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こんにちは、こびと株(@kobito_kabu)です。
この記事では
- 10年超の経理歴
- 経理の転職活動経験(年収+200万円で内定Get)
- 多数の経理転職者からの情報
- 複数の転職エージェントからの情報
などをもとに、未経験から経理に転職する方法についてまとめていきたいと思います。
目次
未経験から経理採用に受かる人・受からない人
ものすごく単純で重要な大前提として、未経験での経理転職の場合、
- 20代:チャンスがある
- 30代:相当厳しい
という現実があります。前職の職務内容にもよりますが、30代以降になるとほとんど受からないのが現実だと思います。
30代の人が未経験から経理に転職しようとすると「個別の事情」が大きく影響します。
したがって、ここでは一般論が通用する20代の方を前提に話を進めたいと思います。
未経験経理を目指すステップ1:ターゲットを絞る
まずは、どのくらいの規模の会社を目指すのか決めておく必要があります。
なぜなら、それによって転職難易度がまったく異なるからです。
- 日系大企業
- 中小企業
- ベンチャー企業
- 外資系企業
- 会計事務所
①日系大企業【難易度高】
未経験で経理に転職しようとして「受からない…」と悩んでいる人の中には、日系大企業の選考ばかり受けている人がいます。
でも、未経験からいきなり日系大企業を狙うのは、なかなか困難です。
なぜなら、少ない求人に経験者達が殺到するからです。
未経験から経理で上場企業へ転職したいと思うのなら、いったん上記②~⑤(中小企業や外資系企業など)を経由する必要があります。
結局、経理職の経験を積む必要があるということです。
②中小企業や③ベンチャー企業【難易度中】
②中小企業や③ベンチャー企業は、①上場企業に比べると比較的チャンスがあります。
中小企業の場合は欠員補充、ベンチャー企業の場合は事業拡大のための人員採用のケースが多いです。
特徴的なのは、
- 中小企業の場合は「経理以外の業務もできる・やる姿勢」が、
- ベンチャー企業の場合は「自社をとりまく環境、自社製品に関する深い理解」が
それぞれ求められるという点です。
経理専門の要員を複数人雇うほどの規模もなければ、必要性もないというわけです。
したがって、経理に限らずもう少し広い(そして浅い)スキルが求められるのです。
割と「何でも屋」さんかもしれません。
イメージとしては、売上高100億円規模の会社でも、経理専属の人員は3~5名程度です。
「経理がやりたい!」というよりは、「この会社の理念に共感したので一緒に働きたい!」という姿勢を前面に押し出すことが重要。
私自身の経験から言っても、理念や商品への共感・愛着を示せない人は、スキルに関わらず受からないようです。
何にせよ、大企業より待遇の良い中小企業・ベンチャー企業はいくらでもあります。
会社の規模を気にせず、優良案件を狙っていきたいところです。
④外資系企業【難易度中】
外国人からすると、私たち日本人は「日本語のプロフェッショナル」です。
実はこの点で、私たちはすでに特技を1つ持っていると言えます。
これに加えてある程度英語ができるなら、あっというまにバイリンガルのプロフェッショナルです。
会計ルールはともかく、税制に関して言えば、外資系企業も日本の法律は絶対に無視できません。
ですから、日本の税制に詳しい人間を雇う必要があります。
日本語(+英語)と税務、ここが未経験から経理職へ転職する1つのポイントになります。
※外資系企業の場合、そこまで高い税務スキルは求められません。最低限の申告処理が出来ればOKです。
タックスアカウンタントの場合、求められる英語力もそれほど高くありません。(国内の申告業務の担当なので当然ですね)
入社さえできてしまえば、英語はなんとかなる。こう考えても大丈夫でしょう。
⑤会計事務所【難易度低】
今まで見てきた中で、もっとも転職難易度が低いです。
①~④に受からない場合、ここを経理職キャリアの足掛かりにするのも一つの選択肢でしょう。
ただし、大問題として、会計事務所は一般にブラックです。
いわゆる激務・薄給なので、まったりした管理部門の平和な日常を夢見て入社するとひどい目にあいます。
- 独立を目指すか
- 一般企業への転職のための1ステップにするか
それ以外のパターンでここに就職するのはあまりオススメできません。搾取され続けることになります。
未経験経理を目指すステップ2:ターゲットに合わせて資格・経歴を整える
結論から言うと、どのターゲットにも使えるのは簿記2級です。
しかし、採用側も”即戦力”を求める傾向がありますから、簿記2級だけだと受からない可能性も低くはありません。
簿記2級からさらに、プラスアルファを重ねていくことで、「受からない」状態から脱出できるわけです。
※ただし、いずれも難易度はそれなりに高いです。
