- 簿記2級:150~250時間程度
と比べると、違いは明らかですね。
簿記1級の勉強②:簿記2級までとの勉強方法の違い
簿記1級合格のためのポイントは、
- 手を動かして学習する
- 苦手分野を作らない
- 良い資格スクールを活用する
の3つです。これを押さえれば、合格はグッと近づきます。
とにかく、①手を動かして学習すること。
わかった「つもり」にならず、根気よく計算演習を繰り返すことです。
決して、②苦手分野を作らないこと。
簿記1級試験には「足切り制度」がありますから、4科目のうち1科目でも「苦手」になってしまうと、合格が一気に遠のきます。
かたよりなく勉強をすすめる必要があるのです。
必ず、③良い資格スクールを活用すること。
独学での勉強は
- 難易度が高く
- 試験範囲が広く
- 苦手分野を作るのがNG
な簿記1級試験には向きません。
簿記2級までとはレベルが違う難易度の資格だからこそ、スクールの力を活用して、合格までキッチリたどり着いてほしいのです。
独学だと、仮に合格したとしても、「試験運が良かっただけで、実は理解が追い付いていない」という悲しい事態も想定されますしね…。
ということになります。
特にクレアールは「効率的に勉強すること」にこだわったスクールで、かなり評判がいいです。
きっとあなたを、簿記1級合格へ導いてくれることでしょう。
※おすすめスクールだからと言って、いきなり利用申し込みはNGですよ!
まずは資料請求して、無料でもらえるサンプル教材を見てみて下さい。
利用申し込みは、自分の目で確かめてから!納得の品質なので、間違いないですけどね♪
簿記1級は「専門性」が違う
簿記1級の専門性①:スキルレベル
簿記1級は、会計業界でも上位の資格と言って間違いありません。簿記の勉強という意味では、完全ゴールです。
主催団体である日本商工会議所も
極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル。合格すると税理士試験の受験資格が得られる。公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門。
(引用:商工会議所の検定試験(太字は筆者))
なんて言ってるくらいです。
もちろん、簿記1級の上には
- 会計士
- 税理士
- USCPA(米国公認会計士)
といった世界もあります。
ただし、これらの資格は勉強にかかるコスト(時間・お金等)がめちゃくちゃ高いです。人生間違う人がいるレベルです。
簿記1級の専門性②:経理の現場での見られ方
経理の現場でも、簿記1級をもっていれば
- さすがだね
- 安心だね
- 知識面は間違いないね
と思われます。
「頭が良いのだろう」と評価されたり、就職・転職の選考で欠点を見逃してもらえたり、大事にしてもらいやすい資格です。
簿記2級だと
- まぁ基本はわかってるのかな?
- ひととおりは大丈夫だよね
という感じです。就活では高評価だし、未経験の経理転職でもチャンスが出てきます。
とはいえ、簿記2級だけでは、なかなか決め手にはなりにくいですね。簿記1級ほどの扱いは受けられないです。コスパは悪くないけど、いまひとつインパクトに欠けるかもしれません。
まとめ:簿記1級のコスパは見逃せない
簿記1級は、簿記2級までと比べて
- 難易度が高く、勉強が大変です
- 専門性が高く、経理の実務でも明らかに活きます
- 希少価値が高く、就職・転職でジョーカーになり得ます
とはいえ簿記1級は「やってもやっても合格不可能…。。」みたいな、ムチャクチャな難易度の資格ではありません。
正しいやり方で勉強すれば、適度な勉強時間でキッチリ合格できます。
(会計士試験や、司法試験とは違うということです)
- 正しくやれば、ちゃんと受かる
- 合格すれば、価値が高い
- 就職・転職や実務に活きるし
- 年収アップにもつながりやすい
簿記1級、おすすめです。ぜひ、チャレンジしてみて下さいね。
それではまたっ!
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