こんにちは、こびと株(kobito-kabu)です。
小鳥さえずる爽やかな朝、目を覚ました僕はこんなことを考えました。
年収3,000万円というと、日本の中では上位0.3%ほどの収入水準だそうです。500人に1人の選ばれし民、まさにスーパーエリート。
年収3,000万円あれば、きっと
- 東京23区のタワマンに住める
- 高級外車に乗れる(私は免許を持っていません)
- ミシュランのレストランで好きなモノが食べられる
それでいて、資産1億円とかサクっと貯まっちゃいそう。
すごい
年収3000万円すごい
そんな時、心のなかでもう一人の僕がささやきました。
僕は、そっと電卓を片手に計算を始めたのでした。
年収3,000万円にかかる税金・社会保険料
- 健康保険料
- 国民年金
- 所得税
- 住民税
- 個人事業税
- 消費税
では、順番に見ていきましょう。
目次
年収3,000万円の稼ぎ方
まず
そもそも年収3,000万円をどうやって稼ぐか
なのですが、20~30代サラリーマンでこれはほぼ無理。
日本で1番平均年収が高い会社「M&Aキャピタルパートナーズ」ならチャンスがありそうですが、この会社の従業員数は100名程度。あまりに狭すぎる門です。
(出典:DIAMOND ONLINE「年収が高い会社ランキング2022【1000社・完全版】)
キーエンスや総合商社など、給与水準の高い会社でさえ上記の水準。1,500~2,000万円ぐらいはいけそうですが、3,000万円となるとまず無理です。
上場企業・大企業の役員にまで昇り詰めれば年収3,000万円も見えてくると思いますが、そうなると50代60代になってから。
遅い。あまりにも遅い。止まって見えるぜ…!
というわけで、若くして年収3,000万円になりたいのなら、やはり
- 独立してスーパーフリーランスになるか
- 独立起業して社長になるか
どちらかでしょう。
幸い、今の時代はネットやTwitterで検索するとすぐに
- 月収300万円の〇〇〇!
- 1日30分の労働で年商1億円!
- 南の島でパソコン1台で年収5,000万円!
みたいな人達が見つかります。
そのノウハウも惜しげもなく29,800円(今だけ!1週間後には値上げします)とかで売られていますから、もはや日本国民誰でも年収3,000万円を目指せる時代と言っても過言ではありません。
最近では中学生でさえ月収1,000万円稼いでいるそうですから、低賃金に喘ぐ大人たちは多いに反省すべきですね。3ヵ月でサクっといきましょう。
年収3,000万円の税金・社会保険料
年収3,000万円と聞くと、ついついこういう計算をしてしまう人もいるはず。
ところが残念、税金・社会保険料を考慮すると、そこまで手元には残りません。
現実をお見せします。
下記の税金計算はざっくり計算です
計算の前提
- 職種:フリーランス(35歳)
- 家族:なし(独身)
- 社会保険:国民健康保険、国民年金
- 年商:3,500万円
- 経費:500万円
- 利益:3,000万円←全額自分の給料にする
※年商(売上高)と年収(自分の給料)を混同しないように!
社会保険料(健康保険・国民年金)
国民健康保険は、収入の多い、少ないによって保険料が変わります。年収3,000万円だと、文句なしでMAXの保険料(年間85万円)になりますね。
国民年金は、年額約20万円です。
社会保険料:約100万円
所得税
年収は3,000万円ですが、ココから色々控除していきます。
- 青色申告控除 65万円
- 社会保険料控除 100万円
※年収2,500万円以上なので基礎控除48万円→0円に。ヒドイ(笑)
全部引くと、2,835万円。これをベースに所得税が決まります。
国税庁が公表している早見表を使うとラクに計算できます。
所得が2,835万円なので、税率40%のラインをつかって計算します。
2,835万円×40%-279.6万円=854.4万円
ざっくり、約850万円の所得税がかかります。ハンパないですね(笑)
所得税:約850万円
住民税
住民税の税率は、どこの自治体も原則同じで、10%です。
上記で計算した所得2,835万円×10%=283.5万円
約280万円が住民税になります。
住民税:約280万円
個人事業税
サラリーマンには無縁の税金なので、初めて聞いた人もいるかもしれません。
個人事業税というのは、利益が290万円以上の人に課せられる地方税です。ある程度の売上・利益があるフリーランスは逃げられないということだけ覚えてください(笑)
税率は3~5%で、業種によっては個人事業税が課せられないものもあります(詳細は下表のとおり)。
(出典:東京都主税局)
上記の計算前提で税率を5%とする場合、個人事業税は
- 年商3,500万円-経費500万円-控除290万円=2,710万円
- 2,710万円×5%=135.5万円
ざっくり、約140万円の税金になります。
個人事業税:約140万円
消費税
これだけ税・社会保険料をとられたらもうお腹いっぱいなのですが、課税事業者の場合は消費税の納付も必要です。
消費税の課税を免れる(遅らせる)方法や節税方法も色々とあるのですが、ここではざっくり計算でいきます。
- 年商3,500万円/1.1*10%=318万円←預り消費税
- 318万円×60%(簡易課税制度その他事業)=190.8万円←仮払消費税
- 差し引き:318万円-190.8万円=127.2万円
約130万円が消費税の納付額になります。
消費税:約130万円
※詳細な説明を端折って、かなりざっくり計算しているので「たくさん稼ぐと消費税も納付しなきゃいけないんだな~」ぐらいに理解しておいてもられえればOKです。
まとめ:年収3,000万円の手取りは1,500万円。1億貯めるには10年かかる
以上をまとめると、この通り。
- 社会保険料 100万円
- 所得税 850万円
- 住民税 280万円
- 事業税 140万円
- 消費税 130万円
合計:1,500万円
というわけで「年商3,500万円で経費500万円=年収3,000万円フリーランス」の税金・社会保険料を差し引いた手取りは、なんと1,500万円になりました!
1,500万円を12ヵ月で割ると、125万円です。
- 月収250万円と聞くのと
- (手取り)月収125万円と聞くのとでは
かな~り印象が違いますね。
税金に詳しい人からは
- 小規模企業共済
- 経営セーフティ
- iDeCo
こういったものを使って所得を減らせとか、法人を作って所得を分散しろとか、色々とアイデアが出てくるでしょう。
社宅や出張手当などを活用すれば、見た目以上にたくさんお金を使うことも可能です。
こういった節税方法は否定しませんし、法人の方が税率が低いのも事実です。とはいえ法人に残した利益もいつかは「個人の財布」に移転しなくてはいけません。
とある税理士さんは「自分の手元にお金を残したければ税金を払うしかない」といっていました。これも事実です。余計なことやると、かえってお金に不自由するんですよね。
手取り年収が1,500万円ということで、仮に生活費を年間500万円とすると、手残りは1,000万円になります。1億円貯金しようと思ったら10年かかりますね。
株式投資をやったり不動産投資をしたりして、相場が良ければ6~8年ぐらいには短縮できるかもしれません。
年収3,000万円という、500人に1人のトップエリートでさえ、1億円という財産を作るのにこれだけ時間がかかるというのはなかなかショッキングですね。
それだけ、日本という国の税負担は重いのです。
と、作家の橘玲氏が言っていましたが、計算してみると納得ですね。
とはいえ、脱税は犯罪です。国税の調査能力はすさまじく、その手を逃れることはほとんど不可能と言って良いでしょう。倫理的にももちろん問題があります。
こういう国では、ほどよい税率のライン(所得税23%のライン)で、時間をかけてゆっくり稼いでいくのが良いのかもしれません。
うん、無理。
それではまたっ!
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