日商簿記1級
まずは日商簿記検定の1級です。
合格率は10%程度で、内容自体もかなり難しいです。
しかし、それでもチャレンジする価値はあります。
日商簿記1級を持っていると、転職市場でかなり有利になるからです。
英語力
上場企業や外資系企業に入りたいなら、プラスアルファというより必須事項かもしれません。
TOEICで600点、できれば730点以上欲しいところです。
ちなみに、語学力は収入に直結します。
英語ができる人材を欲する企業は、相対的に年収等の待遇が良いからです。
USCPA(米国公認会計士)
取得に、早くても1年半~2年ほどかかる資格です。
予備校利用が必須なので、受験費も総計100万円近くかかるのがネックです。
とはいえ、外資系企業への転職を考えた場合、その効果はかなり高いです。
4科目に合格する必要がありますが、各科目の合格率はそれぞれ40~50%ほど。2人に1人は合格する試験です。
昔と違い、今では日本国内で受験もできますし、実は見た目ほどハードルが高くありません。(もちろん、ナメてかかるとひどい目にあいますけど)
日本の会計士試験とは違い、やれば受かると言われている試験です。
時間はかかりますが、人によっては日商簿記1級より簡単だと言います。
- USCPAの取得
- 監査法人に1~2年
- 外資系事業会社に転職
といった成功事例は、比較的よく見られるパターンです。
英語がからむ案件、外資系企業への転職は「給与が高い」ケースが多いので、USCPAの取得コストは苦労せずに回収できると思います。
その他の戦略
未経験なのがネックになるなら、社内で異動希望を出して管理部門に異動させてもらうという手もあります。
2年ほど経験を積んで、それから転職活動をすればOKというわけです。
異動希望の通し方は社内それぞれだと思いますが、効率よく経理市場における人材価値を高められるため、一考の余地があります。
その他、履歴書や面接で役に立ちそうな戦略としては、未経験者が経理職に転職するための3つの戦略が参考になります。次の2つですね。
- 前職の経験の中で、経理の素養が垣間見えるエピソードを作る
- 実際に会社の経理っぽい仕事をする
是非リンク先の内容を見て下さい。
資格等に関するまとめ
結局、簿記2級をベースとして、
- さらに会計スキルを高める(日商簿記1級)
- 語学力をプラスする(TOEIC730以上)
- 外資を目指して会計+英語をバランスよく学ぶ(USCPA)
という方向性です。
日商簿記1級、TOEIC以外にも色々な資格がありますが、コスパが悪いかなと思います。
取得に見合った成果が得られるとは考えにくいので、素直に簿記1級・TOEIC730点・USCPAを狙う方が得策です。
もし「日商簿記1級やTOEICは難しい!」というのであれば、簿記2級をベースにして、会計事務所等を経由してから事業会社の経理を目指すことになると思います。
※会計事務所は本当にブラックなので、しばらくはキツイ環境に耐える覚悟が必要です
難しい資格を列挙してしまいましたが、これも理想の職場環境に身を置くための先行投資。
努力するだけの価値ある資格ばかりです。
未経験から経理に転職できたとしても、激務薄給では本末転倒。
体よく利用されないためには、やはり専門性を身につけることが必須です。
20代はまだまだ若いので、新しい専門分野を学ぶ時間は十分残されています。
「未経験だから経理採用に受からない!」まとめ
経理採用に受かることを難しくしているのは、「未経験」という事実です。
そこで、
- 社内異動によって経理の経験を積む
- 副業などで経理っぽい仕事をする(会社設立して、税金申告を経験する)
- 経理に関係ない職歴(営業)を、無理やり経理経験に紐づける
などをすることによって、少しでも「未経験感」を減らしていくことが重要になります。
「資格」+「未経験感の払しょく」を主軸として、
- 中小企業で欠員がでるタイミング
- ベンチャー企業が事業拡大するタイミング
などを虎視眈々と狙うのが良いと思います。
一度、経理業界に入ってしまえば、その後は転職のハードルがものすごく下がります。
経理業界内部の人材流動性は高いからです。(転職3~4回は普通。)
とにかく、未経験からの転職の場合、経歴と同じくらい「タイミング」が重要になるので、転職エージェントから常に情報を取り続けるべきですね。
どこから優良案件が転がりこんでくるか分からないですから。
具体的には、マイナビAGENTがおすすめです。経理業界にも詳しいですし、何より対応が親切・丁寧で優しいので!
この記事で書いたことは「一般論」なので、それぞれの職歴やその他の特技によっていくらでもやりようはあると思います。
こびと株.comは経理に興味がある皆様を心より応援しております。
それではまたっ!
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